フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 軽量級のメガファイト

Wednesday 5, May 2021
EDION Arena Osaka, Osaka, Osaka, Japan
亀田和毅vs三宅寛典 
commission Japan Boxing Commission
promoter:Masato Yamashita (Shinsei Promotions)

日本スポーツ史におけるアンチヒーローは「亀田」だけではありません。また「亀田」が最初でもありません。

江川卓や桑田真澄、そして野茂英雄への非難轟々は「亀田」を遥かに凌ぐものでした。

ただし、この3人に吹いた、一見すると〝罪〟にしか見えなかった強烈な逆風はプロ野球の入団と移籍に関する重大な欠陥を露呈させ、システムの不備を改善に導いた、実は〝功〟でした。

もちろん「亀田」のケースもボクシング界の欠陥・欺瞞を露わにしたという部分はあるものの、のちになっても言い訳できない明白な〝罪〟を重ねたことは変わりません。

しかし、この差が「江川」と「亀田」の評価を隔てた最大の原因ではありません。

もし「亀田」が行き過ぎた〝罪〟を重ねなくても、彼らが英雄に転化することはもちろん、赦されることもなかったでしょう。

江川と桑田が〝赦され〟野茂が日本スポーツ史上に燦然と輝く英雄に昇格したのは、彼らが傑出した実力を見せてプロ野球ファンを納得させたからです。

「江川は大嫌いだけど途轍もない投手」。

スポーツファンとして、認めるしかなかったのです。そして、スポーツファンはどんなに嫌いと口にしても、途轍もないヤツが大好きなのです。

もし亀田興毅が圧倒的な実力を見せつけていたなら、全盛期のノニト・ドネアを粉砕して日本人初のFighter of the year に輝いていたなら、彼は日本のフロイド・メイウェザーになっていたでしょう。

「ボクマガの読者は俺らのことが嫌いやからな」なんてひねくれた言葉は「俺らボクシングファンにしか人気ないからなあ。ボクシングを知らない一般のスポーツファンには嫌われてるから」と余裕の睥睨になっていたはずです。


憎たらしいほど強くなければアンチヒーローたりえません。憎たらしいほど強くなければアンチヒーローの資格がないのです。

その意味で「亀田」はアンチヒーローではありませんでした。

憎たらしいほど強さを見せつけることが出来なかった「亀田」はほとんどのボクサーと同様に、4-Belt Era だから王者になれたことに異論がある人はいないでしょう。

逆にいうとこの時代で王者になるには、全く差し支えなかったと考えます。

ゴジラが「核の落とし子」だったように「亀田」は「4-Belt Era だから咲き乱れた徒花」でした。

では、彼らはどの程度強かったのでしょうか?
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Wednesday 5, May 2021
EDION Arena Osaka, Osaka, Osaka, Japan
亀田和毅vs三宅寛典 
commission Japan Boxing Commission
promoter:Masato Yamashita (Shinsei Promotions)

緊急事態宣言が週明けにも発出される見通しの大阪府。

期間は3週間から1ヶ月といわれていますから「亀田和毅vs三宅寛典」の試合ゴングが無事に鳴らされるかどうか、全く不透明になりました。

無観客でもやって欲しいと思いますが、時期は最悪です。
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リング誌の名物企画「BEST100」↑。毎年1月号で現役PFP100傑!を発表する冒険的なコーナーでしたが、経営難と誌面リストラで2014年を最後に惜しまれながら消滅。「亀田」には辛辣なコメントもありましたが、愛される常連でした。



さて、ボクシングの話がほとんどのブログですが「亀田」に関する記事が極端に少ないことには理由があります。

改めて考えてみると、①長男次男が引退、三男も積極的に活動していない②和毅は下流王者ジェイミー・マクドネル、普通王者レイ・バルガスに健闘したとはいえ女子並みの決定力の無さ③リング外の話題を自分たち嬉々として発信する選手は生理的に受け付けない、などでしようか。

②③は皮肉で、①がほぼ全てです。

亀田興毅が世界王者になった頃から引退までの時期にこのブログを立ち上げていたら「亀田」について間違いなく何度も触れていたはずです…。

と、ここまで考えてみて、そもそも国内ボクシングが亀田騒動の最中では「議論する余地の無い王者=Undisputed Championとは?」「Lineal Championの系譜をおさらい」「日本歴代PFPを考える」「リング誌単独カバーの考察」「人気階級に風穴を開けろ!」…なんてテーマを書く動機付けに乏しく、ブログそのものを立ち上げていませんでした。

村田諒太や井上尚弥、中谷正義、井岡一翔らの躍動があるから、書きたいものが尽きないわけです。

亀田興毅に「カネロ・アルバレスを倒してくれ!」なんて発想は脳みそが沸騰しても浮かんできませんし「亀田大毅はPFPに値するか?」なんて妄想すら出来ません。「亀田和毅はメキシコでも米国でも無名」なんてことも口にする気にもなれません。

興味・関心を向けることが全く出来なかったので、一部のボクシングファンが向ける嫌悪や非難など負の感情は、私にはほとんどないのです。

 

暗愚で幼稚な振る舞いなども含めて「亀田」に向けられた非難は、本来彼らに向けられるべきではありません。

ヘドロが無ければ、腐臭が立ち昇ることはありません。

「亀田」にだけ批判の矛先を向けるのは、ヘドロを排除せずに腐臭だけに大騒ぎしているのと同じことです。

うーーん、ボクシング界にヘドロが沈殿しているのは間違いありませんが「亀田」を腐臭と表現するのは間違いですね、訂正します。

日本のボクシング界は、すべからく「亀田」だと言った方が正解です。 

さて、その「亀田」とは何だったのか?

それは、日本のボクシング界とは何なのか?と同義です。 
 
 

本人たちが胸を張るように、彼らがボクシング界を盛り上げた功績は紛れもない事実です。

一方で、興毅が「ボクマガの読者は俺らのこと嫌いやからな」と拗ねたように、彼らが盛り上げたのは〝広義〟のボクシング界で〝狭義〟のボクシング界は極端なアレルギー反応を示しました。


それは、まさしく「近親憎悪」でした。 

亀田和毅の試合に向けて「亀田」の功罪を総括、この国のボクシングの輪郭をなぞっていきます。
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会場未定ながジョンリール・カシメロとギレルモ・リゴンドー が激突します。

カシメロは32歳、リゴンドー は40歳。軽量級としては共に若くはありません。

しかし、ジュニアフライ級で最初のタイトルを獲ってから、4階級目のバンタムでカシメロは最も凶暴になっています。

意外性の塊のようなフィリピン人は、いまがプライムタイムと見て良いでしょう。

一方のリゴンドー 。40歳という年齢は軽量級でなくても完全に黄昏刻です。
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◼️「あるキューバ人ボクサーの生き様」。カストロを裏切った男から、アメリカのチャンピオンへ。◼️


この亡命キューバ人は二つ大きな誤解を受けています。

一つ目は、ボブ・アラムやESPNが名指しで批判した「試合が面白くない」ということ。

22戦20勝1敗1NC、20勝のうち13がKO。圧倒的なパワーを見せることもあり。退屈な判定を繰り返しているわけではありません。

もちろん、スペクタクルなファイターではありませんが、人気がない最大の原因はクリチコ兄弟と同じく〝東側〟への偏見です。

もし、彼らがメキシカンなら…。クリチコ兄弟はカネロ・アルバレスを凌ぐ人気者だったでしょう。

リゴンドーもロマチェンコをジュニアフェザーまで痩せ細らせ、リバウンド制限まで飲ませて快勝していたかもしれません。

そして、もう一つの誤解は「不人気打開のため打撃戦上等に変えている」というスタイルチェンジ。

ここ数試合のリゴンドー が強引な打ち合いを避けないのは、反射能力の衰えを自覚しているからです。

スピードと動体視力、パンチの回転、フットワーク、軽量級に求められる要素は、非常に衰えやすいものばかりです。

そして、それらを支える反射は、鍛えることが難しく、加齢による劣化は止められません。

年齢を重ねても最後まで残るパワーと対極にあるのが、反射です。

リゴンドー がパワーに縋り付くのは当然の帰結なのです。

〝酒場の乱闘〟に易々と巻き込まれる今のリゴンドー は、卓越した防御技術と反射でシドニー2000とアテネ2004を連覇したキューバ代表の天才とは別人です。

20年前ならもちろん、10年前のリゴンドー でも、カシメロがどんなに意外性の塊だとしてもノーチャンスだったでしょう。

しかし、8月14日にリングに上がるのは、反射能力を完全に喪失し、スピードとフットワークまでもがれた〝10年後〟のリゴンドー です。

全盛期の野獣と、経年劣化が激しい精密機械。

対照的な二人ですが、悲しい共通点もあります。

「不人気階級の外国人」という二重苦から正当な人気や報酬が得られず、母国のリングに立てないまま不遇のサーキットを続けるジプシー・チャンピオン、ということです。

そんな二人が真夏に正面衝突します。

フィリピン人の強打が40歳のキューバ人を破壊する、と予想しますが、どちらが勝っても少し苦い味のする世界バンタム級タイトルマッチになりそうです。

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日曜日だというのに、大学でお仕事。

また、東北で地震がありました。東京も嫌な揺れ方でした。

天災を抑えることなど誰もできませんが、不運に見舞われた人を救うのは政治家のお仕事です。しっかりお仕事しましょう。

******

リング誌は月間最高選手を毎月発表しています。
6月号で選ばれたのはジュニアバンタム級最強を賭けて8年8ヶ月ぶりの再戦を戦ったファン・フランシスコ・エストラーダとローマン・ゴンザレスの2人。

昨年の年間最高選手にもテオフィモ・ロペスとタイソン・フューリーの2人を選手したリング誌ですが「年間」の方はフューリーの単独で良かったと感じています。

しかし、エストラーダとロマゴンの「月間」は納得です。さすがリング誌です。

「ダウンシーンや、どちらかが決定的に傷つくこともなかったが、あれほどハイレベルな打撃戦はまず見られない」。

その通り、技術もハートもハイレベルなこれぞボクシングの試合でした。
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判定が読み上げられ、敗北したロマゴンはもちろん、勝ったエストラーダも会心の笑顔を見せることができませんでしたが、この試合の勝者は明らかです。

生で目撃した約2500人の観衆が最高の勝者、テレビで観戦できた世界中のボクシングファンも勝者でした。

今年の年間最高選手賞も、この2人で良いかもしれません。
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当初は3月か4月に予定されていたジョンリール・カシメロとギレルモ・リゴンドー の一戦が8月14日に確定しました。

バンタム級の完全統一=Undisputed Champion を目指すIBF/WBA王者・井上尚弥にとってWBOのピースを持つフィリピン人は、いつか倒さなければならないターゲットです。

また、完全統一には不要のセカンド王者とはいえ、WBAのベルトを巻くキューバのジャッカルは未だにトップ戦線で戦う技術をキープしていると見られ、カシメロを倒して〝勝ち上がってくる〟なら難敵になりそうです。

カシメロもリゴンドー も井上をプロモートするトップランク&ESPNと敵対するプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)&ショータイムですが、米国で人気のないバンタム級におけるプロモーターの壁は高くはありません。

言い方は悪いですが、バンタムは添え物階級、捨て駒階級です。
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とはいえ、トップランクの井上は、日本限定とはいえ軽量級ではあり得ない破格のビッグファイトを成立させるcash cow(カネのなる木)。

米国開催で〝憧れ料〟という名の放映権料をせしめ、日本のビッグファイトで甘い汁を啜り続ける腹づもりのトップランク側としては「危険な橋を渡るのはまだ先」と考えているかもしれません。

さらに、ボブ・アラムと犬猿の仲のアル・ヘイモンが「捨て駒階級」とはいえをアラムへの当て擦りで、有力選手を出し惜しみする可能性もあります。

「井上はトップランクで飼い殺し」と報道されるのは、ヘイモンにとってさぞかし気持ち良いでしょう。

ただ、井上の場合はトップランクはあくまで共同プロモートですからガチガチの契約とは考えられません。

生き馬の目を抜く世界で、その目を抜かれ始めたトップランクに長居する必要はありません。ベストはPBCかマッチルームへの移籍ですが…。

これはテレンス・クロフォードも全く同じ構図です。アラムは乾坤一擲の「ドバイでパッキャオ戦」をぶち上げていますが、これを実現出来ないとなるとクロフォードの不信感はもう誰にも抑えられないでしょう。

この3年ほどで、アラムはすでにパッキャオを失い、テオフィモ・ロペスごときがあからさまに不信感を示しています。

ボクシングのプロモーターと、サッカーのトップリーグや強豪国の監督には大きな共通点があります。

「スター選手をコントロール出来なければ、そこで終わり」です。「スター選手に舐められたらおしまい」の世界。

そこで、パッキャオはまだしもテオフィモにまで舐められたのは、語弊を恐れずに言うと〝ヤクザの世界〟に生きるプロモーターとしては致命的です。

もちろん、ゴールデン・ボーイ・プロモーションズの方が事態は深刻で、ESPNという後ろ盾があるトップランクはまだ沈みきってはいませんが、その時代は間違いなく日没の時間を迎えています。

今年で90歳になるアラムはあと何年も指揮は執れませんから、トップランクの没落にブレーキはかからないでしょう。
 
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「ほんの一瞬だけ油断してしまった」。ゾラニ・テテは番狂わせを起こされた理由を問われ、アムナット・ルエンロンと全く同じ言い訳を口にしました。

さて、カシメロvsリゴンドー です。

40歳のキューバ人は現代リングで最も確実性の高いボクサーの1人です。どちらの意味でも番狂わせが起きない、機械的な冷血ボクサーです。

一方のカシメロは32歳。「誰に勝っても不思議ではないが、誰に負けても不思議ではない」という世界で最も不確実なファイター、その血液はいつも沸騰しています。

非常に面白いマッチメイクです。

どちらが勝ち上がっても、井上にとってキャリア最強の敵になります。

リゴンドー はもちろん、カシメロも何者であるのかが世界レベルでほぼ証明されたファイター。

リゴンドーは、井上が粉砕してきたオマール・ナルバエスやジェイミー・マクドネル、ファン・カルロス・パヤノ、ノニト・ドネアといった世界レベルでの現在位置が定まった選手たちと、同じ。そこが見えたボクサーです。

しかし、ドネアの全盛期にピリオドを打ち、ワシル・ロマチェンコとの〝階級差マッチ〟以外は負けていません。

もし、リゴンドー を失神KOするスペクタクルを見せつければ、世界中のボクシングマニアを刮目させる勝利になります。
 

そして、カシメロです。

世界戦6勝5KO2敗、3階級制覇してなお、破格のバンチャーであり続けるQuadro Alasは、32歳にして永遠の原石。

飛び級3階級制覇しながらバンチャーの性格をより強烈に印象づけているという井上との共通点を持ちながら、モンスターは教科書通りのPFPファイター、フィリピンの野獣はセオリー無視の喧嘩ファイターと全く対照的。

常識的に考えるなら、カシメロに勝ち目はありません。しかし、常識が通用しないのがカシメロです。

経験値も技術もボクシングIQも後天的な戦力は圧倒的に井上が上回っています。スピードとパワーといった先天的な要素が強い部分はほぼ互角。

そして…一瞬の閃きはカシメロです。

井上がパヤノに放ったジャブ・クロスは本人が「降りてきた」という美しいワンツーでしたが、あれは普段の練習から何度も反復してきた技でした。そして、パヤノの倒れ方から誰の目にもが試合が終わったとわかりました。

対して、カシメロがゾラニ・テテを一撃で奈落の底に落とした〝奇妙な角度とタイミングで放たれた〟右パンチ。観客もテレビを見ていた視聴者も、変なパンチが当たったのはわかっても、決定的な一撃には見えなかったでしょう。

しゃがみこんだ南アフリカ人が「スリップだ」と不満を見せてスッと立ち上がっても、おかしくない、そんなパンチでした。

フィリピン人に限らず〝ネクスト・パッキャオ〟の誇大広告を背負わされたボクサーは数え切れません。当たり前ですが、そのどれもが全てが偽物でした。

前人未到の8階級制覇は置いておくにしても、敵地をサーキットしながら番狂わせを演じるなんて普通ではありません。

ただ、後者の意味合いで、カシメロは最もパッキャオに近い空気をまとうファイターでしょう。

フィリピン人のロードウォリアーにもかかわらず、Quadro Alasが〝ネクスト・パッキャオ〟と呼ばれたことはほとんどありませんが、彼こそ最もパッキャオ的なファイターです。 

超軽量級は、世界的には注目度が低いため オッズや専門家予想はまだ見付けることができません。しかし、この試合、そろそろ「カシメロ有利」の見立てになるかもしれません。

直近の試合相手、デューク・マイカーは経験不足の未知の強豪でしたが、けして弱いバンタム級ではありません。あの相手を屠ったカシメロからは、今までにない冷静さ、貫禄も感じました。

冷静さ、貫禄を身につけたらカシメロの魅力は半減する…。そうかもしれませんが、そうではないかもしれません。

13年前にライト級のデビッド・ディアスを冷徹に切り刻んでいった、マニー・パッキャオも全く同じことを言われていましたが、パッキャオの物語は次の試合で歴史的な大番狂わせを起こすことで、新章に突入しました。

カシメロvsリゴンドー。

私には、カシメロのKO勝ち以外の予想は出来ません。 
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マッチルームがジュニアフライ級のタレントをまた傘下に収めました。

リング誌/WBA王者の京口紘人に続いて、WBOのエルウィン・ソトがマッチルームと契約。

ソトは、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)がサンフェルと共同プロモートしていました。

契約年数(試合数)、契約金は不明ですが「次の防衛戦をクリアしたら統一戦に乗り出す」とのことです。
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https://www.matchroomboxing.com/news/elwin-soto-signs-with-matchroom/
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ジュニアフェザー級以下の超軽量級は米国では需要が低く、メインイベントでは使えない素材ですが、メインに高額の報酬を保障しなければならないPPVなどのメガイベントではコスパの高い超軽量級が重宝されます。

一方で、高額のPPVを買わされるマニアたちからは「パッキャオやメイウェザー、カネロのイベントの前座は安上がりで面白くない」と不評。それでも、買ってしまうのがマニアの悲しい性です。

そして、メガイベントの前座常態化することで、超軽量級のステイタスはさらに下落というデフレスパイラルに陥っているのです。

トップランクがジェルウィン・アンカハスと複数年契約を結んだのも、GBPがソトとの関係をキープしていたのも〝メガファイトの前座〟要員でした。

しかし、かつての二大プロモーターにも没落ムードが漂い始め、トップランクはマニー・パッキャオ、GBPはカネロ・アルバレスに三行半を突きつけられて、そもそもメガファイトに上げるスター選手を失ってしまいました。

井上尚弥と村田諒太の現状を見ても、トップランクにかつてのマネジメント能力が期待できないことは誰の目にも明らかです。

今や、米国の勢力図はアル・ヘイモンのPBCとマッチルーム、そして落ち目のトップランク、GBPは4番手グループに脱落という構図です。

欧米では人気もウマミもない超軽量級ですが、日本やタイでは事情が全く違います。米国では見向きもされなかったWBSSバンタム級が、日本ではメガファイトに化けるのです。

エディ・ハーンは「ジェイミー・マクドネルの試合(vs井上尚弥)で軽量級の商品価値を見直した。そして井上vsドネアで確信した。しかもアジアには日本とタイ、韓国だけでなく中国が控えている」と見通しています。

ジュニアフライ級の決戦はロンドンやラスベガスでやってもビジネス的な意味がありません。日本開催を想定しているのは明らかです。

トップランクとGBPの凋落を見るまでもなく、スーパースター選手は承認団体だけでなくプロモーターまで手玉にとる時代になりました。

スーパースター選手との関係を良好に保ちながら、コントロールしやすい軽量級や超軽量級のビジネスにうまく取り組んでいくことが、今まで以上に求められています。

WBSSやハーンのスタイルが定着すると、超軽量級シーンは日本を中心としたアジアが大舞台になり、世界的にも再び尊敬され、潮目が変わりそうです。

「バンタム級にもラスベガスでメガファイトがある」と妄想していた信者たちはガッカリでしょうが、ボクシング界としては悪いことではありません。
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ジェルウィン・アンカハスがジョナサン・ロドリゲスを判定で下して9度目の防衛に成功。

117-110/116-111/115-112のユナニマスデジション。 8ラウンドにダウンを奪ったとはいえ、オフィシャルほど差がある内容には見えませんでした。

もともと精緻なボクシングをするタイプではなかったとはいえ、パワフルな攻撃よりも粗雑さだけが目につきました。16ヶ月のブランクの影響があったのかもしれません。

「最も厳しい防衛戦だった」とアンカハスも認めているように、CompuBoxのスタッツの数字でも悪戦苦闘が伺えます。
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さて、井岡一翔です。

今日のアンカハスなら難しい試合にならないでしょうが、相手が井岡となると29歳のフィリピン人も準備の仕方が心身ともに全く変わってくるでしょう。

最大の標的、ファン・フランシスコ・エストラーダは「WBC統一トーナメント」に出場するため、井岡との激突はどんなに早くても来年前半です。

その間に、WBOのピースしか持っていない井岡も〝箔〟を付けねばなりません。そのためにもアンカハスは格好の相手です。
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リング誌5月号から。井岡がプリントバージョンでもPFPデビュー。「PFPファイターとしては期限切れと見られていた井岡だったが、田中恒成をストップしてついにPFPランキングへのデビューを果たした」。
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WORLDBEAT(世界の動向)では見開きで日本の年間表彰を紹介。

この二人の激突を、私たちはいつか目撃できるのでしょうか?
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Saturday 10, April 2021(日本時間4月11日)
  
Mohegan Sun Casino, Uncasville, Connecticut, USA
commission:Mohegan Tribe, Department Of Athletic Regulation
promoter:Tom Brown (TGB Promotions)

USA Showtime 

IBFジュニアバンタム級タイトルマッチ
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「ファン・フランシスコ・エストラーダvsローマン・ゴンザレス」「シーサケット・ソールンビサイvsカルロス・クアドラス」で展開される〝WBCスーパーフライ・トーナメント〟の優勝者との対決を伺うのが、WBO王者の井岡一翔とIBF王者アンカハスです。

アンカハスはパンデミックの影響で1年4ヶ月のブランクを余儀なくされ、自身が所有する農園で働くなど、トレーニングに100%集中できる環境ではなかったようです。

ライバルの台頭によって完全下り坂のトップランクに見切りをつけてPBC傘下となったアンカハスは、これが新天地での第一戦。9度目の防衛戦は、絶対に負けられないだけでなく、勝ち方も問われます。

オッズは王者が1/6(1.67倍)、挑戦者13/2(7.5倍)と大きく開いていますが、相手はここ最近〝番狂わせ〟づいているノーマークのメキシカン、不気味ですが、スカッと勝つでしょう!

そして、10度目の防衛戦は日本でWBOの井岡との統一戦になれば最高なのです!


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メインイベントはウェルター級の新星ジャロン・エニスが元IBFライト級王者セルゲイ・リピネッツを迎える〝一次試験〟。

〝サムライ〟の異名を持つリピネッツは近藤明広との決定戦に勝利して戴冠したものの、マイキー・ガルシアに敗れて初防衛に失敗。

18戦16勝12KO1敗1分と敗北はマイキーに喫した一つだけですが、昨年10月に〝カナダ限定の強豪〟カスティオ・クレイトンとのIBFウェルター級暫定王者決定戦で引き分けるなど、完全に底の見えた32歳。

ただ、そのリピネッツがキャリア最強というのがエニス。

リング誌の「Prospect of the Year2020」に選ばれた23歳のスイッチヒッターが一次試験を難なくクリアできるか?ここでの躓きは、今後のキャリアにも大きく影を落としてしまいます。

オッズはエニス1/10(1.1倍)、リピネッツ9/1(10倍)。

お手並み拝見、です。 
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5月29日(土)カリフォルニア州ロスアンゼルス(会場未定)

WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者ノルディーヌ・ウバーリvsノニト・ドネア 

WBC世界バンタム級暫定タイトルマッチ
暫定王者レイマート・ガバリョvsエマヌエル・ロドリゲス
 
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新型コロナの感染で延期を重ねた「ウバーリvsドネア」がやっと実現。

その副作用でセットされた暫定王者決定戦「ガバリョvsロドリゲス」が不可解な判定で、再戦に。


正式発表はまだとはいえ、正規王者と暫定王者の2大タイトルマッチなんて、WBCは正常な思考能力を失っているようです。別に今に始まったことではありませんが。

IBFとWBAのストラップを握る井上尚弥は、バンタム級の完全統一を目指していますが、WBCもWBOも面倒臭い状況になっています。

それを言い出すとIBFの指名試合(マイケル・ダスマリナス戦)も面倒臭い。

ウバーリもガバリョもロドリゲスも、完全に底の割れたボクサーです。ドネアに至っては9年間まともな相手に勝ったことがない38歳。

WBOのジョンリール・カシメロは、モンスターにとって唯一脅威になるかもしれないバンタム級ですが圧勝しても「あのカシメロを簡単にノックアウトするとは!」と驚くことはありません。

井上が戦うにはベルトのコレクションという意味しかない、ローリターンの試合にしかなりえません。

現状の貧困バンタムで、井上の実力が抜きん出ているということですが、ここにとどまる意味はベルト・コレクション以外には何の意味もありません。

もちろん、もう一つベルトを吸収すると日本人初の3団体王者、4つ目も獲ると1984年の渡辺二郎以来37年ぶりのUndisputed Championとなります。

世界でも4−Belt Eraでは、バーナード・ホプキンス、テレンス・クロフォード、アレクサンダー・ウシクに続く史上4人目の「自力での完全統一王者」で、専門メディアから高く評価されるでしょう。

他階級のライバルの動向もありますが、メジャー(BWAA/リング誌/ESPN)のFighter Of The Year に輝く可能性も膨らみます。

オマケで、PFP1位評価もカネロ・アルバレスやテレンス・クロフォードとの兼ね合い次第ではあるでしょう。

しかし、バンタム級を取り巻くこの面倒臭い状況を考えると、完全統一には最低でもあと1年はかかるでしょう。

トップランクとESPNのじれったいプロモートも、まともなファンならそろそろ怒りの声をあげて良い頃合いです。

まあ、それでも、メジャーのFighter Of The Year と引き換えに、あと1年以上バンタム級の井戸の中にとどまるのも選択肢としてはありかもしれません。

全く、ワクワクもヒリヒリもしませんが。

リカルド・ロペスやローマン・ゴンザレスの轍を辿るわけです…と書いて、リカロペもロマゴンもFighter Of The Year には一度も選出されていないことを思い出しました。

井上も選ばれるとは限りません。

というか、PFPよりは遥かに価値があるとはいえ、BWAAの Fighter Of The Year(シュガー・レイ・ロビンソン杯)ですら所詮は人が決めるもの。

そう考えると、やはり人が決めることのできないこと、コアなマニアだけでなく世界中のボクシングファンが胸躍らせる冒険的な勝負を期待したいのですが…。

村田諒太や中谷正義と同じことは出来ないまでも、不人気階級で米国で暴れたいなら、やり方は間違っている気がします。

井戸の中でどんなに吠えても、誰の耳にも聞こえません、井戸の中に篭っていては誰の目にもとまりません。
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ウズベキスタン、タシケントのヒルトンホテルで行われた前日計量。

ウズベキスタンでの注目度の高さが伺える会場の熱気です。

IBF/WBA王者ムロジョン・アフマダリエフは121.2ポンド、岩佐亮佑は121.6ポンドで一発クリア。
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https://www.youtube.com/watch?v=lqX8NBcZfgA&t=2754s

あと1日に迫った決戦のオッズは王者1/6(1.67倍)、岩佐29/4(8.54倍)と開いてきました。

米国の専門サイト、BOXING NEWS 24 の試合予想も「岩佐は体格のアドバンテージを活かせないままアフマダリエフの攻撃に晒され続け、7ラウンドでストップされる」「2015年に強豪とはとても呼べないリー・ハスキンスに6ラウンドで叩きのめされた岩佐は、それ以来進歩がない」。

あと1日です。米国のゴミメディアには好きなだけ言わせておきましょう。

ただ、MJの土俵で戦っては勝ち目はありません。中途半端な判定でも勝ち目はありません。

じっくり戦ってどうにかなる相手ではありません。早い段階で思い切って、仕掛けるべきです。

完全アウエーのリングの上がる31歳の日本人が、26歳のウズベキスタン人を戦半でノックアウトすると予想します。

がんばれ、岩佐!



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そして、タシケントからさらに西へ舞台を移して…UAEドバイで行われるWBOジュニアライト級タイトルマッチの前日計量。

王者ジャメル・ヘリング129.4ポンド、挑戦者カール・フランプトンが129.9ポンドでクリア。

フランプトンはヘリングからタイトルを奪って、指名挑戦権を持つシャクール・スティーブンソン戦を見据えて「無敗のスター候補。ベルファストでやれば巨大スタジアムに5万人を集めることが出来る」と語りました。

軽量級というだけでなく、米国での人気が今ひとつのスティーブンソンはトップランクの秘蔵っ子で、ノニト・ドネアほど人気がないわけではありませんが、ドネア同様に北アイルランドに引っ張り込まれるパターンです。

ボブ・アラムにとってはフランプトンも契約選手。米国でショボい興行に甘んじるよりも、ベルファストでビッグファイトの方が美味しいに決まってます。

ただ、ここまで無敗(15戦全勝8KO)とはいえ〝Fearless〟スティーブンソンは「誰に勝ったのか?」となると沈黙するしかない、トップランクお得意の過大評価臭漂うスター候補。

ボブ・アラムにとって〝純粋傘下〟で管理している23歳のFearlessと、英国のマネジメントも絡んでいる34歳のThe Jackalでは、資産価値が全く違います。

「フロイド・メイウェザーの再来」はいくらなんでも羊頭狗肉。決定力が致命的に欠落したスティーブンソンとは違い、軽量級時代のフロイドはエキサイティングなパンチャーでした。

ベルファストに行けばスティーブンソンの無敗はストップ、恥をかくために大西洋を往復するだけです。

とはいえ、その前にヘリングです。フランプトン勝利を予想していますが、試合前から「スティーブンソンとベルファストで5万人」と口にしたことは、少し心配になります。

日本人にも手が届くクラスだけに、スター性のあるフランプトンに勝って欲しいのですが…。



さて、中東屈指の富裕都市ドバイで行われるイベントには、ドニー・ニエテスも登場。来月13日に39歳の誕生日を迎えるフィリピン人が3年4ヶ月ぶりにリングに帰ってきます。

井岡一翔も僅差判定で競り落としたAhas(蛇)の名人芸は、長いブランクで錆び付いていないでしょうか? 

対戦相手はパブロ・カリージョ、井岡が2014年に完勝している32歳のコロンビア人。当時はフライ級の世界ランカーでしたが、現在は直近5戦で3勝2敗のキャリア下降期。

ニエテスの現有戦力を測るには相当に物足りない相手ですが、圧倒的な勝ち方を期待します。
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