フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 世界最強の女

2021年は、クラレッサ・シールズにとって失われた365日だったように見えるかもしれない。

男女通じて史上唯一の五輪2連覇(ロンドン2012〜リオデジャネイロ2016:いずれもミドル級) を成し遂げた彼女は、3月にマリエ・イブ・ディケアーに勝利してジュニアミドル級タイトルを完全コレクション。

ミドル級に続いてジュニアミドル級でもUndisputed Championに就いたのは、Four-Belt Eraでは男女通じて史上初の完全2階級制覇。

男子よりも歴史がない。男子よりも層が薄い。男子よりも注目度や報酬が低いから、選手レベルも低い。男子よりも試合が面白くない…だから、シールズの記録は大したことがない。

そう考えている人は、間違いなく彼女のキャリアを知らず、彼女の試合も見たことがないのだろう。 

この偉業は、五輪2連覇のあと、プロでわずか11戦で成し遂げられたのだ。五輪2連覇は簡単なことか?プロで完全2階級制覇はレベルが低いことか?

そして、彼女の試合は男子よりもアクションが豊富で、おそらくテクニックでも上だ。

しかし、米国ボクシング界は彼女にその実力に見合う評価を全く与えようとはしなかった。

「フロイド・メイウェザーならノックアウトできる」「ゲンナディ・ゴロフキンにも勝てる」。なんとか世間の耳目を引こうとするT-Rexの咆哮は虚しく響くだけだった。
111

もし、彼女が男性なら、正当な評価を得てリングの中で世界中の尊敬と注目を浴びていただろう。

しかし、現実はそうではなかった。

だから…彼女はリングを出て、なんと鉄網のケージの中に入った。

6月にはブリットニー・エルキンを破り、総合格闘技デビュー。4カ月後に再びケージに入ったが、アビゲイル・モンテスにスプリットデジションで敗れた。

「MMAなんて無謀な挑戦。キャリアに傷がついた」という批判もあったが、世界は彼女の勇気をずっと見ていた。 

11月、英国のSky Sports&Boxxerがシールズと大型契約を締結したのだ。

“I knew that I would get paid a million dollars in boxing some way, somehow. And now we’re here.” 
 
「私は不当な扱いを受けていたわけじゃない。私は仕事相手として単純な人間。あなたも約束を守り、私も約束を守る、そこがスタート地点。自分の商品価値には自信を持っていたから、いつか7桁(100万ドル単位)の報酬を手にすることが出来ると信じていた」。

この場所に辿り着くまで、26歳のシールズは臥薪嘗胆の日々を送ってきた。

常識的には、2つの金メダルと、プロで2階級に渡って全てのベルトをコレクションした彼女がわざわざ米国を出る必要はない、と思うだろう。

ここ数年で、女子ボクシングの環境は大きく進歩したが、まだまだ先は長いということを思い知らされた。

シールズ本人は、米国ではなく英国、ヨーロッパが彼女に大きな契約書を持って歩み寄って来たことに驚きや戸惑いはなかった。

「私はHBOで戦い、Showtimeで戦い、DAZNで戦い、Fite TVで戦ってきた。ESPNとPremier Boxing Championsを除いて、あらゆるネットワークで戦ってきた。他の国での契約に迷うことはありえない。私はプロのファイターだから、最も有利で最高の条件を提示したSky Sports&Boxxerと契約するのは当たり前のこと」。

この契約は、1月29日に行われるシールズの完全統一ミドル級タイトルマッチ、エマ・コージン戦からキックオフする。そして、シールズがボクシングのリングで唯一敗れたサバンナ・マーシャル(中国河北省秦皇島市で行われた世界選手権の2回戦)とのメガファイトも包含されている。

「私のジョージ・フォアマンは、サバンナ・マーシャル。モハメド・アリにジョージ・フォアマンが必要だったように、私にはマーシャルが必要。ボクシングに絶対必要なのは、ライバル。さらに女子ボクシングが人気の英国では米国との決戦は特に盛り上がるから、ワクワクしている。英国に対して米国が一番強いということを見せつけることが出来たら最高」。

アリ対フレイジャーは史上最も有名なトリオロジーだったが、サバンナ戦は1戦限りの大勝負になるのか?と聞かれたT-Rexは「マーシャルを粉砕して、再戦を叫んだ彼女を返り討ちにするのもありだが、そうはならない。再戦の興味を失うような内容になるから」と圧倒的な自信を見せた。

「マーシャルを倒して 160ポンドのUndisputed Championに戻る。とりあえずはエマ・コージン戦。彼女は21勝11KO1分で、勢いの乗っている。素晴らしい試合になると思う」。
xZTFmXkEyjMwMTM._V1_
「2021年は私にとって本当に良い年だった。私は24時間365日トレーニングを続けた。2階級で完全統一王者になり、MMAでも素晴らしい体験ができた。そしてボクシングに戻って、7桁の契約にサインしたばかり。来年には「LOLA2」(ロイ・ジョーンズJr.も本人役で出演するボクシング映画)も公開される。いくつかのスポンサーシップの契約も舞い込んでいる。2020年に比べたら本当に素晴らしい1年だった。ずっと我慢して、なんとかどうにか、今ここに辿り着いた。お楽しみはこれからだ」。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

街はすっかりクリスマスモードですが、偉大なカザフスタン人の来日が怪しくなった現実から、目を逸らそうとしています…。
IMG_6617

またまた、NHKの番組の話。

昨夜放送の「千鳥のスポーツ立志伝」。

ご登場は東京2020、この夏最も輝いたヒロインの入江聖奈です。

「おでこを打つことで相手の顔が跳ね上がるからポイントになりやすい」という、ダメージを与えるよりも3分3ラウンドでどれだけジャッジに好印象を与えるかを考え抜いていた入江。

以前から、主審への挨拶や注意を受けたときに深くお辞儀するのも反省の態度を強調するためだと語っていましたから、ジャッジの心象を意識したこの姿勢は技術も含めて徹底、一貫したものでした。

という話はさておき、気になったことがありました。

入江がボクシングを始めたきっかけは母親の漫画コレクションにあった「がんばれ元気」という有名なエピソードはまだしも、尊敬していたのは具志堅用高や勇利アルバチャコフだったという〝時間の歪み〟です。

2000年生まれ21歳の〝全米〟を泣かせたヒロインが90年代に活躍したアルバチャコフはもちろん、70年代の具志堅の勇姿をリアルタイムで見ていたわけがありません。

具志堅は入江が中学生のときに米子に来て、ボクシングを指導したと言いますが、幼少期にクジで嵐のクリアファイルが当たって「具志堅が良かった」と泣いた、小学生時代に尊敬する人・大好きな人を書く課題で「勇利アルバチャコフ」と筆記した話からは、もっと以前に〝何か〟があったように思われます。

どうして、長谷川穂積や西岡利晃ではなかったのか?あるいはマニー・パッキャオではなかったのか?

この夏、日本中に知れ渡ったように、対戦相手との空間を巧みに支配する世界最高のジャバーは独自の世界観を持っています。

きっと、彼女は時空を翔ることもできるのでしょう。

2000年生まれの入江が「がんばれ元気」に触発されたように、具志堅や勇利に憧れたのも、常人には分からない仕掛けがあったのかもしれません。

しかし、この番組の中で一番身を乗り出して聞いた入江の言葉は「ボクシングは大学で引退」とこれまでと変わらない方針を語った一方で「でも私、気まぐれだからわかりません」と、微妙な心境の変化を口にしたことでした。


そうか「大学で絶対引退」じゃないんだ…。

後世、女子プロボクシングを超メジャーにした入江聖奈が「東京2020で金メダリストだった」のはトリビアになってるかもしれません。

夢やお金のために、周囲がいろんなことを持ちかけ、囁いているのでしょう。

でも、正解はたった一つ。

入江が選んだ道が正解です。

ゆっくり決めたらいいのです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

英国のSportsPro.がランキングする「50MM Athlete」(MMMost Marketable=最も商業的価値の高い)で、大坂なおみが世界2位の評価を受けました。

アスリートの商業価値を測るニールセン等のメソッドを活用したこのランキングは、今回で12回目の発表。

昨年はライアン・ガルシアが12位、アンソニー・ジョシュア31位、タイソン・フューリー32位と「50MM Athlete」に3人のボクサーがランクインしています。
スクリーンショット 2021-09-02 0.47.35
タイム誌やCNNなど米国一般メディアはもちろん、英国やフランス、ドイツの大手メディアでも大きく取り上げられ続ける大坂は、世界目線では問答無用、もはや議論する余地もない日本史上最高アスリートです。

もちろん「世界からの注目」という点で大坂は史上最強ですが、日本国内を熱狂させたか?となると四大大会優勝経験ゼロの錦織圭にも及びません。

日本列島を熱狂させたという点では長嶋茂雄や力道山が双璧でしょうか。

さて、このランキング、ロンドン発にもかかわらず米国におもねったメンツが並んでいます。

1位はシモーン・バイルス(米国・女子体操)、2位が大坂、3位にアシュリン・ハリス(米国・女子サッカー)と女子アスリートがトップ3を独占。

そして4位がカネロ・アルバレス、つまり男子では1位。カネロが商業的に男子トップというのは、意外です。

昨年のフォーブス・アスリート長者番付ではランク外に落ちたカネロを圧倒したアンソニー・ジョシュアは、50位内に食い込めず75位。

ガーボンタ・デービスが89位に入ってるのを見つけた途端に怪しさが漂い始めますが、50MM Athlete=50位以内=の名前を見れば「商業的」という点からは妥当なランキングに見えます。

格闘技界からは、カネロに次いでコナー・マクレガーが56位。

50MM Athleteの競技ベル内訳をみると、50人中なんと女子サッカーが8人もランクイン。トップテンに送り込んだ3人はいずれも米国女子サッカーです。

こういうガチのスポーツセレブ・ランキングでは、昨夜激闘を繰り広げた井岡一翔や、井上尚弥はもちろん、村田諒太もお呼びじゃありません。

ランク外の大谷翔平は近い将来、来年にもトップ戦線に躍り出そうです。というか、来年はいきなり1位でも全く不思議じゃありません。フォープス長者番付でも1位になる日が近いでしょう。

欧米での関心が絶望的に低いボクシング軽量級の井岡と井上では、1000位まで発表しても完全圏外。欧米での商業的価値・需要はほとんどゼロなのですから仕方がありません。

特に日本人軽量級には、野球やサッカーのように米国や欧州に華やかな本場は存在しないのが現実です。




さて「商業価値」がモノサシということは、パックメイの評価はどうなるのか…?!2人が長者番付を圧倒した2015年の非常に興味深いanalysisは次回に。

100位までのリストはこちら↓
スクリーンショット 2021-09-02 1.20.31https://50mm.sportspromedia.com/wp-content/uploads/2021/08/SP-50MM-21-PDF-Download-ATHLETES.pdf 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スポーツに順位づけなどしてはいけない!みんな頑張ってるんだ!ましてや違うスポーツを比べるなんて全く意味がない!スポーツへの侮辱だ!

…なんて人はここで読むのをやめましょう。
IMG_6002 (2)
◉姚明=2002年のNBAドラフト全体1位でヒューストン・ロケッツに指名された身長229cm、体重141kgの「NBAの大巨人」。フロイド・メイウェザーが「アジア人だから過大評価されている」と嫉妬した背番号11はロケッツの永久欠番。

◉王建民=2006〜07年に2シーズン連続19勝のアジア最多勝をマークしたニューヨーク・ヤンキースのエース 。MLBで最も大きな爪痕を残したアジア人投手。シーズン19勝はまだしも、2シーズン合算38勝は不滅の大記録か?

◉イチロー=言わずと知れたアジア最高の安打製造機。MLBシーズン最多安打記録(262)、10年連続200安打、ゴールドグラブ賞。アジア初の一発殿堂も満票かどうかが焦点というグレート。

◉マニー・パッキャオ=ボクシング史上唯一無二の8階級制覇とリネラル王者5階級制覇を成し遂げた番狂わせメーカー。全盛期はフォーブスのアスリート長者番付の常連で、最高2位は、今年の大坂なおみの12位を大きく引き離すアジア史上トップ。。

◉蘇炳添=東京2020の100m準決勝で9秒83のアジア記録。決勝では6位に終わったものの、世界中が注目する種目で、もし金メダルならアジア最強アスリート?
1920x0
IMG_3857
◉大坂なおみ=グランドスラム通算4勝、議論する余地のないアジア史上最強のテニスプレイヤー。フォーブスのアスリート長者番付12位は世界女子史上最高で、男子を含めても日本最高位。世界のメジャースポーツという観点では、文句無しのアジア最強アスリート。

IMG_6004 (1)

◉大谷翔平=ベーブ・ルースの記録を軽々と塗り替え続ける驚異の二刀流。今季は10勝50本塁打20盗塁を視野に入れている。世界的にはメジャースポーツとは逆立ちしても言えない野球だが、もし、27歳の彼にとって今季がキャリアハイでないとしたら…私たちは、さらに恐ろしい未来を楽しめることになる。


…岩手県のアンテナショップ・銀河ぷらざで買った「大谷翔平バージョン・アクエリアス」を、夏休みが終わりに近づきドンヨリしている近所の野球少年たちに配ったら大喜びしてくれました。

パッキャオのメガファイトではテカテビールの特別プリント版がPPV購入者にプレゼントされたりするのですが、今もあるのだろうか?ヨルデニス・ウガスもプリントされた缶ビール…よくよく考えると、貴重です。

酔っ払いながら書いてしまって、きっとビッグネームを失念してる気がします。

ラグビーとクリケットでスーパースターを輩出しているオセアニアとインドは抜きにして、思いつくアスリートがいたらご指摘ください。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

誰にでも、思い入れのあるアスリートがいるでしょう。

多くの場合、その理由は彼らがまだ若い学生時代からその才能と活躍を目にしてきたからです。

甲子園のヒーローが、プロで格別の注目を浴びるように。

海外のアスリートの場合、私たちが彼らを目撃するのは世界戦線に躍り出てからです。

桁外れに早熟の天才でない限り、この意味での思い入れのあるアスリートはまず出現してくれません。

また、実際には学生であってもその才能があまりに眩しくて、学生という性格をほとんど感じることができないケースがほとんどです。

彼らは例外なく怪物だからです。

怪物が学校に通って授業を受けるとか、食堂で友達と冗談を言い合うとか、甲子園のヒーローならまだしも海外の怪物アスリートでは想像しにくいということもあります。

しかし、どんな事例にも必ず例外があります。

アリソン・フェリックスは、そんな稀有なサンプルです。
i

FullSizeRender
ESPNマガジンの「この20年間で最も支配的だったアスリート20人」にも数えられたアリソン。陸上競技で選ばれたのは、彼女とウサイン・ボルトだけでした。

ちなみにボクシングでも、メイパックの2人だけ。

まだ高校生だった少女が、マリオン・ジョーンズの持つ200メートルジュニア記録を更新したというニュースが飛び込んできたのは2004年でしたから、もう17年も前です。

その年に開催されたアテネ2004で、現役女子高生は評判通りの強さを見せてベロニカ・キャンベルに次ぐ2位、銀メダルに輝きます。

ゴールした後の柔らかい物腰に、お洒落な髪型、走ることを目一杯楽しんでいた彼女は普通の明るい高校生、とても怪物には見えませんでした。

当時、その後陸上競技をやることになるうちの子供とアテネのアリソンを応援した記憶があるのですが、それは私の記憶違いです。

アリソンよりも12歳年下の娘は当時、まだ6歳。一緒に五輪中継を長々と見る年齢ではありません。

娘から「2011年の大邱・世界陸上と翌年の2012ロンドンがアリソンをちゃんと応援してたときだ」と指摘されました。

世界デビュー当時から米国のアイドル、モデルの仕事もこなしていた彼女。

私はそんなアリソンの輝きを見ながら「陸上競技を長くは続けないだろうな」と勝手に決めつけていました。

しかし、陸上ファンは一人の怪物が少女から素敵な大人に、そして逞しい母親になるまでを見る幸運に恵まれました。

35歳になったアリソンは女子最多の6個の金メダルをコレクション。

東京2020でも400メートルで銅メダル。メダルの総数は10個と、カール・ルイスの最多記録に並びました。

そして今回のレースです。

ライバルたちを競り落とす絶妙に滑らかなコーナリングは高校生のときと変わらないように見えましたが、以前とは違いコーナーを抜けても先行するランナーを追いかける苦しい展開。

年齢を重ねるということは、そういうことです。

それでも、粘って3位に食い込みました。49秒46のシーズンベストを五輪決勝で持ってくる、何という勝負強さ!

年齢を重ねて、アスリートととして熟成されるとは、こういうことです。

「オリンピックは東京が最後」と美しく笑うアリソンですが「オリンピックは」ということは、来年の世界陸上には出場する気でしょう。

開催地は母国アメリカのオレゴン州。最後の勇姿を刻むのにこれ以上の場所はありません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

今年のフォープスのアスリート長者番付で一番目を引いたのは、コナー・マクレガーの1位です。

収入は1億8000万ドル!

約200億円を稼ぎだしましたが、その大半は自身が所有するウイスキー「Proper12」の売却益。なんか違う気もしますが、それもあり、なんです。
FullSizeRender
   黒豚つけ麺。980円。

そして、特に女子でテニス選手が圧倒的な存在感を見せたことは今年も相変わらず。

今に始まったことではありませんが、ここ数年で女子テニスの席捲ぶりは目を見張るものがあります。

アスリートの世界でも、男女の報酬格差は歴然としています。

女子サッカーのアレックス・モーガンは米国で最も稼ぐフットボーラーですが、クリスチャーノ・ロナウドやリオネル・メッシらとは桁違いに低い報酬に甘んじています。

ボクシングやバスケットボール、ゴルフでも、報酬の男女差は絶望的なまでに存在しているのが、現実です。

しかし、テニスにおいてはこの格差は一気に縮小。

日本では大坂なおみが男女アスリート合わせてもトップの報酬を得ています。
20190124-00000105-mai-000-3-view
テニスのアドバンテージは三つあります。

▶︎一つ目は欧米や日本、中国などの富裕国で押し並べて人気があること。

「富裕国人気」の点では、米国という巨大市場に完全に入り込めていないサッカーを上回ります。


▶︎二つ目はゴルフほどではないにせよ、ウエアやラケットなどのギアが一般にも広く販売される土壌があること。

老若男女問わず、気軽にできる環境が整っているテニスは、特別なスポーツです。

製品売り上げに直結するため、他のスポーツと比べてスポンサー収入は莫大な金額になります。


▶︎そして、三つ目は選手報酬で男女差が実質解消されていることです。

4大大会では1973年の全米オープンから〝男女平等〟に、2007年からは残る3大会でも男女同額となりました。

メジャー大会での報酬で男女平等を実現したテニスで、富裕国のスポンサーが集まる大坂が最も稼ぐ女子アスリートにあっさり駆け上がったのは、ある意味で当然の帰結でした。

テニス同様に、報酬や人気で男女格差が小さいゴルフに女子の若い才能が次々に爆発しているのには、はっきりと示された〝導火線〟があるからです。

テニスとゴルフ、この2つのスポーツでは世界はもちろん、日本からもスーパースターと呼ぶにふさわしい女子アスリートがこれからも生まれ続けるでしょう。

その反面、これまで女子の才能を受け入れてきたバレーボールやソフトボール、柔道、陸上競技などの〝儲からない五輪種目〟離れは、今以上に進んでしまうかもしれません。


「大坂なおみ」が何人も出現するのは、日本のスポーツ界にとって素晴らしいことです。

願わくば幅広いスポーツを舞台にして、その夢が実現できたなら、本当に最高です。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

IMG_5693
今日は北海道産のミズタコ。

酒の肴にタコ。私の中ではオールタイムのPFP最強です。

そして、今日、もしかしたら本当の意味でのPFPキングが大きな勝利を逆転で手繰り寄せました。

4団体完全統一女子ミドル級王者クラレッサ・シールズがMMAデビューを勝利で飾りました。

ライト級3分3ラウンドでブリトニー・エルキンと対戦。1、2回はエルキンにテークダウンを許し、ケージに押し込まれる展開。

しかし最終第3ラウンド。連打で活路を開いたかと思いきやテークダウンを狙われてしまいます。

しかし、これが幸い。サイドからマウントへ。エルキンの顔面に連打を叩きつけて、1分44秒レフェリーストップ。

シールズの挑戦は、フロイド・メイウェザーやマイク・タイソンらがボクシングの名を騙って繰り広げる下劣な茶番劇とは一線も二線も画します。

五輪2大会連続金メダルは、米国史上初の快挙。プロでジュニアミドル〜ミドル〜スーパーミドルの3階級制覇、ジュニアミドルとミドルで完全統一王者、Undisputed Championに輝いています。

シールズがオスのT-REXだったなら、カネロ・アルバレスを粉砕して米国ボクシングの救世主になっていたのは間違いありません。
i

A Place in the Sun、陽の当たる場所へ。

「女子ではボクシングはMMA以下の報酬と注目度。そこで泣いてたって始まらない。始めるにはそこ、オクタゴンに行って勝ちまくるしかない」。

シールズの挑戦は「那須川天心」に相似します。

また、狭量な米国市場では井上尚弥ともオーバーラップします。

勇気あるチャレンジを躊躇なく選ぶシールズ、圧倒的なパワーで対戦相手をなぎ倒し続ける井上尚弥。

彼らが無視される理由は「女子ボクシング」だから「バンタム級」の「アジア人」だから、です。

シールズが「男子」なら。井上が「ウェルター級」なら。話は180度変わってきます。
IMG_5694
ロマゴンは2年間もPFP1位に君臨しても、米国での知名度や報酬はその評価に反映されることはありませんでした。それはリング誌をカバーしたシールズや井上も全く同じです(シールズの方が100倍以上有名ですが、そもそもの分母がミクロ…)。

昨年の大晦日「井岡一翔vs田中恒成」の試合が米国で見ることができないことに苛立ったマニアたちが「みんなどこで見てるんだ?」と書き込んでいました。

「有料の日本のテレビ視聴チャンネルに加入したら見れる」と教えられても「有料か?」と諦めた彼らも、YouTubeにあがった試合を見て「7ドルをケチってすごい試合を見逃した」と後悔していました。

超少数ですがそんなマニアもいます。

勇気の塊のシールズ、どう見ても重量級より面白い軽量級。

「誰が描いたかによってその作品の価値が決まる世界」はクソ食らえです。


「お前の大好きなパッキャオはその〝お偉い誰か〟になっちゃってるじゃないか」と言うかもしれませんが、それは別じゃ。

その意味では「俺はパッキャオ信者じゃない、マニアだ」というのは違うかもしれません。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

LIFE IS CRAZY 2021


2020年に続いて、今年もまた、世界中の人々にとって困難な時代が続いています。

普通の生活に戻れると思うと、すぐに急ブレーキをかけなければならない日常の中、ブルックリンを拠点とする39歳の拳闘家が4月23日にリングに戻ってきます。
Screen-Shot-2021-04-07-at-10.43.41-AM-1


ヘザー・ハーディーもまた、新しい日常の中でリングに向かうことを余儀なくされているのです。

ワクチン接種に副作用で試合を中止しなければならなかったが、モハメド・アリも汗を流したブルックリンにある伝説のジム、グリーソンズ・ジムで4月6日から練習を再開しています。

ルウ・ディベラは〝The Heat〟ハーディの復帰戦を5月下旬に計画していますが、米国屈指の人気ボクサーは「具体的には何も聞いていない。火曜日に練習再開できたばかりなのに!?今年も波乱の一年になりそう」。

ハーディーは2019年9月13日にアマンダ・セラノに敗れて世界フェザー級タイトルを失い、ドーピング検査で禁止薬物(利尿作用があるフルミセド)が検出。

ニューヨーク州アスレティック・コミッションからライセンス停止6ヶ月と罰金1万ドルを科せられてしまい、復帰に向けての準備を進めていたところに新型コロナの問題に直面しました。

「生理痛の薬に含まれていた」と釈明していますが、服用している薬品・サプリメントの事前申請はしていなかったというからお粗末です。

スクリーンショット 2019-01-06 1.17.36
https://fushiananome.blog.jp/archives/14948488.html

ハーディは、高校生の娘がいるシングルマザー。

「格闘家に失業保険はない。戦わなければお金が入ってこないし、副作用がひどくていつ救急病室に担ぎ込まれるか心配だった。それでも今はアレルギー症状が出る程度で早くリングに戻りたい」。

試合は前倒しされ、4月23日に決定しました。



彼女のセルフプロデュースの能力は、日本のボクサーも含めた女子格闘技選手の教科書の一つになると思います。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2019年1月19日、彼女は白血病だと公表しました。


日本選手権などの公式競技会への参加を全てキャンセル、療養生活に入りました。


正直、どうして彼女が、と神様を恨みました。


小さな頃から競泳に励んで、類まれなる才能と、それ以上に人並み外れた努力を重ね、自国開催のオリンピックで金メダル最右翼と考えられていたというのに。


当時18歳の彼女にとって、競泳は、人生の全てだったでしょう。


それを、人生の全てを、最悪のタイミングで奪われたのです。


失礼千万な話ですが、私は、彼女が力強く生きるだけで、同じ病気の人を勇気付けることができる、それは五輪で金メダルを獲ることより遥かに素晴らしいことだと思っていました。


そう思うようにしていました。


この日本選手権でも、彼女が戦うだけで、美しく素晴らしく、もう最高に感動的でした。

解説者の「(100mの)優勝は難しいでしょうが、頑張ってほしい」というフシ穴コメントにも、頷いて聞いていました。



でも、全て、私たちの勘違いでした。



神様ですら彼女から競泳を奪うことは出来なかったのです。



なんという人間でしょうか。


「派遣は切れたんですけど、代表に入れるかはまだ分からないので。100の自由形も残っていますし、あと3本あるので。気を抜かずに頑張りたい」。



神様が、どうして、彼女に挑もうとしたのか、その理由が、少しだけ、わかった気になりました。
IMG_5381

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

東京2020まで、あと365日、あと1年。

絶対、今年できる、そう信じていましたが。


昨日、池江璃花子選手を全面に使ったイベントには、正直、少しだけ違和感もありました。

現役バリバリのアスリートに、アンバサダーやメッセンジャーの役割を背負わせるのは如何なものか、と思いました。

まあ、でも、あれを見てしまうと。

彼女にしかできない役割です。

今月20歳になったばかりの彼女にしか、こんな大役はつとめられないと、感動しました。

すごいな、20歳で。

そして、今日。一般各紙の一面広告。
IMG_4102
ぐちゃぐちゃで見にくいかもしれません。野球部バカ中学生たちとの勉強会で使い「+1」について語ったもので…。


「その炎はまだ消えていない。」というキャッチコピーは、正直、虚しく響きます。来年のことなんて、鬼も神も、誰も保証してくれません。

「1年延期」なんて「絶対的な中止」を先延ばしするだけの、見苦しいイクスキューズだと、多くの人が気づいてしまっています。

でも、これが効いています。

「+1」 。

素晴らしい広告です。

誰もが「ー(マイナス)1」としか、受け止めることができない、この悲惨な状況を「+1」と、打ち出したなんて、さすがです。

誰もが「ー(マイナス)1」と受け止めていた、というのは、正確ではありません。

なぜなら、そう考えることは、誰もがいけないことだ、前を向かなきゃ、とそんなことは心の中で思っても、絶対口に出してはいけない、そう封じこんでいたからです。

この1年はマイナスでも、失われた1年でも、ありません。強がりではありません、絶対にそうです。

そうです。

「+1」。

そうだったんです。 

ボクシング界以上に腐ってる広告業界でも、たまには、感動させてくれます。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ