一発大逆転のスペクタクル。
え!まさか!信じられない!これは奇跡だ!…そんな驚きと、次の瞬間にはそれが必然だったと感じてしまう、不思議な恍惚。ボクシングのリングの上だけに現出される超常現象です。
今世紀に入って25年、このスパンで最も決定的な一撃を持つパンチャーはデオンティ・ワイルダーでしょう。
自分よりも遥かに重い、つまり打たれ強いタイソン・フューリーからも豪快にダウンを奪っているワイルダーは、ヘビー級以外の減量階級のパンチャーとは同列に考えるべきではありません。
そんな元WBCヘビー級王者のブロンズボマーは2019年11月23日、ルイス・オルティスとの再戦で圧倒的ビハインドを〝一発精算〟してみせました。
第6ラウンドまでのスコアは55-59が2人、56-58が1人と明らかなリードを許していました。
そして、第7ラウンドも残り10秒を切ったとき、ワイルダーの右ストレート一閃、この一撃でオルティスをノックアウト、10連続防衛を果たしました。
5年以上も経ったとはいえ、あの試合を鮮明に覚えているファンも多いはずです。
しかし「え!まさか!信じられない!これは奇跡だ!」という驚きで、あの結末を迎えた人は少数派かもしれません。
ほとんどの人は「ワイルダーの逆転の一撃がいつ火を噴くのか?」と期待を膨らませていたはずです。
多くの人がワクワクしながら予見していたという意味で、あの結末は「まさか」でも「奇跡」でもありませんでした。
想定通りの一発大逆転…言葉にすると、なんとも大きな矛盾を抱え込んでいます。
ワイルダーが経験した世界戦は13試合、その全てが自分よりも大きく重い相手でした。
アマチュア時代はヘルシンキ五輪のミドル級で金メダルを獲ったフロイド・パターソンは、164ポンドでプロデビュー。軽くて小さなヘビー級でしたが、ワイルダーのような爆発的なパンチャーではありませんでした。
身長179㎝/リーチ173㎝のロッキー・マルシアノも小さなヘビー級で、強烈なパンチャーでした。いつも自分より重い相手と戦っていましたが、その体重差はワイルダーほどではありませんでした。
デオンティ・ワイルダー。PFPに選ばれてもおかしくない〝理屈〟を持ったエンターテイナーでした。
え!まさか!信じられない!これは奇跡だ!…そんな驚きと、次の瞬間にはそれが必然だったと感じてしまう、不思議な恍惚。ボクシングのリングの上だけに現出される超常現象です。
今世紀に入って25年、このスパンで最も決定的な一撃を持つパンチャーはデオンティ・ワイルダーでしょう。
自分よりも遥かに重い、つまり打たれ強いタイソン・フューリーからも豪快にダウンを奪っているワイルダーは、ヘビー級以外の減量階級のパンチャーとは同列に考えるべきではありません。
そんな元WBCヘビー級王者のブロンズボマーは2019年11月23日、ルイス・オルティスとの再戦で圧倒的ビハインドを〝一発精算〟してみせました。
第6ラウンドまでのスコアは55-59が2人、56-58が1人と明らかなリードを許していました。
そして、第7ラウンドも残り10秒を切ったとき、ワイルダーの右ストレート一閃、この一撃でオルティスをノックアウト、10連続防衛を果たしました。
5年以上も経ったとはいえ、あの試合を鮮明に覚えているファンも多いはずです。
しかし「え!まさか!信じられない!これは奇跡だ!」という驚きで、あの結末を迎えた人は少数派かもしれません。
ほとんどの人は「ワイルダーの逆転の一撃がいつ火を噴くのか?」と期待を膨らませていたはずです。
多くの人がワクワクしながら予見していたという意味で、あの結末は「まさか」でも「奇跡」でもありませんでした。
想定通りの一発大逆転…言葉にすると、なんとも大きな矛盾を抱え込んでいます。
ワイルダーが経験した世界戦は13試合、その全てが自分よりも大きく重い相手でした。
アマチュア時代はヘルシンキ五輪のミドル級で金メダルを獲ったフロイド・パターソンは、164ポンドでプロデビュー。軽くて小さなヘビー級でしたが、ワイルダーのような爆発的なパンチャーではありませんでした。
身長179㎝/リーチ173㎝のロッキー・マルシアノも小さなヘビー級で、強烈なパンチャーでした。いつも自分より重い相手と戦っていましたが、その体重差はワイルダーほどではありませんでした。
デオンティ・ワイルダー。PFPに選ばれてもおかしくない〝理屈〟を持ったエンターテイナーでした。












