カテゴリ: 没落するアメリカボクシング

まさか、アンディの試合も吹っ飛ぶとか…それはやめてくれ。

…なんて書いたそばから、イベントを仕切るMVPが「ガーボンタ・デービスの行為を全面的に非難する」と声明を出しました。

複数のメディアは「11月14日のイベントが12月に延期、ジェイク・ポールの対戦相手はデービスから変更になる」と報じました。

ポールはWBAクルーザー級で1位にランキングされていますが、アルファベット団体のランキングはどれもがデタラメ。ポールに世界1位の実力はありません。

卑劣な犯罪を繰り返すデービスの代理はWBA王者ヒルベルト・ラミレスらであるはずもなく、ライアン・ガルシアの名前も挙がっています。

「いまのカネロ・アルバレスなら100%勝てる」と現役復帰を表明しながら、テレンス・クロフォードに果実をもぎとられたアンドレ・ウォードや、女子ボクシングの生ける伝説クラレッサ・シールズ、コナー・マクレガーらも候補とされています。

ちなみに〝T-Rex〟シールズはロンドン2012、リオデジャネイロ2016の五輪ミドル級金メダリスト。

プロでもジュニアミドル級、ミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級の5階級を制覇。MMAでは1勝1敗。MMAはもちろん、ボクシングでもポールがアンダードッグになりかねない傑物ですが、YouTuberは絶対にT-Rexを選ばないでしょう。




それにしても悲しいのはリアルファイト(こんな表現が定着しつつある4-Belt Eraが恨めしい)が蔑ろにされる現実です。

テニスや野球にもexhibitionはありますが、リアルをはるかに上回る注目度や対価が支払われることは絶対にありません。ボクシングの堕落がそこまで沈降してしまっているということでしょう。
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2022年11月&12月合併号で廃刊となったリング誌でしたが、サウジアラビア・総合娯楽庁が完全買収、2024年12月号から復刊してもうすぐ一年が経ちます。

デジタル版は無料で見れるはずなので、みなさまもすでに閲覧されていることと思います。

さらに、日本語にもすぐスイッチできる仕様になっていますが、こっちの訳は酷すぎます。

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⬆︎リング誌最終号。

⬇︎サウジ版のリング誌最新号。

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1922年創刊のリング誌は歴史はあっても権威はない、販売数も伸びない、今ひとつパッとしない専門誌でしたが、米国のサブカルチャーであるボクシングをとらえ続けた記事には非常に興味深いものも多く、高校時代からずっと愛読してきました。

私が年をとって耄碌したせいもあるのでしょうが、サウジ版リング誌は批判精神のカケラもないつまらない事後報告の記事に溢れています。

米国版リング誌の最期が「1922年の創刊号でロンズデール卿とテックス・リカード、2人のプロモーターを表紙にしてしまったが、本当はジャック・デンプシーにすべきだった」と、断末魔の悔恨を書き記していました。

しかし、サウジ版リング誌では〝長官〟があちこちで登場。それだけでも、あの悔恨を引き継いだ雑誌ではないことがよくわかります。

米国版ではほとんどなかった広告も、観光業を筆頭に中東の企業がファッション誌のようにあふれています。

サウジの雑誌で、振込先はUAEですから、当たり前ですが、この雑誌を「米国の老舗ボクシング専門誌」「権威あるリング誌」と表現している日本のメディアにはうんざりしてしまいます。

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米国版ではウィニングやレイジェス、アディダスなどボクシングのギアを作っているメーカーの広告が載っていましたが、そう言えばサウジ版では一つも見当たりません。

グローブやヘッドギア、シューズなどのメーカーの広告は全く見当たらないのに、旅行会社や航空会社など中東の企業広告は盛りだくさん…。

leftovers(強い王者が食い散らかした残飯)、cream puffにchump(穴王者)、cherry pick(雑魚狩り)…そんな批判精神に溢れた言葉を最初に見たのはリング誌でしたが。。。

そして、記事の質は地に落ちた…というよりもジャーナリズムの香りは完全無臭。アーカイブがいまだに公開されずcoming soon のままなのは「現在検閲中」ということですかね?



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“Boxing definitely did a turn..it went from this side to that side and this shit has no loyalty so why would I care, I move accordingly BOXING IS DEAD.


「ボクシングはこっち(スポーツ)からあっち(茶番劇)へ完全に変わったんだ。もともとスポーツとしてのボクシングに愛着なんて持っていないから、俺もあっちへ動くだけだ。(もう何十年も前から言われてることだけど)ボクシングは死んじまったんだ」。



先週、ガーボンタ・デービスは「ボクシングは死んでいる」と吐き捨てました。
マイナースポーツに転落して久しい米国ボクシングですが、ついに落ちるところまで落ちたということです。

認定団体によるデタラメランキングと、そこから量産される〝世界チャンピオン〟が跋扈する倒錯のリング。

ボクシングの市場価値はWWEやUFCにとっくの昔に抜き去られてしまいました。

WWEのようなて徹底したエンタメ性もない、UFCのようなスポーツライクな取り組みともかけ離れたボクシングが、コンバットスポーツの中で存在感がどんどん軽薄になっている状況は誰も食い止めることができません。

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コロナ禍で落ち込んだ競技人口は徐々に回復しているとはいえ、日本以外の多くの国では総合格闘技のファイターがボクシングライセンスを持つことも珍しくなくなりました。

その日本でも、ボクシングの放送はテレビからネット配信へのシフトを完了してしまいました。

マニアが見る趣味への道をまっしぐらです。

プロボクサーの人口は全世界でも3万人弱。この中で専業で食っていけるのは1%、300人にも届かないでしょう。


日本では、競技人口の減少やジムの経営難などに直面するプロボクシング業界を応援しようと、自民党の国会議員でつくる議員連盟が作られるような時代になってしまいました。

自民党に同情されるスポーツにまで落ちぶれたのです。

JBCの有効ライセンスを持つ1281人のプロボクサーのうち、ファイトマネーだけで生活を成り立たせている選手が何人いるでしょうか?

世界の「1%」よりは高い数字だと思いますが、「6回戦になれば生活できた」という1970年代までの「本物の黄金時代」は遠い昔の出来事です。


もちろん、スポーツを好きになる理由は「メジャーだから」「選手たちが大金持ちだから」ではありません。

あらゆる格闘技の中で攻撃に使える面積が極端に狭い、猫の額ほどもない左右のナックルパートのみ。攻撃できるのはベルトラインより上の正面だけ、背面や後頭部への打撃は反則です。

ボクシングは、驚くほど限定的な格闘技です。

もともとは、現在のMMAに近い、いやMMAよりも自由な攻撃が許されていましたが、徐々に反則項目を増やして、1867年に制定されたクイーンズベリー・ルールによって今につながる近代ボクシングが始まりました。

攻撃が限定されるボクシングは、最も弱い格闘技です。

かつて、ロンダ・ラウジーがフロイド・メイウェザーに対戦を迫ったとき、専門家やオッズはラウジーの圧勝と予想しました。女子にも惨敗するほど、ボクシングは弱いのです。

護身術として学ぶならボクシングより有効な格闘技はいくらでもありますが、反則項目を増やしてきたボクシングが他格闘技との比較においての強さを求めていないのは明らかです。

攻撃の手段をどんどん削り落としてきたボクシングは、トドのつまりは最も研ぎ澄まされた格闘技です。

そんな研ぎ澄まされた技術が尊敬されない、奇抜なマッチメイクで人目を惹く茶番劇がもてはやされる〝あっち〟側がメインストリームになるとしたら、これほど悲しいことはありません。

それでも、日本はまだマシです。日本ランキングはデタラメではありません。チャンピオンも粗製濫造されません。ほぼ全てのメディアとファンがボクシングをスポーツだと認めています。



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ここで着ドン。










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コロナショックで2万人を割り込んでいたプロボクサーの競技人口は徐々に回復、2025年10月3日現在、2万7905人まで盛り返しました。

今回は「世界」の現在と2022年1月22日、そしてボクシング大国四カ国を17階級を見渡してみます。

アルゼンチンとタイも800人近い競技人口を持っていますが、1000人の大台を超えるのはメキシコ、米国、日本、英国の四カ国のみ。

20世紀まで最も大きな競技人口を抱えていた米国はメキシコに完全に逆転され、その差はどんどん開くばかり。

今日現在の米国のプロボクサー人口は3408人。メキシコは4254人となっています。

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そして、米国で生まれ米国で育ちながらもメキシコの血筋を全面に出しているデビッド・ベナビデスのような多くのファイターを「メキシコ」とカウントすると米墨の差はもっと大きく広がります。

コロナ禍から再び競技人口を取り戻しているプロボクシングですが、ボクシングと総合格闘技、二つのライセンスを持つファイターも増えています。

さらに、最も大きなマーケットを形成する米国で真っ当な公式戦よりも、茶番劇が大きな注目とカネを集めている悲しい現実は、このスポーツの未来を永遠に奪ってしまうかもしれません。


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ジェイク・ポールvsガーボンタ・デービス」のルールがニューヨークで日本時間の今朝未明に行われた記者発表で明らかにされました。



11月14日に行われるexhibition(公式戦ではない)は3分10ラウンドで、グローブは12オンス。ウエイトリミットは195ポンド(約88.45kg)。

exhibition(茶番劇)ですが、3人のジャッジがリングサイドで採点。10ラウンド終了時点で採点結果を発表、勝敗が決します。

普段はウエルター級以上の選手が着用する10オンスのグローブを付けるジェイクは、昨年11月にマイク・タイソンと行った公式戦で14オンスのグローブでダンスを踊っています。

公式戦とはいえ、タイソンの衰弱と健康に配慮して2分8ラウンドの変則マッチで、失速したタイソンにジェイクがあからさまに手加減する、事実上の茶番劇。

一方の140ポンド未満でしか戦ったことのないタンクは、常に8オンスのグローブでリングに上がっていました。茶番劇はこれが初体験。

ジェイクはタイソン戦で227ポンド1/4を計量しましたが、直近のフリオ・セサール。チャベスJr.戦では199ポンド1/2のクルーザー級(200ポンドリミット)で前日計量の秤を降りています。

両者の体格はジェイクが身長185㎝/リーチ193㎝、タンクが166㎝/171㎝。

試合はジェイクのMost Valuable Promotions が主催。

当初の開催地は、ジョージア州アトランタもステートファーム・アリーナと発表されていましたが、ジョージア州アスレティック・アンド・エンタテインメント委員会が両者の体重差をあげて統括を拒否したため、フロリダ州マイアミのカセヤセンターに変更されました。

カセヤセンターはNBAマイアミ・ヒートの本拠地で、約2万人キャパ。

Netflixは9月14日に行われた「テレンス・クロフォードvsカネロ・アルバレス」の視聴者数を超える成功を収めると期待しています。

ボクシングファンが「ラモント・ローチから逃げた」と幻滅していることに対して、タンクは「ファンは黙って座って試合を見てろ。嫌なら見るな。どうして他人に誰と戦うべきなんて指図されなきゃいけないんだ。フロイド(メイウェザー)と一緒だ、周りがあれこれ騒ぎやがって。私の進む道は私が決める」と反論しました。




これが、今年1番の大興行になるのか…。








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Saturday 13, September 2025
  
Allegiant Stadium, Las Vegas, Nevada, USA
commission Nevada Athletic Commission
matchmaker Charles Bosecker
media:Netflix

Undisputed Super Middle weight Championship

©︎Saul Alvarez vs Terence Crawford


舞台はアレジアントスタジアム。


プロモーターは表立ってはいませんが、サウジアラビア総合娯楽庁です。

前日計量と記者会見が行われたラスベガスの新名所フォンテンブローでトゥルキ・アル=シャイフ長官は、1億ドルとされるカネロの最低保証について質問されると途端に不機嫌になりました。

「どこからでた数字か知らないが、我々がカネロと契約したんおはそんなみみっちい数字ではない」と1億ドルを優に上回ることを示唆。

ネバダ州アスレティック・コミッションにはファイトマネーの3%、ネバダ州にも税金が収められるわけです。もちろん、クロフォードの報酬からも同様ですから、ネバダ州とラスベガスはウハウハです。

サウジアラビアの長官は、この試合はUFCのトップファイター同士の対決よりも注目を集めており「ボクシングはもいう人気がない」というのは間違った認識だとも。

「UFCファイターは選手寿命が短く、カネロやクロフォードのように長いキャリアを使ってレガシーを積み重ねることが出来ない。ボクシングがあらゆる面でUFCの下の格闘技というのは明らかに間違った認識だ。UFCとは今後も協力しあって、まともなランキングやチャンピオンシップ制度を取り戻し、ボクシングが失ったスポーツとしての威厳を回復させる」。

4人4色のデタラメランキングを作成する認定団体を業界から追放するのは難しいでしょうが、リング誌のランキングとチャンピオンシップを全面的に打ち出して、徐々に認定団体の存在を希薄化させていく方針です。



さて、前日計量は王者と挑戦者がともに167ポンド1/2(75.97kg)でクリア。

スーパーミドル級を主戦場とするカネロはいつも通り。

しかし、クロフォードはキャリア最重量、前戦(153ポンド1/2)からは14ポンド(6.35kg)、2試合前(146ポンド3/4)から20ポンド3/4(9.41kg)もバルクアップしてきました。

分母が違うとはいえ、14ポンドは井上尚弥がジュニアフライ級からジュニアフェザー級までの長旅で増量したのと同じ重さです。



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ESPNが Experts' picks and best bet: How can Crawford upset Canelo?(専門家の見立ては?賭けるならどち?:クロフォードは番狂せを起こせるのか?)をアップ。

なんと…23人中15人がテレンス・クロフォードの勝利を支持。

カネロ勝利が4/6(1.66倍)、クロフォード7/5(2.4倍)というオッズとは真逆の勝敗予想となっています。

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カネロとクロフォード、2人と対戦経験のある唯一のボクサー、アミール・カーンは「カネロは破壊的なパワーと予想を上回るスピードを持っている。カネロは遅いという人もいるが大間違いだ。ただ、以前のような何かを証明したいという情熱は感じられない。ただ、勝つだけのボクシング。それではクロフォードに勝つのは難しいかもしれない。クロフォードはカネロほどキャリアで疲れていない。いい勝負になるだろうが、クロフォードが判定で勝つ」。

マイク・タイソン、ティム・ブラッドリーもクロフォードの判定勝ちと予想。

俳優のマイケルJフォックスはクロフォードの8ラウンドKOを予想。それはそうと、マイケルJはExpertじゃないぞ、ESPNさん…。

WWEのプロレスラーたちも予想に参加、なるほどアンダードッグに肩入れするのはわかります。



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マッチメイク(かつてのFighter of the year/PFPキング)、舞台(ラスベガスの巨大スタジアム)、カジュアルなボクシングファンが関心を持つ人気階級、現代ボクシング界で傑出した(最後の)スーパースター、カネロ・アルバレスの大勝ーーーあらゆる意味合いで、誰がどう考えても今年最大のメガファイトです。

さらに、〝ウエルター級が果敢にミドル級の絶対王者に挑む〟という、最高のソースまで垂らされた、ボクシングファンにとって垂涎のご馳走なのです…

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…そのはずですが、どうもワクワク感に欠けるのはなぜでしょうか?

その理由は…

「ボクシングの没落が末期症状に陥っている」「両者が全盛期を過ぎている」「最高のソースの主役は〝人気絶頂のウエルター級〟であることが必須だが、クロフォードは歴史的な不人気ファイター」…etc.

ボクシングの没落ぶりは、長年のファンからしても、もう悲しみなんてとっくの昔に通り過ぎています。

このメガファイトよりも、野次馬的興味まで含むとジェイク・ポールvsガーボンタ・デービスのexhibitionの方が上かもしれません。

来年には、マイク・タイソンvsフロイド・メイウェザーなんてのも予定されています。


日本ではまだスポーツの地位を保っているボクシングですが、米国ではUFCと比べると茶番優先のRIZIN的存在にまで落ちています。

そして、今更ながらサウジアラビア主導のもとでUFCのメソッドをサルマネ的に取り入れている現実には、もう喜劇まで通り越しています。

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ガパオライスはいつだって美味い!

さて、それはそれで、あと3日ですよ。

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日本でも今ひとつ盛り上がらない「井上尚弥vsムロジョン・アフマダリエフ」。

欧米メディアの関心も、日本時間で同じ日、9月14日に行われるガチのラスベガスのメガファイト「カネロ・アルバレスvsテレンス・クロフォード」に一極集中です。

さて、アレジアント・スタジアム(帝拳と大橋でもさすがにアレジアントは〝工作〟できない?)で初めて開催されるボクシングイベント、全盛期を過ぎた2人のPFPファイターの激突は、王者カネロが明白に有利とみられています。

その大きな根拠は階級差。

ウエルター級(147ポンド)からジュニアミドル級(154ポンド)に上げてわずか1試合しか戦っていないクロフォードが、スーパーミドル級(168ポンド)を主戦場にして5年で2度もUndisputed championの座に就いているカネロに、2階級もジャンプしていきなり挑戦するのですから。

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それでも、トレーナーのブライアン・マッキンタイアは「クロフォードはもともとの体格が大きい。ライト級、ジュニアウェルター級、ウエルター級で戦ってきたが減量は常にストレスになっていた。(最近の)彼の肉体を見たか?無理やり贅肉を付けたんじゃない、168パウンダーの完全体だ」と、体重は大きな問題ではないと笑う。

「前日計量のフェイスオフでも、あなた方は驚くだろう。まず、身長差がない(クロフォードは173㎝/カネロは171㎝)。そして、体の厚み、筋肉でもカネロと遜色がないことがわかるだろう。これは、ダビデとゴリアテの戦いではないのだよ」。

「カネロが有利?でもその根拠は体格差、階級差だけなんだろう?その根拠が消えてなくなってしまったら、リングの上で何が起きるか、よく考えたまえ」。

カネロの勝利が8/13(1.62倍)、クロフォード13/10(2.3倍)というオッズは、クロフォードが勝ったとしてももはや番狂せとはいえない数字です。

ファイトウィークから試合前までの短い時間でも、掛け率が逆転する可能性も十分ありうる差です。

当時WBCミドル級王者だったカネロが、アミール・カーンのスピードに手こずりながらも6ラウンドで痛烈に沈めたのが2016年5月7日、9年以上も前のこと。

クロフォードがカーンとは違うのと同様に、カネロもあのときのカネロではありません。


クロフォードが明白な勝利を収めると、歴史的なグレートの仲間入りを果たすのでしょうか?

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勝鬨橋はきょうも暑い、暑い…。本文とは関係ありません。

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とにかく特別でスペシャルなんだってさ…


Fighter of The Year にカネロ・アルバレスが2度、テレンス・クロフォードが1度選出。

この6年間、2人はPFPキングにそれぞれ2年以上も君臨。

この10年、2人がボクシングシーンの中心的なファイターであり続けてきたのは間違いのない事実です。

そして、その激突の舞台はラスベガスの巨大スタジアム、アレジアントスタジアム。

ステイクされるのはカネロ・アルバレスの持つundisputed super-middle weight title。

〝米国ボクシング最後のスーパースター〟カネロと、〝人気階級に咲いた不人気の徒花〟クロフォードの大勝負…

ネガティブなイメージが先立つ2人の年齢はカネロが35歳、クロフォード37歳。プライムタイムは通り越して下り坂を降りるファイターです。

カネロはドミトリー・ビボルに超大番狂せで敗北してから6勝1敗、6つの勝利もKOはゼロ。

この5年間、年1試合ペースのクロフォードも直近の試合はウエルター級からジュニアミドル級に上げたイスマイル・マドリモフ戦。ウエルター級時代の面影はどこへやら、凡戦の末の小差判定勝ち。

2人ともPFPキングの頃に放っていた輝きは完全に失っています。

舞台は間違いなくメガファイトですが、拳を交えるのは黄昏時の2人。

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多くの専門家が予想するような〝トムジェリ〟ファイトに終始、逃げ足の重いジェリー(クロフォード)を鈍重なカネロが追いかける…そして長官が不機嫌になる…それが最悪の展開です。



さて?

クロフォードが大番狂せを起こせば、歴史的なスーパースターの系譜に参列することができるのでしょうか?


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