カテゴリ: 恥さらしの人生でした。

自らを「偉大」とか「世界の中心」と誇示するのは何も人間だけではありません。それを名乗りたがる国家もあります。

Great Britain(大英帝国)と中華人民共和国はその典型です。

彼らの目線では日本は「Far East(東の果て)」であり「島嶼(島の寄せ集め)」でしかありません。

さて、そのGreat Britain。近代の欧米諸国の価値観を形成したコアであり、ボクシング発祥の国です。

18世紀にこの国で生まれたPrize Fighter(職業ボクサー)が戦うPrize Fightは、最古のプロスポーツとして発展してきました。

王侯貴族がスポンサーになるビッグファイトには高額の賞金がかけられ、国土を持たないユダヤ人など迷える人種にとってPrize Fightは拳一つで貧困と差別を打ち砕くことができる夢の切符でした。

ロンドンのイーストエンド、ユダヤ人ゲットーで生まれたダニエル・メンドーサは18世紀を代表するPrize Fighterです。

そして、1867年には英国クイーンズベリー侯爵ジョン・ショルト・ダグラスが保証人になったクイーンズベリー・ルールが制定され「リングは正方形」「3分1ラウンド」「ラウンドインタバル1分」「グローブ着用」の、現代ボクシングにつながるレギュレーションが整備されます。

米国ではオリジナル8と呼ばれることの多い〝最初の8階級〟も英国で形成されたもので「8Classic(正統8階級)」と表現されています。

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近代ボクシングを描いたのは間違いなく大英帝国でしたが、この国に代わって世界のリーダーとなった米国は、この国の習慣を自らの王道として取り入れました。

さて、英国のオールタイムPFP。これは最も難しい国別PFPでしょう。

イングランド限定ではありません。スコットランドはもちろん、北アイルランドやウェールズもひっくるめてのUKで考えます。


⑩ナジーム・ハメド…ファン・マヌエル・マルケスらメキシコの強豪からあからさまに逃亡したのはマイナス、マルコ・アントニオ・バレラ戦に向かうチキンな言動と試合内容にも幻滅したファンにとっては反論も多いでしょうが、米国で軽量級の夢を見せた功績は大。


⑨ロイド・ハニーガン…BoxRecでは17位、それでも高評価に思えるかもしれませんが、あのときのドナルド・カリーに圧勝したのは鮮烈でした。


⑧タイソン・フューリー…賛否両論でしょうが、ウラジミル・クリチコを判定で封じ込めた勝利を評価。


⑦リッキー・ハットン…凡庸すぎるビチェスラフ・センチェンコと戦った引退試合は余計でしたが、あれがなければ「メイウェザーとパッキャオにしか負けなかった男」。


⑥カール・フランプトン…フェザー級でFighter Of The Yearを獲得した軽量級の星。


⑤カール・フロッチ…とにかく試合が面白かった。


レン・ハービン12歳でプロデビュー、34歳で引退。優れたボクサーが12歳でデビュー、これが何を意味するのか?

マニー・パッキャオが鬼神の複数階級制覇を見せていたとき、欧米メディアが「パッキャオより上」と持ち出したのがハービンでした。

フライ級からライトヘビー級までの7階級(パッキャオの17階級時代なら15階級)で世界トップ戦線でリングに上がったハービンが、4団体17階級時代の現代なら15階級制覇していた可能性は非常に高く、パッキャオの8階級制覇を軽く上回る、という理屈です。

まあ、その通りでしょう。現代では12歳のプロデビューは許されないなどの制限はありますが。

日本でもお馴染みの〝無冠の帝王〟ジョー・メデルも現代に生きていたら、間違いなく世界王者になって4〜5階級制覇くらいサラッとしていたでしょう。

ただ、パッキャオの凄みは「ビッグネーム狩り」をやってのけたこと。


③ジョー・カルザゲ…説明不要の最強イングリッシュマンですが、ここでは3位。


②ランドルフ・ターピン…全盛期のシュガー・レイ・ロビンソンから挙げた金星は大きいにも程があります。


①レノックス・ルイス…個人的にも大きなインパクトを受けたヘビー級。



常識的にはターピンが1位なのか?難しい。

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MEN WITHOUT WOMEN は、マチスモ(強靭な肉体と精神を持つ男が最も尊敬される世界)の世界です。その哲学を凝縮させたスタイルが、メキシカン・スタイルです。

打たれたら打ち返す。打撃戦は望むところ。

もし打ち合いに応じないのなら…たとえ彼らのスーパーアイドル、カネロ・アルバレスでも容赦のないブーイングが浴びせららてしまいます。

カネロとゲンナジー・ゴロフキンとの初戦は全くおかしな判定でしたが、メキシコのファンが怒り狂ったのは、そこではありません。

打撃戦を挑んできたGGGから引いて戦ったからです。そのくせ不可解極まるドロー判定に対して「勝ってたのは私」と不満を示したのですから、メキシコのファンからすると「打撃戦から逃げた時点でお前の負けなんじゃ!ボケ!」となるわけです。

フリオ・セサール・チャベスが神の如く尊敬されているのは、誰が相手でも常にメキシカン・スタイルを貫き通したからです。

また、マルコ・アントニオ・バレラとエリック・モラレスが、軽量級にもかかわらず絶大な人気を誇った理由も〝そこ〟です。

パッキャオと分の良い勝負を演じたファン・マヌエル・マルケスが、バレラとモラレスに人気の面で遅れをとったのも〝そこ〟が足りなかったから。

彼らが見たいのはボクシングではなく、ファイト、問答無用の殴り合いなのです。

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ファイターがズラリと並ぶメキシコの7人のサムライ(古いデータですまぬ)。

メキシカン・スタイルを突きつけられる宿命を背負った彼らの系譜で、ディフェンスも巧みにブレンドしているカネロはスペシャルなメキシカン・スタイルを完成させたと言えるでしょう。

さて、メキシコの歴代最強PFPです。

上記の7人は当確でしょうかね。

扱いに困るのがオスカー・デラホーヤのような米国代表でバルセロナ五輪に出場しながらも、メキシコをアピールし続けたファイターです。

幸い、現時点でオールタイムPFPの俎上に上がるのはデラホーヤくらい。

アマ、プロ、プロモーターと三つの舞台で頂点に立ったゴールデンボーイは10位に。


⑩オスカー・デラホーヤ

⑨カネロ・アルバレス

⑧カルロス・サラテ

⑦ルーベン・オリバレス

⑥ビセンテ・サルディバル

⑤マルコ・アントニオ・バレラ

④エリック・モラレス

③ファン・マヌエル・マルケス

②サルバドル・サンチェス

①フリオ・セサール・チャベス


リカルド・ロペスを入れたかったのですが、メキシカン・スタイルの話の流れでは圏外か。

しかし、このランキング、10年後にもやると〝米国生まれ・米国育ちのメキシカン〟だらけになりそうです。

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「おフランス」とは言っても「おフィリピン」とは絶対に言わない。

パリもマニラも泥棒だらけで治安も悪いが、そのイメージには雲泥の差がある。  

特殊詐欺グループはマニラを根城にしても、パリには近づかない…

フランス展は開催しても、フィリピン展は開催しない。

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有楽町・銀座界隈にはフランスの高級ブランドや、フランス由来のレストランなどがたくさんあるが、フィリピンのブランドやレストランは見当たらない。

竹ノ塚あたりに繰り出せばフィリピンパブなんていくらでも軒を連ねているのだろうが、銀座にはない。

「おフランス」には行ったことがないが、久しぶりに「おフィリピン」に飛んで闘鶏でも楽しもうかな。


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野茂英雄によってメジャーリーグが身近になったとき、日本の野球ファンはいくつもの驚きを楽しむことができました。

とメジャーを頂点にルーキーリーグから1A、2A、3Aと重層のピラミッドが構成されているのは知っていても、それが具体的にはどういうことなのかは、よくわかっていませんでした。

日本人にとって最も馴染み深い人気のあるメジャーリーガー、マイク・ピアッツァがドラフト62巡目、1389番目の指名だったことを知り、私たちはピアッツァの恐るべき下剋上と、才能を取りこぼさない仕組みに感嘆しました。

毎年、1500人前後の新人選手がプロの門をくぐり(現在はその半数程度)、同じ数の選手がクビになる、スケールの大きな選抜と淘汰、超競争社会を垣間見たのでした。

日本や東アジアの少数精鋭の才能を育てるエリート主義とは正反対の、谷底から這い上がる細い獣道はあっても、常にまた突き落とされる可能性が渦巻く苛烈な競争システム。

どちらがタフなリーグを成形し、強靭なアスリートを育むのかは明らかです。

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日本、米国、英国、メキシコフィリピン…ボクシング五大国のオールタイムPFPを独断と偏見で作ってみました。

この五大国はいずれも米国との結びつき、影響が強烈な国々です。

もちろん、米国は「結びつき」や「影響」という表現が適切ではない、本家本元〝張本人〟。

最初は、この米国からです。


⑩フロイド・メイウェザーJr.

⑨イベンダー・ホリフィールド

⑧ロッキー・マルシアノ

⑦マービン・ハグラー

⑥ヘンリー・アームストロング

⑤シュガー・レイ・レナード

④シュガー・レイ・ロビンソン

③ジャック・デンプシー

②ジョー・ルイス

①モハメド・アリ


いやぁ、さすがにアメリカは明日やり直したら相当入れ替わりそうです。

社会的インパクトまで考慮すると、ボクシングが低迷のトンネルに入り込んだ80年代以降の選手は圏外。

一般的にはほとんど無名のメイウェザーなどは100位にも入らないかもしれませんが、それでランキングしてしまうとヘビー級祭りなメンツになってしまうので、その時代の専門家評価、傑出度を重視した実力優先の序列です。

世界ヘビー級チャンピオンが、世界一有名で価値のあるアスリートだった70年代までの絢爛と、80年代から地下トンネルをどんどん深く潜ってしまった現代までの〝暴落の40年〟。

すでに「米国のNo.1スターは世界のNo.1」という方程式は完全に崩壊してしまいました。

現役選手のリングがどんどん色褪せていく中で、メイウェザーやマイク・タイソンらが醜いエキシビションを繰り返すのは自然の摂理なのかもしれません。
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観戦スポーツがいくらでも存在する現代では想像しにくいことですが、1950年代までの米国はボクシングと競馬、野球が人気スポーツでした。

麗しきロッキー・マルシアノの時代です。

日本でも1970年代まではボクシングと競馬、野球が人気で、大相撲もここに加わりました。「巨人、大鵬、卵焼き」の時代でした。

今なお、世界評価(日本では完全に忘却されていますが)とテレビ視聴率で別次元の異彩を放っているファイティング原田の時代です。

1960年代まで「6回戦になれば普通に食っていける」という時代だったと聞くと、誰もが驚くでしょう。

現在のファイトマネー相場は4回戦が6万円、6回戦以上で10万円ですから、毎月リングに上がってもボクシングだけでは食っていけません。

この金額…原田の頃からほぼ横這いなのです。

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労働者階級、男性の娯楽であったスポーツは国が豊かになり、社会の多様化が進中で女性や子供たちも楽しむようになりました。

本物の流血に、凄惨なシーンが当たり前のボクシングは〝男だけの世界〟に置き去りにされてしまいます。

さらに、1980年代までは「世界」を日常的に謳える唯一のスポーツだったボクシングの砦が、野茂英雄や中田英寿らの登場によって崩されてしまいます。

そんな時代の流れだけでなく、団体の分裂に階級の増殖で世界王者の権威は地に落ち、ボクシングは内部からも瓦解してしまうのです。

認定団体のランキングほどデタラメなものは、他のスポーツではまずお目にかかれません。無茶苦茶にも程があります。

それなのに「指名挑戦者は強敵」「世界ランカーは強い」といまだに盲信しているファンが、特に日本に多いのは驚きです。

そんなファンに限って「亀田」や「天心」のランキングを糾弾しますが、彼らはまだ可愛いもの、十分すぎる許容範囲です。



誤解を恐れずに書くなら、国は貧しいままで社会の多様化も遅れ、世界タイトルのバーゲンセールを理解できない民度のメキシコ(この国の場合はマティスモの文化の影響も大きいのですが)やフィリピンではボクシングは今なお一定のステイタスを保っています。

20世紀初頭に米国にボクシングの覇権(つまりヘビー級タイトル)を奪われた英国でしたが、21世紀になると米国の凋落もあって〝政権奪還〟を果たします。

そして、その米国はボクシングのマイナー化が底なし沼的に進み、日本でも「世界王者はプロ野球のタイトルホルダーよりも上」なんて時代は夢の彼方に飛び去り、無名の世界王者が当たり前になってしまいました。


さて、日本、米国、英国、メキシコ、フィリピン。三者三様のボクシング市場を抱える〝五大国〟の競技人口(BoxRec)を眺めてみましょう。

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黄色のハッチングがそれぞれの国で最も競技人口が多い階級です。…すまぬ、メキシコはライト級が最多。

青は一人も選手が存在しない階級。

日本で選手のいない階級はクルーザー級だけですが、スーパーミドル級以上の4階級は10人以下で、どんなに無理をしてもランキングが組めない状況です。

米国と英国は日本と反対に、軽量級は砂漠状態。

人気階級では当たり前に存在する米国の州チャンピオンが軽量級ではまず聞かれないのは、当然です。

1980年代まで日本と同じ軽量級の比重が高かったメキシコ(系)ですが、フリオ・セサール・チャベス、オスカー・デラホーヤ、カネロ・アルバレス、アンディ・ルイスと大型化が顕著です。

それにしてもメキシコ、いいバランスです。

栄養状況の劇的な改善から平均的な体格は大きく成長している日本人ですが、ボクシングでは小型化の症状にもがき続けている原因は、この産業界に蔓延する欺瞞体質です。

日本最重量級の世界王者は、ジュニアフェザー級の井上尚弥…ボクシングだけが貧弱化しているのはファンとしては悲しい現実です。



さて。まだまだまだ、続きます。


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1980年代初め、私が米国のボクシングに惹き込まれた強烈な磁力の発散元は、高校図書館に届くスポーツ・イラストレイテッド誌やリング誌などの魅惑的な記事でした。

そして、ヘミングウェイの小説や、沢木耕太郎のノンフィクションから立ち昇る The Undefeated(敗れざる者)の芳しい香りにも、引きこもりの陰キャな私は一人でクラクラと酔い痴れたのでした。

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本文と関係があります。


ラスベガスやニューヨークで開催される華やかなメガファイトは、具志堅用高や渡辺二郎らが放っていたものとは全く異なる光を放っていました。

そして、その煌びやかな光に包まれるのはアメリカのボクシングの中でも一部の人気階級の限られたスターだけ、というカラクリもすぐにわかりました。

スポイラやリング誌で大きく報じられるのはヘビー級やミドル級、ウェルター級のスターたちの戦いであり、大きなイベントで軽量級の試合がメインを張ることはありえなかったのですから、ほんの少しでも海外の事情を知れば、誰にでもわかる話でした。


この10年ほどで、インターネットの普及により、ローマン・ゴンサレスや井上尚弥ら軽量級の強豪王者が専門家やマニアから高い評価を得る時代になりましたが、軽量級は今なおカジュアルなボクシングファンが興味を持つ対象ではありません。

それどころか、団体と階級が膨れ上がったことで王者のステイタスは暴落、ボクシングがマイナースポーツの底なし沼に沈み続けている現状で、そのデメリットを痛々しいまでに被っているのは軽量級でしょう。

はるかな昔、オリジナル8の時代はここまで蔑ろにされていなかったことは、当時のスポイラやリング誌がはっきりと伝えてくれています。

ちなみにファイティング原田の異名〝Frantic Windmill〟(狂った風車)は、スポイラが原田を特集した記事の中で命名されたものです。

当時と今ではボクシングのステイタスが全く違いますから単純比較は可哀想ですが、井上尚弥や井岡一翔らは一般スポーツ誌であるスポイラで特集されたことは一度もありません。

時代は移ろい、スポイラの権威もESPNに取って代わられていますが、スポイラのSportsman of the Yearに匹敵する〝ESPY 賞〟は井上らはもちろん、人気階級のスターボクサーですら一度も受賞できないまま。

世界ヘビー級チャンピオンが当たり前にSportsman of the Yearに選ばれていた時代は、とうの昔に終わってしまいました。

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本文とは関係ありません。


このシリーズでは日本とアメリカ、イギリス、メキシコ、フィリピン…迷走を続けるボクシング界で、特に〝五大国〟の現状から拳闘世界地図を編集してゆきます。
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例えば。

「冷やし中華専門店」は存在が許されるのだろうか?

あるいは、一つのメニューとして「冷やし中華」は通年メニューとして許されるのだろうか?


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夏場がシーズンのアイスが「雪見だいふく」という季節のクロスカウンターを放ち、「ハーゲンダッツ」によって通年化したように、冷やし中華も革命を起こせるのだろうか?


この考察には、もちろん「地球温暖化」など大きなテーマも包含して考えられるべきで、決して軽いテーマではない。

「冷やし中華はじめました」と告知して、いつの間にか終わってる、そんなニッチな食べ物にすぎない冷やし中華は、鏡餅と同じ一瞬の刹那を生きるセミのような存在のままで良いのか?

考えてみれば、一瞬の刹那とはいえ鏡餅は1年の始まりを告げるという大きな責任と役割を担っている。

そればかりか、鏡餅は冷やし中華のようにいつの間にかフェイドアウトしている蜃気楼のような存在ではなく、鏡開きというグランドフィナーレまで用意されている。

冷やし中華と、鏡餅を同じ季節の食べ物でくくって比較しようものなら、あちこちから「格が違うんじゃ!一緒にするな!」「冷やし中華がなくなっても誰も困らないが、鏡餅は日本人の精神的支柱」なんじゃ!」と怒号が巻き起こるだろう。

確かに、冷やし中華には格がない気がしてきた。…いや、冷やし中華ごときに格などあり得ない。ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない。

天皇家には間違いなく鏡餅は飾られるだろうが、あの人たちはもしかいたら冷やし中華を食べたことがないかもしれない。それどころか、冷やし中華の存在すら知らない可能性まである!

そして、日本人の精神的支柱の鏡餅に対して、冷やし中華はその名称に「中華」を内包してしまっている。右翼から「中国におもねる売国奴の食い物」と罵倒されるかもしれない。

それなのに、おそらく中国大陸のどこを探しても冷やし中華はない。だとしたら「冷やし中華は売国奴」という罵詈雑言は、なんという冤罪的な誹謗中傷なのだろうか?

こんな冤罪が許されるわけがない!

さらに、冷やし中華がなくなっても誰も困らない、という根本的な真実からも目を背けることができない。

「那須川天心vsアンジェロ・レオ」のようなビッグ・イフで、来年から政府が秘密裏に「冷やし中華廃止令」を施行したとして、何人の日本人がそれに気づくだろうか?

「あれ?今年、冷やし中華って見ないね?」なんて会話が秋口になってようやく語られる…そんな寒気のする未来が待ち構えているのではないか?



俺が、俺の人生が冷やし中華にオーバーラップして悲しくなってきた。

絶対、負けないからな!今に見てろよ!絶対、天下取ったるからな!専門店も出すぞ!



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夏の甲子園。

都道府県予選の火蓋が切られました。

皆様の母校は、勝ち進んでいるでしょうか?

まだ、ステージが浅いこともあって、私の母校も、近所で仲良くしてる高校生たちも一回戦を突破!



それにしても、甲子園!

こんなに美しくて、切ない日本語が他にあるでしょうか?

さらに、これが、「夏の甲子園都道府県予選」ともなると、パブロフの犬のように、灼熱までともなって先走る、熱い感動と震える興奮に、はあはあしてしまうのだ。

さっきまで飲んでたアホな友だちは、そんな感動の夏の甲子園都道府県予選の話で盛り上がってる最中に「パブロフの犬」を「モロゾフの犬」と間違えて、話の腰を打ち砕きやがった。

モロゾフの犬…甘ったるすぎて、感動の涙とは無縁すぎるわ!




気を取り直して。

がんばれ!高校生!

負けて、思いっきり泣け!

大人になると、負けても泣けない、そんな情けない体質になるからな。

高校生よ!負けて、思いっきり泣け!



話は戻って「モロゾフの犬」。

「パブロフとモロゾフでは全く違う話じゃ!このボケが!洋菓子と一緒にするな!」と、間違えた元球児を罵る俺に、一緒に飲んでた横浜元町のお嬢様、といっても年齢的にはオババ様が「パブロフは私たちの中では洋菓子屋なのよ」と笑いながら、宣うのでした。



むむむむむ…甲子園の対義語は横浜本町であったか。
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私にとって、東京とは東京駅のことだった。

渋谷や原宿、新宿、池袋でないことはもちろん、羽田空港でもなかった。

そういえば、高校を卒業して18歳の年まで飛行機に乗ったことがなかった。

東京とは、新大阪からひかりやのぞみで鉄路向かう大都市で、それはイコール東京駅だった。

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そんな東京駅なのに、ここで酒を飲んだりすることはほとんどない。

丸の内勤務の友だちと飲むことはあっても、大概は「有楽町や銀座で」という流れになる。

人を迎えに行くことはよくあるけど、その頻度と東京駅周辺で酒を飲む頻度の差はとんでもない。

東京駅はあくまで大きなターミナル駅、一つの機能でしかない。


そんなわけだけど、久しぶりに東京で飲んだ。

俺が上京した頃とは、駅の充実度は比較にならない。


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よく乗る丸の内線で、滅多に降りない東京駅で酒を飲む。

そういえば、丸の内線はその名の通りの丸窓や、吊り革の持ち手のフォルムが特徴的。

これを見て、涙💧を連想する?

それとも、汗💦のイメージ?



35年も前に上京した頃の吊り革の持ち手は、こんなんじゃなかったはず。
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今から30年前、1994年のボクシング・マガジン6月号です。

日本以外は米国くらいしか知りませんが、いろんなスポーツの専門雑誌を見てきましたが、日本の雑誌は綺麗でしっかりしています。

専門家の山田さんが「海外の雑誌は〝チラシ品質〟」と喝破していましたが、どっちが良いかといえば「チラシじゃない方」に決まっています。

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川島郭志がホセ・ルイス・ブエノに完勝、WBCジュニアバンタム級王座獲得のワンショットが表紙。

WBCバンタム級王者・薬師寺保栄は、ホセフィノ・スアレスを10ラウンドで沈めて初防衛に成功。

「世界」では、5月7日開催のラスベガスはMGMグランドガーデンアリーナで The REVENGEと銘打たれたメガイベントをレポート。 

この興行では…

「WBCストロー級(©️️リカルド・ロペスvsケルミン・グアルディア)」

「WBCジュニアミドル級(©️️サイモン・ブラウンvsテリー・ノリス)」

「WBCジュニアライト級(©️️アズマー・ネルソンvsジェシー・ジェームス・レイハ)」

「WBCミドル級(©️️ジェラルド・マクラレンvsジュリアン・ジャクソン」

「WBCジュニアウエルター級(©️️フリオ・セサール・チャベスvsフランキー・ランドール)

…5大タイトルマッチがセットされました。

あらためて見ても、とんでもないマッチアップです。

タダ券を送付されてやって来たアホなカジノ客はセミファイナルの途中くらいからノコノコ席にやって来るのですが、そんな財布は膨れてても頭の中は空っぽな、フィニートの素晴らしさが全くわからないような輩はボクシングなんて見るな!です。

なんて言っても、悲しいかな、金持ちが消費するのがボクシング、とどのつまりはスポーツウォッシングのために本当は興味もない、採算も度外視で欧米スポーツを承知しているサウジと同じです。

1万6000人セットアップの観客席が、ロペスの試合ではガラガラ…日本のボクヲタから見ると不条理極まる、狂気の沙汰です。


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この頃、結婚したてでまだ子供も生まれてなかった私にとっては、最後の「後楽園ホール通い」の日々でした。

世界ランカーの八尋史朗と、日本ジュニアフライ級王者・細野雄一のノンタイトルの大勝負、顔見知りのダフ屋からチケット買って(違法行為ですよ…)観戦したのは良い思い出です。

あの頃、年に10試合見てるか見てないかなボクヲタでした。仕事の予定がわからないから前売り券を買えることが少なくて、当日券で後楽園ホールのエレベータに飛び乗ることが多かったです。

そして、仕事終わりに駆けつけるのは、当日券がある試合なんですが…ダフ屋が魅力的な価格で迫って来ることがあるのです。

ペーペーの社会人ですから、買うのは当時で3000円くらいの席。ところが、売れない興行だとダフオヤジが「リングサイド4000円(正規は1万円)」とか誘惑して来るのです。

ああ「20世紀の後楽園ホール前 ダフ屋のお話」を立ち上げるのも、面白いかもです。

ダフ屋といえば水道橋、水道橋といえばダフ屋…でしたが、今は綺麗なエンタメタウンになりましたなぁ。


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