フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: オッズを蹴散らせ!大番狂わせを巻き起こせ!

那須川天心が昨日、来年年3月にキックボクシングを引退して、ボクシングに転向するとを発表しました。

ボクシング人気などに刺激を受ける形で、野口修が1966年に〝発明〟したキックボクシングは「キックの鬼」沢村忠が火付け役となり大ブームを巻き起こし、ボクシングに並ぶプロ格闘技に発展しましたが、80年代には完全に没落。

それでも、1993年に石井和義がK1を〝考案〟。1996年には東京キー局で地上波ゴールデンタイムに進出するなど、一部人気選手はボクシング世界王者を凌駕する人気を博しました。しかし、このムーブメントも10年持たずに瓦解してしまいます。

そして、2015年にRIZINがMMAやキックボクシング、女子も包含するボーダレスな格闘技団体として立ち上がり、その看板スターに添えられたのが天心でした。
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キック55年の歴史の悲劇的な特徴は、刹那のブームを繰り返すたびに代表的な団体が変わる一貫性の欠如です。

団体分裂や脱税事件、ファイトマネーの不払いなどの不祥事がブームを短命に終わらせてきたという見方もできますが、没落の本質的な原因はそこではありません。

社会的に認知されていない、悪い意味でショーの枠を破れなかったこと、破ろうとしなかったことが、この格闘技の継続的な成長を阻んできたのです。

ムエタイの日本支部のような形で、ムエタイとの完全統一ルール、ムエタイをメジャーと認めてそこを頂点とする本物のスポーツとしての輪郭を形成し、真摯に真剣勝負を管理する統括団体を早い段階で発足させていれば、社会的な認知を得ることができたかもしれません。

しかし、それではほんの一部のマニアに支えられながら細く長く一貫性のある超マイナー格闘技として延命してきたかもしれませんが、ボクシング人気を脅かすようなフィーバーは巻きおこせなかったでしょう。

漫画的な「ヒーロー」を作り上げることで誕生したキックボクシングは、K1であるはずもないキックの「世界」を提示し、RIZINでも一貫性のない蜃気楼の競技で「神童」を見せることで一過性のブームを繰り返してきました。

漫画的なヒーロー、ありもしない世界、一貫した歴史がない競技の神童。それらは、いずれも捏造された「幻想」でした。

もちろん、あらゆるエンターテインメントは幻想を提供することで成立しています。しかし、キックの悲劇は、実体を幻想が装飾していたのでは無かったということでした。

実体が無かったのです。

幻想が崩落し、蜃気楼が消えてゆく…。そのたびに幻滅と再生を繰り返してきたキックボクシングは、ある意味で文学的な妖しい魅力に溢れていますが、多くの選手は唯物的で真剣なスポーツとして取り組んでいます。

それでも、社会的に認知されていないキックボクシングで頂点に立った魔裟斗はラスベガスでのビッグファイトを渇望し、天心はボクシング転向を公言してきました。

それは幻想ではない、実体を掴み取ろうと必死にもがく亡霊のようでもありました。

生身の実体のある人間が亡霊になることはあっても、逆はありません。

落ちぶれたボクシングのスターがカネのためにキックに転向する〝都落ち〟は、あります。

しかし、ラスベガスでメガファイトを繰り広げているカネロ・アルバレスとマニー・パッキャオがキックボクシングに興味を示すことはありえません。

井上尚弥が「対戦相手がいなくなった」と、新しいステージにキックを選ぶこともありえません。

ボクシングとキックの間には〝泪橋〟が架かっています。

これまでは、夢破れたボクサーが下を向いて渡る悲しい一方通行の橋でした。



この〝泪橋〟を逆に渡ろうとしているのが天心です。

キックボクシングで看板を張った天心とは少しニュアンスが違いますが、武居由樹も一足先にボクシングデビューしました。


現代の4−Belt Eraでは、オリジナル8の時代よりも団体は4倍、階級は約2倍に増殖しました。ゆえに、世界王者になる難易度は8倍になったというのは、あまりにも楽観的すぎる掛け算です。

王者の価値は限りなく軽くなり、王座返上や安易な複数階級制覇が当たり前。さらに、承認団体のランキングの度を越えた我田引水的な杜撰さ。

8倍どころではありません。世界王者のバーゲンセール、階級制覇の叩き売り状態を見れば「実力は州王者レベルでも承認料を払えるスポンサーがつけば世界王者になれる」と馬鹿にされるのも当然です。


天心や武居が世界王者になっても何も驚くことはありません。

もちろん、ボクシングでも世界王者になれたなら、泪橋を逆にわたって見せたのですから、彼らの〝偉業〟には拍手喝采を送るべきです。

ただ、願わくば4−Belt Eraでより鮮明に浮かび上がった真実、ボクシングは「誰に勝ったか」が全てという命題に挑んで欲しいと思います。

フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオらのメガファイトにタイトルマッチの色彩が薄いのは何故なのか?

日本では歴代PFPキングと信じている人もいるマイク・タイソンが、どうして欧米のPFPでは箸にも棒にもかからないのか?


蜃気楼の世界からやって来た彼らが、日本ボクシング界が目を逸らす「誰に勝ったのか」に激しく迫ってくれることを願ってやみません。
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予期せぬ大番狂わせを突きつけられたとき、ファンはもちろん専門家ですらステレオタイプの反応に終始してしまうのが常である。

「今日のタイソンはいつもの調子じゃなかった」。

「あんなに反応が鈍いバレラを見たのは初めて」。

「デラホーヤは脱水症状で戦える状態ではなかった」。

ふざけたことを言っちゃいけない、それは全部、自分が考えていた予想を根底からひっくり返されたことへの言い訳じゃねぇか。

もう一度、思い返してみろ。 戦前の情報で番狂わせの予兆が溢れていたにもかかわらず、お前たちはこう考えていたはずだ。

「どんなに不調のタイソンでもリングに上がれば相手はビビって怖気付く。今までもそうだった」。

「調整不足でもバレラは試合になったら本領を発揮する。それがバレラのバレラたる所以」。

「デラホーヤはミドル級まで制した大男、減量失敗でもフライ級上がりが勝てる相手じゃない」。 

大番狂わせの引き金を引くのは、当たり前だが敗者ではない。勝者だ。

「あの日あのときのバスター・ダグラス」だから大番狂わせが引き起こされたのだ。

「あのときリングに上がってたのは元フライ級王者じゃない。マニー・パッキャオだ」 から噛ませ犬の処刑場に見えたリングが、下克上と無礼講の劇場に変わったのだ。

タイソンやバレラ、デラホーヤは一番美味しそうに見えた料理を選んだつもりだったが、その時点で大番狂わせのカウントダウンタイマーのスイッチを押してしまっていたのだ。
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IBFジュニアバンタム級タイトルマッチ

さて、ロドリゲスは「あの日のダグラス」でしょうか?あるいは「パッキャオ」でしょうか?

勝てば二桁防衛に王手をかける29歳のフィリピン人は、絶対に触れてはいけないジョーカーのカードをすでに引いてしまったのでしょうか?

リング誌電子版から。

********ジョナサン・ロドリゲスは完全なアンダードッグと見られています。

しかし、素晴らしいトレーニングキャンプを送り、大番狂わせへの意欲に漲っています。

家族のために必ず勝つ、というのはもちろん、世界最高のボクシング大国メキシコの伏兵たちが大番狂わせを起こしていることからも刺激を受けているのです。

明日の夜、コネティカット州アンキャスビル・モヒカン・サン・カジノで行われるイベントはSHOWTIMEで全米に生中継されます。

世界王者アンカハスにとっても大舞台、ロドリゲスにとっても一世一代のビッグチャンスです。

25歳のメキシカンは23戦(22勝16KO1敗)のキャリア全てを母国で戦い、世界挑戦はこれが初めて。

2018年3月にホセ・エストラーダ・ガルシアにスプリットデジションで惜敗してから6連勝、そのうち5つをKOで終わらせているロドリゲスは勢いに乗っています。

「あの敗北で目が覚めた。ずっと無敗で気の緩みがあった、規律にかけていた。自分の甘さに気づいたんだ。あれからボクシングへの取り組みが180度変わった。家族や子供のために戦う意識も大きくなった。あらゆる意味で、成熟したファイターに変わったんだ」。

「あの敗北の1週間前に二人目の子供、娘が生まれたんだ。兄弟や家族が祝福してくれた、試合を応援してくれたというのに、私は負けてしまった。もうあんな思いは絶対にしたくない。家族ががっかりする顔を見るのはあの日が最後だ」。

しかし、ロドリゲスが挑戦するのは普通の王者ではありません。

8連続防衛(6KO)中のアンカハスは全階級を通じても最も安定した王者の一人で、パッキャオを彷彿させる強打のサウスポー。

オッズも専門家予想も王者に大きく傾いています。

それでも、ロドリゲスの自信は揺らぎません。

「アンカハスがどんな出方をしてきても対応できる。アウトボックスでいなすことも、カウンターで迎撃することも。指名挑戦者になってから、とにかくずっとアンカハスのことだけを考えて練習してきたんだから」。

パンデミックがなければ、この試合は昨年4月11日に行われているはずでした。

そして、近年、アンダードッグの対場から大番狂わせを起こしているメキシカンの存在も、ロドリゲスの刺激になっています。

「マウリシオ・ララ(ジョシュ・ウォリントン戦)やアンヘル・フィエロ(アルベルト・マチャド戦)がビッグネームを粉砕するのを目の当たりにすると、私にも出来る、私もやらなきゃならないと力が湧いてくる」。

ロドリゲスのキャリアで最大の勝利は、ファン・フランシスコ・エストラーダへの挑戦経験もあるフェリペ・オルクタ。エストラーダと判定までもつれた相手をストップしたのです。

しかし、アンカハスに勝てばそんな金星も遥かに霞んでしまいます。

That would allow me to then face Estrada, Chocolatito, or Ioka in the future.

「この勝利がどこにつながるのかよく理解している。エストラーダやローマン・ゴンザレス、井岡一翔と戦う道が開けるんだ」。***********


先ほど行われた前日計量で、アンカハスは114.8ポンド、ロドリゲスはリミット一杯115ポンドでクリア。

オッズは、メインのジャロン・エニスvsセルゲイ・リピネッツと同じ10−1と、ミスマッチを示すゾーンに突入しています。

しかし、SHOWTIMEとPBCが「未来のPPVスター」と慎重に育てているエニスと、PPVスターにはなりえない超軽量級では話が違います。

奴らにとっては「エニスは絶対勝ってもらわないと困る」存在ですが「アンカハスvsロドリゲス」はどっちが勝っても良いという位置付けです。

大番狂わせの可能性が大きいのが、後者であるのは言うまでもありません。

どっちで番狂わせが起きて欲しいか?となると、もちろん前者ですが。

それにしても、あっちの報道はエニス一色です。ノンタイトル戦の分際で…。こういうの、逆はありえないですからね、欧米では。

エニス、惨敗して欲しい。。。。
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有楽町・銀座界隈はアンテナショップが集まっています。
地方テレビ局の東京事務所も多いので、拠点を出すなら有楽町や銀座ということなのでしょうか。
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そのアンテナショップ、有楽町駅前の交通会館内だけでも「北海道どさんこプラザ」「秋田ふるさと館」「いきいき富山館」「浪花のえぇもんうまいもん大阪百貨店」「兵庫わくわく館」「わかやま紀州館」「徳島・香川トモニ市場」「ザ・博多 有楽町店」…などがひしめいており「おおいたアンテナショップ温泉座」では足湯まで楽しめちゃいます。

先日、足湯につかってしばし現実を忘れていると、私を探していた会社の人間に見つかってしまい「外出してもいいから携帯電話も持って行って下さい」と注意され、足湯につかったまま気まずい思いをしてしまいました…。

このアンテナショップ、大体の店でソフトクリームを食べれるのです。

暑い夏にソフトクリームを舐めながら、交通会館の屋上庭園から新幹線の往来を眺めるのは、結構贅沢な時間です。

さて、そのソフトクリーム、さすがにイメージもあってか「北海道どさんこプラザ」のバニラと夕張メロンが「交通会館チャンピオン」です、独断と偏見ですが。

しかし、アンテナショップ最強か?となると、これは歌舞伎座前の「いわて銀河プラザ」に軍配が挙がります。

「どさんこ」はすっきりしていて食べやすいのですが、良い意味でも悪い意味でも軽い、ウェルター級のテレンス・クロフォードです。

夕張メロンとのミックスもあるスイッチヒッター、万能型でもありますが…。

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一方の「銀河」はバニラ一本、器用なマネはしません、出来ません。↑

しかし、コーンを手にした時点で重さを感じます。渦巻きのエッジも気持ち固い気がします。

一口舐めればその密度と重さ、ミルクのコクを味わえる生粋ヘビー級のアンディ・ルイスJr.です。

というわけで、王者「どさんこ」vs挑戦者「銀河」のメガファイトは銀河が大番狂わせの7ラウンドストップ勝ち。

衝撃のタイトル移動となりました。
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中谷正義とワシル・ロマチェンコの試合が内定しました。

会場はこれから詰めていくようですが、日程は6月26日か7月10日の土曜日が予定されています。
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日本人が人気階級で評価の高いグレートと拳を交えることは、まずあり得ないことです。
 
欧米の人気階級…ヘビー級とミドル級、ウェルター級が鉄板です。

スター選手が進出することでジュニアミドルや、スーパーミドル、ライトヘビーでもメガファイトが繰り広げられることがありますが、スター選手の〝起点〟はウェルターとミドルです。
 
日本人がこの人気階級と絡むことができない理由は、①ミドル級が事実上の上限階級である日本には、スーパーミドル級以上の人材がそもそも存在しない、②ウェルター級とミドル級は日本の層が薄いだけでなく、欧米の支配力が強くコストとリスクが大き過ぎる、という2点でしょう。

①の背景から、ヘビー級はもちろんスーパーミドル級以上で世界のトップシーンに日本人が立つことは歴史上一度も叶っていません。

②については、日本にもランキングが存在する階級ですが、コストの問題から極めて稀なチャンスが巡って来ても、アウエーに出向くしかありません。

番狂わせで王者に就いたアルゼンチンのホルヘ・カストロのような、コスパの良いベルトホルダーならなんとか日本に引っ張り込むことはできましたが「竹原慎二」は様々な幸運が重なったレアケース、というか後にも先にも一度きりの奇跡です。

この人気階級が必然的に内包する「コストとリスク」をカネの力で一気に氷解させたのが村田諒太です。

しかし、村田にカネが集中した理由は「五輪のミドル級金メダル」というプロで世界王者になるよりも遥かに困難なハードルをクリアしたからこそ。「村田」は「竹原」よりも遥かに奇跡度が高く、不世出かもしれません(そうあって欲しくはありませんが)。



横道に逸れそうなので、本道にハンドルを切ります。

中谷正義が世界のトップに激しくチャージしているライト級です。

 欧米基準では文字通り軽量級のライト級を「人気階級」と断言することは出来ません。

しかし、人気階級への導火線であることは間違いなく、スターダムの頂点に駆け上がるかもしれないタレントも、ときに現れます。

そして今が、その「とき」です。テオフィモ・ロペスやライアン・ガルシアは、人気階級に上げてマニー・パッキャオやカネロ・アルバレス のようなForbes Fighterになる可能性を秘めています。

また、人気階級への導火線・ライト級には、下の階級の実力者も集まって来ます。

リング誌PFPに現役最長の254週間連続でリストアップされているワシル・ロマチェンコ、メイウェザープロモーションズで最も色鮮やかな絵札のガーボンタ・デービスも注目度の低い下の階級からジャンプアップしてきました。

ライト級は、常に人気階級ではありません。しかし、今現在は間違いなく人気階級です。

中谷はその真っ只中で、人気No.1スターに悪戦苦闘の悪夢を見させ、最大のホープを地獄の底に叩き落としました。

とはいえ、 パクス・メキシカーナ、ヒスパニックの時代、米国のスター・システムに日本人が乗ることは「パッキャオの曲芸」を演じることができるなら可能ですが、そうでないならありえません。

いくら楽観的な私でも、中谷がウェルター級のトップ戦線で大番狂わせを何度も起こしてForbes Fighterに登り詰める、なんて近未来は想像できません。

しかし、米国のスター・システムが丁寧に敷いてきた線路を走る貴賓列車を脱線させることは出来ます、何としてもひっくり返して欲しいですねぇ。

 
その前に立ち塞がるのが、線路も温室も関係ないロマチェンコです。

このお話では「人気階級で爪痕を残した日本人」を振り返りつつ〝アジアの鉄人〟と〝ウクライナのハイテク〟の戦力分析と試合展開を予想してゆきます。
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番狂わせ。

絶対有利と思われたファイターがアンダードッグの拳に跪き、ひれ伏す。

そこには予想を超えて確信にまで固まっていた私たちの信仰が破壊された混乱と戸惑い、それを補おうと泥縄の後出し情報と分析が氾濫する渦中で感じるのは、背徳の恍惚です。




このシリーズでは番狂わせのパターンを類型化、ご紹介するはずでしたが、今回は予定変更。

Bayonne Bleeder(バイヨンヌの流血鬼)にハッピーバースデイを捧げます。大番狂わせの話をするのに、彼ほどふさわしい人物はいないかもしれません。

チャック・ウェプナーは1939年2月26日生まれ。日本時間では今日が82歳の誕生日です。
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1964年プロデビュー、1978年にグローブを吊るしたウェプナーの試合をリアルタイムで観た人はほとんどいないはずです。

当時の熱狂的なボクシングファンでも、キャリア52戦のどの試合も日本で中継されることはなかったのですから、当たり前です。

東海岸をベースに戦った白人ヘビー級とはいえ、ニュージャージー州のタイトルを獲ったりとられたりのローカルファイター。

バイヨンヌの流血鬼という異名も、すぐにカットして血だるまになるからでした。

ニュージャージー州のバイヨンヌ警察のジムで練習しながら、酒のセールスマンとしても働く兼業ボクサー。まだ、ボクシングにメジャーの熾火が残っていた時期とはいえ、州王者がやっとこさでは、ボクシング一本で食っていけるわけもありません。

それなのに、彼の名前を知らないボクシングファンは少数派でしょう。ボクシングファンでなくても「ロッキー・バルボアのモデル」として多くの人に知られています。

今朝のリング誌電子版で「HAPPY BIRTHDAY TO CHUCK WEPNER」のヘッドラインよりも先に、老けたウェプナーがファイティングポーズを取るモノクロ写真が目に入って不謹慎な思いが胸をよぎりましたが、そんなわけがありません。

あのタフガイを天国に連れて行くのは、天使や神様が何人がかりでも大仕事でしょう。しかも、まだ82歳です。


それにしても、ウェプナーの名前をいつ知ったか正確には思い出せません。

「ロッキー(1976年)」の公開時期を考えると、どう考えても小学生。

「アントニオ猪木vsモハメド・アリ」(1976年6月26日)の地球的イベントで、同じ日にニューヨーク・シェイスタジアムで行われたアンドレ・ザ・ジャイアント戦を見たのは、ずっとあとのことだったか…。

「猪木vsアリ」の拍子抜けとは違い、ウェプナーをロープの外に投げ飛ばしたアンドレには興奮しました。



今も、リアル・ロッキーはニュージャージーで妻リンダと幸せに暮らしています。

そして今も、酒類流通業大手のAllied Beverage Groupでセールスマンとして働き、リンダも同じ仕事に就いています。

突然、ありえないような脚光と名声のシャワーを浴びても、全くぶれずに堅実な人生を歩み続ける。

これこそが、普通の人間には最も出来ないことです。本当の強さとは何かを、ウェプナーの生き様が静かに教えてくれています。

82歳の元ニュージャージー州王者は、数年前から癌を患っていますが「体重は35〜40ポンド減った。カムバックするならクルーザー級になるな」と全く悲壮感はありません。生まれながらのファイター、ガッツの塊のような男です。

それでも、今の米国ボクシングを語るときは少し感傷的になります。

「アメリカからヘビー級チャンピオンがいなくなるなんて、信じられないな。もうあの頃には戻れないんだろうな。アリ、フレージャー、ジョアマン、ジェリー・クォーリー…偉大な選手が戦う黄金時代を共有できて本当に幸せだった。でも、彼らもあと2、3人しか残っていないのか」。



それにしても。実在のロッキーはモハメド・アリとの大勝負に予想外の抵抗を見せたとはいえ、15ラウンドTKOで敗れたのです。

番狂わせは起こしていません。

それでも、ウェプナーを〝届かなかった男〟とは誰も考えないでしょう。

番狂わせを起こすことができなかったにもかかわらず、彼はリングの中でも、リングを降りても「The Undefeated〜敗れざる者」の代表であり続けているのです。

未来永劫、語り継がれるであろうニュージャージー州王者なんて、それこそ映画の世界です。



やはり、チャック・ウェプナーは大番狂わせを起こしたのです。

ハッピーバースデイ、偉大なチャック・ウェプナー。
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【サドンデス型】

アンダードッグがバンチャーズ・チャンスをモノにする【サドンデス型】が最も起こりうる番狂わせ…そう思われがちですが、現実に頻発するのは、後付けとはいえ、起こるべくして起きた【ファンマ型】です。

しかし、衝撃度においてサドンデス型が強烈であることは間違いありません。

ファンマ型が両者の実力を読み違えた「そういうことか!」という予想やオッズの〝ミス〟であったのに対して、評価は間違っていなかったにもかかわらず、その通りの結果が出なかったサドンデスの方が衝撃が大きいのは当たり前です。

レノックス・ルイスがオリバー・マッコールとハシム・ラクマンに食らった不覚の一撃、ウラジミール・クリチコが踏み外したコーリー・サンダースとラモン・ブリュースター。

誰もがパンチャーズ・チャンスの権利を持つヘビー級ならではの番狂わせでした。

一方で、たった一発のパンチでそれまでの負債を一気に精算するデオンティ・ワイルダーのケースは番狂わせとは別の構図です。ワイルダーはアンダードッグではありませんでした。

ワイルダー とルイス・オルティスのストーリーラインは多くのファンの想定内・期待通りだったのです。

予想していたのとは全く違う結末を突き付けられるのが番狂わせです。

その意味ではサドンデス型こそが、本当の番狂わせと言えるでしょう。

日本時間の明後日、フロリダのハードロック・スタジアムで21世紀最大の番狂わせが起きるとしたら…サドンデス型しか考えられません。
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ーーーーそして、予想とは全く違う結末にもかかわらず、それが番狂わせの衝撃だけでなく、より大きな感情の盛り上がりを巻き起こしてくれるケースもあります。
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【英雄誕生型】です。

最強にして最凶と恐れられたソニー・リストンを2度にわたって圧倒したばかりか、ジョージ・フォアマンをキンシャサに沈める呪術的な大番狂わせまで演じたモハメド・アリ。

アジアの軽量級という欧米の死角から、メキシコ時代の旗頭マルコ・アントニオ・バレラを突き刺し、ホンマもんの頂点、オスカー・デラホーヤを一方的に殴りまくったマニー・パッキャオ。

あのリングの熱狂は大番狂わせの興奮から噴出しただけではありません。新時代の幕開けを告げる勝鬨の歌だったのです。

この類型に当てはまるかどうかの判断が保留されているのが、テオフィモ・ロペスvsワシル・ロマチェンコでしょう。

リング誌がアップセット・オブ・ザ・イヤーに選んだとはいえ、あの試合に大番狂わせの衝撃、背徳の興奮を感じた人がどれほどいたでしょうか。

せめて、テオフィモが後半追い上げる展開ならまだしも、前半の貯金を後半取り崩す尻すぼみでは英雄誕生の絵面は見えませんでした。

英雄誕生には残酷な演出が必要なのです。

〝豪奢な王が生贄に供される儀式〟なのですから。



英雄誕生。その厳かな儀式が、超弩級の大番狂わせまで盛られる、そんな贅沢な瞬間を共有できるファンは幸運です。



ボクシングがまだメジャーだった時代、世界ヘビー級チャンピオンがスポーツの王様だった時代、カシアス・クレイがモハメド・アリに孵化した時間を共有できた先輩諸氏には、嫉妬しかありません。 

それでも、諸先輩方はモハメド・アリを〝地続き〟に見ることが出来なかったでしょう。

その意味だけでは、ざまあみろ、です。



〝地続き〟では無いかもしれませんが、私たちは日本人と体格の変わらないマニー・パッキャオを目撃する幸運に巡り会えました。

アンダードッグのアジア人が米国のスター選手を次々に撃ち落とす光景は「見たか!アジアの灼熱の拳を!!」(ボクシングマガジン)という言葉に集約される、戦慄と興奮と恍惚でした。

…ぜーんぶ、パッキャオが素晴らしいんであって、アジア人やましてや日本人や、ましてやましてや私がバレラやデラホーヤを叩きのめしたわけでもないのに「見たかーーッ!」と我が事のように嬉しかったです…。

しかも、私はどっちも「パッキャオが惨敗する」と予想してたくせに…。


そして、しかし。

フィリピンは地続きではありませんが、日本人がカネロ・アルバレスを倒すかもしれません。あるいは、欧米で無視され続けた軽量級で、日本人がナジーム・ハメドばりの花火を打ち上げるかもしれません。

そんな〝地続き〟が、もうすぐ先の未来で待っているかもしれません。いやいや、待ってます!必ず待ってます!!予約済みの未来です!!!絶対の約束、アポイントメントです!!!!!



と、ここまで書いて、当たり前なことに気づきました。

モハメド・アリを知りながらーーーーーーマニー・パッキャオも、そしてカネロを倒すあの人も、テオフィモを2回泣かすあの人も、アジアでパッキャオ以来二人目のPFPキングに輝くあの人も、オンタイムで見ることになる人もたくさんいますよね。

大変失礼致しました!先輩諸氏、ずーーっと長生きして下さい!  
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今日のお昼は唐揚げ定食。本文とは関係ありません。


【ファンマ型〜それは踏み台ではない!落とし穴だ!】

私たちの記憶に新しいところでも「ファンマ型」が最も一般的な番狂わせです。

ジョシュ・ウォリントンの〝噛ませ犬〟のはずだったマウリシオ・ララや、フェリックス・ベルデホの戦線復帰にうってつけと思われた中谷正義、さらにはゾウ・シミンをアジア史上最大の番狂わせに粉砕した木村翔、ジェームス・カークランドの物語を暗転させた石田順裕らの堅い拳によってファンマ型がもたらされました。

彼らはエリートの〝予定表〟を見事に引き裂いたのです。

ウォリントンもベルデホもシミンもカークランドも実力者であることは間違いありませんが、その評価は実態以上のバブルでした。

卓越した技術や一発強打、派手な人気はないものの、燃え盛る野心と不屈の根性持つ戦士を選んでしまった時点で、彼らは自らが転落することになる番狂わせの陥穽をすでに掘り終えていたのかもしれません。
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この人は〝逆ファンマ〟。

ファン・マヌエル・ロペス
、ファンマ。

10年前、トップランクはファンマとユリオルキス・ガンボアが〝決勝〟で激突する。「フェザー級ウォーズ」を企画していました。

ボクシング大国プエルトリコのオリンピアンにして、ハードヒッター。

無敗街道を驀進、21戦全勝19KOで、迎えた世界挑戦はジュニアフェザー級でした。相手はプエルトリコにとっての宿敵メキシコのダニエル・ポンセ・デレオン。

ダニポンは評価の高いWBO王者でした。

この大一番、番狂わせでダニポンを1ラウンドで粉砕、ジュニアフェザー級で刃を研ぎながら、ファンマはフェザー級も制覇。

しかし、盤石の強さを見せつけるガンボアに対して、打たれ脆く不安定なファンマは人気はあっても〝決勝〟を勝ちきれないと見られていました。

トップランクがスターになって欲しいのは、共産主義国からの亡命者ではありません。人気者のファンマです。

自ら落ちる落とし穴を、意識して掘る馬鹿はいません。しかし、番狂わせの陥穽は無意識のうちに掘られるものです。

それどころか、掘ってる彼らは踏み台を作ってるつもりのケースがほとんどです。

30戦全勝27KO、27歳のファンマが選んだその男も、誰の目にも踏み台にしか見えませんでした。

35勝23KO 11敗2分、直近5戦は3勝2敗。どう見ても冴えない当時32歳のオルランド・サリドでした。

しかし、陥穽が踏み台に見えたのはファンマ陣営だけではありません。メディアもファンの目にも〝それ〟が見えませんでした。

そして、驚くほどフシ穴なことに再戦でも多くの人がファンマが勝つと決めつけていたのです。

アリvsリストン、ホリフィールドvsタイソン…私たちは二度叩きのめされてようやく気付くのです。

あれは番狂わせなんかじゃなかった…、と。

115ボンドでもPFPキングのままスライドしたローマン・ゴンザレスもまた、評価バブルでした。

ロマゴンはシーサケット、ソールンビサイに二度敗れますが、再戦でもオッズや欧米メディアはチョコラティトを支持していましたが、日本のボクシングファンは難しい戦いになると半ば確信していたはずです。

柔らかい泡沫にとって、燃え盛る野心と不屈の根性を併せ持つ鋼鉄のファイターほど厄介なもの他にないのです。
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ボクシング160年の歴史の中で、大番狂わせは何度も起きてきました。

大試合で何度も番狂わせを演じたマニー・パッキャオは、そのものズバリのパックマン(大物喰い)を名乗りますが〝番狂わせを何度も起こす〟って「そんなもん、それそもそもが番狂わせとちゃうやろがぁああああッ!!!」(おいでやす小田)って話でもあります。
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先日の「オスカル・バルデスvsミゲール・ベルチェルト」のオッズはアバウト4-1。

圧倒的に王者を支持していた専門家予想も含めて大番狂わせと呼んでも差し支えない状況が整っていましたが、試合後のメディアやファンの空気は大番狂わせへの興奮はそこまで感じられませんでした。

これは、過大評価と過小評価、という見謝りを同時に起こしてしまった〝心当たり〟があるからかもしれません。

古今東西、ファンの度肝を抜いてきた番狂わせを独断と偏見で振り返ってゆきます。

今週末にカネロ・アルバレスに挑戦するアブニ・イルディリムのオッズが40-1とめったにみれない数字が出たことに、ESPNは「マイク・タイソンはバスター・ダグラスに42−1で圧倒的有利と見られ、アンソニー・ジョシュアとアンディ・ルイスJr.は24-1だった」と報じています。

boxingscene.comでは「50-1」というオッズを紹介しています。

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オッズが目まぐるしく変わるのはご存知の通り。

同じくESPNが2019年に「過去45年でのヘビー級大番狂わせ」ではジョシュアvsルイスは「11-1」でしたから、いつの間にか2倍以上に膨らませた数字を使ってることになります。

「42−1」のタイトルでドキュメンタリーも制作された「タイソンvsダグラス」ですが、当時は「200−1」なんてフェイクニュースもまことしやかに流されていました。 

いずれにしても、週末のメガファイトが近年稀に見るオッズのまま試合開始ゴングが鳴ることは間違いありません。

「軽量級上がりのアジア人」という表層だけから過小評価され続けた結果、いくつもの番狂わせを起こしてきた「パッキャオ型」や、 過大評価バブルが弾けた「ファンマ型」…などなどの類型から大番狂わせを振り返ってゆきます。

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日本人ボクサーによる「大番狂わせ」と「偉大な勝利」を振り返って来ました。

プロボクサーの評価には毎年選出されるFighter Of The Yearのように後世に残るレガシーもあれば、PFPのように評価の基準や期間が相当に曖昧で形として残りにくいものもあります。

リングの外で決められることは、全てが虚飾です。大きな意味はありません。

その意味ではBWAAのFighter Of The Year、シュガー・レイ・ロビンソン杯ですら、リングの中で繰り広げられるスペクタクルを比べるとチンケなものです。

ましてやPFPとなると…。もはや、これは蜃気楼です。

「去年2月17日のリング誌のPFP3位は誰?」。こんな問題に答えられる人がいたとしたら、それはボクシング博士ではなく、バカです、ただのアホ。

それよりもまともな問題「トーマス・ハーンズやシェーン・モズリー、フェリックス・トリニダードはPFP1位になったことがあるか?」ですら、自信を持って答えられる人がどれだけいるでしょうか?

どこのメディアのPFPなのか?というだけでなく、月替わり日替わりで順位が変わるPFPなど誰も記憶に残せません。

かつてリング誌が毎年企画していたBest Fighter Pollは、Fighter Of The YearよりもPFP的な角度から切り込んだ〝ザ・ベストテン〟でしたが、残念ながら2017年をもって30年以上の歴史を閉じてしまいました。

毎年、10傑が選出・発表されるので日替わりの軽薄さはありません。

リング誌の経営難から残念ながらリストラされたこの企画、存在しない2018年からの3年を独断と偏見で決めちゃいます。

私の独断と偏見をあらわにしちゃうと、日本人の軽量級ボクサーが過半を占めてしまいそうですが、PFPの傾向を改めてご確認。

PFPは、実力に見合った注目と報酬を得られなかったシュガー・レイ・ロビンソンの代名詞です。

ヘビー級に注目が偏る中で、素晴らしいパフォーマンスを見せたロビンソンへの〝救済措置〟がPFPだったといっても差し支えありません。

そんな歴史的背景があったにもかかわらず、ロビンソンにとっては皮肉なことに、現代のウェルター級とミドル級は実力に見合った(実力以上?)大きな注目と巨額の報酬を獲得できる豪奢なクラスになっています。

畢竟、PFPとはヘビー級に厳しく、中量級と軽量級に贔屓目な評価になります。「強きを挫き弱気を助ける」。その思想を突き詰めたのがPFPです。

WOWOWの「タイソン特集」で村田諒太が語っていた言葉が真実です。

「ボクシングは、結局ヘビー級なんですよ」。

その、絶対的な真理に対する不条理な理屈がPFPの正体です。だから、実態なんてそもそもあるわけがないのです。

「こっから見たらカネロが一番強く見えるぞ」「確かに、この角度なら井上が2位かも?」。

このブログを見ていただければ一目瞭然ですが、私はPFPみたいな蜃気楼が大好きです。

ただ、ここ数年はPFPを「権威」のように誤解させる報道や、PFPが選手の格や報酬まで決めると錯覚しているゴミムシさんが散見されるようになったことには戸惑っています。

PFPに権威なんてあるかーーーーッ!

だから Mythcal Rankingと言われてるのに。

蜃気楼に実体などない!

「リング誌のPFPは権威がある」なんてのたまう人は、だいたいがリング誌を見たこともないでしょう。

蜃気楼を「重要文化財」と思い込むのと同じ愚行なのです。

逆にいうとヘビー級でランクされてるボクサーの実力は相当なもんということです。



実は、オンライン飲み会と並行して書いてるアクロバットな状況ですが 、これってラストオーダーも何もないですね、今更。つまらない、もう離脱。

Best Fighter Pollの最終年となってしまった2017年のランキングを振り返ります。〜2018年4月号から。
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1980年に1位:ロベルト・デュランでキックオフしたBest Fighter Pollは、PFP理念の「弱者救済」をしっかり実行。

ジェフ・チャンドラーやアントニオ・エスパラゴサ、オルランド・カニザレス、リカルド・ロペスら〝報われない日陰の実力者〟を拾い上げただけでなく、張正九やカオサイ・ギャラクシー、ユーリ・アルバチャコフ、ポンサクレック・ウォンジョンカム、シーサケット・ソールンビサイというアジアの選手もランキングしてくれました。

一方で、40年弱の歴史でヘビー級はマイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド、バスター・ダグラス、レノックス・ルイス、ウラジミール・クリチコの5人だけ(ロイ・ジョーンズを入れるなら6人)。最強階級に厳しい姿勢が浮き彫りになっています。

一方で、ウェルターとミドルの〝ロビンソン救済〟で世に広まったPFPでしたが、37年間続いたBest Fighter Pollのトップを見渡すと、過半を上回る20回もウェルター〜ミドルのボクサーが占めました。

ロビンソンが、この〝惨状〟を見たら「メイパックが最大興行?????ふざけるなよ!」と頭を抱えそうです。

「中谷正義・応援歌」のお話でしたが、完全に違う話になってますね。。。。

まー、でもBest Fighter PollとかPFP とかはロマチェンコを語るときのキーワードです。まだまだ続いて、初夏の大仕事まで、声が枯れるまでエールを送ります!
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ロベルト・デュランと戦った小林弘やガッツ石松は偉大です。

ウィルフレド・ゴメスとアレクシス、アルゲリョ、エウセビオ・ペドラサと拳を交えたロイヤル小林も偉大です。

もし、彼らが存在していなければ、日本ボクシング史の風景は、なんとも味気ないものになっていたところでした。

しかし、ボクシングもスポーツ、トドのつまりは勝負事です。

モハメド・アリやフロイド・メイウェザーと拳を交えた日本人がいたら、ボクシングファンとしてはそれだけでもゾクゾクすることですが、やっぱり勝負事なんです。

ボクシング界屈指のスターに駆け上がろうとしているテオフィモ・ロペスを悪戦苦闘させ、悔し涙まで流させた中谷正義は素晴らしい!の一言です。

しかし、あの試合で勝つか負けるかではボクサーとして天地の差があったことは誰もが認めるでしょう。

もし、あと一押しして勝っていたら…中谷は全く違う値札を付けたボクサーになっていたはずです。

フェリックス・ベルデホと戦う必要もなかったかもしれません。

もちろん、中谷正義のライト級征服の道は最短距離では進めなかったものの、まだ頂点を狙う位置に踏みとどまっています。

そして、日本で梅雨が明ける頃にはワシル・ロマチェンコとの大勝負が現実味を増しています。

トドのつまりは勝負事なんです。

ロマチェンコ戦で勝つか負けるかは中谷のキャリアの分岐点です。テオフィモとの初戦以上に、勝つか負けるかでは大違いの試合です。

オッズと予想は、中谷のキャリアで最悪に圧倒的不利の数字と記事が並ぶでしょう。

それでも、この試合は勝つしかありません。

というわけで、日本プロボクシング史上で偉大な勝利ベスト10。時系列で並べました。

アマチュアと階級難易度は除外するので、桜井孝雄や村田諒太、竹原慎二の試合は対象外です。
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独断と偏見で作っておきながらですが、オンタイムで見たのは「井岡弘樹vs柳明佑」以降です。

異論反論だらけですかね?

ます、ファイテング原田が一人で三つも入ってるのは違和感があるかもしれません。

しかし、3試合全てがUndisputed Championで、その内容も「19歳で初戴冠、日本に8年ぶりの世界タイトルをもたらす」 「史上初のフライ・バンタム二階級制覇」「黄金のバンタムを二度打ち砕いて世界評価をコンクリート」。

原田の「アジア最高」 の牙城は、マニー・パッキャオがオスカー・デラホーヤを倒してようやく崩れたという、途轍もなく堅牢な要塞でした。

「日本最高」も、いつか誰かが更新してくれることを願っていますが…。

井岡弘樹と平仲明信も異論はあるでしょうが「殿堂」選手からタイトルを奪った殊勲を評価しました。

山中慎介はアンセルノ・モレノを破って日本人初のリング誌PFPの扉をコジ開けたことへの賞賛、拍手喝采です。
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具志堅用高は、ボクサーとして最後の国民的英雄で、私をボクシングに誘ってくれたスーパースターでした。しかし、このランキングでは…ゴメンなさい。リング誌のディケイドPFPに評価されるなど実力には何の疑問もありませんが「誰に勝ったか?」となると…。


そう考えると、このリストでは井上尚弥が一番違和感があるかもしれません。

例えば「2団体時代の渡辺二郎の方が上」という見方もありですが、対立王者を初見で斬り落とした鮮やかさを評価しました。

長谷川穂積のフェルナンド・モンティエル戦がトラウマ的にのしかかっていた私にとっては、悪霊を振り払ってくれた圧勝劇でした。個人的な思いが強いです。

具志堅は「誰に勝ったか?」の物差しで〝落選〟で、同じく誰にも勝ってない井上は〝当選〟っておかしくないか?というかもしれませんが、こんなの独断と偏見です。

あのグラズゴーの大勝負。長谷川vsモンティエルに似た、気味が悪い符号がいくつもありましたが、全部気のせいでした。まさしく、悪霊を幻滅してくれました。
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