フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: ザ・ベスト10

1923年6月18日:ニューヨーク州ポログラウンズ
世界フライ級タイトルマッチ
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チャンピオンはジミー・ワイルド、挑戦者はパンチョ・ビラ。舞台はニューヨーク、ポログラウンズ。プロモーターはテクス・リカード。

何もかもが、伝説です。

ポログラウンズに詰めかけた大観衆は2万3000人。英国のチャンピオンが東海岸で熱狂的な声援を受けるのは、今も昔も変わりません。巨大スタジアムはワイルドへの声援一色だったはずです。

このとき王者の戦績は131勝98KO2敗1分。母国のロイヤル・アルバート・ホールでピート・ハーマンを17ラウンドKO(20回戦)した前戦は1921年1月13日に行われたもの。つまり、2年5ヶ月あまりも隠遁生活を送っていたのです。

信じられない戦績、20回戦、隠遁生活…。伝説です。

今なら休養王者に認定されて、暫定王者やらなんやらが乱立しているところでした。
23Jan
オリジナル8の時代、フライ級王者も今では考えられないほどの尊敬を集めていたはずです。
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一方のビラは66勝17KO6敗3分。

マニー・パッキャオの先駆けよろしく、米国ではヘビー級選手を相手にスパーリングをしていたといいます。

フィリピンの農村で水牛を追っていたビラを発見したのは、米国の探検家フランク・チャーチル。「人間離れした信じられないほど軽い身のこなしだった」。

熱狂的ボクシングファンで、ジム経営にも乗り出していたチャーチルは若者をニューヨークに連れ帰りました。

伝説です。

100年前の話です。10年に一つ尾ひれが付いたとしても10個付きます。

現実は、ビラはマニラのオリンピック・クラブでボクシングを始めていました。そして、このジムの経営者がチャーチルでした。

…どうでもいい話です。


1923年の6月18日、アジアで初めての世界チャンピオンが、ニューヨークのポログラウンズで誕生しましたのです。



アジアの国々が反目しあって、一番喜ぶのは誰でしょう?

いつか6月18日が「アジア・ボクシングの日」としてお祝いされ(シンコ・デ・マヨのように)、アジアの軽量級のメガファイトが東京や横浜、上海、マカオ、シンガポール、バンコクで、開催されることを願いたい。

ボクシングがマイナースポーツになり下がった米国のファンが羨むほどの。

そして、復活した韓国でソウルや釜山でも。

私たちが絶対に負けたくないあいつら!南北も統一したら、途轍もない強敵になるでしょう。 



米国が全く関心を示さない超軽量級ですが、奴らは基本的にバカです。アジアで大熱狂してたら、大相撲のように大枚叩いて呼び込むでしょう。

西岡や井上に「憧れ料」をボッタくった奴らから、いつかボッタくってやりましょう。利子つけて!
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オリジナル8の時代(〜1960年代初め)は「ヘビー級とそれ以外」の時代でした。

それでも、世界に8人しか王者が存在しなかった時代です。

一つの興行で世界戦をいくつも盛り込むなんてことは出来っこない時代です。

それが今や、複数の世界戦が盛り込まれる興行は珍しくありません。

米国でほとんど関心が払われないジュニアフェザー級以下の世界戦が、最も注目を浴びるのはSHOWTIMEやESPNのPPVや、圧倒的な資金力を持つDAZNやトリラーが手がけるメガファイトのアンダーカードかもしれません。

下手にメイン興行するよりも、興行規模の分母が桁違いのメガファイトの前座の方が報酬もはるかに高いのが現実です。

メキシカンとはいえ人気などあるはずもないバンタム〜ジュニアフェザーで戦ってきたルイス・ネリは、メガファイトの〝金魚の糞〟として、ファン・フランシスコ・エストラーダをはるかに凌駕する報酬を手にしてきました。

〝金魚の糞〟にあやかるためには、マニー・パッキャオやカネロ・アルバレスなど超ビッグネームの陣営に囲い込まれるのが手っ取り早いのですが、それを繰り返すことは「軽量級のプライド」にとっては諸刃の剣です。

世界王者になっても10万ドル以下の報酬が珍しくない貧困な超軽量級で、金魚の糞になることで、ときには30万ドルも稼ぐことができます。しょぼいメイン興行では、プロモーターが赤字覚悟で無いと捻出できない金額です。

その一方で〝金魚の糞〟ではボクシングファンの「超軽量級=メガファイトのオマケ」という印象がより一層強くなってしまうのは当然です。

西岡利晃や井上尚弥の「MGMメインで100万ドル」のカラクリは、もはや誰もが気付いているでしょう。

彼らを〝そこ〟に駆り立ててしまったのは「超軽量級でも注目される」という誤解からでした。

もっと本質的に言うと「大好きな西岡や井上もイチローや松山英樹のように米国スポーツシーンで大きく取り上げれれて欲しい」という願望が歪んで「取り上げられるはず」「取り上げられるに違いない」「バンタムでもラスベガスで20億円」という、浅はかな幻覚を見てしまったのです。

こすした妄想・幻覚は井上信者の中からだけ自然発生したのではありません。もしかしたら、幻覚を煽るような記事がネットに跋扈したことの方が主犯かもしれません。
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「リングマガジンのPFP2位、これはとんでもない偉業です。テニスやサッカーに置き換えるとわかりやすいでしょう」…リング誌の熱烈な愛読者として、摩訶不思議な詭弁が弄されるのは怒りを通り越して恥ずかしくなります。そんな大層な雑誌ちゃうでしょ、と。


ボブ・アラムが「イノウエはパッキャオになれる」と語るのをそのまま受けて垂れ流すのではなく、まともなメディアなら「フライ級やバンタム級の選手が米国で商業的に天下を取るの不可能」という背景をまず説明すべきです。


そして「一般のボクシングファンには馴染みがなくても全米ボクシング記者協会の年間最高選手賞(シュガー・レイ・ロビンソン杯)が専門家評価の最高。PFPには実体は無い」「この賞はフェザー級のカール・フランプトンやジュニアフェザー級のノニト・ドネアも獲得、PFPよりははるかに権威も認知度もあって井上に手が届く可能性がある最高地点」という説明が必要です。

2019年のPFP1位は誰?そんな質問に誰が答えられますが?

金魚の糞に甘んじることのなかった、軽量級が尊敬された時代のビッグファイト、ザ・ベスト10を振り返ります。
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スターダムの頂点に立つ一握りのボクサーにとって、アルファベットタイトルの重みはどんどん軽くなっています。

20世紀までのメガファイトはタイトルが必要不可欠でした。

しかし、21世紀になると、マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーの試合でどのアルファベットのどのタイトルがステイクされていたかを記憶している人はもはや少数派になってしまいました。

そもそも、興行規模だけなら史上最大の「メイウェザーvsパッキャオ」ですら、多くの解説者がタイトルを把握していない有り様です。

それほど、どうでも良いガラクタに成り果てたのです。

その、一方で一握りのスター選手の価値は高騰、プロモーターのスター選手囲い込みの傾向はより一層強くなっています。
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「門戸閉鎖」。

パッキャオのメガフィトをトップランクの傘下選手だけで行うことで、ボブ・アラムとパッキャオは大金を手にすることができるが、ボクシング界にとって良いことは一つもない。〜2010年7月18日:Yahoo!Sports〜

21世紀になってスーパースターの囲い込み、大手プロモーターの〝ハウスメイド〟のマッチメイクはメディアとファンから厳しく批判されます。

しかし、その潮流が変わることはありませんでした。

かつて、マニー・パッキャオを擁してハウスメイドのメガファイトを連発したトップランクが、新興勢力の引き抜きに遭い、勢力が減退。

トップランクがライバルのプロモーターたちの有力選手囲い込みに、傘下の選手が飼い殺し状態になっている状況はなんとも間抜けで皮肉な光景です。

現在、Undispeted Champion が難産である原因には、プロモーターの壁も挙げられます。

プロモーターにとって捨て駒であるジュニアフェザー級以下の超軽量級ならまだしも、人気階級ではハウスメイド興行でない限り、大駒は出し惜しみするのが当たり前になっています。

この状況下で、完全統一の意味はどこにあるのか?

メイウェザーやパッキャオが全く興味を示さなかったように、完全統一王者はいまや本物のスーパースターとは真逆にマッピングされる地味な実力者に過ぎないのか?
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4団体17階級時代。

3団体時代まで最も名誉ある王者は、Undisputed Champion=議論する余地のない王者でした。

マーベラス・マービン・ハグラーやマイク・タイソン、全てのベルトをコンプリートし他の誰にも王者を名乗らせない、議論する余地のない王者は至高の輝きを放っていました。
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Undisputed Championは実質4+1(リング誌チャンピオン)です。

しかし。

Undisputed Championになるのが最も難しいはずの4団体時代で、この至難のコレクションを完成させたのはバーナード・ホプキンス、テレンス・クロフォード、アレクサンダー・ウシクの3人、揃いも揃って日陰の不人気キャラクターでした。

この間、スターダムの頂点に屹立したのはオスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスでしたが、彼らのいずれもUndisputed Championにはなっていません。

「人気のない実力者が世間を振り向かせるために懸命にベルトをかき集めたけど、結局世間はそんなの見てくれない」。それが悲しい現実です。

ボクシングに限らず、プロスポーツは人気が全てです。

それでも、ボクシングならUndisputed Championが最も評価されるべきです。

現在のボクシングシーンで、Undisputed Champion誕生が「スター誕生」として最も歓迎されるには、ヘビー級とバンタム級でしょう。

バンタム級の場合は日本の井上尚弥が完全統一するというのが大前提で、大歓迎を受けるのは日本限定と局地的ですが…。

現在、チャンピオンベルトを二つ以上持つ王者が存在するクラスをおさらいし、その可能性と、実現した際の価値を検証してゆきます。

アルファベットのピースを二つ以上保持する王者が存在する階級は、意外と多く17階級中12階級。

ミドル、フェザー、フライ、ジュニアフライ、ストローの5階級は王座のストラップが完全に分離してしまっています。

ここでは、早ければ1試合で完全統一王者が誕生する階級もある「12階級」に焦点を当ててゆきます。


◉ヘビー級◉

【可能性】リング誌/WBC王者タイソン・フューリーと、WBA/WBO/IBF王者アンソニー・ジョシュアの二人で「4+1」のベルトを分け合っています。

この完全統一戦は今年中に実現するといわれ、サウジアラビアが1億5000ドルで招致に乗り出すなど盛り上がっていますが、交渉成立の報はまだ届いていません。

今年初めには「2試合実施」構想もぶちまけられていましたが、1試合も怪しい雲行きです。


【価値】二人とも破格の年収を誇るフォーブス・ファイター。なによりも、17階級で最も価値の高いヘビー級です。

レノックス・ルイス以来の完全統一王者を賭けた英国人同士の激突はどちらが勝っても、世界的なビッグニュースになるでしょう。

サウジアラビアの提示額や、放映権料の巨額の数字を考えると、当該年度のフォーブスアスリート長者番付でワンツー独占もありえます。
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Cheater=詐欺師、ペテン師 

スポーツ界では、最も忌み嫌われる不正行為をした選手を指す言葉です。最近では主にドーピングをした選手に向けられる言葉です。

Cheater
とみなされてしまうと、どんな偉大な業績を残していたとしても誰も認めてくれません(※)。

史上最強の打者はバリー・ボンズではありません。

史上最高のサイクリストはランス・アームストロンではありません。

ここでは、ドーピングはやっていないが、卑劣な反則行為に手を染めた9人を紹介していきます。長らく続きを書いていなかったシリーズ再開です。

(※)世界的な統括団体が存在しないボクシングは、残念ながら例外です…。


*******どんな物語にも必ず続きがあります。

スポーツの世界においてCheaterとみなされてしまうと、そこでそのアスリートは死にます。

ただ、だからといってそれで終わりじゃありません。

この「Cheaters」シリーズは、よく取りあげられるテーマで、ESPNマガジンから訳して補足したものです。

今回紹介する競馬ジョッキーSylvester Carmoucheの卑怯な行為はあまりにも有名ですが、そこで終わっていませんでした。

昨日、ニューヨークタイムズ電子版=Published April 28, 2021 Updated May 1, 2021=を読んで、カルムーチーの「その後」を知り、ちょっと感動。

Cheaterの事件簿は、ケイジャン親子の物語に昇華されていました。



罪状⑤:父に祈りを(Running for the Roses, the Record Books and His Father
Sylvester & Kendrick Carmouche
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Kendrick Carmouche at Saratoga Race Course in August.Credit...Cindy Schultz for The New York Times

Lesson1(基本の教訓)

Shortcuts have consequences.「卑怯者は必ず代償を支払うことになる」。

1990年1月11日、ルイジアナ州ラオスのヴィントンにあるデルタダウンズ競馬場には10フィート(約3.05m)先も見えないほどの濃い霧が立ち込めていた。

この日のレースで23-1のオッズをひっくり返して、24馬身差で勝利したのはシルベスター・カルムーチーが騎乗したランディングオフィサーだった。

あまりにも速すぎる。そして、他のジョッキーや競走馬と比べてあまりにも汚れていないことに、係員や獣医師は不自然に感じた。

他のジョッキーは走行中にランディングオフィサーを前方に見たことも、抜かれたこともないと口を揃えた。

スタート地点からコースを外れて最終コーナーまで、付いているはずのない馬の足跡が点々と残っていた。

カルムーチーがコースをショートカットしてゴールしたのは明らかだった。 

ルイジアナ州競馬委員会は、10年間の騎乗停止処分を科して、カルムーチーは表舞台から消えた。

ここまでが競馬誌の残る、薄汚い卑怯者の話だ。 

卑怯者の元ジョッキーは世を忍んで、辺鄙な田舎町で非公式の草競馬(ブッシュ・サーキット)で騎乗しながら生活費を稼いだ。当然、彼の家族も、彼の息子ケンドリックも。

あれから21年。62歳になったシルベスターは「取り返しのつかないことをやっちまった。真っ白な霧が私の頭の中まで重く深く立ち込めてしまった」と後悔している。
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「良かったと思えるのは、ケンドリックと一緒に過ごせたことだ。息子と、そして自分と向き合う十分な時間が与えられた」。

ルイジアナ州には非公式の草競馬が、あちこちでいくつも開催されている。父親はそこに息子を連れて行き、競馬のABCを説いた。

牧師が説教するように。いや、懺悔する罪人が許しを請うように。

フランス移民が大きなコミュニティを持つこの地域ではギャンブルやザディコ音楽、ザリガニやソーセージ、ワニ肉を混ぜたジャンバラヤ、そしてバドワイザー、ケイジャン文化が根付いている。

その根っこにあるのは、もちろん競馬だ。

エディ・デラホーセイ、ケント・デソモー、カルビン・ボレルといった殿堂入りジョッキーたちは11、12歳の頃に、なんと1万ドルの高額賞金をかけたマッチレースで技術を磨いたケイジャンジョッキーたちだ。

シルベスターもそんな血を引く一人だった。少年時代からブッシュ・サーキットのヒーローだった。
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1978年、若き日のシルベスター(前列左端)。

ここは、そんな神話の土地なのだ。

罪を犯した堕天使が贖罪を果たす。そんな物語が紡がれてもおかしくない、そんな世界が現実にある。

シェットランドポニーで何年間か反復練習を繰り返したケンドリックに特別な才能があることは、誰にでもわかった。

父親は、13歳になったケンドリックをサラブレッドに乗せ、アカジアナ・ダウンズのスターティング・ゲートのレースでデビューさせた。

結果は4頭立てのレースで2位。初めてのサラブレッドで上出来だったが「全くうまく騎乗できなかった」と悔しそうにする息子を「誰でも最初はそうだ」と父親は慰めた。

誰だってデビュー戦で、思うようには乗れない。そして惨敗する。それなのに、ケンドリックは全く思うように乗れなくても、2位だった。

16歳になったケンドリックは、ライセンスを取得した。ブッシュ・サーキットを卒業するときが来たのだ。

公式レースでも、ケンドリックは当たり前のように大活躍した。

I told him to go east.

ある日、父親は「東へゆけ」と訓示した。

彼らにとってルイジアナは心地の良いホームだったが、世界にはもっと大きな舞台がある。そこを目指せ、と。

17歳になる5日前、ケンドリックーはフィラデルフィアに拠点を移し、中部大西洋サーキットに挑戦。

そして、後に結婚することになる女性と出会い、家庭を築き、Parx Racingのマネーライダーとして活躍した。

ルイジアナ州に残ったシルベスターは資格停止期間を終えて、再び公式競馬の舞台に戻り、公認競馬1348勝、1,100万ドル以上の賞金を手にして。2013年に55歳で引退した。 

一方、ケンドリックは2015年、フィラデルフィアで5つの乗馬タイトルを獲得、父の訓示に従い、さらに東を目指す。

最東端、つまりは最高峰。

アメリカ最高峰のレースサーキット、ニューヨークに乗り込んだ。全身全霊を賭けて勝利を重ねたケンドリックの全米ランキングは7位にまで上がった。

しかし、ニューヨーク競馬協会の所属ジョッキーでケンドリックは〝異端〟だった。

ニューヨークから黒人ジョッキーを締め出したジム・クロウ法(1970年代〜1960年)の名残で、イアmでも黒人は珍しい存在のまま。

ケンドリックは「人種がこのスポーツの妨げになったことはない」と主張し、これまでに3,400以上の勝利と1億1,800万ドル以上の賞金を稼いできた。
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https://www.youtube.com/watch?v=oNNlSdkjuqA

そして、5月1日。ケンタッキーダービーにケンドリックが初騎乗する。
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ケンタッキーダービーはアメリカクラシック三冠の第1冠。ケンタッキー州ルイビルにあるチャーチルダウンズ競馬場で開催される米国最高峰のビッグイベント。

ブリーダーズカップなどを凌ぐ視聴率や観客動員数を誇り、競馬界のみならずスポーツイベントとしても非常に知名度が高く「スポーツの中で最も偉大な2分間」(The Most Exciting Two Minutes in Sports)と形容されてきた。

優勝馬にはバラのレイが掛けられることから、「ラン・フォー・ザ・ローゼス(Run for the roses)」の通称も持つ。

▶︎5月1日(土曜) チャーチルダウンズ競馬場(アメリカ合衆国) 3歳 2,000メートル ダート・左
第12レース 現地時間 18時59分(日本時間 5月2日(日曜)7時59分)発走
賞金総額 3,000,000米ドル  1着賞金 1,860,000米ドル ダート:良

 
カルムーチーの物語はまだまだ終わりそうにない。


*****************

残念ながら13位に終わりましたが、馬の名前がバーボニック(BOURBONIC)!

他にもミッドナイトバーボンなんて馬も6位に入っています。

そういえば、感冒のためレース前日に出走取消になったキングフューリー、名前の由来はタイソン・フューリーからなんです。

そういえば高松宮記念を獲ったキンシャサノキセキなんてのもいました。
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*******競馬は興味ないのですが、ケンタッキー州ルイビルなんてもうモハメド・アリが真っ先に頭に浮かびますし、アリの物語でもケンタッキーダービーは登場するので、当地では半端な存在感じゃないのはわかります。
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ああ、それにRun for the rosesなんて、もうフォア・ローゼズが頭の中をぐるぐる回っちゃってます。


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Cheater=詐欺師、ペテン師 

スポーツ界では、最も忌み嫌われる不正行為をした選手を指す言葉です。最近では主にドーピングをした選手に向けられる言葉です。

Cheater
とみなされてしまうと、どんな偉大な業績を残していたとしても誰も認めてくれません(※)。

史上最強の打者はバリー・ボンズではありません。

史上最高のサイクリストはランス・アームストロンではありません。

ここでは、ドーピングはやっていないが、卑劣な反則行為に手を染めた9人を紹介していきます。長らく続きを書いていなかったシリーズ再開です。

(※)世界的な統括団体が存在しないボクシングは、残念ながら例外です…。

罪状④:紳士の裏切り(Transgressing golf's code of self-regulation)
David Robertson
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1985年、全英オープン。デビッド・ロバートソンは決勝ラウンドに進出していました。

14ホールを終えたとき、パートナーの選手が審判団を呼び、ロバートソンの失格が宣告されます。

ロバートソンは、いつも最初にグリーンに上がり、ボールをマークしているように見えましたが、マーカーをパターに乗せてグリーン上をときに20フィーとも移動し、ホールの近くに落としていたのです。

ゴルフは自己申告の紳士のスポーツ。ロバートソンの行為は、絶対にやってはいけない Cheatです。

2万ポンドの罰金と20年間のプロライセンス停止を科せられた卑怯者は、その後、いくつかのアマチュア大会に出場して優勝したそうですから、ゴルフが大好きで、実力もあったのでしょう。

それでも、魔がさしたとしても、許される行為ではありません。


罪状④:爪ヤスリは爪を整えるために使っただけだ。(The board and sandpaper were actually to keep his nails nice and trim.)
Joe Niekro


ナックルボーラーとして日本でも誰もが知っているニークロ兄弟。その弟、ジョーの卑怯なやり口です。

1987年、ミネソタ・ツインズのジョーが投じた一球に不自然な回転を感じた主審が「ポケットの中を見せろ」とマウンドに詰め寄ります。ポケットの中は空っぽだと見せようとしたジョー。

その瞬間、左ポケットから爪ヤスリが飛び出したのを審判団は見逃しませんでした(このビデオの63秒頃)。そして、紙ヤスリまで持っていました。
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https://www.si.com/mlb/2017/08/03/joe-niekro-ejection-emery-board-twins-anniversary

ジョーは「爪ヤスリは爪を研ぐだけにしか使わない」と弁解しましたが、退場処分。10試合の出場停止を命じられます。

ジョーがボールを不正に傷つけているという噂は、以前からあちこちで立ち上っていました。そして、普通では考えられない回転のボールを投げたとき、彼はポケットの中に爪ヤスリを持っていました。

しかし、全ては状況証拠です。実際にボールに傷をつけて投げたのを見られたわけではありません。尿や血液サンプルから、人間の体内に存在しない、あるいは存在するわけがない量の化学物質が検出されたわけでもありません。

当時43歳のニークロは、翌年逃げるように引退します。

残りの現役生活は長くはなかったでしょうが、22年のキャリアを閉じるには最悪のやり方でした。

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百貨店の臨時休業は、申し訳ないですが、私の生活にはほとんど関係ありません…。
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ああ、でもそんなこともないですね、買い物はもちろん、脚を踏み入れることも滅多にない百貨店ですが、朝の開店前からお客さんが並んでたり、いろんな催し物のポスター、地下鉄構内のショーウィンドー、やっぱり華やかな気分にさせて頂いてました。

百貨店に元気がないなんて、そんな銀座は死んだも同然です…。
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いつものように酔っ払ってます。

いつも以上に、いろんな方からお酒をいただくのは嬉しい気もしますが、その原因がこのパンデミック、そんなの悲しいだけです。

「一升瓶を開けてしまった日本酒、半月後にはもう出せないからもらってくれ」。そう言われたら「買う」としか答えることが出来ません。

でも、そういうお店の人は100%「店で飲んでいただくからお金を頂いてる。お金は頂けません」と言うんです。

テレビでは「政治家が悪い」「コロナが悪い」と嘆くお店の人の声をよく聞きますが、なんだか私の顔見知りの人はそんなことは一切言わないんです。

もちろん、そういう恨みごと、泣き言をいうのは当たり前です、本人に責任が全くないところで、どんどん窮地に追い込まれるなんて。



誤解してとらえて欲しくないのですが、酔っ払ってても、今回は書きたいことがはっきりしています。

いつもの長い前置きもここで止めて、テーマは「言い訳」です。

井岡一翔の一件では、まだ彼の口から何も聞けていませんが、今はそれが醜い言い訳でないことを祈るだけです。
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お断りしておきますが、私はこいつの信者ではありません、マニアです。最近は年1くらいで「どあほ!」ってことしますが、大統領選も応援してます。

しかし、2015年のパックメイは試合内容の酷さと、この成り上がり者の言い訳で「俺が好きなボクシングはここまで下劣だったのか」とリング誌を全部処分しようと思ったほどでした。

人間の感性は世界共通で、言語は数え切れないほどあっても、多くの言葉は「直訳ベスト」です。

そして、この言葉も…

The Barking Of a Loser.

…「負け犬の遠吠え」です。そのまんまです。



この「言い訳」。ボクシングの世界では情けないほど当たり前に横行してきました。

レジェンドやグレートと表現される偉大な業績を残したボクサーの口から「肩を痛めていたのが敗因」と負け犬の遠吠えが聞こえると、深く幻滅な気分になります。
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自分が弱ってるとこをわざわざ公表してどーする!これが、次の対戦相手にとって勇気の源泉になるのがわからないのか?それとも、それ以上に敗北の言い訳がしたいのか?

何がどうあろうが、敗北の原因なんて、それがどんな敗北であろうが、たった一つしかありません!

「(自分が)弱いから負けた。それだけです」(篠原信一)。

「勝敗はジャッジが決める。負けたのは自分。勝者を責めるのはやめて欲しい」(村田諒太)。

それしかありません。それ以外にありません。

心の中で思うことがあっても、周囲がギャアギャア騒いでも、敗者が口にできることは「私が敗者」です。

ファンやメディアがどう騒ごうが、アスリート本人は敗北を潔く受け入れるべき、そして前を向くしかないのです。

それをジャッジや怪我のせいにするのは、まさに負け犬の遠吠えです。



今回は「ザ・ベスト10」カテゴリーのお話ですが、これはボクシングの超有名なのだけでも10や20じゃ済まないです。

それでも、超厳選、10匹の「負け犬の遠吠え」、その声を拾って行きます。しかも、ボクシングを超えてスポーツ全般に広げましょうか。

【1匹目の遠吠え】は誰にしましょうか…。沢山いすぎて順番、迷います。

↑のフィリピンの遠吠え、同じ〝肩故障仲間〟のウクライナのハイテク…もはや完全喜劇のデオンティ・ワイルダーの甲冑コスチューム…。

悲しいほどありすぎますが、他のスポーツも含めて大展開して参ります。

いつものことながら「失念している遠吠え」だけでなく、無知・フシ穴ゆえに「そもそも知らなかった遠吠え」も数多くあると思います。

「この酔っ払いは失念してるだろう、知らないだろう」という「遠吠え」があれば、気軽にご指摘下さいませ。

スポーツ限定です。

では、おやすみなさい。。。 
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日本人が戦った「人気階級のビッググネーム」。

まずは「人気階級」ですが、これは簡単です。

ウェルター級、ミドル級、ヘビー級が不動の人気階級です。

え?と思われるかもしれませんが、不動の人気階級はこの3クラスだけです。
 
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中谷正義がワシル・ロマチェンコに挑戦するのはライト級で、不動の人気階級とは言えませんが、タレントの質量によっては盛り上がります。

そうです、ちょうど今のように。

村田諒太のゲンナディ・ゴロフキンはミドル級でも究極のターゲットのカネロ・アルバレスはスーパーミドル級です。

ただ、カネロならジュニアミドルからライトヘビーまでどこで戦おうがピッグネームNo.1。注目度も破格です。

ロマチェンコとGGGは、カネロと比較してしまうと何枚も格落ちします。しかし、それでもピッグネームです。それも極上のビッグネームと呼んでも、誰も文句はありません。

この辺りのニュアンスはわかりやすいものの、冷徹に厳しいものがあります。

例えば「ローマン・ゴンザレスやノニト・ドネアはビッグネームか?」という問いの答えは2種類用意しなければなりません。

超軽量級という枠組みの中ではビッグネームです。このブログでもそう形容しています。

しかし、その枠を外すとエイドリアン・ブローナーやアミール・カーン以下、アンディ・ルイスにも遠く及びません。

ロマゴンやドネアは長らくPFPのトップ戦線で戦い、共に4階級制覇(ドネアを5階級制覇と認めてるのは日本だけ)を果たしました。

同じことをライト級やウェルター級、ミドル級を絡めてやってのけたなら、彼らはPPVファイターになっていたでしょう。もしかしたら、さらにその上のForbes Fighterとして名前を刻んだかもしれません。

しかし、悲しいかな、現実にはPPV興行とは全く無縁、ラスベガスやニューヨークの大会場や、巨大スタジアムとも全く無縁。

多くのボクシングファンにとっては〝地下ファイター〟のポジションに甘んじているのです。

階級格差は歴然として存在します。 

井上尚弥がミドル級なら、世界中のボクシングファンがカネロとの一騎打ちを渇望したでしょう。

村田諒太がバンタム級なら日本メディアですら、大きく取り上げることはありません。

バンタムとミドルでは、経済的価値の物差しでは、もう全く別競技なのです。 

ボクシングは米国では間違いなくマイナースポーツですが、超軽量級はその中でも無視されたクラス、それが現実です。
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オリジナル8の時代では、フライ級やバンタム級は今のように存在の耐えられない軽さではありませんでした。
 

今更ですが、その原因は。。。

①アジアや中南米、アフリカなど発展途上国が温床となっており、そもそも欧米の関心が低い

②団体と階級増殖の中でも好き放題に細分化され、そもそも興味がなかったのにますますわかりにくくなっている

③注目度の高いPPVイベントなど大興行で主役を張ることは絶対になく、アンダーカードに添えられ続けていることから、そもそも低かったステイタスをさらに下落させている

この「そもそも」の3点を主因に挙げることが出来ます。

このブログでは何度も繰り返していますが、これが「相撲」のように奴らが全く知らないものなら、まだ「突破の糸口」があります。 

ただ、そうではないのが絶望的です。  日本人の主食を米からタロイモに変えるようなミッション・インポシブルです。
20210225
現代ボクシング最高の大物。村田の釣り針に引っかかってくれるか?


ロマチェンコもGGGも単体ではPFPファイターに到底なれない不人気選手ですが、人気階級という深く広い海に、圧倒的な実力という釣り針を垂らし続けることによって、超軽量級には存在しない大物が引っかかる可能性があるのです。

ウクライナ人とカザフスタン人、この二人の釣り針は見事に大物をフックしましたが、残念なことに釣り上げることは出来ませんでした。

本当に残念です。階級と人種の差別が闇深い米国のリング、そこで日本人の私たちが応援するのは決まっています。

こいつだけは叩きのめさなきゃダメ!死んでも負けちゃダメ!だったのに…。

結局は、ロマチェンコもGGGも、マーベラス・マービン・ハグラーにはなれなかったのです。

それでも、彼らほどの存在は超軽量級には一人も存在しません。

彼らをボトムラインの9ー10位として、世界が注目する本物なピッグネームに挑んだ日本人を振り返ります。



【番外編】アントニオ猪木

ボクシングを超えてスポーツ史上でくくってもトップ、モハメド・アリと戦った事実は揺らぎません。

この事実で最も重要なことは、当時のアリが現役の世界ヘビー級王者だったということです。

猪木!がんばれ!



【第10位】試合前=中谷正義vsワシル・ロマチェンコ 


史上空前のライト級ウォーズの火蓋が切って落とされた中、最強と目されるロマチェンコに勝利すると、デビッド・マクウォーターの「中谷との再戦は我々にとって意味がない」という言葉も空々しく感じられるだけです。

ロマチェンコを撃破した中谷を回避するなら「テイクオーバーは逃げた」と世界中のボクシングファンから非難されるでしょう。



【第9位】試合前=村田諒太vsゲンナディ・ゴロフキン

昨年は、カネロの口からも「村田と東京」と出るなど、一気に具体化しそうな日本ボクシング史上最大の一戦でしたが…。

それでも、いまだにミドル級最強候補のゴロフキンを鮮烈な形でノックアウトすると、カネロへ向けた強烈なメッセージになります。



【第8位】石田順裕vsジェームス・カークランド
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八重樫東や井上尚弥ら超軽量級でもリング誌awardに選ばれますが、人気階級はノンタイトル戦など世界レベルにない試合でも選ばれるのです…。

カークランドはバンタム級で例えると〝一応王者〟のエマヌエル・ロドリゲス以下の、王者ですらない過大評価の典型でした。

しかし、リング誌をはじめとした専門誌はもちろん、スポーツイラストレイテッドやCNNまでが物語性のあるホープの蹉跌を大々的に報じました。バンタム級など超軽量級ではありえないことです。

残酷な言い方ですが、米国でミドル級を男子硬式野球に例えると、バンタム級は女子ソフトボールです。

そして、バンタム級も女子ソフトボールも日本こそが本場です。女子ソフトでは、世界のトップ選手が日本を目指します。

憧れ料まで払ってるのに、ESPNからは「井上尚弥は全く無名(こっちには放送する価値がないんだから、当初の放映権料をつべこべ言わずに払え!)」とまで言われ、プロモートはいつも後回し…。

日本のバカ信者どもへのアピールや「このまま防衛を続けると天文学的な数字になる」といつかバレる嘘を流布する以外に、ラスベガスに拘る意味はあるのでしょうか?

女子ソフト同様に、どう逆立ちしても日本でやるのがファンもスポンサーもwin−winなのに…。
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このパンデミックで、富裕層が使うお金の流れが実体経済からアート市場に流入しています。

「週刊東洋経済」の特集で、クリスティーズ・ジャパンの山口桂社長は「世界の富裕層が家で楽しむためにアートを買っている。活況なのは現代アート」と説明しています。 

パンデミック前でも前澤友作ZOZO元社長がジャン・ミシェル・バスキアの絵画を約115億円で落札してニュースになりましたが、驚くべきはその金額だけではありません。

この絵画が33年前に取引されたときの価格が〝わずか〟220万円だったという事実です。 
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私の中で「人生七不思議」の一つ、村上隆。どこがいいのか全くわからないばかりか、むしろ不快に感じてしまいます。

常識的に考えれば、評価が固まっていない現代アートは、気まぐれな富裕層の購買力が落ちると、その相場が暴落する危険を孕んでいます。

それでも、根強い買い漁りに拍車がかかっているのは「コロナ禍で急な資金需要ができた企業などがコレクションを売却し、市場に名品が出回っているから」(東洋経済)。

富裕層に現代アートを理解する審美眼があるとは到底思えませんが、彼らが期待しているのは「前澤のバスキア」に見る高利回りの資産性です。 

これまで、史上最高額で落札された美術品は、ニューヨークのクリスティーズで出品された「サルバトール・ムンディ」(レオナルド・ダ・ビンチ)で、その金額は約4億5000万ドル、510億円。
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こんなのが510億円…。

史上最大のメガファイト(パッキャオvsメイウエザーの興行規模に匹敵するメガ油絵です。カンバスのサイズは縦70㎝弱ですから、小さいメガ油絵です。

この絵も2005年に米国のマイナーなオークションで出品されたときの落札価格は1175ドル、たったの12万円でした。12年後に4億5000万ドル、38万3000倍になった訳ですから、どんなマルチ商法もびっくりのありえない超をいくつ付けても表現できない高金利です。

年3万倍なんて金利、どんな馬鹿でも騙されませんが、これが実際に起きているのが現代アートの世界です。

「サルバートール・ムンディ」にはもちろんカラクリがあって、2005年当時はダビンチではなく弟子の作品とされていたから12万円だったのです。

世界に十数点しかないというダビンチの油絵と認定された、男性版「モナ・リザ」が〝パックメイ〟に化けるのは、ある意味当然の帰結でした。

極論ですが、誰が描こうがその作品の芸術性は変わらないはずです。

作者不詳の「サルバトール・ムンディ」に、聡明な美術界が510億円の値を付け、後から「あれよくよく調べたらダビンチが描いたみたい」というなら、全面的に美術界を尊敬します。

しかし、実態はおぞましいばかりの権威主義です。

「勝ったヤツが強い」のではなく「名前のあるヤツが必ず勝つ」という反吐が出る世界です。

本当に暗愚な世界です。

とはいえ、YouTuberや50過ぎのグレートのexhibitionが持て囃される今のボクシングも「現代アート」の亜種かもしれません。


考えてみると、カネロ・アルバレスも一種の現代アートでしょうなあ。

あ〜あ、なんだかなあ。。。 

なんて書き連ねながらも、画商の知人と話をしてると非常に面白い世界だとは感じています。


それにしても、名前と物語と誇大広告…ボクシング界と美術界は酷似しています。 

でも、美術界にはパッキャオみたいな大番狂わせは起きないのです。 
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昨日、ライトヘビー級のIBF/WBC王者アルトゥール・ベテルビエフが10ラウンドTKOで王座防衛、戦績を16戦全勝16KOに伸ばしました。

そして今日、バージル・オルティスJr.がモーリス・フッカーを7ラウンドでストップ、17戦全勝17KOでWBOウェルター級暫定王座を争い、セカンドタイトルを獲得。
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持ち前の強打でIBFを4度、統一王座を初防衛した階級最強候補のロシア人と、量産型タイトルの断片を拾い上げたばかりのオルティスを同列に語ることは憚られますが、今日のテーマは〝パーフェクトレコード〟です。

プロボクシングでは、ある程度の年齢と技術体系を完成させてから選手になり、他のスポーツとは比較ならない少ない試合数でキャリアを終えます。

さらに、勝ち続けるとよりタフなステージが用意されるとは限らないのも特徴的です。プロボクシングは咬ませ犬や穴王者、雑魚挑戦者が選り取り見取りの世界なのです。

「指名挑戦者」という言葉も今では本来の意味を完全に失い、世界中のボクシングファンを笑わせ続けてくれています。

日本のメディアやファンの間では「世界王者に弱い奴はいない」「王者にとって指名挑戦者を迎える試合は最難関の試合」「世界1位は最強挑戦者」という言葉がいまだに散見されますが、プロボクシングはそんなまともなスポーツではありません。

この独善独断偏見ブログが最も唾棄するのが、オマール・ナルバエスのようなヘタレや、全く意味のない数字だけのボクサーです。

ナルバエスは「ヘタレ」と「数字」を両立させた、トンデモ選手です。顔はハンサムなんですが、母国の評価も人気もセルヒオ・マルチネスとは天地の差なのもよく理解出来ます。

それでも日本に来たら「伝説の名王者」です。ある意味「伝説」なので、間違いではないのですが…。


そんな歪んだ世界で整形美容外科的に量産されるのが無敗レコードです。

「無敗」には「全勝無敗」「全戦全勝」などがあり、最上級は全戦全勝全KO、100% knockout record です。

そして誇大広告の末路では、ほぼ全ての記録が途絶え、記録が抹消されるだけでなく、人々の記憶からも薄れてゆきます。

極めて稀ですが「無敗のまま引退した世界王者」も存在します。
 
代名詞的な名前だけでも、ロッキー・マルシアやリカルド・ロペス、ジョー・カルザゲ、スベン・オットケ、エドウィン・バレロ、サムソン・ダッチボーイジム、テリー・マーシュ…そして真打、フロイド・メイウェザー。

マルシアノの「48」は伝説的な数字として語られていますが、それでも史上最強の評価を受けることはありません。

ロペス、カルザゲ、メイウェザーもそれなりの評価は受けているとはいえ「無敗であること」が評価の要因ではないのです。

 テニスのマルチナ・ナブラチロワのシングルス74連勝、陸上400mハードルのエドウィン・モーゼスの122連勝には、相手の質が低いなんて非難は浴びせられません。

ボクシングの世界で無敗が持つ意味は大きくありません。「世界王者のまま無敗のまま引退」はこのスポーツでは、むしろ後ろ指を差されかねないのです。

その意味では〝ゼロ〟の価値はゼロ、と言えるでしょう。

さて、この「ゼロ・ワールド」でも最上級バージョンの全戦全勝全KOを突き進んでいるベテルビエフやオルティスは、いつ記録をストップされるでしょうか?

また「全戦全勝全KO」をさらに蒸留した「全戦全勝全1ラウンドKO」記録を16にまで伸ばしているエドガー・ベルランガもいつ記録が途絶えても不思議じゃない怪しさ満点です。

23歳のThe Chosen One(選ばれし者)は来月24日、強打のデモンド・ニコルソンとの試合がセットされていますが、コロコロ倒れるニコルソンはどっからどう見てもオーダーメイド。記録は17に伸びる公算大ですが、さて1ラウンドKO記録はいつまで続くんでしょうか?

…というか、いつまで続ける気でしょうか?
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アリ・レイミをトップに頂く、このバッタモン・ランキングの中では、バレロでも評価してあげなければなりません。

このブログでも紹介済みですがアリ・レイミには〝美容整形〟記録のエッセンスが詰まっています。

レイミはまさにパーフェクト・レコードのパーフェクト・サンプル、完成形です。
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