フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 没落するアメリカボクシング

今年で43歳になるマニー・パッキャオ。

プロデビューは1995年1月22日です。それから26年、71試合を戦い、史上唯一の8階級制覇を成し遂げたグレートは死に場所を探す段階に差し掛かっています。

それなのに。当の本人にはそんな気は全くないようで、エロール・スペンスやテレンス・クロフォードの本格派路線からコナー・マクレガーの茶番劇まで選り取りみどりのプロポーズリストにご満悦なようです。

そして、生きる伝説に求愛するのは大きなレガシーを築いたピッグネームだけではありません。

カネロ・アルバレス に続くメキシコのスター、ライアン・ガルシアです。

温室育ちの22歳がInstagramにふざけたポスターを投稿しました。
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A DREAM TO REALITY〜この夢は現実になる。

kingryan A dream turned reality ✨👊🏽 It’s an honor to share the Ring with @mannypacquiao I will always respect what you did in and out the ring. Here’s to the best Man Winning 🥊

はぁ?

WBC暫定ライト級王者の分際で何様のつもりや!?

リング誌は「パッキャオは今年で43歳、キャリア晩年とはいえキング・ライアンに勝てるわけがない」としながらも「この試合を〝pass the baton〟fight(スーパースターのトーチが渡るエポックファイト)と見る人もいるだろう」と報じていますが、寝言を記事にするとはさすが自称・ボクシングの聖書です。

しかし、まさか?

「マニー・パッキャオと戦えるなんてこんな名誉ことはない!僕は常に彼がリングの中と外で成し遂げたことを尊敬してきた。それでも試合では強いヤツが勝つ」。

はぁ?

本気か?妄想か?

やめてくれ。

…やるとしても、weight は?

ふざけるなよ、暫定野郎。

しかし、これは実現するしないは別にして、すぐオッズが出ますね…。
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Floyd Mayweather v Logan Paul 'postponed to later date' than planned February 20 meet

2月20日に予定されていたフロイド・メイウェザーvsローガン・ポールのexhibitionが延期になると、英国ミラー紙が報じました。
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この種の茶番劇は、基本的に〝ゲテモノ〟イベントの域を出ません。

いくら野次馬でも何度も騙まされません。

ゲテモノ興行でも「チャリティー」「ファンサービス」などの看板に隠せばまだしも、今回の茶番劇は試合当日まで期間を区切ってPPV料金を釣り上げてゆく「早く買った方がお得」と商魂丸出しの下劣さからも視聴者から愛想を尽かされたのかもしれません。

24ドル99セントからスタートした視聴料は、現在59ドル99セントまで引き上げられ、2月11日からは79ドル99セントになります。「後になればなるほど買う人はいなくなる」のは当然です。

ミラー紙は「中止ではなく延期」としていますが、仕切り直しでもどれだけ売れるのか微妙です。

那須川天心とのおそらく計量もまともにやらずに済んだ小遣い稼ぎではなく、今回も相手はど素人とはいえ、ある程度の練習と調整が必要な巨体が相手です。

Fanmioもある程度は利益を出さなければやる意味がありません。

普通のボクシングイベント以上の興行収入をあげることは間違いありませんが、マネーとFanmioが目論んでいたのは「普通」じゃありません。

「延期」なんてまどろっこしい表現じゃなく、「茶番劇の行き詰まり」を象徴する「中止」でいいんじゃないでしょうか。
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WOWOWの「エキサイトマッチ30周年記念SP 鉄人マイク・タイソン特集PART2」をやっと見ました。

那須川天心がぁ〜あああ、ゲストぉぉおぉぉ〜〜〜〜〜。あると思いますッ!(天津木村)。

アイアン・マイクのキャリアをおさらいしてくれる、貴重なプログラムでした。

ただ、ゲストにジョー小泉が座ってるなら「リネラル王者」「リング誌王者」についての説明もして欲しかった!

それ以前に、ジョー小泉までもが「ドン・キングとタイソンの出会った時期」を誤解されるような表現をしていたのも気になりました。

男性アナの「スピンクスの方が強いという見方もあった」というのも、戦前予想やオッズが圧倒的にタイソンだったのに違和感ありまくりです。

当時のスピンクスは「正統の王座を継ぐリネラル王者」だったということです。

ジョーの「スピンクスもチャンピオン」という言葉も、リネラル王者を知らない人にはよくわからなかったでしょう。

その意味で、あの試合は統一戦だったのです。
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「誰がどう考えても、アルファベットよりもリング誌王者の方が上でしょう」「王者を倒した者しか王者になれない、それが当たり前、それがリネラルチャンピオンなんです」という正論は、口にできないのかもしれません。

そういえば「リネラル王者」はもちろん「リング誌王者」も、WOWOWはほとんど触れないです。

昨年のタイソン・フューリーとデオンティ・ワイルダーの対談で「そんなベルトがどこにある?どこにも実体がないじゃないか?」と嘲笑したワイルダーに、フューリーが「形は無いけど、それが一番価値があるということを、知ってる人は知っている」と答えていましたが、あの場面ももう少し突っ込んで欲しかったです。

そんなこと、言い出しても仕方ないですが。

もちろん、リネラルチャンピオンなんて「王者を倒せば王者」ですから「ペーパー王者に勝っても〝狭義〟のリネラル王者」です。

欧米でもまともに取り上げられるリネラル王者はヘビー級だけ。

これだけ「世界王者」が大量生産される時代、実はリネラルやリング誌王者ですら穴王者であり得ることは、この場末の落書き板をお読みなら、ご存じでしょう。

現在のプロボクシングにおいて、王者の肩書きは限りなく軽くなっています。

今、ヘビー級最強と目されるのはアルファベット一つしか持たないフューリー。

マニー・パッキャオ8階級制覇で最も価値が高いのは主要アルファベットが一つもステイクされなかったフェザーとジュニアウェルターです。

ノニト・ドネアが支配的だったジュニアバンタムは暫定王者に過ぎませんでしたが、ジュニアバンタム暫定王者が「バンタムでも最強」と考えられていました。

リネラル王者に勝たなければ王者ではない…。そんな時代はとうの昔に終わっています。

空位の王座を争って玉座に就いた王者も、この複数階級制覇の大安売り時代では当たり前。

どのタイトルが尊くて、どのタイトルが卑しいなんてことはありません。どのタイトルも怪しい妖気を放っているだけです。

那須川がどこまで行けるのか、全くわかりません。

しかし、欧米の縄張りから外れるジュニアフェザー以下なら簡単に獲れると思います。

わずか数戦のムエタイ方式で世界ランキング入り、穴王者や不可解な決定戦で田中恒成の最短記録を更新しても大きな驚きはありません。

「必ず世界チャンピオンになれると思います」。そこだけはWOWOWのアナウンサーに賛成です。
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マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.。

2分8ラウンドのエキシビションは、見苦しい茶番劇ではありませんでした。

レジェンドがファンを楽しませるため、あるいは世界の沈滞ムードに光を差し込ませるために、舞台に戻って来る。

エキシビションにレジェンドが登場するーーその最も素晴らしい例の一つがテニスでしょう。

ビョルン・ボルグやジョン・マッケンローらが対決、ときには錦織圭ら現役選手ともラリーを繰り広げてファンにかけがえのない時間をプレゼントする。そして、その多くがチャリティマッチです。

そこには「どちらが勝つのか?」は二の次。ましてや「残酷なショーになるかもしれないことをどこか期待する」なんてことはありえません。

「期待以上の予定調和」それがエキシビション本来の醍醐味です。

その意味で「タイソンvsジョーンズ」は、すばらしいチャリティマッチで、ボクシング界も一歩前に進めたのではないでしょうか。

その対極が「フロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガー」のような、引退したボクサーとボクシングど素人の総合格闘家がボクシングルールで戦う、世界基準のパフォーマンスから掛け離れた茶番劇です。

最も敬意が払われるべきは、現役選手による世界最高峰のギリギリの戦いです。もっと具体的に言うと、そこにこそ最高の注目と報酬が用意されなければなりません。

ましてや、茶番劇が世界最高峰の戦いに水を差すなんて論外です。

「メイウェザーvsマクレガー」が「ミゲール・コットvs亀海喜寛」を潰したのはもちろん「ゲンナディ・ゴロフキンvsカネロ・アルバレス」の興行にも悪影響を与え、YouTuberの試合が「井上尚弥vsノニト・ドネア」よりも大きな注目を集める…そんなこと他のスポーツでは考えられません。

そんなジレンマを少し慰めてくれたのが「タイソンvsロイ」でした。

あの「判定」も含めて、茶番劇フリークの方々には物足りなかったかもしれませんが。
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それにしても、WBCは趣味が悪過ぎます。

引き分けドローが大前提のexhibition、二人に贈るためにベルトをあらかじめ2本用意するのは問題ありません。

「パンデミックの最前線=フロントライン」で戦う人々を勇気づける「フロントライン」ベルトも、WBCとは思えないタイムリーでハイセンスです。

しかし、バックルに大きく刻まれていたのは「ブラック・ライブズ・マター」。

どんな神経してるんでしょうか。
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Badou Jack vs. Blake McKernan
8 rounds – light heavyweights

リング誌などでは「ライトヘビー級」8回戦となっていますが、クルーザー級ですね。

80−72*3。

しかし、バドゥ・ジャックは相変わらず、というかこのレベルの相手でも倒しきれないというのは如何なものか?

だから、こんなのがセミファイナルになるわけです



Jake Paul vs. Nathaniel Robinson
6 rounds – light heavyweights

Why have a California Commission if they allow this??(テディ・アトラス)。その通りです。

危険です。いつか大きな事故が起きなければいいのですが。


Mike Tyson vs. Roy Jones
 

ジミー・レノンJr.からマイケル・バッファーにマイクがリレーされる、豪華なアナウンスでゴング。
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オフィシャルのジャッジは三者三様のドロー。ジス・イズ・エキシビション。良いイベントでした。 


クリスティ・マーティン76-76、ビニー・パチエンザ80-76でジョーンズ、チャド・ドーソンは79-73でタイソン。

このスコアがどういうことなのか?

引き分けは想定内にしても、仕込むなら三者一致の「80−80」で「二人が失ったものは何もなかった」が一番良い着地点だと思ってましたが…。
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前日計量はマイク・タイソンが220.4ポンド(99.97㎏)、ロイ・ジョーンズJr.は210ポンド(95.25㎏)。

二人とも仕上げてきましたが、実物を見てしまうとブランクのある50代の肉体です。

現在のオッズは、タイソン3/7(1.29倍)、ジョーンズ11/6(3.5倍)。エキシビションでオッズが出てることが、そもそもおかしいのですが…それなら大相撲のオッズも解禁すべきです。
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タイソンの現在の職業は、スタンドアップコメディアン、一人芝居の役者です。

その一環、として2006年(vsコーリー・サンダース)以来のエキシビションを行うという視点で見ると、フロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーの公式戦とはかなり違った展開になりそうです。 
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▶︎暇つぶしの名無しさん (IP:126.179.10.50)

なんだろうな・・・少なくともクロフォードとウシクに関して言えば、あのまま四団体のベルトを保持し続けていた方がよっぽどビッグマッチに恵まれる機会が増えていたと思います

折角手に入れたチケットを投げ捨てて階級を上げてしまったばかりに勿体ない・・・という感じです
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団体と階級ばかりか、同一団体の同一階級ですら王座が量産される時代です。

こんな時代だからこそ、The Undisputed Champion、完全統一王者が最も注目を浴びるに相応しいと考えがちですが、プロボクシングの世界はどこまでも理不尽と不条理が激しく渦巻いて止むことはありません。

現実はそうではないのです。

4-Belt-Eraで完全統一王者に就いた3人、バーナード・ホプキンス、テレンス・クロフォード、オレクサンダー・ウシクという顔ぶれを振り返ると、実力はあるのに人気が無いファイターのジレンマがひしひしと伝わってきます。

一部メディアが完全統一王者に数えるテオフィモ・ロペスのWBCフランチャイズは、ロペスがWBCに直談判してステイクしたという由来も意味も不明の怪しすぎるベルトなので正統王者とは認めません。

あれを認めたら、人気者は何しても良いことになります。

現役の完全統一王者、クロフォードとウシクですが、体重管理に大きな問題を抱えていたわけではないので、4つのベルトを持ってジュニアウェルター級やクルーザー級に留まっていた方がビッグファイトに恵まれたかのか?

おそらく、そうではありません。

彼らはすでに100万ドルファイターでした。しかし、〝PPVファイター〟としてクロフォードは挫折を味わい、ウシクはまだその舞台にも上がれていません。

彼らに人気がないのは事実ですが、それだけではなく、上を目指すにはジュニアウェルターやクルーザーでウロウロしてても埒が明かないからです。

完全統一王者を人気階級への踏み台と考えていたことは、彼らの発言からも明らかです。

人気階級に手ぶらで上がるわけにはいかない。4つのベルトはその手土産に過ぎないのです。

80年代以降の3団体時代までは完全統一王者には、それなりの注目と尊敬が集められていました。

シュガー・レイ・レナードにマービン・ハグラー、マイク・タイソンは人気階級ど真ん中だったこともありますが、スターダムの頂点でした。

マイケル・スピンクスですら、WBSSやクロフォードよりも遥かに注目と尊敬を集めていました。

ボクサーの「人気」、その本質はもはやベルトの数では無くなってしまいました。

4つのベルトをコンプリートするよりも、スーパースターと戦い、引き摺り下ろす方が高い関心と興味、そして何よりも巨額の報酬を手に入れることが出来るのです。

スーパースターはジュニアウェルターやクルーザーにはいません。万一、いてもそこに留まりません。

今や完全統一王者になって、何か手に入るものがあるとしたらPFPランキングが上がること、さらにその上の年間最高選手賞に選ばれること、つまりは「専門家やマニアだけから与えられる二束三文の評価」(フロイド・メイウェザー)だけなのです。

4-Belt -Era でスーパースターのトーチをリレーして来たのはオスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスの4人です。

彼らの共通点は人気階級でスターダムの頂点に駆け上がったこと、そしてどの階級でも完全統一王者にはなっていないということです。

そもそも欧米から大きな関心を集めることのできないバンタム級のアジア人である井上尚弥の人気は、クロフォードやウシク以下も以下、です。

しかし、日本のモンスターは錆びれたオマハの黒人ではなく、どこにあるのか米国人は誰も知らないウクライナ人でもありません。

井上がPPVのスーパースターになることはあり得ませんが、ナジーム・ハメドの発展型スターになる可能性はあります。

〝ハメド路線〟は、複雑な国内政治や国際情勢の影響で継続的な支援を断たれて座礁してしまいましたが、井上の背景には人気階級のミドルですら籠絡させたジャパンマンネーが控えています。

そして、ボブ・アラムが描く、日本のカネに依存した「日本でメガファイト⇄米国で箔付け試合」という仕掛けは、ビッグネーム不在の不人気クラスでも十分利益を上げる可能性があります。
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それにしても…。

タイトルが分断されてから半世紀以上の歳月が流れました。

分断の時代だからこそ統一に大きな意味があり続けました。

しかし、そんな当たり前すら、4-Belt-Eraでは当たり前ではなくなったのです。
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通勤ラッシュの混雑は以前の8〜9割まで戻りました。

それでも、終電間際は閑散としています。

この時間帯で、銀座のホーム、以前はスイスイ歩けませんでした。
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ネットニュースを見ながら感じたことを、徒然なるままに。

当然、この時期ですから井上尚弥の情報を探します。

そこで感じたのが「“かませ犬”マロニー」という表現が、結構目につくことです。

出典から原文と照らし合わせていませんが、恐らくこれは underdog を「咬ませ犬」と訳していると思われます。

ボクシングの記事で「underdog」という場合、それはオッズで不利予想が立てられたボクサーを指します。そっちの「用語」なんです。

例えばメイパックで、アバウト1−3で不利と見られていたパッキャオはunderdogです。しかし、パッキャオを日本語でいう「咬ませ犬」と考えた人は皆無でしょう。

咬ませ犬」を英訳すると「sacrifice=生贄」などの表現になります。

「未来を嘱望されるホープや人気選手の復帰戦で自信を付けさせるために供される生贄」が「咬ませ犬」です。

あるいは cherry=雑魚という英語も該当するでしょう。


その意味では、 underdog を「咬ませ犬」と訳すのは間違いです。

しかし、圧倒的有利のオッズを背景に、読者の歓心を引くため、あえて underdog を「咬ませ犬」と訳したのなら許容範囲、プロの書き手です。

例えば「6ラウンド以内のKO負け」で低いオッズが出されているボクサーを「前半KO負けと見られている咬ませ犬」という表現なら、許容範囲を超えて全く問題ありません。

「ゴールデンボーイ・プロモーションズと大型契約を結んだマルコ・アントニオ・バレラは、巨額の契約金に加えて、その初戦でマニー・パッキャオというbonusまで与えられた」(リング誌)という、ボーナスを「咬ませ犬」と訳すのはさらに問題ありません。

underdog =sacrifice」はケースによっては、間違ったロジックではありません。

ただ、underdog を単純に「咬ませ犬」と訳すのは「問題なし」ではなく、イエロー手前の付帯条件付き「許容範囲」です。

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ついでに、WBAやWBCなどの承認団体を「統括団体」と表記する記事も見られますが、これは許容範囲を越えた大間違い。

これはプロの書き手ではありません。

sanctioning body」という原文から直訳すると、そんな間違いは起きないはずですが、メジャースポーツのアルファベット団体、MLBやNBA、NFLなどが絶対的な統治管理能力を持つgoverning body統括団体であることから、とんでもない思い違いを招いているのかもしれません。

承認団体は興行に直接関わることなく、王者を承認することで支払われるsanctioning fee=承認料の売上で成り立っている寄生虫ビジネスです。

しかし、王者と階級の増殖は承認団体が一方的に求めた結果ではありません。最も大きなパワーハウス、テレビ局もライバルとの関係から、またそれを求めたのです。

そして、そのテレビに視聴者が騙される…。

頭の良い視聴者はどんどんボクシングを見限り、残ったのはPPVで100ドル払う覚悟のある殉教的なマニアを中核とした、ちょっと倒錯した人々。

市場規模はシュリンクする一方、スポーツ界の中でもマイナーの底なし沼を潜行し続けているのが、米国ボクシングです。

WBO rules require boxers to pay 3 percent of their purse in order to fight for a world title, with a minimum of $1,000 and a maximum of $200,000 for fighters like Mayweather who earn extraordinary large purses.

マネーはパック戦でWBOから請求された20万ドルの承認料を支払わず、タイトルは剥奪されましたが、WBCは特別なベルトを無償で用意して「広告料と考えたら安い」と実を取りました。

誰が一番の守銭奴なのか?

「悪しき前例を認めると誰も承認料を払わなくなるとルールを敢行したWBO」?

「たったの、本当にたったの20万ドル!をケチったマネー」?

「日本人には絶対用意しない特別ベルトをわざわざこしらえて無料で朝貢したWBC」?

…。
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この試合前まで「防衛義務の無いWBCフランチャイズ王座は正当ではない」というのが米国メディアの共通認識だったはずです。

ワシル・ロマチェンコが保持するアルファベット団体のピースは「WBAとWBOの二つ」だったはずです。

しかし、試合途中からESPNは「勝者は the undisputed lightweight champion 。ロペスが勝てば4団体史上最年少の23歳での完全統一」と、WBCフランチャイズを正当王座と認めだしました。

そして、リング誌も試合結果を「史上最年少の4団体統一王者」とヘッドライン。
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全てのジャッジが7ラウンドまでロペスのフルマーク。この時点で、ロマチェンコはダウンを奪うかKOしか勝ち目は無かったことになります。

【ESPN】At just 23 years old, Teofimo Lopez became the undisputed lightweight champion of the world.

23歳でテオフィモ・ロペスは議論する余地の無い世界ライト級王者になった。


【リング誌】Teofimo “Takeover” Lopez placed himself on boxing’s pantheon  becoming at 23 the youngest four-belt title holder in boxing history .

テオフィモ・ロペスは、史上最年少の23歳で4団体統一を果たした。


【スポーツイラストレイテッド】Lopez Completes His 'Takeover' by Claiming Undisputed Lightweight Belt.

ロペスのTakeover(王位簒奪)は議論する余地の無い王者に就くことで完結した。


「ロペス勝利」の判定は不当だとは思いません。しかし、あまりにも差が有り過ぎです。あの12ラウンドは大差判定の内容でしたか?

ラスベガスは空振りを繰り返すボクサーをいつから評価するようになったのでしょうか? 

ジャブを的確にヒットするボクサーを偏愛していたラスベガスは、今日はどこに行っちゃったんでしょうか?

Arum: Lopez won, 7-5 is way I scored it. I can see 8-4, that’s a possibility. But you can’t score it 11 rounds to 1 and say you watched the fight. Ninth, 10th and 11th weren’t close. I would advise any fighter that I have to ask for the commission not to appoint Julie Lederman.

ボブ・アラムですら「私の採点は7−5(115−113)でロペス。8−4(116−112)でもあり。しかし、いくらなんでも11−1は本当に試合を見てたのかというスコアだ。9、10、11ラウンドは採点が難しいラウンドじゃない。ジュリー・レダーマンを今後起用しないようネバダ州アスレチック・コミッションに要求する」。

そして、これからは「WBCはフランチャイズ王者が存在する場合はフランチャイズが正当王者」ということになるのでしょうか?

再戦条項は契約に盛り込まれていないということですから、ロマチェンコは次戦でジュニアライトに出戻るかもしれません。



▶︎▶︎▶︎31日には井上尚弥vsジェイソン・マロニーが控えていますが、今日のジャッジは実質アウエーのマロニーがショックでしょう。「判定では井上に勝てない」と思ったかもしれません。

来年、WBCタイトルに井上挑戦となれば、おそらくフランチャイズが懸かるはずです。
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この試合は、最初から難しい問題を孕んでいました。

「スター誕生を我々は目撃することになる」(ボブ・アラム)

「テオフィモとトップランクからリクエストされたからフランチャイズ王座を懸ける」(マウリシオ・スライマン)。

「テオフィモの入場背景にはロベルト・デュランを配した。彼が何者なのかをわかりやすく伝えるために」(ESPN)。

リングの中は真剣勝負です。しかし、リングの外は〝カネロ〟で掘り固められてました。

32歳のウクライナ人が、23歳の人気者に勝つには「12ラウンド目一杯を使って戦う」なんて悠長なことを考えていてはいけなかったのでしょう。

キャンプから「判定では勝てない」と覚悟を決めるべきでした。

「ロペスの勝ち」もありの内容でした。ただ、119−109/117−111は無い。

boxing scene.comの116−112は文句はありません。↓

攻勢に重きを置けば、この採点になります。
Round123456789101112Total
Lomachenko9999999101010109112
Lopez10101010101010999910
116



ただし「ジャブと精度」を重視し、空振りは「コントロールされている」と見なされるはずのラスベガス採点では、116−112もありえません。

しかも、ラスベガスでは特に評価されない「ボディショット」も明らかにポイントにつながっています。

パンチスタッツはパワーパンチの手数でロペスが659発中183発をヒット、精度28%。

ロマチェンコは半分以下の321発を放ち、141発と44%をヒットさせました。特に、前半の手数の少なさは、失点を重ねる過剰な警戒でした。

カネロ・アルバレスやテオフィモ相手に公平なスコアリングが期待できないことを、百戦錬磨のウクライナ人は失念していたのでしょうか。
boxing-Vasiliy_Lomachenko_vs_Teofimo_Lopez_action5

Punch Stats
PUNCHESLOMACHENKOLOPEZ
Total landed141183
Total thrown321659
Percent44%28%
Jabs landed6335
Jabs thrown149295
Percent42%12%
Power landed78148
Power thrown172364
Percent45%41%
-- Courtesy of CompuBox
lopez-lomachenko-compubox-punch-stats
「前半は彼が取っただろうが、後半はほとんど私がラウンドをピックアップしたはずだ。今は故郷に帰ってラスベガスで受けた仕打ちについて考えたい。こんな採点は到底受け入れがたい。これでは今夜の私は判定では絶対勝てなかったってことだ。そうだろう?」(ロマチェンコ)。

…酷い話ですが、その通りです。

「予想もしてなかった」というなら、ロマチェンコがお花畑なだけです。

不利予想の逆風の中で、ウェルター級の強豪と戦うなら、ウクライナ人でも強烈な応援を集めることができたでしょう。

「ライト級は大き過ぎる」「ジュニアライトに戻る選択肢もある」…。自分がベストパフォーマンスを演じられる場所で戦うことは、どんなスポーツでも当たり前ですが、米国リングでスターダムの頂点に登りたいなら話は全く変わってきます。

ライト級で引き返すようでは、そこまでです。

そして、自分が勝手知ったる港湾から出ないのも素晴らしい生き方の一つですが、その港湾は米国の所有物です。そこで、米国が贔屓する人気者と争うのに、公正な採点を期待するならバカもいいところです。 

パックメイが斜陽してからPFPキングの座に就いたのはローマン・ゴンザレス、ゲンナディ・ゴロフキン、ロマチェンコでしたが、彼らはキングにふさわしい人気や待遇を受けることができませんでした。

軽量級のロマゴンは論外にしても、異邦人は米国のリングでは正当に扱われません。

そこで、文句を垂れても始まりません。

最初っからわかってたことです。

異邦人が米国から人気と待遇を強奪するには、方法はたった一つしかありません。

圧倒的不利の予想が立てられたスター選手との戦いに勝ち抜くことです。

GGGがアンドレ・ウォードやセルゲイ・コバレフに挑戦していたら、そして劇的な勝利を収めていたら、米国のボクシングファンでもカザフスタンの英雄だけでは終わらせません。

ロマチェンコでも「マニー・パッキャオに勝てる」と口先だけでなく実行していたら、今頃テオフィモごときと戯れあっていなかったはずです。 

もちろん、自分の部屋から出ようとしなかったGGG やハイテクの選択はきっと正解だったのです。

ぬくぬくとした部屋から出てたら、きっと凄惨な敗北を喫していたでしょうから。

カネロやテオフィモにおかしな判定を突きつけられて文句が言えるだけ、きっと幸せだったのです。 
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