カムイの「変移抜刀霞斬り」。
星飛雄馬の「消える魔球」。
水戸黄門の「印籠」。
矢吹丈の「トリプルクロスカウンター」。
退屈な現実に飽きた私たちに、必殺技はいつだって破滅的なまでの恍惚をもたらしてくれます。
沢村忠の「真空飛び膝蹴り」には虚構と現実の間を明滅するエロチズムまで溢れていました。

そして、現実の世界にだって魅惑的な必殺技が披露されてきました。そんな必殺技を操るボクサーは簡単にヒーローに変身することが出来たのです。
ボブ・フィッツモンズの「ソーラー・プレキサス・ブロー」。
ジャック・デンプシーの「デンプシーロール」。
モハメド・アリの「ファントム・パンチ」「ロープ・ア・ドープ」。
ーーーそして昨日、またまた〝番狂せ〟を起こしたマニー・パッキャオの「マニラ・アイス(バニラアイスにひっかけた右フック)」(定着しませんでしたが)。
「ロープ・ア・ドープ」については、民主党のジェームス・カービルがトランプ大統領の自国民にも大きなブーメランとなって帰ってくるであろう関税政策に対して「ジタバタせずに打たせるだけ打たせて相手が消耗するのを待つ」という意味で「rope-a-dope戦略で良い」とニューヨークタイムズに記事を寄せました。
さすがに、ほとんどの読者はrope-a-dopeを知らないはずですから、記事を読んで少し混乱したんじゃないかと思いましたが、反骨の塊のようなアリはカービルだけでなくトランプにもオバマにも米国の政治家・大統領を常にインスパイアし続けている偉大な存在であり続けているということです。
そして、蠱惑的にもほどがある必殺技名簿に新しい銘柄が加わります。
オレクサンデル・ウシクがダニエル・デュボアを仕留めた左フックを、ウシク本人が名前も教えてくれて、解説しました。
その名も「THE IVAN(イワンの拳)」。
Usyk dropped his head, closed his eyes and sent a huge Ivan left hook directly into Dubois’ chin.ウシクは頭を下げて目を閉じ、イワンの拳をデュボアの顎に直撃させた。
ジ・エンド。
チーム・ウシクのメンバーたちも「When you put your head down and swing for the hills with a shot like that it's known as 'The Ivan' .(サウスポーが頭を下げて丘の上に向かって弧を描くように吹き上げて振る左フック、それがイワンの拳だ)」と、口を揃えて語りました。
デュボアにとってはパンチの出所は完全に死角、大きな弧を描くことで破壊力を増幅させるだけでなく、悪魔の間を生み出す、まさに最悪のショットです。
Usyk always has it in his locker for whenever he needs it.
'The Ivan' はクルーザー級時代のウシクが2018年に米国でキャンプを張っていたときに完成させたパンチで、そのとき命名したそうです。
そして、それ以来ずっと、いつか使う瞬間が訪れるはずだとロッカーの中にしまっていました。
サウスポーが頭を下げて丘の上に向かって弧を描くように吹き上げて振る左フック、The Ivan(イワンの拳)。
〝イワンの拳〟は、セルヒオ・マルチネス(2010年11月20日:vsポール・ウィリアムス)や中谷潤人(2023年5月20日:vsアンドリュー・マロニー)も見事なマスター(使い手)で、この教科書に載せてはいけないパンチをウシクよりもわかりやすく(教科書的に)披露していました。
体重同一時(人気階級も不人気階級も平等に扱う)として広く知られるPFPですが、実は明確な評価基準はありません。
それでも…。
ヘビー級と単純比較されると「シュガー・レイ・ロビンソンは弱い」で話は終わってしまいますが、ロビンソンが弱いと思うのは体重差があるから、それだけのことで体重同一時なら人気絶頂のロッキー・マルシアノよりもはるかに優れているーーーロビンソンの優秀さをわかりやすく伝えるために広まったPFPの考え方は「トップレベルでは体重が重い方が強い」という絶対真理の上に成り立っていました。
ウシクが階級支配度が低いにも関わらず、PFPキングに推される理由は「トップレベルで体重が軽いけど重いやつよりも強い」ということ、つまりPFPの根幹を破壊することを、多くの人の目の前で証明してしまったからです。
もはや〝逆ハンデキャップ〟〝逆体重同一時〟をウシクに課す段階かもしれません。
つまり、ウシクがもっと大きくて重い状態を妄想、そうなると動きも俊敏さも確実に鈍化します。
つまり、ウシクは軽量ですばしっこくて、サウスポーだから強く見えるだけなのです。重くなったら遅くなる、弱くなるはず。
もし、ウシクをフューリーのように体重280ポンドまで膨張させ、オーソドックスに逆コンバートさせたら、絶対に弱くなっているはずです。
逆に(もうなんの逆やらわかりませんが)、フューリーはあんなに大きくて重い肉体をひきずりながら軽快でスピードと機動力抜群でサウスポーのウシクと互角に戦ったのですから、もっと高く評価しなければならないのではありませんか?
ーーーウシクがコンバーテッド・オーソドックスになって、280ポンドに増量しても、スピードと機動力はそのまま、パワーだけが以上に増強された、なんてことになっても、もう私は知りませんが…。
星飛雄馬の「消える魔球」。
水戸黄門の「印籠」。
矢吹丈の「トリプルクロスカウンター」。
退屈な現実に飽きた私たちに、必殺技はいつだって破滅的なまでの恍惚をもたらしてくれます。
沢村忠の「真空飛び膝蹴り」には虚構と現実の間を明滅するエロチズムまで溢れていました。

そして、現実の世界にだって魅惑的な必殺技が披露されてきました。そんな必殺技を操るボクサーは簡単にヒーローに変身することが出来たのです。
ボブ・フィッツモンズの「ソーラー・プレキサス・ブロー」。
ジャック・デンプシーの「デンプシーロール」。
モハメド・アリの「ファントム・パンチ」「ロープ・ア・ドープ」。
ーーーそして昨日、またまた〝番狂せ〟を起こしたマニー・パッキャオの「マニラ・アイス(バニラアイスにひっかけた右フック)」(定着しませんでしたが)。
「ロープ・ア・ドープ」については、民主党のジェームス・カービルがトランプ大統領の自国民にも大きなブーメランとなって帰ってくるであろう関税政策に対して「ジタバタせずに打たせるだけ打たせて相手が消耗するのを待つ」という意味で「rope-a-dope戦略で良い」とニューヨークタイムズに記事を寄せました。
さすがに、ほとんどの読者はrope-a-dopeを知らないはずですから、記事を読んで少し混乱したんじゃないかと思いましたが、反骨の塊のようなアリはカービルだけでなくトランプにもオバマにも米国の政治家・大統領を常にインスパイアし続けている偉大な存在であり続けているということです。
そして、蠱惑的にもほどがある必殺技名簿に新しい銘柄が加わります。
オレクサンデル・ウシクがダニエル・デュボアを仕留めた左フックを、ウシク本人が名前も教えてくれて、解説しました。
その名も「THE IVAN(イワンの拳)」。
Usyk dropped his head, closed his eyes and sent a huge Ivan left hook directly into Dubois’ chin.ウシクは頭を下げて目を閉じ、イワンの拳をデュボアの顎に直撃させた。
ジ・エンド。
チーム・ウシクのメンバーたちも「When you put your head down and swing for the hills with a shot like that it's known as 'The Ivan' .(サウスポーが頭を下げて丘の上に向かって弧を描くように吹き上げて振る左フック、それがイワンの拳だ)」と、口を揃えて語りました。
デュボアにとってはパンチの出所は完全に死角、大きな弧を描くことで破壊力を増幅させるだけでなく、悪魔の間を生み出す、まさに最悪のショットです。
Usyk always has it in his locker for whenever he needs it.
'The Ivan' はクルーザー級時代のウシクが2018年に米国でキャンプを張っていたときに完成させたパンチで、そのとき命名したそうです。
そして、それ以来ずっと、いつか使う瞬間が訪れるはずだとロッカーの中にしまっていました。
サウスポーが頭を下げて丘の上に向かって弧を描くように吹き上げて振る左フック、The Ivan(イワンの拳)。
〝イワンの拳〟は、セルヒオ・マルチネス(2010年11月20日:vsポール・ウィリアムス)や中谷潤人(2023年5月20日:vsアンドリュー・マロニー)も見事なマスター(使い手)で、この教科書に載せてはいけないパンチをウシクよりもわかりやすく(教科書的に)披露していました。
体重同一時(人気階級も不人気階級も平等に扱う)として広く知られるPFPですが、実は明確な評価基準はありません。
それでも…。
ヘビー級と単純比較されると「シュガー・レイ・ロビンソンは弱い」で話は終わってしまいますが、ロビンソンが弱いと思うのは体重差があるから、それだけのことで体重同一時なら人気絶頂のロッキー・マルシアノよりもはるかに優れているーーーロビンソンの優秀さをわかりやすく伝えるために広まったPFPの考え方は「トップレベルでは体重が重い方が強い」という絶対真理の上に成り立っていました。
ウシクが階級支配度が低いにも関わらず、PFPキングに推される理由は「トップレベルで体重が軽いけど重いやつよりも強い」ということ、つまりPFPの根幹を破壊することを、多くの人の目の前で証明してしまったからです。
もはや〝逆ハンデキャップ〟〝逆体重同一時〟をウシクに課す段階かもしれません。
つまり、ウシクがもっと大きくて重い状態を妄想、そうなると動きも俊敏さも確実に鈍化します。
つまり、ウシクは軽量ですばしっこくて、サウスポーだから強く見えるだけなのです。重くなったら遅くなる、弱くなるはず。
もし、ウシクをフューリーのように体重280ポンドまで膨張させ、オーソドックスに逆コンバートさせたら、絶対に弱くなっているはずです。
逆に(もうなんの逆やらわかりませんが)、フューリーはあんなに大きくて重い肉体をひきずりながら軽快でスピードと機動力抜群でサウスポーのウシクと互角に戦ったのですから、もっと高く評価しなければならないのではありませんか?
ーーーウシクがコンバーテッド・オーソドックスになって、280ポンドに増量しても、スピードと機動力はそのまま、パワーだけが以上に増強された、なんてことになっても、もう私は知りませんが…。










