カテゴリ: がんばれニッポン!


IMG_1119 2


◾️あ

2023/10/12 19:38

個人的には、井上尚弥は藤井聡太や羽生結弦、吉田沙保里並のリスペクトを受けても良いと思うんですけどね。
元記事: 【今朝の丸の内線5分話】藤井聡太、八冠独占、Undisputed Championに! (編集)
IPアドレス:124.159.41.229/禁止IPに追加

1.数日前にも取り上げさせていただいた「あ」さんのコメント。

これはボクシングファンの多数意見かもしれません。

将棋やフィギュア、レスリングと比較して、プロボクシングは特別マイナーな存在ではありません。

そして、井上尚弥は現代日本ボクシングシーンの中では彼らと同じく傑出した存在です。

井上にも羽生や吉田のように国民栄誉賞が贈られたり、藤井のような老若男女から大きな関心・注目が注がれても良いのではないか?という思いは自然の発露かもしれません。

ただ…。




◾️いちご

2023/10/12 22:48

書いておられる様なことをある程度理解した上で井上を過剰に悪くいう人もまたいますね。
結局、4つの団体、細分化された軽量級、プロモーター次第のマッチメイク。。ツッコミどころ満載のスポーツ?では彼ら3人とは比べようがないかな。とは思います。
元記事: 【今夜の銀座線15分話】暴論サロンと答えのない格付け査定。 (編集)
IPアドレス:183.77.88.102/禁止IPに追加

2.「いちご」さんのコメントは対象の記事は違いますが、「あ」さんへのアンサーになっています。

誰の頭の中でも「藤井聡太=日本最強=世界最強」「羽生結弦=世界最強」「吉田沙織=世界最強」という単純な等式が簡単に成立するのに対して、井上尚弥は、非常に難解な方程式の解を求められるような存在です。

WBCジュニアフライ級、WBOジュニアバンタム級、完全統一バンタム級、2団体統一ジュニアフェザー級のストラップを全て完全ホームの日本のリングでコレクション。

「軽量級」は、少なくとも、ストラップが分配されるステージが基本的に日本という点では「世界」には見えません。さらに、アルファベットの承認団体が一つ残らず腐敗した零細団体であること、明らかにおかしなランキングと世界戦を性懲りもなく捏造し続けています。

本当ならスポーツ仲裁裁判所(CAS)などに訴えられてもおかしくない不条理が平然とまかり通っているのが、プロボクシングですが、プロボクシングの世界では誰もがその不条理を甘受したり、利用したりしています。

世界挑戦権を与えられながら不条理に「待て」を喰らった亀田和毅はCASに訴えたら良さそうなものですが、そうしないところにこのスポーツの闇が横たわっっています。というか、プロボクシングはもはやスポーツとして認められないステージに突入しています。

2団体13階級あたりまでは、一般紙でも海外で行われた外国人同士の対戦でも世界戦なら、少なくとも結果は掲載されていました。それが今では、カネロ・アルバレスの試合でも全く触れられないのが当たり前。

世界的な統括団体を持たない、各国各地域で好き放題やって、4つもあるアルファベット団体が利潤目的だけで細分化した細切れ・水増し階級で理解不能のタイトルマッチを挙行する…もはやスポーツとしての体を成していないのです。




◾️yuin

2023/10/13 00:06

どこのメディアでもPFP3位以内にいるから凄いんだ、と評価したら妥当な評価と言えるでしょうか。
国民栄誉賞も瞬間風速の人気に政府が乗っかってるだけで、難易度反映にはなってませんね。世界一のタイトルこそありませんが、メジャーな男子テニスの世界トップ10に4年程居続けた錦織圭を世間に再評価してもらいたいところです。
元記事: 【今夜の銀座線15分話】暴論サロンと答えのない格付け査定。 (編集)
IPアドレス:133.32.131.95/禁止IPに追加

3.非常にわかりにくい井上尚弥のポジションについて、承認団体やプロモーターの仕掛ける興行の素材には欺瞞が含まれていても、それらを批判し続けてきたESPNやTBRB、リング誌などのジャーナリズムのPFPがトップレベルで一致するなら、それなりの評価を与えて良い、また国民栄誉賞には競技種目やその達成度に対する難易度が反映されていない、という「yuin」さんのご指摘。

妄想であるPFPでも信頼できるメディアが揃って高評価しているなら、それは一つの真実。また、日本のプロスポーツ選手で最高の名誉とほぼ確定されている国民栄誉賞もまた、達成難易度が全く反映されていないもう一つの妄想であるというのは、事実です。

もちろん、達成難易度と世界へのインパクトを適正に評価してしまうと大坂なおみと錦織圭、サッカー男子フル代表はとっくの昔に国民栄誉賞が贈られていて然るべきす。

ボクシングでは「軽量級の完全統一」と、村田諒太の「五輪金メダル&ミドル級で世界王者返り咲き」の達成難易度は比較になりませんが、井上も村田も完全対象外。




◾️戦闘機Fighter

2023/10/13 00:47

井上尚弥も隣合った二つの階級でUndisputed Championになれば8階級1団体時代の世界王者と遜色のない嘘偽りの無い世界王者なので驚くべき快挙ではありますね。
ここ数戦は試合後にはNHKや報道ステーションでも特集が組まれネット配信試合でも世間的関心は高まってる感じです。
元記事: 【今夜の銀座線15分話】暴論サロンと答えのない格付け査定。 (編集)
IPアドレス:133.106.152.193/禁止IPに追加


4.「戦闘機Fighter」さんの「隣合った二つの階級でUndisputed Championになれば8階級1団体時代の世界王者と遜色のない嘘偽りの無い世界王者」というのも、その通りです。

現実にはフライ〜バンタム〜フェザーの3階級が、ストロー〜ジュニアフライ〜フライ〜ジュニアバンタム〜バンタム〜ジュニアフェザー〜フェザーと7階級に細切れされ、安易な複数階級制覇の流行から強豪王者が鎮座することが少ないという事情がありますが、4つのタイトルを蒐集する手間暇では現代のファイターの方が負担が大きくなります。

IMG_1123


いずれにせよ、ボクシングの世界は「単純な等式」では語れません。

上記では「非常に難解な方程式」と書いてしまいましたが、もしかしたら「解」などないのかもしれません。つまり、等式でも方程式でもない…。

特に、数えきれない歪なファクターが絡み合った軽量級は厄介極まります。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

甲子園の注目選手・佐々木麟太郎と、大谷翔平を並べて「麟太郎はMLBどころかNPBでも通用しない」なんて皮肉る野球ファンはいません。

ましてや代表選考会。とにかく、順位が最優先です。



来年開催のパリ五輪、そのマラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が、東京・国立競技場発着で激走中です。

男女とも上位2人が自動的に代表権を獲得(3位は今後の指定3レースの結果を睨みながらの選考対象)します。

土砂降りの雨、当初予想された厳しい残暑ではなく冷え込んだ空気。

レースは、2018年元日のマーシュフィールド・ニューイヤーズデイ・マラソン、4月のボストンと寒冷な気象条件で圧倒的なパフォーマンスを披露してきた川内優輝が大逃げ。

35km手前で2位集団に吸収された川内ですが、表情はまだ生きています。

ここであっさり引き離されないのが、川内の川内たる所以。

1位は小山直城、2位に赤﨑暁。ここまでが代表内定。

大迫傑はまたしても一発代表確定を逃す3位。4位に粘りまくった川内。


冒頭の言葉とは矛盾してしまいますが、パリに向けて暗雲しか立ち込めない代表選考レースでした。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

アルゼンチン。

重くて、難しい相手でした。

スクラムでは負けないのに、個々の突破力は勝負になりませんでした。

もはや、奇跡に期待する段階は終わりました。実力でブチ破るしかない壁まで辿り着いたのです。

格上が油断してくれない、格下が研究して番狂せを狙ってくる、そんな難しい段階に入りました。

ここからです。

この壁を突き破れば、頂上が見えてきます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

大学時代、ラグビー部の友だちもいましたがラグビーには興味がありませんでした。長距離走シーズンと重なるとはいえ、応援も2〜3回しか行ってないはず。

今では想像もできないかも知れませんが、大学ラグビー、正確には関東の対抗戦グループが学生スポーツの中でも別格の人気だったことへの嫉妬や不満があったのかも知れません。

現在、大学駅伝、正確には関東学連のローカル大会、箱根駅伝は学生スポーツの中でも別格の人気を誇っていますが、当時のラグビーとの共通点は「世界では全く通用しない」という一点でした。

そんな「関東ローカルで盛り上がるけど、世界では惨敗続き」のラグビーが「W杯で優勝を狙う」と宣言するほどまでに強くなりました。

IMG_1050
W杯ムード一色!丸の内はラグビー好きがとにかく多い!(個人の感想です)


そんな大学時代は決して距離が近かったわけではないラグビー部友だちですが、その中の1人から日本開催の2019年大会の観戦に声をかけられ、一緒に観に行ってからW杯のたびに会うように。

彼らの多くが丸の内で働いているというのも、有楽町・銀座エリアを根城とする私と落ち合うのに都合が良いのもありました。

丸の内を舞台にラグビーW杯を宣伝するCMがありますが、あそこは日本で最もラグビー熱が高いエリアかも知れません。

IMG_3166

日本代表が強くなった要因は、高い目標に向かって、想像を絶する厳しい練習に打ち克ってきたからです。

そして、他の世界選手権では考えられない多数の外国人選手を迎え入れた〝多国籍軍〟という点も見逃せません。

①出生地がその国、②両親、祖父母のうち一人がその国出身、③その国で3年以上、継続して居住。または通算10年以上にわたり居住、という条件を一つ満たせばその国の代表選手になれるのです。

半数近くが外国人という布陣に「これが日本代表か?」という違和感を覚える人もいるでしょうが「国って何?」という問題を考える良いケーススタディに思えます。

その国の代表になるには、「国境・領土」「文化」「名前」とは切り離せないものなのか?

規律と和と大和魂に全身全霊を捧げる覚悟のある外国人でも、やはり外国人なのか?その逆パターンの日本人もときにはいるではないか?

ブレイブ・ブロッサムズの勇士たちは、1人残らず純粋な日本代表です。

yjimage


話を元に戻して、勝負のアルゼンチン戦です。

〝順当に〟負ければ一次リーグ敗退。

ここ3大会で必ず巻き起こした大番狂せを、ここで見せればノックアウトステージ進出ですが、強くなったがゆえに日本代表が非常に難しい段階に入ったのは間違いありません。

大番狂せは過小評価されたチームが起こすもの。ブレイブ・ブロッサムズは〝見下される季節〟を通り越しました。

前回大会でベスト8に入ったチームは、ファンからそれ以上を期待されています。上に行けば行くほど、壁は分厚く高くなる、それはどんなことでも共通しています。

サッカーW杯では自国開催のアドバンテージがあったとはいえ2002年で到達していたベスト16が、20年も経った今なお突破できない大きな壁となって立ち塞がっています。

それでも、規律と和と大和魂を体の芯に貫いた純粋日本代表の多国籍軍は、完全格上のアルゼンチンを撃沈してくれるはずです。

オッズは日本代表の勝利が15/4(4.75倍)、アルゼンチン2/9(1.22倍)。

明白なアンダードッグですが、とりあえず、ブレイブ・ブロッサムズが今大会最初の大番狂せを起こします。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

文化庁が米国のグラミー賞にならって、アジア版グラミー賞を2025年にも立ち上げる方針を示しました。

都倉俊一長官は世界に向けたアジアの音楽について「韓国勢が席巻している。日本は国内の市場が比較的大きいために、国内で事足りてしまっていた。海外に出ようというエネルギーは韓国の方が上」とし、「Jポップを海外に発信するため、世界中に注目される音楽祭を京都でやりたい」と意欲を示しました。

文化庁は今年、京都に移転、日本の文化振興の新しい形を模索しており、その取り組みの大きな柱の一つが音楽や映像を逞しい輸出産業に育成すること。

「アジアのアーティストを顕彰する」というように、対象は日本ではなくアジアまで広げていますが、都倉長官の言葉からは大きく先行されている韓国へのライバル心も見え隠れします。

そうであるなら、世界、グラミーで評価されている韓国アーティストも公平に表彰するのでしょうか?

〝京都グラミー賞〟が、アジアから世界に挑戦する前段階の〝アジア大会〟を目指すのか、それともグラミー賞に追いつけ追い越せの〝もう一つの世界〟の構築を企図しているのかわかりませんが、京都移転の最初の大仕事になりそうです。

経済の世界ではより大きな市場を抱える世界に進出するのは必定、文化も日本の優れた輸出品として育てるために公的に支援するのは間違った取り組みだとは思いませんが、それは韓国スタイルの後追いでもあります。

これで韓国勢に追いつけ、追い越せが可能になるのかどうか、はっきり見えては来ませんが「世界でヒットするJポップ」を育てるためには、現状のままでは厳しいことは間違いありません。

マンガやアニメが税金の力をほとんど使わずに世界征服を進めているのと比べると、日本市場で頭打ちの音楽は文化としての性格的に世界進出が難しいのか、それともJポップの競争力がそもそも弱いのか?
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

よく考えると「今週末」ではなく「来週月曜日」(敬老の日)でした、寺地拳四朗と中谷潤人のダブル世界線。

いろんな広告宣伝を見ると2大世界タイトルマッチよりも、那須川天心のデビュー2戦目が圧倒的に事実上のメインイベントです。

「PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING 第5弾」ということで、すっかり定着したネット配信による生中継です。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CCK653NK/ref=dvm_jp_pv_sl_ya_100_mkw_98tqYZpz-dc_pcrid_673505880616&mrntrk=pgrid_156946141881_x__ptid_kwd-2172403956688

その競技の健全な発展、公共性のある人気スポーツを目指す、というなら地上波NHKで生中継がベストなんでしょうが、もはやそんなことを言ってる段階はとうの昔に過ぎました。

このネット配信、ボクヲタにとって最大のメリットはイベントを丸ごと見れる、ということ。テレビだとメインだけなんてことが当たり前で、プロモーターやマッチメイカーの仕事や意図を楽しむことが出来ませんでした。

さらに、ボクシング人気復活という視点では、テレビ局の系列で人気選手を囲い込んでいた時代が終わり、新聞やテレビのメディアで垣根を超えた報道がされていることも見逃せません。

今日の読売新聞夕刊でも「転身・那須川 次こそKO」のヘッドラインで18日の試合を展望。(「転身」と「天心」をかけてるのでしょうが、これはイマイチかな)

野球やサッカーなど人気スポーツと違い、選手(ジム)とテレビ局の提携関係が消滅、あるいは緩やかになったことで報道の門戸開放が進んでいます。

すでに物語を持つ天心、すでに世界評価と実力を持つ井上尚弥、あるいはこれから出現してくる〝スターX〟。

これから日本のリングで魅惑的な化学反応が起きるようだと、非常に面白いことになりそうです。

いずれにしても、天心が大きなカギを握っているのは間違いありません。

物語にアクセントをつける衝撃的なKOが期待されます。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

9月8日、ダイヤモンドリーグ(DL)ブリュッセル大会で、女子やり投の北口榛花が6回目に67m38の日本新記録を樹立して優勝しました。

またしても見せた、最終投擲での大放物線。
 
ブダペスト世界陸上で日本女子フィールド種目で史上初の金メダルを獲得した北口は、今季DLで3勝目、通算5勝目。北口はこれまで出場したDLでは、一度もトップ3から落ちたことがありません。
 
DLは次戦の米国オレゴン・ユージン(9月16、17日)がファイナル。どんな有終の美を飾ってくれるのでしょうか。

それにしても、世界最高峰のDLでここまで大活躍した日本人は前代未聞です。 

 


結果を知ってから見ても田中の走りに感動しました。次は勝てるんじゃないか?

そのブリュッセル大会で女子5000mに出場したのが田中希実。世界陸上で自身が叩き出したばかりの日本記録(14分37秒98)をあっさり更新、14分29秒18で3位に輝きました。

田中のDL 5000m挑戦はこれが初めて。中距離もこなす万能型のランナーですが、長距離への才能が大きく開花しようとしています。

アジア記録は姜波(中国)が持つ14分28秒09で、田中は1秒09に迫りました。姜波がこの記録を出した1997年当時、14分28秒09はアジア記録ではなく世界記録でした。

もう、25年、四半世紀も前のことですが、姜波は曲雲霞や王軍霞 、董艶梅らとともに、国内大会の予選でも世界記録を出すなど脅威の進撃を見せていた馬軍団の一員です。

田中には〝冬虫夏草〟の記録を一人で全部塗り替えて、アジアの誇りになって欲しいです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

結婚退職する部下のオフィシャル送別会に先乗りして1人飲み。

付き合ってる彼氏がいることは何年も前から聞いてたし、プロポーズされて結婚するかどうか迷ってることもずっと前から聞かされてたし、酔っ払って「私っていい奥さん、いいお母さんになれそうな気がする」と独り言つのも何度か聞いたし…。

3ヶ月ほど前に「お知らせしたいことがあります」とあらためて告げられたとき、「結婚すんねやろ」と言うと、彼女は悪びれもせずに「えー、どうしてわかったんですか!」と大袈裟に驚いてみせるから、私は「どんな茶番や」とちょっと寂しそうに笑うしかありませんでした。

…こんな話じゃない、「あれ以上の物語」でした…。

FullSizeRender
本文とは関係ありません。

沢木耕太郎が語った「あれ(WBC)以上の物語があるとしたら、ボクシングではないか」。

前記事で、ななしさんが他のスポーツ例を挙げてコメントを寄せてくれたように、沢木の言葉はボクシングファンであることが前提で、そうでなければアリやフォアマンなんて、どうでもいいことです。

ボクサーでも「あんなの八百長」と決めつけていた輪島功一は、あの試合を「物語」として見ることができなかったのかもしれません。

いや…。あの試合を輪島が、いくらなんでも出来すぎている、という意味で「あんなの八百長」と感じたのだとしたら、輪島の中でもあの試合は物語としての輪郭をはっきりと形成していたということになります。

そして、沢木にとっては、何度も作品にした、その輪島功一と柳済斗の再戦もまた物語だったはずです。

銀行に立てこもった強盗犯に警察官が「お前も昨日の輪島の試合を見ただろう。輪島を見習って人生をやり直せ」と説得するエピソードなんて、現代では考えられません。

それほど、あの試合が国民的関心事だったということです。

1970年代のボクシング世界王者のステイタスは、現在では考えられないステージにあったと考えて差し支えないはずです。

もっとわかりやすく言うと、ボクシングの世界チャンピオンとは、あらゆるプロスポーツの頂点でした。

それにしても「輪島を見習って人生をやり直せ」と叫んだ警察官は、よくよく考えてみると輪島に相当失礼な気もしますが、まぁ素晴らしいエピソードには違いありません。

輪島を知らない私にとっての物語は、辰吉丈一郎vsシリモンコン・ナコントンパークビュー、あるいはマニー・パッキャオvsオスカー・デラホーヤになるのかもしれませんが、辰吉もパッキャオもすでに国民的関心事でも、ボクシングを超えて世界的に注目される試合でもありませんでした。


翻って現代。物語を紡げるボクサーはどこかにいるでしょうか?

井上尚弥、井岡一翔、寺地拳四朗…彼らには、輪島や辰吉のように、一度堕ちたヒーローが、圧倒的不利予想のリングで、不死鳥の如く蘇る物語を、ここまでのところ紡ぐことは出来ていません。

また、未来を展望しても、パッキャオのように軽量級から這い上がり、人気階級のピッグネーム狩りで大暴れすることも、彼らにはおそらく出来ないでしょう。

現状のタイソン・フューリーがアリの物語に近寄ることが出来ないのと、同じです。


それでも、もし…。彼らが物語を紡げるとしたら、どんな展開が考えられるでしょうか?

井上がガーボンタ・デービスに痛烈にKO負け。そこから、すでにデービスをタコ殴りしてストップしているテレンス・クロフォードに、フルハウスのT-Mobileアリーナで挑戦、奇跡的な勝利を収める…。

…それだと、いくらなんでも、あまりにも飛躍しすぎですか?

FullSizeRender

それならば…那須川天心なら?

社会的ステータスという観点からはスポーツと認められていないキックボクシングから〝這い上がり〟ボクシングの世界王者に成り上がる。

アントニオ猪木がプロレスのロジックを使ってしか出来なかったことを、那須川は正面玄関から威風堂々と上がり込んで挑戦しようとしています。

それは、欧米で関心が低い軽量級をスタート地点に、文句無しの人気階級、文句無しのスター選手を鮮やかに斬り落としたパッキャオに通じるところもありますが、天心は軽量級どころかキックを起点にしていることから、そこだけを見るなら「パッキャオ以上の下剋上」と断じても良いかもしれません。

そして、物語として最も重要な対戦相手は、いまのところ一人しか見えてきません。

もちろん、それはモンスターが焼け野原にしたバンタム級のキズモノ穴王者たちではあり得ません。

その〝火元〟です。

軽量級ならどんなクラスでも焼け野原にしてしまう、そんな恐るべき火炎の中に飛び込んでゆく元キックボクサー…。

物語はもうすでに始まっているのかもしれません。



これも他のシリーズ同様、永遠に続きます…。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

1952年5月19日、白井義男が世界フライ級王者(もちろんUndisputed champion)になってから71年もの歳月が流れましたが、いまだに一人のFighter Of The Year も生み出すことが出来ていません。

Fighter Of The Year はボクシングを扱う多くのメディアが制定していますが、トロフィーなどを用意する、つまり賞としての体をなしているのは、リング誌などに限定されます。



多くの人がFighter Of The Year2022をドミトリー・ビボルと考えていますが、十人十色です。

リング誌のFighter Of The Year に選ばれると、例のリング誌ベルトにFighter Of The Year と印字して贈呈されていますが、昨年プリントバージョンが廃刊に追い込まれてからはどうなっているのでしょうか?

昨年は寺地拳四朗がリング誌で
Fighter Of The Yearにノミネートされ、今年はリング誌はもちろん全米ボクシング記者協会でも井上尚弥がFighter Of The Year、中谷潤人がKO Of The Year にノミネートされる可能性は高いと見られます。

現時点でのFighter Of The Year大本命はクロフォードですが、テレンス・クロフォードとエロール・スペンスJr.の再戦が年内に行われ、クロフォードが負けるかブサイクな試合をすると、マーロン・タパレスに完勝することを大前提に井上が賞レースのトップに躍り出ます。


残るライバルはジャーメル・チャーロ。今月30日にカネロ・アルバレスに敗れて、Undisputed title2階級制覇を阻まれると、井上でほぼ決定です。

PFPが全ての階級に広く開放されているのに対して、Fighter Of The Yearは欧米の人気階級に偏っている事実は否めません。

Fighter Of The YearのAward winners、その受賞者たちの系譜を振り返ります。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

大谷翔平のキャリア2度目のMVP受賞が確実視されていますが、プロボクシングの世界でMVP(年間最優秀選手賞)にあたるのが、Fighter Of The Year です。

IMG_1204
最も権威のあるFighter of T he Yearが全米ボクシング記者協会から贈られるSugar Ray Robinson Awardであることに、誰も異論はないでしょう。


ファイターにとって最も名誉なアワードの一つ、
Fighter Of The Year

今年は、井上尚弥が史上初の受賞に輝く可能性大と期待していましたが、分厚い暗雲が立ち込めてしまいました。

暗雲の正体はテレンス・クロフォード。

エロール・スペンスJr.とのウエルター級完全統一戦で、大方の予想を裏切る圧勝劇を演じて、ジュニアウエルター級に続くUndisputed title2階級制覇を果たします。

今月30日には、ジャーメル・チャーロが、スーパーミドル級の完全統一王者カネロ・アルバレスに挑戦、番狂せの勝利を収めると、やはり
Undisputed title2階級制覇。

人気階級で大きな花火を打ち上げられると、軽量級、それもジュニアフェザー以下の超軽量級の井上が日陰で目立たなくなるのは仕方がありません。

それにしても、井上も年内にマーロン・タパレスを粉砕してジュニアフェザー級も完全統一すると、やはり
Undisputed title2階級制覇。

クロフォードvsスペンスが7月29日でしたから、わずか5ヶ月で
Undisputed title2階級制覇王者が3人も誕生するかもしれないのです。

余談ですが、Undisputed championは、かつて「議論する余地のない王者」と直訳されていましたが、今はなぜか「比類なき王者」という訳が目立ちます。

これ、「議論する余地のない」とか「比類なき」ってよくわからないですよね?

ネットニュースが長谷川穂積を「議論する余地のない王者」、リングアナウンサーが山中慎介をやはり「議論する余地のない王者」とコールしたことがありましたが、明らかに
Undisputed championを意識しての記事やアナウンスでしたから、あれは間違いです。

「問答無用の世界チャンピオン〜」とかなら良かったのですが。

Undisputed championは、意訳して「他の誰にも王者を名乗らせない王者」、さらに意訳して「完全統一王者」とする方が正確に意味が伝わり、変な誤解を招かなくて済むと思います。


またまた前置きが長くなりましたが、
Fighter Of The Year です。

1952年5月19日、白井義男が世界フライ級王者(もちろんUndisputed champion)になってから71年もの歳月が流れましたが、いまだに一人のFighter Of The Year も生み出すことが出来ていません。

ファイティング原田はもちろん、エデル・ジョフレですら、その栄光に輝くことは出来なかったのです。

その日は、いつか訪れるのでしょうか?
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ