高校時代、普段の行動範囲は半径10キロくらいで車や電車の乗らないことを考えるとなかなか広かった。
もちろん、その多くは歩いたり走ったりしていたわけじゃない。自転車に乗っていた。
自転車に特別なこだわりはなかったが、愛車と呼んで差し支えなかった。

こんなんだったかなあ?もうほとんど記憶にない…
ブリヂストンのロードマン・スカラである。
場末の小さな映画館には、ほとんどこの愛車で乗り付けた。
後輪の泥除けにベターッと貼り付けられていた高校のシールを見られるのが嫌で、映画館から少し離れたスーパーマーケットの駐輪場に停めていた。
映画館で顔馴染みだった三井さん(当時は名前も知らなかった)と社会人になってから偶然再開、年に一度とかのペースで会うようになって、ある日に「三島くんって◉◉高校やったやん。映画館まで10キロはあるやろ、遠いとこから来てるなあって感心しててん」と言われ、びっくりしました。
彼女がタクシーからスーパーの駐輪場に私が入るのを見られてしまっていたのです。「運転手さん、ここで降ろして」と刑事みたいにタクシーを降りて、私の自転車を確認したと言うのです。
三井さんは私の高校を知っていたと言うことです…そんなん、こっちは知らなんだ。
三井さんは「高校生か大学生にしか見えなかったけど、友だち連れてきたことないし。怪しさ満点で興味津々やってん」と言うのですが「怪しさ満点」って、どの口でゆうとんねんと、私は私で彼女のことをヤクザの情夫や覚醒剤の売人、とにかく関わってはいけない人だと確信していました。
ちなみに、この人はCIAかモサドな情報収集能力で、高3の私が出場した駅伝大会に応援に来てたのです。
我が校はずっと入賞もできなかった大会で、1年と2年のときは最長1区を走った私はチームメイトがどんどん抜かれるのをなんとも言えない複雑な気持ちで見ていました。主将はよく知らないくせに、中長距離ブロックにいつもブチ切れていました。
3年の時はチームメイトから距離が短い最終区を走って欲しいとお願いされ優勝できた、思い出深い大会でした。
ゴール付近は関係者が集まってそれなりに賑わっていましたが、OLファッションですらっとした美人でヤクザの情婦か覚醒剤の売人な三井さんは場違いに目立っていて「誰だ?誰だ?誰の知り合いだ?」となって、なぜか私の知り合いだと決めつけられ(いや、まあそうなのだが、この時は名前も知らない)、私が高校に来ないのは「塚口の格安ソープのブローカーをしてるから」という根も歯もない噂に変な説得力を持たれてしまったのでした。
高校生で駅伝大会のアンカー走って、なんでソープのブローカーやねん?それになんで格安がつくねん?とも思いましたが、そんな無責任な噂を知ったのは30年以上後のつい最近のことでした…。
それにしても、三井さんのモサディックなまでの情報収集能力が、なんの手がかりもないはずのおっちゃんの居場所を突き止めるのです。
もちろん、その多くは歩いたり走ったりしていたわけじゃない。自転車に乗っていた。
自転車に特別なこだわりはなかったが、愛車と呼んで差し支えなかった。

こんなんだったかなあ?もうほとんど記憶にない…
ブリヂストンのロードマン・スカラである。
場末の小さな映画館には、ほとんどこの愛車で乗り付けた。
後輪の泥除けにベターッと貼り付けられていた高校のシールを見られるのが嫌で、映画館から少し離れたスーパーマーケットの駐輪場に停めていた。
映画館で顔馴染みだった三井さん(当時は名前も知らなかった)と社会人になってから偶然再開、年に一度とかのペースで会うようになって、ある日に「三島くんって◉◉高校やったやん。映画館まで10キロはあるやろ、遠いとこから来てるなあって感心しててん」と言われ、びっくりしました。
彼女がタクシーからスーパーの駐輪場に私が入るのを見られてしまっていたのです。「運転手さん、ここで降ろして」と刑事みたいにタクシーを降りて、私の自転車を確認したと言うのです。
三井さんは私の高校を知っていたと言うことです…そんなん、こっちは知らなんだ。
三井さんは「高校生か大学生にしか見えなかったけど、友だち連れてきたことないし。怪しさ満点で興味津々やってん」と言うのですが「怪しさ満点」って、どの口でゆうとんねんと、私は私で彼女のことをヤクザの情夫や覚醒剤の売人、とにかく関わってはいけない人だと確信していました。
ちなみに、この人はCIAかモサドな情報収集能力で、高3の私が出場した駅伝大会に応援に来てたのです。
我が校はずっと入賞もできなかった大会で、1年と2年のときは最長1区を走った私はチームメイトがどんどん抜かれるのをなんとも言えない複雑な気持ちで見ていました。主将はよく知らないくせに、中長距離ブロックにいつもブチ切れていました。
3年の時はチームメイトから距離が短い最終区を走って欲しいとお願いされ優勝できた、思い出深い大会でした。
ゴール付近は関係者が集まってそれなりに賑わっていましたが、OLファッションですらっとした美人でヤクザの情婦か覚醒剤の売人な三井さんは場違いに目立っていて「誰だ?誰だ?誰の知り合いだ?」となって、なぜか私の知り合いだと決めつけられ(いや、まあそうなのだが、この時は名前も知らない)、私が高校に来ないのは「塚口の格安ソープのブローカーをしてるから」という根も歯もない噂に変な説得力を持たれてしまったのでした。
高校生で駅伝大会のアンカー走って、なんでソープのブローカーやねん?それになんで格安がつくねん?とも思いましたが、そんな無責任な噂を知ったのは30年以上後のつい最近のことでした…。
それにしても、三井さんのモサディックなまでの情報収集能力が、なんの手がかりもないはずのおっちゃんの居場所を突き止めるのです。
















