フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 軽量級のメガファイト

Saturday 15, May 2021
Dignity Health Sports Park , Carson, California, USA

Junior Feather Contest, 12 Rounds


ネリのWBC、フィゲロアのWBAセカンド 、互いのストラップを賭けた団体統一戦。無敗対決です。勝ったほうがWBAスーパー王者になることがWBAから発表されていますが、上位タイトルで二人擁立するというのは反則です。

リング誌やESPNはムロジョン・アフマダリエフとこの試合の勝者、どちらを正統なWBA王者と認定するのでしょうか?

さて、オッズはネリ2/5(1.4倍)、フィゲロア2倍と〝悪童〟がやや有利。

まともなジャブが打てないなど技術的な欠陥が目に付いたバンタム級時代のネリでしたが、エディ・レイノソの教鞭を受けて劇的に改善。

しかし、ジュニアフェザーでは1試合しか戦っていないとはいえ、かつてのパワーは影を潜めています。これがネリの122ポンド版なのか?それとも進化の途中なのか?
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26歳のネリが評価をやや下げているのに対して、24歳のフィゲロアはさらに評価を落としています。これが、オッズにも現れているのでしょう。

21勝16KO無敗1分の星勘定は立派ですが、勝てなかった1試合が2019年11月のフリオ・セハ戦(115-113 /112-116 /114-114=ドロー )。セハ相手にグズグズの試合をしてしまっては評価暴落も仕方がありません。

しかし、この試合はセハが4.5ポンド、2㎏以上も体重超過。フェザー級のリミットもオーバーした相手と戦わなければならなかったのは差し引いて考えなければなりません。

心配された計量はネリがリミットいっぱいの122ポンド、フィゲロアが121.2ポンドでクリア。

とはいえ、フィゲロアもスピードとディフェンスで世界基準にありません。

The Heartbreakerと渾名されるハンサムボーイは身長175㎝/リーチ183㎝の規格外の122パウンダーですが、手数の多い激闘型。ネリとの試合はかみ合うはずです。
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この勝者が9月11日にWBO王者ステファン・フルトンとの決戦に進むことが、3月時点でSHOWTIMEから発表されています。

明日の試合でリングサイドに座るフルトンは「フィゲロアのサイズはネリには苦しい」と、マイルド・アップセットを予想。

個人的にはネリは日本のボクサーに倒されて欲しい願望もあるので、ここでフィゲロアに叩きのめされるのは見たくはありません。しかし、予想となると私もフェイゲロア有利。明白な判定勝ちか、終盤ストップか。

計量ではネリが少し生気が無いように見えました。そしてフィゲロアは稀代のリバウンダー。ネリは悪夢を見るかもしれません。

いいマッチアップです。どちらが勝つにせよ、面白い試合になるはずです。


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▶︎さて、SHOWTIME がお届けするこのイベントのアンダーカードに「ダニエル・ローマンvsリカルド・エスピノサ」「サビエル・マルチネスvsファン・カルロス・ブルゴス」と、日本のリングでもお馴染みのファイターが登場します。

オッズはローマン2/7(1.29倍)、エスピノサ5倍。5月10日に31歳になったローマンの堅実なボクシングは健在。

エスピノサは25勝21KO3敗の強打のメキシカンで、23歳という若さも不気味。2019年4月20日に空位のWBOバンタムのピースをジョンリール・カシメロと争い最終回44秒KO負け。しかし、それまでの採点は6ラウンドにダウンを奪われたものの三者三様のドロー(105-103/103-105/104-104)と大健闘。

オッズはエスピノサ有利でしたが、相手が悪すぎました。このイベントはノンタイトルながらウェルター級のダニー・ガルシアがメイン、FOXが全米生中継するイベントでした。しかし、米国で人気がないバンタム級は世界戦にもかかわらず、悲しいかなノーテレビ。

エスピノサの強打は危険ですが、ローマンが手堅く判定をものにしそうです。



▶︎そして、ブルゴスです。日本で「無敗のKOマシン」と喧伝された無骨なメキシカンも33歳。直近3試合は1勝2敗。KO勝利からはは9年も遠ざかっています。

対するマルチネスは、メイウェザープロモーションが売り出す23歳のジュニアライト級(この試合は132ポンドのキャッチウェイト)。

オッズは秘蔵っ子が1/12(1.08倍)、ブルゴス10/1(11倍)。技術とパワーが欠落した不器用なブルゴスは今回も噛ませ犬です。

しかし、無敗とはいえ、マルチネスは前戦でクラウディオ・マレロに8ラウンドに二度倒されるなど大苦戦。マレロは元WBA暫定フェザー級王者でトリッキーなサウスポーですが、脆弱な一面を晒け出しました。

ブルゴスは世界基準では技術もパワーもありませんが、マイキー・ガルシアやデビン・ハニーに敗れたとはいえ12ラウンド戦い抜く頑丈な肉体を持っています。

噛ませ犬が意地の牙を剥く、番狂わせを予想します。 
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1923年6月18日:ニューヨーク州ポログラウンズ
世界フライ級タイトルマッチ
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チャンピオンはジミー・ワイルド、挑戦者はパンチョ・ビラ。舞台はニューヨーク、ポログラウンズ。プロモーターはテクス・リカード。

何もかもが、伝説です。

ポログラウンズに詰めかけた大観衆は2万3000人。英国のチャンピオンが東海岸で熱狂的な声援を受けるのは、今も昔も変わりません。巨大スタジアムはワイルドへの声援一色だったはずです。

このとき王者の戦績は131勝98KO2敗1分。母国のロイヤル・アルバート・ホールでピート・ハーマンを17ラウンドKO(20回戦)した前戦は1921年1月13日に行われたもの。つまり、2年5ヶ月あまりも隠遁生活を送っていたのです。

信じられない戦績、20回戦、隠遁生活…。伝説です。

今なら休養王者に認定されて、暫定王者やらなんやらが乱立しているところでした。
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オリジナル8の時代、フライ級王者も今では考えられないほどの尊敬を集めていたはずです。
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一方のビラは66勝17KO6敗3分。

マニー・パッキャオの先駆けよろしく、米国ではヘビー級選手を相手にスパーリングをしていたといいます。

フィリピンの農村で水牛を追っていたビラを発見したのは、米国の探検家フランク・チャーチル。「人間離れした信じられないほど軽い身のこなしだった」。

熱狂的ボクシングファンで、ジム経営にも乗り出していたチャーチルは若者をニューヨークに連れ帰りました。

伝説です。

100年前の話です。10年に一つ尾ひれが付いたとしても10個付きます。

現実は、ビラはマニラのオリンピック・クラブでボクシングを始めていました。そして、このジムの経営者がチャーチルでした。

…どうでもいい話です。


1923年の6月18日、アジアで初めての世界チャンピオンが、ニューヨークのポログラウンズで誕生しましたのです。



アジアの国々が反目しあって、一番喜ぶのは誰でしょう?

いつか6月18日が「アジア・ボクシングの日」としてお祝いされ(シンコ・デ・マヨのように)、アジアの軽量級のメガファイトが東京や横浜、上海、マカオ、シンガポール、バンコクで、開催されることを願いたい。

ボクシングがマイナースポーツになり下がった米国のファンが羨むほどの。

そして、復活した韓国でソウルや釜山でも。

私たちが絶対に負けたくないあいつら!南北も統一したら、途轍もない強敵になるでしょう。 



米国が全く関心を示さない超軽量級ですが、奴らは基本的にバカです。アジアで大熱狂してたら、大相撲のように大枚叩いて呼び込むでしょう。

西岡や井上に「憧れ料」をボッタくった奴らから、いつかボッタくってやりましょう。利子つけて!
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オリジナル8の時代(〜1960年代初め)は「ヘビー級とそれ以外」の時代でした。

それでも、世界に8人しか王者が存在しなかった時代です。

一つの興行で世界戦をいくつも盛り込むなんてことは出来っこない時代です。

それが今や、複数の世界戦が盛り込まれる興行は珍しくありません。

米国でほとんど関心が払われないジュニアフェザー級以下の世界戦が、最も注目を浴びるのはSHOWTIMEやESPNのPPVや、圧倒的な資金力を持つDAZNやトリラーが手がけるメガファイトのアンダーカードかもしれません。

下手にメイン興行するよりも、興行規模の分母が桁違いのメガファイトの前座の方が報酬もはるかに高いのが現実です。

メキシカンとはいえ人気などあるはずもないバンタム〜ジュニアフェザーで戦ってきたルイス・ネリは、メガファイトの〝金魚の糞〟として、ファン・フランシスコ・エストラーダをはるかに凌駕する報酬を手にしてきました。

〝金魚の糞〟にあやかるためには、マニー・パッキャオやカネロ・アルバレスなど超ビッグネームの陣営に囲い込まれるのが手っ取り早いのですが、それを繰り返すことは「軽量級のプライド」にとっては諸刃の剣です。

世界王者になっても10万ドル以下の報酬が珍しくない貧困な超軽量級で、金魚の糞になることで、ときには30万ドルも稼ぐことができます。しょぼいメイン興行では、プロモーターが赤字覚悟で無いと捻出できない金額です。

その一方で〝金魚の糞〟ではボクシングファンの「超軽量級=メガファイトのオマケ」という印象がより一層強くなってしまうのは当然です。

西岡利晃や井上尚弥の「MGMメインで100万ドル」のカラクリは、もはや誰もが気付いているでしょう。

彼らを〝そこ〟に駆り立ててしまったのは「超軽量級でも注目される」という誤解からでした。

もっと本質的に言うと「大好きな西岡や井上もイチローや松山英樹のように米国スポーツシーンで大きく取り上げれれて欲しい」という願望が歪んで「取り上げられるはず」「取り上げられるに違いない」「バンタムでもラスベガスで20億円」という、浅はかな幻覚を見てしまったのです。

こすした妄想・幻覚は井上信者の中からだけ自然発生したのではありません。もしかしたら、幻覚を煽るような記事がネットに跋扈したことの方が主犯かもしれません。
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「リングマガジンのPFP2位、これはとんでもない偉業です。テニスやサッカーに置き換えるとわかりやすいでしょう」…リング誌の熱烈な愛読者として、摩訶不思議な詭弁が弄されるのは怒りを通り越して恥ずかしくなります。そんな大層な雑誌ちゃうでしょ、と。


ボブ・アラムが「イノウエはパッキャオになれる」と語るのをそのまま受けて垂れ流すのではなく、まともなメディアなら「フライ級やバンタム級の選手が米国で商業的に天下を取るの不可能」という背景をまず説明すべきです。


そして「一般のボクシングファンには馴染みがなくても全米ボクシング記者協会の年間最高選手賞(シュガー・レイ・ロビンソン杯)が専門家評価の最高。PFPには実体は無い」「この賞はフェザー級のカール・フランプトンやジュニアフェザー級のノニト・ドネアも獲得、PFPよりははるかに権威も認知度もあって井上に手が届く可能性がある最高地点」という説明が必要です。

2019年のPFP1位は誰?そんな質問に誰が答えられますが?

金魚の糞に甘んじることのなかった、軽量級が尊敬された時代のビッグファイト、ザ・ベスト10を振り返ります。
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日本では先行き不透明な状況が続いていますが、米国では元の日常が戻りつつあります。

いち早くボクシング興行が立ち直った米国で、日本人がキープレイヤーをつとめるクラスで重要な試合が続きます。

米国での注目度という点では、やはりライト級の中谷正義。そして、日本での知名度は中谷を圧倒的に上回るバンタム級の井上尚弥。

そして、ジュニアバンタム級の井岡一翔、ジュニアフライの京口紘人に寺地拳四朗、フライ級の中谷潤人のタイトルホルダーも階級最強を目指します。
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現在、リング誌とIBF、WBAのタイトルを掌握する井上が「他の誰にも王者と名乗らせないUndisputed Champion」になるために、奪取しなければならないピースはWBCとWBO、マジック2です。
 

まず、WBCでは、5月29日に王者のルディーヌ・ウバーリがノニト・ドネアを迎えて防衛戦。

この二人はともに、2019年11月7日のさいたまスーパーアリーナでの試合から18ヶ月あまりの長いブランクを作ってしまいました。

このため、BoxRecでは二人のstatusはinactive(引退選手)扱い。inactive boxer 同士の世界タイトルマッチという普通なら珍しいマッチアップですが、世界的なパンデミックの影響をもろに受けた二人です。

ウバーリに渡航許可が下りないなど、今回も試合開始ゴングが無事に聞けるかどうか暗雲が漂っていますが、SHOWTIMEのHPのカウントダウンタイマーはしっかり刻まれ、BoxRecのスケジュールからも消えていません。
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しかし、米国で人気がないバンタム級だけに、まだオッズや予想の類は出ていません。

34歳のウバーリと、38歳のドネア。ブランクを含めた時間の経過が重くのしかかるのはドネアの方です。

どちらに転ぶかわかりませんが、ドネアにとって、より正念場です。



そして、井上は6月19日にマイケル・ダスマリナスとの防衛戦が決定しています。

井上がウバーリvsドネアの勝者と年末に激突することに大きな障害はないと思われますが…。凋落著しいトップランクのプロモート力が最大の壁かもしれません。

違約金が無い、あるいは無視できる金額なら井上はFAになるべきかもしれません。

今のトップランクに、かつてのパワーはありません。ウェルター級やバンタム級では大プロモーターの一つ=One of themではなく、それ以外=Other than thatと見下されているのが現状です。

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早く見たい。

もう一つのバンタム級ピースはジョンリール・カシメロが握っています。

カシメロもSHOWTIMEで8月14日、ギレルモ・リゴンドーとの大勝負に出ます。

番狂わせの修羅場をくぐり抜けながら、直近のデューク・マイカー戦では横綱相撲も見せたフィリピンの野獣。

歴史に残るエリートアマが劣化の坂道を下りながら、強引なファイターの顔も覗かせてきたキューバの〝元〟精密機械。

対照的な素材ながら、二人とも無名であることに苛立ちながらプロキャリアを重ねてきました。

軽量級ファンには垂涎もののマッチアップですが、やはりそこは米国、バンタム級はスルーです。

スケジュール的にも、カシメロvsリゴンドーの勝者が井上と戦うのは年内は厳しそうです。

さらに「ウバーリvsドネア」「カシメロvsリゴンドー」がSHOWTIMEという強力なプラットフォームに組み込まれていることから、井上は蚊帳の外に見えてきます。

SHOWTIMEでWBCとWBOの統一王者を決めてもらってから、井上と完全統一を賭けて激突、という絵面も描けそうですが、これは下手したら相当な時間がかかりそうです。

米国で興味を持たれない階級だけにプロモーターの壁は人気階級ほど低くはないとはいえ、井上が日本ではスター選手であることはSHOWTIMEもPBCも知っています。

アル・ヘイモンが落ち目のライバル、ボブ・アラムに救いの手を差し伸べるような人間とは思えません…。 
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全米屈指のキャパを誇るAT&Tスタジアムを埋めたのは7万3126人の大観衆。

1978年にモハメド・アリvsレオン・スピンクス第2戦(6万3350人)を1万人近くも更新する米国ボクシング史上最多記録をマークした、というアナウンスで始まったメガイベント。

パンデミックの影響をほとんど感じないスタジアム風景、羨ましい。
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WBO世界ジュニアフライ級タイトルマッチは王者エルウィン・ソトが高山勝成のねちっこいボクシングに、最終回のゴングを聞くことになりそうな展開でしたが、唐突な9ラウンド2分44秒ストップ。

レフェリーはテキサス州お抱えのローレンス・コールですから、何があっても驚くことではありませんが、37歳の高山を最後まで戦わせてあげて欲しかった。
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CompuBoxの数字では37歳の日本人が手数では圧倒していましたが…。

ローレンス・コールの唐突なストップに、王者エルウィン・ソトが一番ホッとしたことでしょう。

高山は準備期間がない中でしっかり仕上げてきました。初回の軽いピンチも簡単にすり抜けて、いつもの慌ただしい展開に持ち込んだのですが、最後はパンチをまとめられたところでコールが唐突にストップ。

BoxingNews24は8ラウンドまでを6-2!で高山リードとしてくれていましたが、これはちょっと日本人贔屓すぎます。私の採点では初回をソト減点1(ゴング後の打撃)で9-9のイーブンで、高山から見て2-5。

ストップのタイミングは残念でしたが、出来ることはやった満足感はあるんじゃないでしょうか?

24歳のメキシカンは穴王者ではありませんが、京口紘人にとって大きな脅威ではありません。マッチルームには是非、家内制マッチメイクを進めていただきたい。

判定に不満を示してシャドウボクシングを披露、まだまだ出来たとアピールした高山ですが…今後はどうするのでしょうか。

無理に進退を決める必要はないのですが…。

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試合後、インタビューが終わると恒例の「ビバ!メヒコ!」。非常にうざいです。東京ドームと思ってましたが、この巨大スタジアムで倒して欲しい。。。

リング誌WBA/WBCスーパーミドル級王者カネロ・アルバレスはWBO王者ビリー・ジョー・サンダースを8ラウンド終了TKOで勝利、完全統一まで残るベルトはIBFのケイレブ・プラントのみとなりました。

個人的には、6ラウンド折り返しのスコアは五分と見てました。サンダースは見せ場も作りましたが、カネロのパワーにねじ伏せられた格好です。
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8ラウンドまでのオフィシャルは77-75/78-74*2。ラウンドでは5-3/6-2*2。6ラウンドまでは3-3/4-2とサウスポーのサンダースが僅差判定に逃げ込む期待も十分でしたが…。

カネロは「168ポンドで完全統一を目指す」と、年内にプラント戦を計画しています。

カネロには、そろそろビッグパンチャーと戦って欲しいところですが、プラントですか。
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Weigh-In!

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https://www.youtube.com/watch?v=-RQJzpoesPc&t=372s

テキサスの太陽がギラギラ照りつけるAT&Tスタジアム前広場での前日計量には、5000人を超える観客が詰めかけました。

明日は7万人前後の観客が巨大スタジアムを揺らすとみられています。パンデミックでなくても超弩級のメガファイトです。



この大舞台でアンダーカードをつとめるWBOジュニアフライ級12回戦。高山勝成は107.6ポンド、 エルウィン・ソトは107.8ポンドで一発クリア。

カネロ・アルバレス:167.4ポンド、 ビリー・ジョー・サンダース:167.8ポンド
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大勝負を前に、高山は普段通り落ち着いています。

テキサスでメキシコ人王者からタイトルを奪う。ミッション・インポシブルです。

オッズもその通り、高山勝利は7/1(8倍)、ソト1/14(1.071倍)。勝てばMassive Upset(大番狂わせ)の見出しが躍る明白なアンダードッグ。

高山のKO勝ちは13倍。ラウンドごとでは1〜12ラウンドまできれいに100倍が付いて、壮観です。ソトが消耗する終盤、一気に攻め落としましょう。
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あと3日に迫った今年一番のメガファイト。

カネロ・アルバレスvsビリー・ジョー・サンダース。

まだ「アンソニー ・ジョシュアvsタイソン・フューリー」という、温室育ちの赤毛も吹っ飛ぶカードが交渉中ですが、今年中に実現するでしょうか?
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カネロといえばAサイド、キャリア16年、58戦の中でBサイドに回ったのはフロイド・メイウェザー戦のみという純度100%の不純物なし、生粋の温室育ちです。

より人気のあるスター選手側の理不尽な要求が通るのは、このスポーツならではの恒例行事です。

多くの場合、Aサイドに都合の良いキャッチウェイトやリバウンド制限など体重管理に関することが多いのですが、今回はリングの広さで一悶着ありました。

カネロ陣営が18フィート=5.47m=四方、サンダース陣営が20フィート=6.1m=四方を希望、サンダースが「18フィートなんて電話ボックス、そんな試合やってられるか」と試合キャンセルまでほのめかしましたのです。

これまでに「20フィート」で何度か戦っているカネロは「ばからしい。優れたファイターはどんなリングにでもアジャストできる」と譲歩する姿勢を見せましたが、エディー・ハーンによると「サンダースは24フィート=7.32m=四方を要求している」と、リングの大きさで白熱の綱引き。

結局、22フィート=6.71m=四方に落ち着きます。

ちなみに、今回の興行を統括するテキサス州格闘技スポーツ・プログラム(Texas Combative Sports Program)の規定は「16フィート=4.88m=から24フィート」。

テキサス州の下限は、後楽園ホール(18フィート)よりも小さいことになります。

18フィートを「電話ボックス」と例えたサンダース。カネロが16フィートを突きつけていたら、何に例えてくれていたでしょうか?
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Aサイドの要求が多岐に渡った例としては、1987年の「マーベラス・マービン・ハグラーvsシュガー・レイ・レナード」の史上最大のメガファイト(当時)がすぐに思い浮かびます。

12ラウンド制、リングの広さ、カンバスの硬さ、ロープの緩み…。

しかし、あのTHE SUPER FIGHTで使用されたグローブはなんとレイジェスでした。
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リング誌2014年8月号「Lessons of GLOVE−GATE」より「世界5大メーカーの特徴」。
 
グローブにまつわるAサイドの要求とトラブルでは、フロイド・メイウェザーとマルコス・マイダナの〝グローブ・ゲート〟事件も有名です。


キャッチウェイトなど体重で縛りをかけた試合はワンサイドになりやすいが、ギアで一悶着あった試合はクロスゲームになる…なんてことが言われていますが、はてさて今回のケースはどうなるでしょうか?
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▶︎井上がスーパーフェザー級で今のずば抜けた強さを誇っていたら、数億稼ぐようなボクサーになっていたとおもいますか?
 
2021-05-04 11:34:49 返信編集 田代 49.98.213.22
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かつて、ナジーム・ハメドはフェザー級でPPVイベントのメインを張り、850万ドルを稼ぎました。

最近でも、やはりフェザー級を舞台に、レオ・サンタクルスはvsカール・フランプトン、vsアブネル・マレスでPPVイベントには手が届かなかったものの、文句無しの100万ドルファイターになりました。

「(MGMグランド・ガーデンアリーナでメインを張るには)バンタム級では全然ダメ。最低でもフェザー。フェザー級から風景が変わる」(井上尚弥)という見立て通り、フェザー級から潮目が変わってくるのは間違いありません。

とはいえ、ハメドのPPVはたった一度きりで、相手はあのマルコ・アントニオ・バレラ。イエメンをはじめ中東から井上も真っ青の莫大な金額のサポートを受けたハメド、そして軽量級史上に残るスーパースター、バレラという際立ったタレントが激突した例外的なケースです。

そして、メキシコ時代の軽量級を代表する人気者サンタクルスもまた、メキシコ対決のマレス、アイルランドと英国に分厚いファンベースを持つフランプトンという「特別なカード」を手にしたときにやっと100万ドルを手にすることが出来たのです。

その意味で、フェザー級から潮目が変わるとはいえ、それは普通ではない要素がいくつか重ならないと起きない異常現象です。

つまり、フェザー級は「100万ドルファイターが日常的に存在する階級」とは到底言い切れません。
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そのすぐ上のジュニアライト級でも、事情は大きく変わりません。

「100万ドルファイターが日常的に存在する階級」は、ウェルター級まで遡上しなければなりません。

もちろん、井上尚弥も、潤沢な資金を背景に持つハメドと同じ「特別なカード」です。

それは、パンデミック下の無観客試合、ESPN+の放送で、ジェイソン・マロニー相手に100万ドルを稼いだというのですから、ラファエル・マルケスとMGMの宴会場で戦った西岡利晃をしのぐミラクルでした。

田代さんが「スーパーフェザー級で今のずば抜けた強さを誇っていたら、数億稼ぐようなボクサーになっていたとおもいますか?」というのは、すでにこの環境のバンタム級で100万ドルですから、バンタムでも数億稼ぐことになるかもしれません。

実際に、2019年のノニト・ドネア戦は舞台の大きさからファイトマネー2〜3億円でも全く不思議じゃないですから、もうすでに「数億円稼いでいる」と考えて差し支えないでしょう。

「そうじゃなく、米国で」というのであれば、強烈なライバルに恵まれるしかありえません。

現在のジュニアライト級シーンではシャクール・スティーブンソンやオスカル・バルデスですが、一番稼げるパターンは、彼らと日本でやることでしょう。

ドネア戦もぶっ飛ぶ、ジュニアライト級史上最大のメガファイトになります。

どうしても「米国で」となると、まず日本人であることはマイナスです。次にジュニアライトも人気階級とはいえません。

ワシル・ロマチェンコでも数億円=200万ドル以上となると、普通ではありえません。テオフィモ・ロペスですら、競争入札でやっとこさの300万ドル越え。

そう考えると「スーパーフェザー級で今のずば抜けた強さを」井上が発揮しても、数億円を日常的なファイトマネーにするのは現実的ではありません。

それ以前に、もうそこまでいけば日本でやる方が今以上にはるかに実入りが良いはずですから、いくらなんでももう「憧れ料」を支払うようなことはバカバカしくなってやめちゃうはずです。
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FRIDAY, APRIL 30
London (ESPN+, BT Sport)
12 rounds – flyweights (for Mthalane’s IBF title) 

残念です。

モルティ・ムザラネがノニト・ドネアに不運な負傷TKOで敗れてから走り続けてきた無敗ロードが約13年で終止符を打たれました。

108-120/111-118/113−115のユナニマスデジション。
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新王者サニー'Showtime'エドワーズは、比嘉大吾→クリストファー・ロサレスとタイトルが移動したWBCフライ級王者チャーリーの弟。

英国に引っ張り込まれた時点で、判定勝ちはありません。

前半から攻勢を取るべきでしたが、超軽量級の見本のような出入りの速いサニーのボクシングに、38歳の南アフリカ人は前半戦を何もできずに、ズルズルとポイントを失ってしまいました。

後半追い上げたものの、ときすでに遅し。

2008年、フライ級時代のノニト・ドネアと互角に渡り合い、フィリピーノフラッシュが「ムザラネにとって不運だった。再戦する」と思いやった実力者もう38歳。

経験に裏付けられたテクニックと、リバウンドで増幅されたパワーが持ち味のムザラネでしたが、ついにチャンピオンベルトを手放しました。

特にIBFルールに完璧に順応した前日計量から、当日朝の計量をリミット10ポンド一杯のリバウンドでクリア、さらに試合前2〜3時間前計量(制限なし)ではさらに10ポンド近い増量と〝IBFマスター〟ぶりを発揮してきました。

新王者が「7-5(115-113)か8-4(116-112)で勝ったと思った」と口にしたスコアと、二人のジャッジの採点には大きな乖離が見られましたが、負けは負けです。

完全アウエー、クロスゲームになっても明白な判定負けだったでしょうから、倒さなければ勝てないゲームでした。


いやあ、それにしてもちょっと美味しそうなのが王者になりました。

中谷潤人ならサニー程度のスピードは通用しません。パワーも上。何より10㎝の身長・リーチ差は25歳のロンドンっ子にとって悪夢となるでしょう。

ぜひ、ロンドンでやって欲しいです! 
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「アンソニー・ジョシュアvsタイソン・フューリー」の英国対決だって実現しないじゃないか。

「カネロ・アルバレスvsフリオ・セサール・チャベスJr.」だって賞味期限切れだったじゃないか。 

確かにその通り。

プロモーターが手中の大駒を失うかもしれない大勝負に出ることは、めったにない。あるとしたら、手中や懐中に大駒を複数持っているケースだけ。

「マニー・パッキャオ」という絶対の大駒を抱えていたトップランクは「ミゲール・コット」「アントニオ・マルガリート」「ファン・マヌエル・マルケス」と〝家内制手工業〟的にマッチメイクを重ねる一方、興行権を掌握できないフロイド・メイウェザーとの超弩級メガファイトには挑発的な態度を取りながら、ボブ・アラムは明らかに腰が引けていた。
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米国では、プロモーターとテレビ局の壁が日本以上に高く分厚い障害になっているのは周知の事実。

日本で「長谷川穂積vs西岡利晃」のようなライバル対決が実現しなかったこと、「井上尚弥vs井岡一翔」が具体的な交渉に入りそうもないことも、米国と同じ〝大人の事情〟を考えると当たり前。

しかし、米国ではファンが声をあげて渇望する、実現できない興行サイドを非難する。

それなのに、この国のボクシングファンは最初から諦めてる。

もしかしたら、日本人スター同士をぶつけるのは文字通りの〝星のつぶし合い〟と考えてるのかもしれません。

〝星のつぶし合い〟は確かに負けたほうが光を失い、二つあった星は一つだけになってしまいます。

しかし、それは勝った方の星がより大きな輝きを手に入れ、より大きな星になることを意味しています。
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欧米でほとんど注目されることがないジュニアフェザー級以下の超軽量級に、人気選手はまずいません。

超軽量級で超レアに評価が盛り上がってるジュニアバンタム級でトップのファン・フランシスコ・エストラーダ でもキャリア最高報酬は20万ドル。

2年間もリング誌PFPキングを守ったローマン・ゴンザレスは最高50万ドルのファイトマネーを手にしましたが、それは破綻寸前のHBOボクシングが総額100万ドルの超低価格イベント「スーパーフライ」の景気付けで捻出したもので、ロマゴンの米国での人気が50万ドルというわけではありませんでした。

ジュニアバンタム級でもマネーという感覚ではスター選手など一人もいません。バンタムに至ってはもっと悲惨です。井上尚弥だけを例外に、トップ選手ですらマネーでも認知度でも評価でも底辺のボクサーが乞食のように井上戦を求めています。

井上のプロモートに全く熱意が感じられないトップランク、日本から入る放映権に不満タラタラのESPN…。

バンタム級を統一して、ESPN=トップランクのテレンス・クロフォードと、リング誌=ゴールデンボーイ・プロモーションズのカネロ・アルバレスがコケたら井上はPFP1位になるでしょう。

しかし、それはマイケル・ダスマリナスやジョンリール・カシメロ、ノルディン・ウバーリら米国で目くそ鼻くそとはいえ井上以上に無名なばかりか、日本のサラリーマンから見ても羨ましくない貧困ボクサーに勝ってのバンタム級統一です。

ユダヤ人のおじいさんは、井上に対して「パッキャオのようなスターになる」と何度も語ってますが、明らかにやる気はないです。

89歳のおじいさんにとって、人生のロスタイムでもう一度鮮やかなゴールを決めたい気持ちは強いでしょう。

パンデミックに見舞われ、トップランクもライバルに蹴落とされて一気に落ち目になった今「超軽量級のアジア人をかまってる時間はない」と考えたとしても無理はありません。

おじいさんが、井上のバンタム統一を見ることは二つの意味でないかもしれません。

①その意欲も能力もない、②寿命。

井上には、埒があかないバンタム級統一に固執するよりも、やることがあるような気がします…。

そもそも、このまま米国ラスベガスにしがみつくと〝西岡利晃〟と同じことを繰り返すだけです。

矮小な会場とマイナーなテレビ放送とは全く不釣り合いの100万ドル報酬…。西岡は1回でしたが…井上は上塗りしてしまうのでしょうか?
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