フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 人気階級で旋風を巻き起こすのだ!

23歳の那須川天心と、30歳の武尊。

二人の未来に、今日この日よりも大きな舞台があるのでしょうか?

天心は〝泪橋〟を逆に渡ります。

武尊はその橋を渡らずとも、ある意味で〝逆に〟渡るしかそのキャリアを〝清算〟できない場所まで追い込まれました。

天心がボクシングのどのクラスで戦うのかは、わかりません。

しかし、それは少なくともフェザー級(126ポンド)以上でなければ、泪橋を渡った意味がありません。

126ポンドでも、今日の東京ドームを超える舞台はありえないでしょう。

まだ、23歳。 

今日の試合で、ジャブをはじめボクシング技術が 優れて見えたのは、相手が稚拙だっただけですが、それでも可能性があります。

もうすでに、一度、彼はウェルター級のボクシングマッチを経験しています。

キックと同じ、国内限定人気のバンタム級やジュニアフェザー級で挑戦するなら、その先は今夜の東京ドームもままなりません。
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日本時間の今日早朝、IBFジュニアライト級王者・尾川堅一がジョー・コルディナの右ストレート一撃で沈められてしまいました。

日本人にとって130ポンド、ジュニアライト級は、直下のフェザー級が継続的に世界王者を生み出すことができていませんが、世界王者を輩出してきた「上限階級」です。

これまでも1967年に沼田義明がフラッシュ・エロルデを攻略してUndisputed Jr.Lightweight championに就いて以来、小林弘、柴田国明、上原康恒、畑山隆則、粟生隆寛、内山高志、三浦隆司、伊藤雅雪、そして尾川堅一と55年間で10人の世界王者をリレーしてきました。

尾川は短命王者になってしまいましたが、上原と伊藤に並ぶ米国で王者獲得した印象に残るチャンピオンでした。

この〝伝統〟のジュニアライト級、尾川の他には主要団体で世界ランキングに食い込めていません。

「11人目」の誕生は、しばらく先の未来になりそうな気配です。
  
105
 
  階級世界の
競技人口
日本の
競技人口
 
 1ストロー20859 
 2ジュニアフライ34152 
 3フライ64681 
 4ジュニアバンタム665114 
 5バンタム879117 
 6ジュニアフェザー1218125 
 7フェザー1447111 
 8ジュニアライト1520132 
 9ライト215175 
 10ジュニアウェルター205581 
 11ウェルター198966 
 12ジュニアミドル191321 
 13ミドル146128 
 14スーパーミドル13766 
 15ライトヘビー11830 
 16クルーザー11250 
 17ヘビー12853 
      
今日6月5日現在の世界と日本の階級別競技人口です(BoxRecより)。

日本はストロー級からジュニアフェザー級までの6階級で、世界の10%以上を占める軽量級大国であることがわかります。 

この10%ラインを割り込むフェザー級から、日本人の世界王者獲得の難易度は跳ね上がってしまいます。

それでも、日本ではジュニアライト級は全階級を通じて最も層が厚いクラスの一つです(今日の数字では一番)。

ジュニアフェザー以下の超軽量級では常時複数の世界ランカーが見つけることができるのに対して、フェザー以上になると王者はもちろん、アルファベット団体のランカーすら見当たらないことも珍しくありません。

ましてや、リング誌やESPNのまともな世界ランキングにおいてはフェザー級でランクされたら、マニアにとってはニュースです。

ストロー、ジュニアフライよりも競技人口が多く、オリジナル8の長い歴史的付き合いがあるはずのウェルター級では未だに一人のアルファベット王者すら生み出せていないという悲劇的な状況が続いています。 

「日本人の体格が貧弱だから」というのは、競技人口の分布からは理由になりません。

「世界のレベルが上がる」「欧米の富裕国で人気がある」から「日本の思い通りにタイトルをコントロール出来ない」 「必然的に挑戦のチャンスも激減する」ということです。

現在7位までしか日本ランキングを形成出来ないウェルター級では、そもそも世界と戦う態勢が整っていないとも言えますが、この階級で王者を出せない最大の理由は「世界の壁が高すぎる」のではなく「挑戦チャンスが少なすぎる」ということです。



4月8日まで、日本の最重量王者はミドル級の村田諒太でした。

しかし、今朝、尾川が王座を追われて、わずか2ヶ月足らずで最重量王者はバンタム級の井上尚弥になってしまいました。

栄養事情が劣悪でだった半世紀以上も前よりも、ことボクシングのトップシーンに限っては日本人の体格はより矮小になっています。

このまま、日本の世界王者はどんどん小さくなっていくのでしょうか?
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June 4: Melbourne (ESPN)


12 rounds, for the undisputed lightweight title

 リング誌/WBA/IBF/WBO王者ジョージ・カンボソスJr.と、WBC王者デビン・ヘイニーの激突。この試合の勝者が「 Undisputed Lightweight champion=議論する余地のない世界王者」の座に就きます。

さて、前日計量。

28歳のオージーが135.36ポンドで、まさかの体重超過。

「これは心理戦。もう試合は始まってるんだぜ」と、体重超過は陽動作戦だというカンボソスですが、だったら言っちゃダメでしょう。

わずか0.36ポンドとはいえ、わざと体重超過するなんて考えられません。

2度目の計量は134.49ポンド、余裕でクリアしました。

134.92ポンド、一発クリアで秤を降りた23歳のWBC王者は「彼が脱水症状だとか、それは心理戦だとかどうでも良いこと。私が真のチャンピオン。彼と戦って勝つ、それだけのこと」。

無敗対決でUndisputed  championが決まる。最高のシチュエーションのはずですが、その高揚が物足りなく感じるのは私だけではないでしょう。

現在のライト級はベルトをコレクションするだけでは形式上のUndisputed championにはなれても、議論する余地が残された強豪が残されているからです。

本当ならヘイニーではなく、カンボソスの相手はワシル・ロマチェンコでした。34歳のウクライナ人が今なおクラス最強と信じている専門家やファンは少数派ではありません。

セカンドタイトルホルダーながら、27歳のタンク・デービスも最強候補の一人。人気だけなら23歳の〝キング・ライアン〟ガルシアが最右翼に陣取っています。
 
ライト級、130ポンド61.2㎏。

今日のBoxRecデータによると日本人の競技人口はちょうど100人。フライ級が81人、ジュニアバンタム級が114人、バンタム級が117人という数字と比べても、日本人が世界戦線に食い込んで欲しいクラスです。

もちろん、世界のレベルはフェザー以下の階級とは次元が違います。注目度やファイトマネーの風景も、ライト級から変わってきます。

現在、アルファベット団体のランキングでは吉野修一郎が食い込んでいますが、リング誌やESPNのまともなランキングでは日本人の名前はありません。

人気階級で旋風を巻き起こす日本人の登場を熱望しています。

 
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Saturday 4, June 2022
Motorpoint Arena, Cardiff, Wales, United Kingdom  

Super Feather Contest, 12 Rounds

International Boxing Federation World Super Feather Title


村田諒太がWBAミドル(160ポンド)級のストラップを失ってしまい、日本最重量の世界王者はジュニアライト(130ポンド)級の尾川堅一になりました。

三番目の最重量王者はバンタム(118ポンド)級の井上尚弥。

尾川のジュニアライト級は単純な競技人口(今日現在)では17階級中5位で、村田のミドル級(6位)を僅差でかわしています。 

ボオクシングの場合の競技人口は、階級の攻略難易度やファイトマネーに必ずしも直結しません。

例えば7位フェザー級は8位スーパーミドル級や9位ヘビー級、11位ライトヘビー級、12位クルーザー級よりも競技人口が多いから、レベルもファイトマネーも高い、なんて誰も考えていないでしょう。
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 軽量級は発展途上国、貧しい国の選手が多くファイトマネーも少ない。重量級は富裕国で大きな興行が打てる。

日本を例外に、富裕国で軽量級の人気が高い国はありません。とはいえ、日本や途上国でも欧米への憧れからミドル級やヘビー級への人気は強烈です。

井上尚弥がミドル級やウェルター級で同じパフォーマンスを見せていたら、それこそ「ボクシング界の大谷翔平」でしたが、現実は米国では注目されることのない、需要もないバンタム級。

フライ級やバンタム級を「伝統」「黄金」と呼んでいるのは、手の届かない欧米の人気階級を見ないようにしているから、だけです。

本当は、日本人もウェルター級やミドル級、ヘビー級を伝統にしたいし、そこで活躍するファイターを待ち焦がれているのです。

尾川のジュニアライトは、これまでも多くの日本人王者を輩出してきた「伝統」の階級です。

人気階級と言い切ることはできないかもしれませんが、人気階級への登竜門とは呼べるでしょう。

この玉座に就いた日本人は沼田義明、小林弘、上原康恒、畑山隆則、ホルヘ・リナレス、粟生隆寛、内山高志、三浦隆司、伊藤雅雪…強烈な面々です。

そして10人目が尾川。
 

現在のジュニアライト級シーンは、PFP入り目前のシャクール・スティーブンソンがリング誌+WBO+WBCの3つのベルトを掌握。
                   ****** 

Junior lightweight (130 lbs.)

RING:Shakur Stevenson

WBO:
 Shakur Stevenson

IBF: Kenichi Ogawa

WBA: Roger Gutierrez

WBC: Shakur Stevenson 
 
                   *******

ライト級進出も噂されるスティーブンソンですが、本人は「まず、Undisputed champion(完全統一王者)になりたい」とこのクラスでのベルトコレクションに意欲を見せています。

尾川には、敵地英国でコルディナに明白な勝利を収めて、スティーブンソン戦をコールして欲しいです!

日米サウスポー対決、実現となると舞台は米国、オッズも予想も圧倒的不利でしょうが、大方の見立てを裏切る面白い対決になると思います。
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Saturday, May 7th clash in Las Vegas’ T-Mobile Arena 

World Boxing Association World Light Heavy Title


昨日行われた最終記者会見。

両選手・陣営とも刺激的なトラッシュトークはなく、悪い意味で地味に進行した印象でした。
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かつて「リングの中で戦うのに英語は要らない」と野茂英雄みたいなことを言っていたカネロですが、ここ数試合で英語は随分流暢になりました。

「シンコ・デ・マヨの週末に試合ができることを誇りに思う。メキシコを代表して戦うんだと、強い気持ちでいる。ビボルは素晴らしい世界チャンピオンでアマチュア時代から豊富な経験を積んできた手強い相手」。

一方のビボルも、丁寧に一語一句をかみしめるように英語で質疑応答。

「本当に大きなチャンスをつかむことが出来た。この幸運に感謝したい。この数年間、陣営といつも夢見ていた試合が現実になっった。素晴らしい試合をお見せする。このスポーツに5歳のときから打ち込んできた。16歳で2度目のアマチュア世界王者になった。そしてプロで19試合、全て勝利を収めて私は世界王者。週末の試合、勝利しかイメージできない」。

オッズは5-1で、ホームのカネロが圧倒的有利。

カネロのKO勝ちは5/2(3.5倍)、ビボル15/2(8.5倍)。

「カネロが終盤ストップする」という専門家予想と同じく、オッズでも第8〜第10ラウンドでカネロがKOする賭け率が19倍で最も低く、大穴はビボルの1ラウンドKO勝ちで101倍。

5-1レベルのオッズが引っくり返されるのは珍しいことではありませんが…そのフェイバリットがカネロとなると、これまで何度も繰り返された不可解なジャッジも考慮すると100-1レベルに思えてしまいます。
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IBFジュニアライト級王者・尾川堅一の初防衛戦が決まりました。

元英連邦ライト級王者・現WBAジュニアライト級大陸王者ジョー・コルディナ、 30歳の英国ウェールズ人です。

6月4日、ウェールズの首都カーディフのモーターポイントアリーナ。完全敵地です。

アマチュア時代は激戦区ライト級(60㎏)が主戦場。

2014年の英連邦大会では銅メダルを獲得。3大会連続出場となった世界選手権2015年大会(カタール・ドーハ)では3回戦でロブソン・コンセイサンに完敗。2016年リオデジャネイロ五輪ライト級で2回戦敗退。

エリートアマと呼ぶには微妙ですが、2017年にマッチルームと契約してプロ転向。ここまで17戦全勝8KO。帝拳をもってしても日本に引っ張り込めなかったのかもしれません。

“This is it for Joe Cordina – the opportunity of a lifetime and his moment of truth, said Matchroom Sport Chairman Eddie Hearn.

これはジョー・コルディナのための試合。一世一代の大チャンスを彼はモノにするだろう〜エディー・ハーン

“I’ve dedicated my entire life to boxing and to putting myself in this position, said Cordina. Now it all comes down to this opportunity, my world title shot.

私は人生の全てをボクシングに賭けてきた。そしてついにこの場所に辿り着いたんだ。そう、世界王者になるチャンスを掴み獲ったんだ。


同胞のギャビン・グウェイン、ベルギー王者/IBO大陸王者ミコ・ハチャリャンといった欧州レベルの無敗選手を競り落としてきましたが、17試合のプロキャリアで、世界的な強豪との手合わせはありません。

コルディナが変則で踏み込みの速いサウスポーの尾川をコントロールできるとは思えないとはいえ、微妙なラウンドは全部持っていかれるでしょう。

尾川には、タイトルを奪取したアジンガ・フジレ戦と同じような文句無しのパフォーマンスが求められます。

同門帝拳のホルヘ・リナレスがやってのけたように、英国のシナリオを引き裂いてやりましょう。「今夜は尾川が強かった」とエディー・ハーンを泣きっ面にしてあげましょう。

尾川もマッチルーム、ハーンにとっては、二人のうちどちらがシャクール・スティーブンソンに送り込む刺客にふさわしいのか、お手並み拝見というところかもしれません…。
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モーターポイントアリーナはキャパ7500人。市街地に運河を引く計画が実現すると、取り壊し・移転で1万5000人収容の巨大アリーナになる予定です。

日本で超軽量級やスターになると難しいですが、世界を転戦する戦うチャンピオン、格好良いです。



JUNIOR LIGHTWEIGHT (UP TO 130 POUNDS)

1. Shakur Stevenson  
   Previous ranking: No. 1

Record: 18-0
Last: W (UD12) Oscar valdez, April 30

2. Shavkatdzhon Rakhimov     Previous ranking: No. 3

Record: 16-0-1
Last: W (TKO2) Sardor Muzaffarov, Dec. 11
Next: TBA

3. Oscar Valdez     Previous ranking: N/R

Record: 30-1
Last: L (UD12) Shakur Stevenson, April 30

4. Jamel Herring     Previous ranking: No. 3

Record: 23-3
Last: L (TKO10) Shakur Stevenson, Oct. 23

5. Roger Gutierrez     Previous ranking: No. 4

Record: 26-3-1
Last: W (UD12) Rene Alvarado, Aug. 14

6. Kenichi Ogawa     Previous ranking: 5

Record: 26-1-1
Last: W (UD12) Azinga Fuzile, Nov. 27

7. Leo Santa Cruz     Previous ranking: No. 6

Record: 38-2-1
Last: W (UD10) Keenan Carbajal, Feb. 5

8. Hector Luis Garcia     Previous ranking: 7

Record: 15-0
Last: W (UD12) Chris Colbert, Feb. 26

9. Chris Colbert     Previous ranking: No. 8

Record: 16-1
Last: L (UD12) Hector Luis Garcia, Feb. 26

10. Robson Conceicao     Previous ranking: No. 9

Record: 17-1
Last: W (UD10) Xavier Martinez, Jan. 29

Editor's note: Gervonta Davis vacated his junior lightweight title to compete at lightweight and junior welterweight. Tevin farmer was removed for inactivity.

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Saturday 30, April 2022
MGM Grand, Grand Garden Arena,
Las Vegas, Nevada, USA  
 
Ring Magazine Jr.Light Title
World Boxing Council World Jr.Light Title

落ち目のトップランクが提供できる数少ないビッグファイト。スティーブンソンのWBOにバルデスのWBC、そして空位のリング誌タイトルもステイクされます。
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空位のリング誌タイトルが賭けられる条件は1位と2位の激突が基本で、3位選手にその価値があると認められた場合は1位vs3位でもステイクされます。

今回は、ロブソン・コンセイサン戦でドーピングが発覚しランキングから締め出されていた元2位のバルデスが謹慎期間6ヶ月を経て、1位のスティーブンソンと対決、トリコロールのベルトが賭けられます。

フェザー級時代からからスティーブンソンは「バルデスは私を怖がって避けている。チーム・カネロはは勝てる相手しか選ばない」と挑発。

エディ・レイノソが「弱いボクサーを避けるわけがない。弱いボクサーほどよく吠える」と応酬、両者の因縁は燃え盛っています。

フェザー級から2階級制覇した無敗王者同士の統一戦ですが、オッズは24歳のWBO王者に傾いています。

スティーブンソンの勝利は1/6(1.67倍)、31歳のバルデスは4/1(5倍)。バルデスが勝てば大番狂わせとされる差に広がっています。

スティーブンソンはサウスポーのスピードプレイヤー、誰にとってもやりにくい相手です。

この大一番、鮮やかな勝利を条件に、スティーブンソンがスーパースターの切符を手に入れる…と期待されていますが、バルデスもまた誰に取ってもタフな戦いになる嫌な相手です。
 
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リング誌電子版でアップされたばかりの記事から。

*********


「彼との付き合いはかれこれ10年になる。潤人の才能は頭抜けている。トレーナーの仕事はいつだって難しいものだが、潤人との仕事は例外だ」(世界的な名トレーナー、ルディ・エルナンデス)。

日本のメディアの中には、パウンド・フォー・パウンドのスター、井上尚弥のリングネームにちなんで、中谷を「ネクスト・モンスター」と呼ぶ人もいる。
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中谷は、プロキャリアのほとんどをフライ級で戦ってきた。この階級では身長170cmは大きく、階級アップは時間の問題だろう。

中谷は「直帰の試合では、9キロ(約20ポンド)減量した」というから、フライ級で戦うのは厳しくなってきており「次の試合ではジュニアバンタム級に上げて、今年中に(The RingとWBAの)タイトルホルダーのフアン・フランシスコ・エストラーダと戦いたい 」と具体的なターゲットまで明らかにした。

村野健「階級アップの問題はない。ミラン・メリンドとのジュニアバンタム級戦でも最高のパフォーマンスを見せてくれた(6ラウンドストップ)。ジュニアバンタム級のトップ選手とも互角以上に戦える」と自信を見せる。

中谷自身は、ジュニアバンタム級がキャリアの終着点だとは毛頭考えていない。
 
“My aim is to join the pound-for-pound fighters by beating big names at junior bantamweight one by one,” he said. “My career goal is to become a six-division champ – up to junior lightweight.”
 
「ジュニアバンタム級でビッグネームを次々と倒し、パウンド・フォー・パウンドファイターになりたい。そしてゴールは、ジュニアライト級までの6階級制覇」。
 

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エストラーダはジョシュア・フランコとの指名試合が競争入札に持ち込まれましたが、エストラーダをプロモートするザンファーと提携関係が深いはずのマッチルームがまさかのスルー。

入札開始の最低価格12万ドルから1セントの上積みもないまま、単独入札となって落札したのは〝部外者〟のゴールデンボーイ・プロモーションズ…。

軽量級、いくらなんでもどれだけ需要がないのか、暗澹たる気分です。

エストラーダは世界的評価も絶大なPFPファイターです…それなのに、米英目線の軽量級って、何なの???

日本のボクシングファンからすると、悔しいです。

ファイトマネーはエストラーダが75%の9万ドル、フランコが25%の3万ドルが割り当てられる見通しですが…。

軽量級と人気階級を比べるのは、女子ソフトとメジャーリーグを並べるよりも乖離した話ですが、先日の「タイソン・フューリーvsディリアン・ホワイト」で、フランク・ウォーレン&ボブ・アラムが叩いた史上最高の入札額4102万5000ドルの340分の1以下です。

現実にはPPV歩合などが加算されるフューリーの報酬は、エストラーダの340倍では済みません。

エストラーダが繰り返し口にしてきた「ボクサーにとって軽量級に生まれてしまうってことはこれ以上ない不幸」「PFP評価は嬉しいけどカネにはならない」という嘆きももっともです。

エストラーダのライバル、ローマン・ゴンザレスに至ってはPFPキングに2年も君臨しながら最高報酬は72万5000ドルどまり。それでも、人気からすると「もらい過ぎ」と言われる始末です。

エストラーダやロマゴンは日本人なら軽量級でも「コロナでも100万ドル。防衛を重ねたら天文学的金額」(井上尚弥の報酬について語った大橋秀行)になるんでしょうが…。

この不公平、この理不尽、軽量級の魅力も識る日本のボクシングファンからするとやり切れません。

エストラーダの嘆きや、カリド・ヤファイの「軽量級じゃなくミドル級なら乗る車も住む家も何もかもが違っていた」という不満は、多くのボクシングファンから「だったらパッキャオみたいに人気階級に行け!それができないなら文句を言うな!」と攻撃されてしまいました。

それも一理ありますが、軽量級の魅力がミドル級やヘビー級の人気クラスに劣らないのも真実です。



日本の軽量級は、飛び抜けて恵まれています。

そして「井上や井岡らの仕事は、自分より遥かに貧しいボクサーをシバき上げている〝貧困ビジネス〟」という、斜めからの皮肉にまともに反論できない自分もいます。

井上や井岡が世界的な人気はおろか認知すら低い超軽量級ではなく、ウェルター級やミドル級で同じパフォーマンスを見せていれば、日本での存在感までが全く違っていたというのも事実です。

井上がライト級以上なら〝なんちゃってラスベガス〟ではなくリアル・ラスベガスのリングに上がれていたでしょう。ミドル級やウェルター級なら大橋会長の「防衛を重ねていけば天文学的数字」も頭が悪すぎる戯言ではなくなります。

その意味で、残念ですが、軽量級が最も恵まれている日本ですら、やはり本物の人気階級への憧れが強烈なのです…。
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ボクシングにおいて、日本では分水嶺、分かれ道のような階級があります。

日本ではジュニアフェザー級とフェザー級の間に〝それ〟があります。

フェザー級から上は、日本人には王座に就くのはもちろん、挑戦するのも難しい階級になります。

フェザー以上でも、ジュニアライト級とジュニアウェルター級、ジュニアミドル級は辛うじて馴染みがあるとはいえ、それも欧米での人気が下落しているときに間歇的にチャンスが訪れる程度です。

ライト、ミドルは挑戦するのも珍しい難関階級で、ウェルターともなると未だにアルファベット王者1人も生み出せていません。

日本ではジュニアフェザー級とフェザー級の間が分岐点になっているのは明らかです。

白井義男やファイティング原田の時代から、日本人の体格は飛躍的に向上しているというのに、彼らの時代から70年も経っているというのに、未だにフライ・バンタム周辺でうろちょろしているのです。

もちろん軽量級は日本の伝統ですから、そこを橋頭堡として、分水嶺をもっと上に押し上げても良いはずなのですが、現実には軽量級の細分化もあり、下がっているのです。

ボクシングの世界に限っては、日本人の体格の向上が全く反映されないどころか劣化していると言っても差し支えありません。

かつての軽量級大国メキシコがルーベン・オリバレスからサルバドール・サンチェス、フリオ・セサール・チャベス、カネロ・アルバレスと、明らかな大型化が見て取れるのとは対照的です。

「より層の薄いクラスでより弱い相手と戦うために過酷な減量に身を投じる」のが当たり前の世界とはいえ、残念なことには違いありません。

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今は消滅してしまったリング誌の人気企画「100 Best Fighters in The World」(年間PFP100傑)。2016年に13位まで順位を伸ばした内山でしたが、翌年は…。


さて、内山高志です。

「食事の管理を徹底することで減量のストレスがなく、同じ階級で長く戦える」。

内山が多くの日本人スター選手と異なる点は、過酷な減量とリバウンドアドバンテージとは無縁であることです。

減量は試合2ヶ月前から。糖分・塩分・脂肪を減らすだけで、食事の量は減らさず、約2週間前にはリミットまで3㎏まで落とし、そこから食事量を65%程度に抑えるだけ。

「減量は全く苦しくない。試合前に減量で苦しんでいる選手を見ると、普段から食事を管理していれば、そんなことにならないんだ、と思います」。

その規律ある減量は、試合から離れていてもリミットから3㎏以内という次元にまで研ぎ澄まされました。

より弱い相手と戦うために自分も弱体化する、過酷な減量とリバウンドアドバンテージを選ぶか。それとも、減量ストレスゼロでナチュラルな強さを目指すか。

どちらを選ぶかは、アスリートが決めることです。

マイキー・ガルシアとの〝相思相愛〟の大勝負は具体化せず、本当に強い相手との対戦を渇望し続けた内山は12度目の防衛戦でニコラス・ウォータースとの対戦がテーブルに乗りました。

しかし、WBAからセカンド王者ハビエル・フォルツナとの団体内統一戦が指令されます。

それでも「フォルツナ、相手に不足ないです。次にウォータースでもいい」と切り替えました。

「世界のトップとやれて勝てるならぶっ壊れてもいい」。

「巨額の富なんて野望はないです。ただ、僕は内山ってすげぇな、あいつの試合、見たいよな。そう世界中のボクシングファンに思われたい」。

「そりゃ、パッキャオみたいに名前のある相手とどんどん戦いたい。でも僕はもう36歳。20代ならパッキャオみたいに向こうに乗り込みたいけど、今の僕には時間がないし、パッキャオのような体の強さもない。でも、だからこそ、早く名前と価値のある相手と戦いたいんです」。

しかし…アメリカで対戦することを前提に交渉を進めていたフォルツナ戦は頓挫。

渡辺均は具体的な理由を説明せず、日本開催に切り替えて再交渉が始まりましたが、今度は「フォルトゥナ陣営からジムが潰れるようなファイトマネーを要求された」として完全に決裂。

「ジムが潰れるような金額」は、3500〜4000万円と言われていました。虚しさしか感じない金額です。

そして、結局、暫定王者ジェスレル・コラレスと日本で対戦することが決まります。
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ウェルター級のホープ、18戦全勝全KOのバージル・オルティスJr.が横紋筋融解症のため、マイケル・マッキンソン戦を離脱、代役候補にファン・カルロス・サルガドの名前があがっているそうです。

試合は19日(日本時間20日)ですから、あと3日です。

オルティスに粉砕されたのを最後に4年間もリングから遠ざかっているサルガド。

カリフォルニア州アスレティック・コミッションが、元ジュニアライト級王者にライセンスを交付して出場を認めてしまうとしたら、これは由々しき事態です。



しかし、通過電車に揺られながら書こうとしている今朝のテーマは、そこではありません。


ファン・カルロス・サルガド。懐かしい名前です。

ホルヘ・リナレスから大番狂わせでタイトルを奪い、内山高志にその座を追われたメキシカン。

その内山はスター選手が踏み台にするクラスで、ビッグネームとの対戦を熱望しながら防衛戦を重ね、無名のジェスレス・コラレスに足元をすくわれてしまいました。

長谷川穂積のフェルナンド・モンティエルにも似た構図でしたが、モンティエル戦は日本中のボクシングファンが固唾を飲んで注目する大勝負でした。

対するコラレスは、内山が破壊してきたB級挑戦者の1人とみられていました。

リング誌は「長谷川のように本当に強かったのかがわからないままKO負けした」と、内山は過大評価だったと書きましたが、それは間違っています。



村田諒太の大勝負が、来月9日に迫りました。

世界のビッグネームを超軽量級に探すのは至難の業ですが、内山のクラスは、欧米では軽量級とはいえオスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザーらのジャンピングボードであり、マニー・パッキャオやマイキー・ガルシアらの通過階級でした。

内山はどれほど強かったのか、そして内山とニアミスしたビッグネームを思い出しながら、あと21日となったメガファイトを待ちます。

 
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