カテゴリ: 英国ボクシングニューズ誌

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【左】英国ボクシングニューズ(BN)誌024年8月29日号。あまりにも唐突な「こんにちは」。中身の記事との関連性もありませんでした。「日本=漫画」ということで、吹き出しにセリフを入れてみようと考えたのか?それなら「俺は怪物君だ♬」の方が…。

【右】1月23日号。おもいきり日本語で「モンスターに迫る脅威 誰が井上尚弥を攻略できるのか」。その言葉の通りに、記事は「RIVALS The biggest threats in Inoue's future(好敵手 井上の前に立ち塞がるライバルたち)。

わずか5ヶ月でここまで来たか!さすが、創刊1909年の世界最古のスポーツ専門誌!




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試合前のオッズは田中恒成の勝利が1/10(1.1倍)、プメレレ・カフが13/2(7.5倍)。


ストロー級からジュニアバンタム級まで4階級でアルファベットのタイトルをピックアップした恒成はビック・サルダール、モイセス・フエンテス、アンヘル・アコスタ、田口良一、ジョナサン・ゴンサレスと、アルファベット団体のエセ世界ランカーではなく、ESPNやリング誌が認める世界ランカーに勝利、その実力の輪郭がはっきりしたファイターです。

一方のカフの戦績は、プロ13戦10勝8KO3引き分けと無敗ながら、13試合はいずれも世界的には無名の選手を相手に地元南アフリカで積み重ねてきたもの。「世界最速」の恒成のスピードについていけないと見られていました。

結果はご存知の通り。

カフは恒成からダウンを奪って、後半の追い上げも振り切ってSDの勝利を収めました。26歳(30歳説も有力)の南アフリカ人が未知の強豪から、その渾名のとおりThe Truth(本物)であることを証明した試合になりました。

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このカフの次戦が3月半ばを目処に交渉が進められてします。交渉の相手は、なんとローマン・ゴンサレス

「田中恒成に勝って、私は自分が世界のベストファイターであることを示した。私が、数々の伝説を作ってきたチョコラティトと戦うことに誰も違和感をおぼえないはずだ」。

南アフリカ東ケープ州のダンカン村はアパルトヘイト時代の旧黒人居住区、治安は劇的に改善されたと言われていますが、外国人旅行者が歩ける街ではありません。

特に、The Hood と呼ばれるエリアは暴力と犯罪の巣窟でした。


カフはここで育ちました。WBAフェザー級王者シンピウィ・ベトイェカも、このダンカン村の出身です。

Cafu seemingly had a one-way ticket to joining him in prison.

父親は酒びたり、カフはストリートで悪事に手を染め、刑務所へ一直線の人生に見えました。

「争いごとばかりだった。人を刺したこともある、刺されたこともある。それがThe Hood で生活するってことはそういうことなんだ」。

それでも、母親は優しく、カフが飢えるようなことはありませんでした。父親も酔っ払って暴力を振るうようなことはなく、人生に絶望しているようでしたが、やはりカフには優しく接してくれました。

元ボクサーだった父親が地元のボクシングジムにカフを連れて行ったのは、なんと3歳のとき。

カフがThe Hood の深い闇に真っ直ぐ落ちなかったのは、夢と希望があったからでした。夢と希望、もっと具体的にいうなら、それはボクシングです。

「父親に連れられてボクシングジムに通うのは本当に楽しかった。いろんな技術を覚えて、成長している実感があった。この道を進めば、ずっと先に明るい未来があると信じることができたんだ」。

「もし、ボクシングが無くて、The Hoodで暮らしていたなら、そんなことは思いもしなかっただろう」。

「ストリートでは喧嘩に明け暮れるしかなかったけど、私にはボクシングがあった。すぐに刑務所に行く、長生きできないなんて言われたけど、私はこの町から脱出する方法を知っていた」。

カフは2018年5月26日にプロデビュー。19歳のときでした。

地域タイトルをコレクションしながら、主要団体のタイトルを窺う南アフリカ人にWBO王者の田中恒成からオファーが届くと、二つ返事で請け負いました。

「当時の私はWBO6位、田中は私を勝てる相手だと選んだ。それが間違いだった」。

ほとんど互角の攻防は、5ラウンドにダウンを奪ったカフと、最終12ラウンドにカフをダウン寸前に追い込んだものの倒せなかった恒成。その差が114−113*2/113−114のスプリットでカフに勝利をもたらしました。

26歳のカフにとってキャリア初の海外遠征、そして世界基準の相手との激突。まだまだ伸び代のある南アのThe Truthがチョコラティトまで飲み込んだとしても大きな驚きはありません。

「私が田中に勝てるなんて誰も思っていなかった。それでも第1ラウンドで、どうしようもない壁ではないとわかった」。

I want show kids anything is possible.  If I can do it, They aiso can.

「The Hood で絶望に鬱屈している子どもたちに、不可能なんてないと教えてあげたい。ほら、私ができたんだから君にも出来るさってね」。




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カフvsチョコラティト。

37歳になるニカラグアの伝説にまだ何か残されているのか?

恒成との試合から大きな自信と経験を上乗せしてリングに上がるカフですが、チョコラティトがある程度仕上げてくるならボディを中心とした美しいコンビネーションでカフが削られていくと予想します。

やはり、ロマゴンに思い入れしてしまいます。







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1909年創刊、ボクシングのみならず、あらゆるスポーツで最も歴史のある専門誌がBN誌。1909年、明治42年ですから、大正〜昭和〜平成〜令和と5つの元号を渡り歩いてきた歴史の証人です。

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BN誌のFighter Of The Year もオレクサンデル・ウシク。

今年はもうしょうがないですかね。文句なしか。

二番手はアルツール・ベテルビエフ、三番手がバム・ロドリゲス。これも順当か。

ちなみに、BN誌では井上尚弥がオスカー・コラーゾ、ダニエル・デュボア、ヒルベルト・ラミレスと並んで四番手グループに評価されていました。

バムの快進撃、日本人ファイターに止めて欲しいですね。





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井岡一翔が父親・一法と袂を分かった大きな理由が消極的なマッチメイクだったことは明らかです。

プロ16年、35試合のリングに上がり31勝16KO3敗1分と、黒星は3つだけ。

それでも、このグランドマスターのキャリアに「comeback」という言葉がしっくり感じるのは、2017年の「引退騒動」も含めて、リングに戻るたびに力強さを増してきた、そんなしぶとさを見せつけてきたからでしょう。

KAZUTO IOKA is no stranger comebacks.〜井岡一翔は挫折をを乗り越えることに慣れている。

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今夜は英国ボクシングニューズ(BN)誌の2024年12月19日号=恒例のクリスマス・ホリデー大増ページ特集号から、井岡一翔を4ページにわたってフォーカスした「ANOTHER CHANCE(もう一丁!)」。

リング誌のFight Of The Yearにノミネートされたように、日本のボクシングファンが「完敗」と考えているフェルナンド・マルティネス戦は、海外では「激闘」の扱いです。

BN誌でも「非常に競った内容だった」という見方を示し、120−108とスコアしたエドワード・エルナンデスを避難しています。

個人的にはあの試合は完敗に映りました。マルティネスのパンチに効かされた場面はなかったものの、被弾の見映えが悪すぎました。

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マルティネス戦でこのワンショット⬆︎を選ぶのは、好戦的なアルゼンチン人が可哀想な気がします。試合を見てない人が写真を見て記事を読むと「井岡は判定を盗まれた」と思い込むかもしれません。


「被弾の見映え」を重視するのは素人の見方、と言われればそれまでですが、エルナンデスの「120−108」のようにメチャクチャなスコアをするプロのジャッジもあちこちにいます。



BN誌が選んだ「KAZUTO IOKA FIVE OF THE BEST」をサラッとご紹介。


◉八重樫東:2012年6月20日

WBC王者の井岡と、WBA王者の激闘王との激突。

史上初の日本人同士の団体統一戦を制したのは井岡。

海外のコアなマニアはこの試合をライブで見ることが出来ず、日本では無料テレビで視聴できることに歯噛みしました。

ボディメーカー・コロシアムで生観戦した日本のボクシングファンを羨みました。



◉ドニー・ニエテス(第2戦):2022年7月13日

2018年に喫した議論を呼ぶ敗北(SD)のリベンジを鮮やかに飾った井岡らしさ満載の12ラウンド。

この勝利で井岡は多くのメディアでPFP10傑に再突入。



◉田中恒成:2020年12月31日

海外のブックメーカーやメディアでは「恒成有利」の声も多かった大一番。

井岡の巧さと、恒成の純情、染谷路明レフの抜群のタイミングでのストップが際立った名勝負でした。

試合前は「メリットがない」と発言していた井岡でしたが、この試合でPFP10傑入り。「キャリア最高の試合」と評価しても差し支えない相手、内容でした。



◉ジョシュア・フランコ(第2戦):2023年6月24日

初戦の引き分けからのリベンジマッチ。

フランコは精神的な問題などから前日計量で6ポンド以上(3.1kg)もオーバー。

井岡の正確なパンチがポイントを積み重ねて、明白な勝利を掴み取りました。



◉オーレイドン・シスサマーチャイ:2011年2月11日

井岡が最初の世界タイトル獲得。

評価の高かったWBC王者を5ラウンドで屠った井岡は「PFPのウエイティングサークルに入った」と言われましたが、リング誌やESPNのPFPにランクされるのは9年待たねばなりませんでした。

オーレイドンは生涯69勝29KO2敗1分でグローブを吊るしますが、全盛期に敗れたのは井岡だけでした。



++++++ no stranger comebacks.な井岡ですが、そのキャリアが最終盤を迎えています。

もし、バム・ロドリゲスとの対戦が実現すると、そんな黄昏時に飛び抜けてキャリア最強の相手と戦うことになります。

それでも、大勝負、見たいですね。      




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週刊 英国ボクシングニューズ誌、10月24日号です。

もう11月7日。ロンドンから極東の島国に住む酔っ払いんちのポストに辿り着くまで、2週間近くかかるのです。

もちろん、デジタル版では10月24日に読めますが、紙バージョンは2週間後。

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今夜は「やっぱり紙はええなぁ〜」という、老兵の泣き言ではなく、この表紙です。

英国ボクシングが大好きというマニアではなく、ボクシングファンとしてこの2人のファイターが誰なのかをすぐにわかった人は、かなりのボクシングマニアです。

https://fushiananome.blog.jp/archives/cat_376282.html


ボクシング最大の魅力は、二つの拳、それもナックルパートのみで戦うことが許された、武器面積が世界一狭くて小さい格闘技にもかかわらず、途轍もなく繊細で複雑で高等で、ありえないことですが、ときには上品さすら見せてくれるスペクタクルです。

そして、そんな競技の側面だけでなく、長い歴史や、その土地で育まれた文化、「テロワール」とも呼ぶべき遺伝子の躍動です。

この表紙のファイター2人は、英国以外の国で大きく取り上げられることはありえませんが、ムスリムと黒人の英国人ファイターには物語を避けては通れません。

話は飛んで、さまざまなスタイルで戦う日本人ボクサーのテロワールは、フォームでもメカニクスでもなく大和魂でしょう。

堤聖也のような火の玉ファイターはもちろん、那須川天心のような転校生ですら、誰から受け継がれたものでもなく、その遺伝子をしっかり持っているのです。

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英国ボクシングニューズ誌から、The Greatest Achievements in Boxing History。




Wilfred Benitez – World Champion at 17 Years Old

22歳で3階級制覇を達成したウィルフレド・ベニテスほど過小評価されているボクサーはいない。

15歳でプロデビューすることは、メキシコやプエルトリコではけして珍しいことではない。カネロ・アルバレスのプロデビューも、同じく15歳だった。

しかし、17歳で世界タイトルを獲得するのは前代未聞のこと。ましてやその相手が当時、ジュニアウエルター級史上最強と謳われたアントニオ・セルバンテスなら、なおさらだ。

世界タイトルが大量生産される4−Belt Eraでは、ベニテスの最年少記録が更新される日がいつか訪れるかもしれないが、それは全く価値の違うくだらないゴミでしかないだろう。



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Manny Pacquiao– Eight Division World Champion 

マニー・パッキャオの8階級制覇も、4−Belt Eraではいつ破られても何の不思議もない。

現代では、弱い相手を選べば簡単に世界王者になれる。階級もタイトルもよりどりみどりだが、誰の記憶にも、もちろん歴史にも残らない。

しかし、未来の一発殿堂入り選手やPFPファイターを蹴散らしながら、10階級のスパンで8階級を制し、そのうち5階級でLineal championというパッキャオのクオリティーは更新不可能だ。







Sam Langford’s resume from Lightweight to Heavyweight 

パッキャオは8つの階級で世界王者になったが、サム・ラングフォードは一度もタイトルに辿り着くことができなかった。

しかし、ライト級でジョー・ガンズ、ウエルター級でジョー・ウォルコットとピーター・ジャクソン、ミドル級からライトヘビー級でスタンリー・ケッチェル、タイガー・フワワーズ、フィラデルフィア・ジャック・オブライネンを撃破。

さらに、ヘビー級でも強豪を倒したラングフォードは2人のジャック(ジョンソンとデンプシー)が対戦を回避したことでも有名だ。

もし、当時が4団体17階級時代というメチャクチャな時代なら、いくつの階級で世界王者になっていたことか。


▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎ 歴史上のグレートと比べたらダメなのかもしれませんが…井上信者の人に聞いてみたい。「強い相手としか戦わない」って、ちょっとふざけてみただけなんでしょうか???



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英国ボクシングニューズ誌から、

The Greatest Chins in Boxing – Part One

最も打たれ強いファイターは誰だ?

最近の日本人では亀海喜寛や村田諒太、井岡一翔もなかなか膝を揺らしません。

さてさて。世界、それも歴史上のザ・ベスト20となると…。



【第20位】カネロ・アルバレス

【第19位】クリス・ユーバンク

【第18位】フリオ・セサール・チャベス

【第17位】デビッド・トゥア

【第16位】ジェームス・トニー

【第15位】ジョージ・フォアマン

【第14位】ミッキー・ウォード



ここまで、現役からランクインしたのはカネロだけ。そうなりますかね。カネロが打たれ強さを証明したGGGも相当だと思います。

ノニト・ドネアも井上尚弥とニコラス・ウォータースにはまともに喰らってしまいましたが、打たれ強い。

ベスト20となると、入り込めるのはカネロが精一杯というのは仕方がないか。


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リング誌が廃刊してしまった今、英語圏で定期発行されているボクシング専門誌は英国の「BOXING NEWS(BN)誌」だけになってしまいました。

BN誌がスペシャルなのは「記事が面白い」だけでなく「1909年創刊」という、リング誌はもちろん、スポーツ専門誌として世界最古という圧倒的な歴史!そして「週刊」であること!そして21世紀になってどんどんページ数が減って過去の焼き直し記事が目立つようになったリング誌とは逆に「ページ数が増えて」充実している!などなどを挙げることができます。

手元にある最新号は8月29日号で「JAPANESE BOXING SPECIAL EDITION」(日本ボクシング特集)。

井上尚弥を表紙に「怪物」のネオンサイン。

そして、いつもは「The world’s best fight magazine Est,1909」と書かれている、このカバーページの右上には「世界最高の格闘技雑誌 1909年創刊」と日本語の文字が!神は細部に宿るのだ!!!

      わかりにくいか?⬇︎

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井上尚弥が漫画風のフキダシで「こんにちは」。ラッシャー木村かと思ったぜ!

井上信者には残念ながら中身は薄く、那須川天心も「日本のスーパースター」。

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そして、リング誌もそうであったようにこの手の「日本特集」はいつも内容が薄い、薄い。

しかし!面白くしっかりまとめられたええ記事もありました。

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「God’s plan(神の計らい)」。

9月3日、有明アリーナに上がったファイターで、このBN誌で最も大きく取り上げられたのは、英国の読者にとって身近な階級ではない井上尚弥でも那須川天心であるはずもなく…。

久しぶりに訳しがいのある記事です。

週末にはお届けしますね。

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こんばんわ。
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PFPが階級を無視する評価であるのなら、階級を無視して重くて大きな相手と実際に戦い勝利しているファイターこそがPFPキングではないか?

このブログでも繰り返し書いてきましたが、クルーザー級のUndisputed champion オレクサンデル・ウシクはヘビー転向後、タイトロープを渡るようなギリギリの戦いが目立つにもかかわらず、多くのメディアでPFPの1位評価を受けているのはまさに「階級を無視して重くて大きな相手と実際に戦っている」からです。

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もし、ウシクがジュニアフェザー級で同じ内容の試合をしていたなら、歯牙にもかけられていないでしょう。

さらに、ウシクがクルーザー級を経由せずに最初からヘビー級で戦い〝あのザマ〟だったなら、やはりPFP論議の俎上に上がるはずもなく、それどころか穴王者の烙印を推されているかもしれません。

現実に、ウシクよりも明白な内容でヘビー級に君臨していた無敗時代のアンソニー・ジョシュアやタイソン・フューリー、デオンティ・ワイルダーをPFPに数えていたメディアは少数派でした。

ジョシュアやフューリーはヘビー級でも体格に恵まれていましたが、ワイルダーは身長こそ見劣りしないものの体重はブリッジャー級にも満たないことが当たり前の〝超軽量級〟でした。

もし、かつて語っていたように「クルーザー級に落とすのは簡単」というワイルダーがクルーザー級王者を経由してからヘビー級に進出、あの破竹のKO劇を繰り広げていたなら、間違いなくPFP1位評価に浴していました。

もちろん、PFPの矛盾点を指摘しても仕方がありません。そもそもが矛盾と倒錯の妄想から立ち上がり、4団体17階級時代になって多くのメディアが定期的にランキングされるようになったものです。

例えば、最も早くからPFPを定期発表していたリング誌が毎月更新していたのは1990年から。廃刊によって、現在はデジタルバージョンのみになっていますが、これは2010年から。

井上尚弥を「日本ボクシング史上初のPFP1位」という表現が、大きな誤解を招くことがお分かりでしょう。

「2010年から始まったリング誌PFPで初めて1位になった」が正確です。

さて「ウシクこそが本物のPFP」と、多くのメディアが評価するウクライナ人の評価は正しいのでしょうか?

そもそもが幻覚の妄想でしかないPFPに正しいも間違っているもないのですが…。

そもそも、ヘビー級人気の陰に隠れたシュガー・レイ・ロビンソンを賞賛するツールとして知られるようになったPFPは「弱者の言い訳」という性格が色濃い考え方です。

強者(ヘビー級)は現実世界で、弱者は妄想世界(PFP)で評価するという、一定の棲み分けがなされていました。

海外で多く聞かれる「軽量級に贔屓しすぎ」という批判は的外れです。弱者の言い訳なのですから、ヘビー級に冷たく、軽量級に甘いのは当然です。



さて、本題です。




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