ボクシング興行のベスト2は、ネバダ州アスレティック・コミッションの統括によって、わずか2年のスパンで立て続けに挙行されました。
第1位は2015年の「フロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ」。第2位は2017年の「メイウェザーvsコナー・マクレガー」です。
マクレガーのボクシングデビュー戦となった後者は、現在に続く茶番劇ブームの先駆けになったサーカス。
そして、前者ですら全盛期の最強ボクサーの激突ではありませんでした。
世界最高峰の戦いが最も売れたわけではない、のです。ボクシングの世界の闇深さを象徴しています。
さて、2023年にも実現すると言われている「タイソン・フューリーvsフランシス・ガヌー」もまた、メイウェザーが仕掛けた茶番劇の延長上にあるサーカスの一種なのでしょうか?
「メイウェザーvsマクレガー」と「フューリーvsガヌー」に相違点はどこにあるのでしょうか?

「2017年」ではメイウェザーは引退したプロボクサーで、マクレガーはピークを過ぎたMMA選手でした。
しかし、ボクサーとボクシングデビューのMMA選手という構図は同じでも、フューリーvsガヌーは全盛期の最強ヘビー級という点で大きく異なります。
もちろん、熟練したプロボクサーと素人のボクシングマッチですから、競技レベルは全く期待できないという点は変わりません。
フューリーはUFCルールでの戦いも示唆していますが、リップサービス、完全な冗談でしょう。ガヌーと総合ルールで戦う危険度は、現役のままボクシングのトップレベルで戦う比ではありません。
それでは「パリスのお願い」で引退した意味がありません。
では、世界2大格闘技の最強ファイターによる茶番劇は「メイウェザーvsマクレガー」を凌駕する、巨額のマネーを生み出すメガファイトになるのでしょうか?
あるいは「メイウェザーvsパッキャオ」も上回り、ボクシング史上最大の興行に躍り出るのでしょうか?
「フューリーvsガヌー」が決定すると、3カ国4大都市で巨額の資金を投資して開催された「メイウェザーvsマクレガー」を凌ぐプロモーショナルツアーが展開されるはずです。
また、「フューリーvsガヌー」には、2017年当時はおとなしかったサウジアラビアやUAEドバイも招致合戦に名乗りを挙げるでしょう。
一方で「メイウェザーvsマクレガー」があれほどの大興行になったのは「メイウェザーとマクレガーだから」という決定的な理由も無視できません。
人の耳目を集めることに関しては天才的な二人が、プロモーショナルツアーがキックオフする2年以上も前から前景気を煽っていたのです。
「ボクシングルールでメイウェザーに勝てる」と最初に矢を放ったのはマクレガー。2015年の「メイウェザーvsパッキャオ」直後のことでした。
そこから両者は丁々発止のやり取りを繰り広げ、プロモーショナルツアーではプロレスラー顔負けのトラッシュトークの応酬。
欧米のメディアはほぼ例外なく「The Farce Bout(茶番劇)」「Bogus(インチキ、偽物)」と非難、ニューヨークタイムスも「FLEECE OF THE CENTURY(世紀の詐欺)」と断じ、リング誌も「DARK COMEDY(悪い冗談)」と斬り捨てましたが、これこそがメイウェザーのやり方です。
軽蔑や嫌悪感、あるいは憎悪…。「見たい」と思わせるのは強烈な負の感情です。人間とは神よりも悪魔を見たい、そう思う動物なのです。
この「仕掛け」を、良い意味でも悪い意味でも空気を読まないフューリーと、実直なガヌーにできるか?その答えは先週土曜日に同じリングに立った二人の遠慮がちなやり取りを見れば、明白です。
フューリーとガヌーは最強のファイターですが、最強のビジネスマンではありません。
個人的には、ガヌーよりもオレクサンダー・ウシク戦が見たいのですが…。
第1位は2015年の「フロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ」。第2位は2017年の「メイウェザーvsコナー・マクレガー」です。
マクレガーのボクシングデビュー戦となった後者は、現在に続く茶番劇ブームの先駆けになったサーカス。
そして、前者ですら全盛期の最強ボクサーの激突ではありませんでした。
世界最高峰の戦いが最も売れたわけではない、のです。ボクシングの世界の闇深さを象徴しています。
さて、2023年にも実現すると言われている「タイソン・フューリーvsフランシス・ガヌー」もまた、メイウェザーが仕掛けた茶番劇の延長上にあるサーカスの一種なのでしょうか?
「メイウェザーvsマクレガー」と「フューリーvsガヌー」に相違点はどこにあるのでしょうか?

「2017年」ではメイウェザーは引退したプロボクサーで、マクレガーはピークを過ぎたMMA選手でした。
しかし、ボクサーとボクシングデビューのMMA選手という構図は同じでも、フューリーvsガヌーは全盛期の最強ヘビー級という点で大きく異なります。
もちろん、熟練したプロボクサーと素人のボクシングマッチですから、競技レベルは全く期待できないという点は変わりません。
フューリーはUFCルールでの戦いも示唆していますが、リップサービス、完全な冗談でしょう。ガヌーと総合ルールで戦う危険度は、現役のままボクシングのトップレベルで戦う比ではありません。
それでは「パリスのお願い」で引退した意味がありません。
では、世界2大格闘技の最強ファイターによる茶番劇は「メイウェザーvsマクレガー」を凌駕する、巨額のマネーを生み出すメガファイトになるのでしょうか?
あるいは「メイウェザーvsパッキャオ」も上回り、ボクシング史上最大の興行に躍り出るのでしょうか?
「フューリーvsガヌー」が決定すると、3カ国4大都市で巨額の資金を投資して開催された「メイウェザーvsマクレガー」を凌ぐプロモーショナルツアーが展開されるはずです。
また、「フューリーvsガヌー」には、2017年当時はおとなしかったサウジアラビアやUAEドバイも招致合戦に名乗りを挙げるでしょう。
一方で「メイウェザーvsマクレガー」があれほどの大興行になったのは「メイウェザーとマクレガーだから」という決定的な理由も無視できません。
人の耳目を集めることに関しては天才的な二人が、プロモーショナルツアーがキックオフする2年以上も前から前景気を煽っていたのです。
「ボクシングルールでメイウェザーに勝てる」と最初に矢を放ったのはマクレガー。2015年の「メイウェザーvsパッキャオ」直後のことでした。
そこから両者は丁々発止のやり取りを繰り広げ、プロモーショナルツアーではプロレスラー顔負けのトラッシュトークの応酬。
欧米のメディアはほぼ例外なく「The Farce Bout(茶番劇)」「Bogus(インチキ、偽物)」と非難、ニューヨークタイムスも「FLEECE OF THE CENTURY(世紀の詐欺)」と断じ、リング誌も「DARK COMEDY(悪い冗談)」と斬り捨てましたが、これこそがメイウェザーのやり方です。
軽蔑や嫌悪感、あるいは憎悪…。「見たい」と思わせるのは強烈な負の感情です。人間とは神よりも悪魔を見たい、そう思う動物なのです。
この「仕掛け」を、良い意味でも悪い意味でも空気を読まないフューリーと、実直なガヌーにできるか?その答えは先週土曜日に同じリングに立った二人の遠慮がちなやり取りを見れば、明白です。
フューリーとガヌーは最強のファイターですが、最強のビジネスマンではありません。
個人的には、ガヌーよりもオレクサンダー・ウシク戦が見たいのですが…。