カテゴリ: これがボクシングだ!

カルロス・クアドラスは乾杯を喫した坪井智也を評して「(日本語で)スゴイハヤイ。経験が足りないかもしれないが、帝拳で練習すれば必ず勝つと思う。バム・ロドリゲスに匹敵するスピードがあるが、まだまだ経験が足りない。そこを補えばバムとも戦えるだろう」と語りました。

「まだまだ経験が足りない」とは、具体的にはどういうことでしょうか?。

坪井に足らないとされる「経験」がアマチュア経験ではないことは確かです。

現時点でバム・ロドリゲスを除くと、坪井に対してアンダードッグにならない115パウンダーは存在しません。そんな境地に立つ坪井は本当に「経験が足りない」のでしょうか?


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ワシル・ロマチェンコがプロ2戦目でオルランド・サリドに挑戦したとき「ロマチェンコには経験が足りない」という声はほとんど聞かれなかったどころか、オッズも予想も圧倒的に五輪2連覇など396勝1敗という信じがたいアマチュア戦績を持つ当時26歳のウクライナ人が圧倒的に有利と見られていました。

世界選手権金メダリストという共通点はあるものの、ロマチェンコと坪井のアマチュア実績は次元が違ったことは事実です。では、坪井が東京五輪で金メダルを獲っていたなら「経験が足りない」とは言われなかったのでしょうか?

ちなみに、軽量オーバーでタイトルを剥奪されたサリドにスプリットデジションで敗れたロマチェンコに対して、いくつかの日本のメディアは「経験不足」と指摘していました。

ロマチェンコが苦戦したのは「経験が足りなかった」のではなく「サリドの体重が不正に足りすぎていた」から、そしてロマがプロ「経験」を積んでからでも苦杯を舐める要因となった「採点の読みの甘さ」と「前半でポイントを失うスロースターター」が祟っただけではないでしょうか?

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先日も「井上拓真は経験値で那須川天心を上回った。」と、多くのメディアがそう分析しましたが、あの試合も戦前は天心有利と見られていました。

「経験」とは、プロでの試合数が少ないホープがベテランに予想外の敗北を喫した時に使われる、後付けの常套句なのでしょうか?

拓真が「あと一歩が踏み出せないボクサー」のジレンマを抱えていたのも、悪い意味での経験の裏返しではなかったのでしょうか?

尚弥の隣で埋没する自分を焚き付けることができない中で、アマチュア時代に格下だった堤聖也に不覚をとってしまったのも「経験の敗北」でした。

拓真が那須川天心という、そのキャリアであらゆる意味で飛び抜けた〝強敵〟を迎えたことで、それまで途中でくすぶり消えていた導火線が初めてダイナマイトまで辿り着いて爆発させたのだとしたら、あれを純粋に「経験の勝利」と呼ぶべきではありません。

先手を取られた拓真がずるずるとラウンドを浪費することなく、すぐに距離を潰しにかかったのは単純な「経験」などではなく、天心だからこそ引き金が引かれた、あの試合に賭ける強烈な思い、天心だからこそ躊躇なく踏み込んだアクセルだったはずです。

「経験」の積み重ねは、新鮮なモチベーションをキープする重石にもなります。その重石が大きければ大きいほど、想像もしていなかった巨大なモチベーションに恵まれたとき、重石が翼に変わるのかもしれません。

「経験」が重石と翼の意味を持つとしたら、深い言葉。

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51ページに及ぶ「メイウエザーvsカネロ」の特集記事(リング誌2013年10月号)。「カネロは経験不足ではない」という視座からもアプローチ、非常に読み応えのある内容です。戦力分析も詳細に展開されています。


戦力分析にはスピードやパワー、接近戦でのスキル、防御力などわかりやすい項目が並びます。

その一方で数は少ないものの、具体的に数値化できない項目もあります。

例えば「EXPERIENCE」や「POISE AND ABILITYTO COPE WITH EXTERNAL PRESSURES」。

前者はまさに試合数や対戦相手などを総合したキャリアの「経験」内容。後者は重圧がかかる大舞台に対する、どれだけ修羅場をかいくぐってきたかという「経験」。

拓真vs天心にあてはめると「EXPERIENCE」はもちろん拓真ですが、では「POISE AND ABILITYTO COPE WITH EXTERNAL PRESSURES」は天心…というのが多くの人の解釈でした。

確かに、天心はキック時代に東京ドームを沸かせ、ボクシング転向後もデビューから脚光を浴び続けました。

一方で、脚光を浴びる主役になれないままエネルギーを鬱積させてきた拓真があの試合で見せた爆発は、まさに「POISE AND ABILITYTO COPE WITH EXTERNAL PRESSURES」能力でした。

〝主役〟としてリングに上がり続けた天心と、キャリアで初めて〝主役になる権利〟を持ってリングに上がった拓真。

上述のリング誌は、メガファイトを何度も繰り広げてきたメイウェザーとカネロの「POISE AND ABILITYTO COPE WITH EXTERNAL PRESSURES」を互角と裁定しました。卓見です。

16歳のデビューから注目を集め、母国メキシコや西海岸のメキシコ人コミュニティーの中でカネロは現在の大谷翔平にも似た存在。ある意味で、メイウェザーよりも重圧を跳ね返す能力は高かったかもしれません。

そんな、カネロも経験と莫大な報酬を積み上げていく中で、ジムで過ごすよりもゴルフ場にいる時間の方が長くなり、あれほど旺盛だった「KILLER INSTINCT」(殺傷本能)は消失、凡庸な168パウンダー相手にも12ラウンドを浪費するのが当たり前の歳月を過ごしてしまいます。

カネロの経験は、いつのまにか重石に変わっていました。

そして、迎えたテレンス・クロフォードとの決戦を迎えてしまうのです。

あの試合のクロフォードは、無敗の〝井上拓真〟でした。


拓真と天心。2人にとって次の試合が重要になるのは間違いありません。

ただ、その重要度は拓真の方が遥かに上です。次の相手は、もう那須川天心ではありません。

相手が誰であれ、一歩前に踏み出すことができるか?それ以前に、リングに上がる前の準備が天心戦のようにできるのか?



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バカ猿どもの英語教室はついに高校の教室に進出…昭和では考えられない融通です(本文とは関係ありません)。



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ドミトリー・ビボルとアルツール・ベテルビエフの再戦は、初戦同様の高度な技術戦が12ラウンド36分間にわたって繰り広げられました。

ビボルのリベンジとなった公式ジャッジは、116−112/115−113/114−114と勝者と敗者が入れ替わっただけで初戦と全く同じスコアのMD。

そして、サウジアラビア・総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が「第3戦を用意する」と公言しているように、ラバーマッチ(決着戦)が期待されています。

しかし、個人的にはこの2試合に1勝1敗の感覚がありません。勝敗を決めた公式ジャッジの採点は納得できるものでしたが、どちらも負けていない、どちらも勝ちきれなかった2試合でした。

もし、ラバーマッチで明白な決着がつくとしたら、ビボルが致命的なミスを犯すか、ベテルビエフが加齢による劣化を露呈するかではないでしょうか。

高度な技術体系を完成させた両者のスタイルを考えると、ミスや劣化といった残念な要素が入り込まない限り、明白な決着はありえないように思えます。

さて、ポストファイト・カンファレンスでベテルビエフが決着戦を熱望した一方で、ビボルは「(第3戦が有力視される)12月の話をするのは早すぎる気がする」と態度を保留。

勝者の余裕と敗者の焦燥。ここでも初戦とは全く逆のやり取りがありました。


 白地のリング誌ベルト、カッコイイです…が、あの忌々しいロゴだけが気になります。

"Maybe we could talk about cruiserweight. I will think about it also, why not. I have belts here [at light heavyweight]. I need to check cruiserweight. Why not?"

ライトヘビー級のベルトを全て手に入れたビボルは「クルーザー級も視野に入れている。そうでない理由はそこにもないだろう?」と複数階級制覇にも関心を示しました。

ライトヘビー級(175ポンド)から、25ポンド(11.3kg)も彼方のクルーザー級(200ポンド)へ。

フロイド・メイウェザーの5階級制覇(130〜154の24ポンド幅)がすっぽり入る2階級制覇です。

隣接の2階級制覇で最も難しいのがクルーザー級からヘビー級であることは、論を俟ちません。そして、その次に困難な2階級制覇がライトヘビーからクルーザーであることを否定できる人はいないでしょう。

さらに、ビボルには、人気者のメキシカンとのメガファイトも選択肢にあります。

すでに米国で強固なファンベースを抱えるWBC暫定王者デビッド・ベナビデスに、人気だけは頭抜けているカネロ・アルバレスとの再戦は、大きな注目を集めるのは必至。興行的にサウジを離れて開催するのがベターです。

ボクシングの試合で初めてラスベガスのザ・スフィアが用意されても不思議ではありません。

…会場費はサウジ持ちなら、だけど。



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アマンダ・セラノ、いいボクサーです。

ひどいカットを負いながらも、常時プレッシャーをかけ続けました。

すごい試合でした。

それなのに、また、議論を呼ぶ判定です。
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ボクシングファンには、即答できない質問があります。

一番のお気に入りのファイターを1人だけ教えて下さい。


私は熱狂的なパッキャオマニアです。

しかし、最初に知った世界チャンピオンは具志堅用高で、しかも何度目かの防衛中のカンムリワシでした。

マービン・ハグラーを中核にしたミドル級ウォーズ、そこにシュガー・レイ・レナードとトーマス・ハーンズ、ロベルト・デュランが合流する化学反応は、「ボクシングはヘビー級(最強)とそれ以外」とオールドファンから笑われても、そこでマーケティングされたPFPやクローズドマーケットの成熟による「興行規模ではヘビー級を超えた」という詭弁術に、非常に面白い仕掛けだと感動し、あまりにも鮮烈で心揺さぶられる戦いに「詭弁だからダメ」「ヘビー級でなきゃダメ」ではなく、面白ければそれでいいと納得していました。

ハグラーはチャンピオンでないのか?レナードは見せかけか?デュランが弱いか?ハーンズの強打に戦慄したのは錯覚か?ーーーーー全てNO!です。

ハグラーとレナード、どちらが好きか?と聞かれて即答できるボクシングファンはいません。

そんなことを質されたら、めんどくせえな、という顔を一応しながら「話が長くなるぜ」と笑いを堪えるのです。






進学して上京した頃、ボクシングは日本でも米国でも、ここまで没落していませんでした。

日本のスポーツファンにとって「国際試合」といえば、サッカーW杯でもなく、もちろんMLBのワールドシリーズでもありませんでした。

国際試合といえば、ボクシングでした。その地位は徐々に液状化していた時代でしたが、世界タイトルが日本でバーゲンセールされているほどの軽薄さはありませんでした。

そんな時代、マイク・タイソンは現在のリオネル・メッシよりもはるかに人間離れした超人の扱いだったのです。

人間離れした超人というと大谷翔平の方がはるかに上でしょうが、The baddest man on the planet という表現はタイソンやソニー・リストンなどほんの一部のファイターだけに許された〝称号〟です。

大谷がどんなに頑張ってもThe baddest man on the planet と呼ばれることはありません(呼ばれたくもないか?)。

東京ドームの柿落とし。

〝アイアン〟マイク・タイソン。

トヨタ自動車にサントリー。ドームに隣接した当時日本最大の展示会場プリズムホールが外国人記者に解放された、正真正銘の世界タイトルマッチ。

井上尚弥とルイス・ネリの試合で海外から何人の記者が来日したのでしょうか?もしかしたらゼロかもしれません。

WBSSの決勝戦、井上vsノニト・ドネアでは来日した当時リング誌のトム・グレイ記者が「米欧から来たメディアは私1人だけだった」と誇らしく語っていたことからも、人気階級とそうではない階級の米欧での注目度は比較してはいけません。

そこにフォーカスしてしまうと、軽量級の面白さ、つまりボクシングの面白さから離れてしまい、ただの金持ち自慢になってしまいます。


日本でもいまなお人気のあるタイソンの中で、最も有名な日本人ボクサーは誰でしょうか?

言わされてる感満載で、いまだにまともに発音できていない井上尚弥でしょうか?

どのテレビ局が仕掛けた日本人の世界チャンピオンの取材や、滞在ホテルの公開を頑なに拒否したタイソン陣営の一月限りの要塞・ホテルニューオータニの客室上階を貸し切ったワンフロア。

そこに通されたのは、白井義男ではありませんでした。スイートルームの寝室にピン留めされたブロマイドは具志堅用高ではありませんでした。

日本での最初の試合が決まったタイソンは、この極東の国がどこにあるのか地理的な位置は知りませんでしたがJAPANというアジアの国があることは、たった1人だけ知るジャパニーズの存在からわかっていました。

彼は、プローモーターの日本人の名前をしっかり覚える気はありませんでしたが、キャッツキルの薄暗い応接室で繰り返し勉強した教科書(ビデオ)にひとりの日本人も躍動していたのでした。

一般教養の欠如したタイソンが日本を知っていることに驚いた記者に、The baddest man on the planet はたった1人だけ知っている日本人の名前を挙げました。

記者は「彼が訪ねてきてくれるかもしれないぞ」というと、タイソンは「まだ生きているのか」と驚いたといいます。

タイソンの中では、ファイティング原田はモノクロビデオの中で「黄金のバンタム」を攻略する伝説そのものだったのです。

ところが、当の日本ではタイソンが超過大評価、原田は超過小評価、非常に面白い構図です。

ボクシングファンの中には「名トレーナーを1人挙げて」と聞かれて「ケビン・ルーニー」と胸を張る人までいそうです。

それどころか歴代PFP1位はタイソンと譲らない人もいそうです。もちろん、PFPは妄想なのでどうでもいいのですが、それが世界の主流の意見と思い込んでそうなのが、不思議というかどうしてそうなってしまったのかが、わかりません。

ESPNでもリング誌でもそんなランキングはないはずなのですが。。。



さて、

一番のお気に入りのファイターを1人だけ教えて下さい。


そう聞かれて1人だけ教えることはできませんが、マイク・タイソンはその中の1人です。




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3人のジャッジの採点は以下の通り。

パウエル・カルディニ=116−112/グレン・フェルドマン=115−112/マヌエル・パロモ=114−114。

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三者一致のラウンドは、第1ラウンド・第2ラウンド(ビボル)、第3ラウンド(ベテルビエフ)、第5ラウンド・第6ラウンド(ベテルビエフ)、第8ラウンド・第9ラウンド(ビボル)、第10ラウンド・第11ラウンド・第12ラウンド(ベテルビエフ)と、10のラウンド。

スコアが割れたのは第4ラウンド(カルディニがベテルビエフ、フェルドマンとパロモがビボル)と、第7ラウンド(カルディニとフェルドマンがベテルビエフ、パロモがビボル)の二つ。

前半6ラウンド終了時点ではカルディニが58−56でベテルビエフを支持、残る2人は57−57のドロー。

多くのメディアが前半はビボル、後半はベテルビエフと見ていたのとは少しだけギャップがありました。

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CompuBoxの数値では、やはりビボルの精度が際立っています。

12ラウンド36分間のヒット数は、ビボルの142に対して、ベテルビエフも137とほとんど変わりませんが、パンチを放った数はビボルは423発、ベテルビエフは682発。

ビボルの代名詞、ジャブではビボルが58/255(22.7%)、ベテルビエフが47/376(12.5%)。

注目のパワーパンチ、ビボルの数字は84/168で精度はなんと50%!ベテルビエフは90/306(29.4%)。

パンチャーが手数で上回り、ボクサーが精度の高いパンチを放った試合でした。

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このスタッツから、エディー・ハーンや多くのファン、つまりど素人が「Box Recの数字が本当の勝者を教えてくれている」と、ビボルが判定を盗まれたとと騒いでいますが、そもそもビボルはペーパー上の成績表が優れた超秀才。

一方で、ベテルビエフは成績は見映えしないものの、数字では測れない超天才。ハーンはわかっているんでしょうが、ベテルビエフはボブ・アラムの手駒、さらに水面下で進められていたメガファイト「ビボルvsカネロ2」もこれで一旦、ご破産。感情的になるのはいつものことです。

ビボルとの初戦で、カネロは「ライトヘビー級のNo.2と戦うんだから文句はないだろう(今度は完全劣化版のセルゲイ・コバレフとは違う)」と素直に告白していましたが、今度は「No.1と戦う」と宣言してくれたら面白いのですが、極度の強打者恐怖症の陣営はやらせないでしょう。



それにしても、とんでもないスペクタクルが期待された注目ファイトでしたが、私たちが目の当たりにしたのはとんでもない技術戦でした。




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THIS IS BOXING .

トップランクの宣伝文句ではありません。

これもまたボクシングです。

ESPNなど複数のメディアが「115−113でビボル」を支持していますが、オフィシャルの114−114/115−113/116−112もあり。コントロバーシャル・デジションと呼ぶのは憚られます。

スペクタクルを期待していましたが、試合として十分に面白かったです。

このブログでも「究極の矛盾(ホコタテ)対決」と書きましたが、それは間違ってはいなかったものの、もう一つの真実「究極のテクニシャン対決」が十二分に披露された内容でした。

想定外だったのは、ベテルビエフの劣化や怪我の影響がまたしてもほとんど見られなかったこと。

チャンピオンシップ・ラウンドをベストラウンドに仕上げてみせたベテルビエフ、逆にここで失速したビボル。個人的には114-114とスコアしましたが、もう一回見直したら違う採点になりそうです。

 We have an undisputed light-heavyweight champion.

何はともあれ、マイケル・スピンクスから39年ぶりの完全統一王者の誕生です。




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いよいよ明日早朝、に迫りました。

世界中のボクシングマニアが注目する今年一番の大勝負。

最近流行りの「勝負論」という言葉を使うなら、これほど勝負論がある試合は滅多にお目に書かれません。

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リヤド・シーズンがご用意してくれたUNDISPUTEDベルト、前から思ってましたが、これ、ダサいです。おカネはあるんだから、ちゃんと作りましょう。


両者のスタイルのコントラストが強烈です。

超攻撃型、20戦全勝オールノックアウト、左右の拳が一打必倒のアルツール・ベテルビエフと、カネロ・アルバレスをあっさりと攻略してみせた現役ボクサーで最もパンチが当たらないドミトリー・ビボルがあいまみえるのです。

PFPファイターの中でビボルはも最もリードパンチの比率が高く(65.5%)、着弾率もトップ(53%)。そして、被弾率は22.6%と2位。被弾率1位は、かわすことしか考えていないシャクール〝チキン〟スティーブンソンですので、事実上の1位です。

一方のベテルビエフは、PFPファイターというグループの中では目立った数値を持っていません。しかし、あの「ゴツン…」というジャブ一発で試合の趨勢を簡単に引き寄せる強打はデオンティ・ワイルダーや井上尚弥らとは全く違う種類の拳です。

スタッツの数値上は非常にわかりやすいビボルと、数値ではわからないベテルビエフの強さ。

そして、実際の試合ではそのわかりやすさは綺麗に逆転。リング誌でカネロ戦で誰ひとりビボルの勝利を予想しなかったように、そのボクシングに決定的な何かは感じることはできません。

一方のベテルビエフは、見ればわかる。見れば、あの拳がどれほどヤバいのか、誰の目にもわかります。そして「当て勘」などという曖昧な言葉が当てはまらない、はっきりとしたヒッティングスキルの持ち主です。えげつない強打者なのに、巧いのです。

オッズは接近する方向で、細かく変動しています。現在はビボル4/5(1.8倍)、ベテルビエフ11/10(2.1倍)。

50−50の試合ですが、リング誌の20人予想は15人がビボルを支持するなど、専門家予想はビボルに偏っています。

今回も故障明けのベテルビエフには大舞台、大勝負の経験でもビボルに軍配。そして何よりも、攻撃型と防御型の対決は後者が有利というのが常識。

リング誌の予想でビボルの勝利予想15人は全員が判定決着ですが、ベテルビエフはもちろん、ビボルのKO勝ちも十分ありえると思います。



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英国ボクシングニューズ誌のカネロ・アルバレス特集から「THE TOP10 MEXICAN FIGHTERS  IN HISTORY」。

⑩ミゲール・カント

⑨ビセンテ・サルディバル

⑧リカルド・ロペス

⑦エリック・モラレス

⑥マルコ・アントニオ・バレラ

⑤ファン・マヌエル・マルケス

④カルロス・サラテ

③ルーベン・オリバレス

②サルバドール・サンチェス

①フリオ・セサール・チャベス




小熊正二からWBCフライ級タイトルを奪ったカント。柴田国明がストップしたサルディバル。大橋秀行をめった打ちにしたロペス。マニー・パッキャオのレガシーをコンクリートしたモラレス、バレラ、マルケス。金沢和良と魂をぶつけ合ったオリバレス…日本のファンにもお馴染みの名前がずらり。

しかし、パッキャオは運がいいにも程があります。井上尚弥なんてルイス・ネリ…残念すぎます、可哀想です。



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◉さんちょう 

当時前人未到の4階級制覇に挑み達成は出来ませんでしたが、強敵から獲ると引かなかったアルグエーリョは現在のボクサーより尊敬されていると思います。 時代もあるかもしれませんがこうゆう選手は今はなかなかいないですね。


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1980年代初頭。

すでにWBAからWBCが分離独立、IBFが発足する前夜の時代です。

世界ジュニアウェルター級チャンピオンはAとCで2人もいました…いや、今となっては2人しかいなかったというのが正解か。

Cの方はソウル・マンビー、レロイ・ヘイリー、ブルース・カリーと絵に描いたような穴王者が緑のベルトをリレーする一方で、Aでは史上最強の140パウンダーと評価されるアーロン・プライアーが君臨していました。

その強さがどれほど鮮烈だったのかは、一つ上のウェルター級のスーパースター、当時立ち上がったばかりのリング誌年間PFPで1位に輝くシュガー・レイ・レナードが対戦を避けたという噂がまことしやかに信じられていたほどでした。

フェザー、ジュニアライト、ライトと軽量級から人気階級への階段を駆け上がってきたアレクシス・アルゲリョは史上初の4階級制覇を狙うと宣言、世界中のボクシングファンの興奮と喝采を集めていました。

プロモーターとテレビ局も軽量級離れした人気を誇るハンサムな長身ファイターの偉業にカネの匂いを嗅ぎつけて熱心にバックアップ。

プライドの高いアルゲリョが「相手はプライアーしかいない」と宣言するのは想定内、周囲は「まずWBCを獲ろう。それからプライアーとの最強決戦だ」と説得します。

しかし、アルゲリョは「メディアやボクシングを知っているファンは、私がプライアーを回避してレロイ・ヘイリーを選んだと思うだろうし、実際あなたたちがやらせようとしていることはそういうことだろう?」と、至極常識的な提案を一蹴。

「私は誰でもいいから4階級制覇したいんじゃない、強いやつに勝って4階級制覇したいんだ」。

試合発表の記者会見では「WBC王者との対戦を熱心に薦めてくれた全ての人に感謝する。あなたがたのおかげて、アーロン・プライアーがどれほど価値のある相手なのかがよくわかった」と、笑って見せました。

ただでさえカッコいいアルゲリョが、どれほどカッコよく見えたことか!



あれから40年。

アルゲリョと同じノッポの日本人が急いで階級を駆け上がり、やはり3階級制覇を〝通過〟しています。

中谷潤人もまた、アルゲリョのように彼にとっての〝プライアー〟を見つけました。

井上尚弥の高い評価を聞くたびに、中谷は青く燃え上がる至福にゾクゾクしているはずです。

サッカーのW杯も、テニスの四大大会も、MLBのワールドシリーズもない、興行だけが一人歩きするプロボクシングは「誰に勝ったか?」が全ての世界です。


誰に勝ったのか?

その問いに満点回答を何度も叩き出したのがモハメド・アリやシュガー・レイ・レナード、マニー・パッキャオでした。

中谷がアリやレナードやパッキャオになれるかどうかはわかりません。

もしかしたら、アルゲリョのように苦い挫折を味わうかもしれません。

それでも、全く矛盾する物言いになりますが、「誰に勝ったのか」を追求する彼らの挑戦が、勝ち負けなどを超越して美しいものであることを、私たちはよく知っています。

Chasing Monster.

愛の拳士は、どの階級でモンスターを捉えるのでしょうか。


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英国ボクシングニューズ誌から「The Beltline: British title fights represent a utopia for boxing fans」をまとめてお伝え。


It’s true. On the whole a British title fight tends to be more competitive than fights with lesser-known international belts at stake. 

This is because the fights are usually ordered by the British Boxing Board of Control – therefore taking them out of the hands and plans of promoters – and also because domestic bragging rights remain arguably the most potent ingredient added to any fight. 


間違いない事実として、英国タイトル戦は、「世界」と名の付いた変なベルトがステイクされる試合よりも面白い激戦になることが多い。

ランキングや試合を英国ボクシング管理委員会(BBBofC)が取り仕切っていることで、プロモーターの思惑が入り込む余地がないからだ。



これは日本タイトルマッチでも同じことが言えます。たった一つのタイトル、そしてたった一つのランキング、アルファベット団体の世界戦とは比較すべくもなく公正に運営されています。

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日本タイトルよりも英国タイトルの方がグレードが上に思えてしまうのは、後者の方が多くの国と地域を巻き込んだ様々な意味で層が厚いこと。

そして、BBBofC には伝統のThe Lonsdale beltが存在するということでしょうか。

いずれにしても、世界タイトルマッチがアルファベット団体のデタラメランキングに沿って行われている現状だけでもプロボクシングの世界は狂っています。






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