カテゴリ: サッカーW杯

こういう〝おことわり〟はなるべくしたくはないのですが、個人的にはバロンドールよりもシュガー・レイ・ロビンソン杯の方が100倍興味があります。

しかし「PFP1位はバロンドールと同じくらいの価値がある」なんていう戯言を聞くと、本当にバカじゃないのか?と思ってしまいます。

こちとら「バロンドール?シュガー・レイ・ロビンソン杯よりちょっと下くらいの価値は認めてあげてええかな?」って、見立てですわ。

まあ、これほどどうでも良い議論は他になく、PFP同様に「それで?」という話です。だから、酔っ払いにとっては最高のツマミになるのです。

というわけで、最高のツマミと酒を提供する【暴論サロン】にようこそ。


世界的にボクシングが競技人口も人気も低いマイナースポーツであることは誰もが理解していますが、メキシコとフィリピンではメジャースポーツです。

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カネロ・アルバレスやマニー・パッキャオは、大統領もよく口にする「スーパースター」という表現では言い尽くせない国家的存在です(パッキャオの場合は大統領選挙を争った〝仲〟ですから当然ですが)。



さて、このブログでも「正確に測るのは無理」と匙を曲げて投げてるユリ・ゲラーな〝スポーツ世界人気ランキング〟。

まず、サッカーの1位は絶対確定ですが、統計の取り方によってはバレーボールやバスケットボール、卓球、クリケットがサッカーを上回るランキングもあります。

「バレーボールが世界競技人口1位」というのはさておき、北米とヨーロッパでメジャーなバスケットボール、中国というとんでもない大国が主導する卓球と、ついに人口で中国を抜いたクリケットが競技人口が多い、というのは理解できます。

クリケットについては、全く馴染みのない日本から見ると奇異に感じほど、英連邦圏や米国でも観戦スポーツとして高い人気を誇っています。

クリケットと同じようにラグビーも、英国(イングランド/スコットランド/ウェールズ)、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチンといった強豪国では完全メジャースポーツ。日本でも、W杯への関心は以前とは比較にならないほど高まっており、リーグ戦の人気も小さくありません。

「ラグビーは世界的にマイナー」という意見も寄せていただきましたが、ラグビーがマイナーであるわけがありません。ましてや、ボクシングよりもマイナーなんて。

クリケットやラグビーのW杯が米国でどれほどのボリュームで報道されているかを目の当たりにすると、多くの日本人はビックリするはずです。野球のWBCとは次元が違う注目度です(野球WBCがダルビッシュ有が吐き捨てたように「MLB選手ですら興味がない(だからこそ頑張らないといけない)」。というレベルなんですが)。

やはり、競技人口と人気で世界ランキングの上位に入ってくるテニスとゴルフ、競技人口は極端に少ないものの注目度は高いカーレースは、富裕国で趣味として浸透していたり、巨大企業が威信を賭けて参戦していることが背景になるので、サッカーや野球などとは同列に語りにくい側面があります。

その野球はメジャーである国は少ないものの、日本や韓国、台湾では国技クラスの人気を集め、米国でも4大スポーツのハシクレ、競技人口でもトップ10に数えられるランキングが珍しくありません。

米国MLBを目指す〝ハングリー〟リーグが存在するドミニカやベネズエラ、プエルトリコ、メキシコなどでも野球はメジャー競技、キューバでは国技です。

メジャーかどうかは国によって違います。

昨日、日本の北口榛花がシーズンベストでダイアモンドリーグで優勝したニュースは日本でも報道されはしましたが、陸上競技がメジャーで北口が拠点とするチェコでの報道の方が大きいということもあります。

さて、ボクシングに目を移すと残念ながら競技人口の面では上位のスポーツとは全くケタが違います。

英国圏や日本でも学生スポーツとしてもメジャーなラグビーの競技人口は2000万人。5万人もいないボクシングは比較対象ではありません。

人気面でもラグビーとボクシングでは天地の差。ラグビーも剥き出しの頭部をさらす、脳震盪リスクが高い〝格闘技〟なんですが。

もちろん、ボクシングが東南アジアやアフリカ、南米の貧困国、つまりスポーツに目を向ける余裕のない国で一定の人気があり、ラグビーが先進国の大学スポーツとしても定着しているという真逆の事情が、世界的人気の印象に大きなバイアスをかけているのは否めません。

とはいえ、競技人口だけでなく、ボクシングとラグビーが世界的にどちらが人気があるか?という〝勝負論〟は成立しません。

やはり、一見すると真逆に見えるカーレースの方がボクシングに近似しているかもしれません。どちらも「面白そうだからやってみようかな」と、親にボールを買ってもらって気軽に始めることのできるスポーツではありません。

「ストリート(ファイト)との違いはグローブをはめることくらい。簡単に始めることのできるスポーツはボクシングしかなかったんだ」(マニー・パッキャオ)なんて人は特別です。

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話が脇道に逸れました。

サムライブルーです。

それにしても、過去最高がベスト16どまり、死のグループに入らなくとも一次リーグで敗退しても大きな驚きはない、そんな弱小チームが選手だけでなく監督、協会までもが優勝を口にして決戦の舞台に挑もうとしています。

優勝?

最新のFIFAランキングでも15位。同じアルファベット団体でも、WBAやらWBCのデタラメランキングとは違う、ちゃんとしたランキングです。いや、これでもかなり日本贔屓か。

今回も「よくてベスト16」どまりです。ベスト8なら大健闘です。

それが優勝?

絶対に無理です。

優勝?

ベスト16で泣かされてきた国が、この特別なスポーツの最高舞台で頂点に立つなんて、よくも言えたもんです。笑わせてくれるじゃありませんか。

大谷翔平は「絶対に無理」と決めつけられたことをやってのけましたが、あれは所詮は1人でやった奇跡。しかも、当事者が、あの大谷翔平です。

フシ穴の私でも、彼がMLBで大成功するのはわかってました。

W杯優勝なんて、11人が、いや登録選手26人(前回と同様なら・まだ未発表)全員が同時に奇跡を演出しなければ、不可能です。そこには〝大谷翔平〟はたったの1人もいません。

それどころか、監督、コーチ、チームを支えるスタッフ全員が奇跡を起こしても、サポーターが魂込めて応援しても、ベスト8が限界かもしれません。

絶対に無理です。

日本代表がサッカーW杯で優勝?

10年足らずで弱小チームから急成長、ベスト8まで登ったブレイブ・ブロッサムズがライバル国が限定されるラグビーW杯優勝を目指すのはよく分かりますが、J発足から30年以上も経ったというのにベスト16が壁のサムライブルーが優勝なんて…。

ボクシングみたいに階級制ならジュニアフェザー級のサッカーW杯で優勝とか十分可能ですが、そうではありません。





それでも、サムライブルーはズタズタになりながら、ボロボロになりながら、あのヘンテコリンなトロフィーを、必ず日本に持ち帰って来ます。

必ず。


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公正取引委員会は昨日、日本野球機構(NPB)に対して、日本シリーズの生中継が行われた時間帯に大リーグの放送を行ったフジテレビの取材パスを没収したことなどが独占禁止法違反のおそれがあるとして「再発防止を求める警告」を出しました。

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NPBの中村勝彦事務局長が同日に取材に応じ「取材および編成権の制約と、独禁法上の問題を同じ次元で議論するべきではない」との見解を述べましたが、今後は類似の事態が起きた場合には取材証を没収しないと、事実上の敗北宣言。


このブログでもすでに書いていますが、取材者と取材対象者には、明らかな力関係が存在します。

NPBに不都合な事実を記事にするなら取材させない、という行為が全て独占禁止法にあたるかどうかはさておき、NPB側には今回のフジのMLBダイジェスト放送に不都合があると感じたのは間違いありません。

「せめて時間をズラせばよいものを、ケンカを売ってるのか?あんなテレビ局に取材パスを発行するな!」。

そんな思考で取材パス没収となったことは、誰にでもわかります。


人気やステイタスが小さいマイナースポーツになると、こうした側面は看過されやすく、先月の「井上尚弥のなんちやってT-モバイル・アリーナ」を、アンダーカードを記事にしてもメインにほほぼ触れなかったナンバー誌にも同様の圧力があったと疑われています。

このブログでも紹介してきましたがTモバはMGMグループではNo.1のラスベガスを代表するアリーナの一つ。

カネロ・アルバレスの〝ホーム〟と呼ばれ、世界中のボクシングファンが関心を寄せる試合はPPVで提供されてきました。

ここで日本人がボクシングの興行で初めてメインを張るというのですから、T-モバイル・アリーナもクローズアップしたくなるのはメディアとして当然です。

しかし、残念ながら帝拳と大橋ジムが八方手を尽くした欺瞞のイベントは、Tモバ史上でも最悪の事故レベルの販売不振で、必死のチケットばら撒き工作も虚しく広い客席は半分も埋まりませんでした。

そもそも、最初からPPVに乗っていないのですから、売れるはずがないのです。

当初から赤字は覚悟の上階席の封鎖はなんとか食い止めたいと取り繕った努力も焼け石に水。

当事者がこの事故を語りたくないのは、よくわかります。

しかし「どうしたらTモバでPPVにも乗る本物のイベントが打てるか?あるいはTモバの遥か先にあるザ・スフィアで世界初のボクシングイベントを開催するには何が足りないのか?」という建設的な意見を発展させたいと思っても、当事者が「そこは触れるな」と臭いものにフタをしてしまうと、長谷川穂積や西岡利晃から続く帝拳のウソはこれからも繰り返されるだけでしょう。

そして。またバカ信者が騙される繰り返しです。
誰もがレベルが高い、世界中から注目されていると思われたいのはわかりますが、ウソはダメです。

関係者や信者的なファンが「これはとんでもないこと。サッカーのバロンドールに匹敵する」なんて言葉を聞くのは、何もボクシングだけに限った話でさありません。

しかし、バロンドールに選ばれても「これはとんでもないこと。ボクシングのシュガー・レイ・ロビンソン杯に匹敵する」なんて、誰も口にしません。

シュガー・レイ・ロビンソン杯なんて誰も知りません、PFPを先に知るという本末転倒な井上信者もやっと知ったところです。

さて、そのサッカー。

男子では誰一人バロンドールに輝いたことはありません。

日本代表を振り返っても、Wカップの最高到達地点はベスト16。

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ずっとあとから強化に乗り出したラグビー日本代表すでにベスト8まで登っているというのに。

ボクシングでは、ファンでもすぐに答えられないほど世界王者を抱えているというのに。

それなのに、サッカー男子ときたら、いまだにベスト16どまりなんて情けない…そう思う人はまずいません。

このスポーツで最も特徴的なことは、メディア・ファンと、選手側との関係です。

メディアは常に批判の精神を忘れず、非常に厳しい意見を突き刺すことは珍しくありません。

そして、重要な試合が地上波から外されそうになると、スポーツを超えて一般メディアまでが「国民的関心事なんだぞ!」とユニバーサル・アクセス権まで話を発展させるのです。

来年に開幕が迫った、米・加・墨、3カ国共催のサッカーWカップ。

ロスから全米に飛び火している大騒動を見ると「そもそも無事に開幕出来るのか?」と心配になりますが、その話はまた別に。

英国〝圏〟を中心にヨーロッパや南米で特別な人気を集めていたサッカーですが、日本や米国では決して特別ではありませんでした。

日本では、Jの発足から完全に潮目が変わり、あっという間にメジャースポーツの仲間入り。

これは、ファンになってちょっと調べただけでホンモノの世界的スポーツだと誰もが確信できることと無縁ではありません。

ボクシングは、そこでウソをついてしまいました。

ジミー・レノンJr.が「世界的に大注目されている長谷川穂積とフェルナンド・モンティエルの試合に自費でリングアナウンサーをやられせてくれ」と申し出たから、米国でも大人気。

西岡利晃はパッキャオやメイウェザー、タイソンが戦ったMGMで世界タイトル防衛戦、ファイトマネーは1億円だから、ラスベガスでも大人気。

井上尚弥はT-モバイル・アリーナでチケット前売り絶好調、練習後はファンがサイン待ちの長蛇の列、だから大人気。

ーーー全て大本営発表です。

サッカーは「W杯はあらゆるスポーツの中でも別格のタイトル」「バロンドールは権威も価値もある」なんて、わさわさ主催者側が喧伝しません。

それにしても、過去最高がベスト16どまり、死のグループに入らなくとも一次リーグで敗退しても大きな驚きはない、そんなサッカー日本代表が選手だけでなく監督、協会までもが優勝を口にして決戦の舞台に挑みます。

優勝?

最新のFIFAランキングは15位。同じアルファベット団体でも、WBAやらWBCのデタラメランキングとは違います、

今回も「よくてベスト16」どまりです。

優勝?

絶対に無理です。

優勝?

ベスト16で泣かされてきた国が、この特別なスポーツの最高舞台で頂点に立つなんて、よくも言えたもんです。

【暴論サロン】では、誤解を恐れず真実を叫んできましたが、大谷翔平の二刀流も霞む、暴論中の暴論を絶叫していきます。






サムライブルーは、あのヘンテコリンなトロフィーを、必ず日本に持ち帰って来ます。

必ず。



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日本女子サッカーのクライマックスは、現在のところ2011年の2011年FIFA女子ワールドカップ優勝です。

なでしこはUSWNT(米国代表)との死闘を制して優勝、澤穂希が得点王と最優秀選手に選ばれた、ドイツで開催の大会です。



あの大会で、米国ではすでに人気スポーツにのし上がっていた女子サッカー、USWNTの最年少選手として大きな注目を浴びていたのがアレックス・モーガンでした。

滅多にお目にかかれない〝スター然〟とした強烈なオーラを纏っていたストライカーでした。

決勝戦でも可愛い顔してるのにエゲつないにも程がある攻撃力で、なでしこを何度も崖っぷちに追い込みました。

とにかく、影響力のある女性でした。

私の友人の娘さんが全米代表のジュニアチームに選抜されるほどサッカーのめり込んだきっかけも、やはりアレックスでした。


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ESPNはスーパースター引退を伝える冒頭で「There is no weight like the expectation of being the next star of the U.S. women's national team.〜USWNTの次期スター候補と期待されるほどの重圧は他に存在しない」と書き始めています。


2009年代表デビューを果たした20歳はすでに、伝説のミア・ハムと比較されるほどの才能を撒き散らせていました。

そして「Just as Hamm came to be known simply as "Mia," Morgan is known to most as "Alex" without any other qualifiers needed.〜ミア・ハムが〝ミア〟と呼ぶだけで彼女を指すように、アレックス・モーガンも〝アレックス〟だけで誰でもわかる存在になったのです」。



特別な美貌を持つアスリートは、いつの時代でもスペシャルです。

サッカーで真っ先に思い浮かぶのは、男子のデービッド・ベッカムでしょう。

ピッチの外でもファッションや言動で芸能面を賑わせた点では、共通していますが、アレックスとベッカムは決定的に違います。

アレックスはセクハラや賃金など、男性優位の社会で虐げられた女子アスリートの代表として、敢然と戦いを挑み勝利を勝ち取る、ピッチの外でもストライカー…というかファイターでした。

この意味で、アレックスはベッカムよりも、モハメド・アリに近いグレートでした。



There is no weight like the expectation of being the next star of the U.S. women's national team.〜USWNTの次期スター候補と期待されるほどの重圧は他に存在しない。

この世界一重いスーパースターのトーチをアレックスから受け取るのは、誰になるのでしょうか?




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岡崎慎司(ベルギー1部リーグ・シントトロイデン)が引退を発表しました。

日本代表としての通算50ゴールは釜本邦茂(75)、三浦知良(55)に続く歴代3位。

2005年に清水エスパルスでプロデビュー。

その後、ドイツ(シュツットガルト〜マインツ)、英国(レスター・シティ)、スペイン(マラガ〜ウエスカ〜カルタヘナ)、そしてベルギーとヨーロッパをサーカス。

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その大活躍のクライマックスを一つだけ選ぶとしたら、レスターを優勝に導いたプレミアリーグ2015年シーズンです。

ボクシングでは「マイク・タイソンvsバスター・ダグラス」が42倍をひっくり返す大番狂せと大騒ぎになりましたが、あのシーズンのレスターはそんなどころではありません。

ラグビーW杯で日本代表が南アを撃破したとき「スポーツ史上最大の大番狂せ」と、多くのニュースで報じられましたが、オッズはわずか34倍に過ぎませんでした。

岡崎慎司のレスター、2015シーズン。ウィリアム・ヒルのオッズはなんと5000倍。

「ネッシー発見=2000倍」や「2017年以前に宇宙人が確認される=1500倍」などの掛け率を遥かに凌駕する〝超常現象〟の扱いでした。

「ネッシーや宇宙人発見なんて、レスター優勝と比べたら驚くに値しない」という、とんでもない見立てだったのです。

W杯南ア大会の一次リーグ、デンマーク戦で決めたゴールも印象的でした。

早速、レスターとサポーターたちも岡崎の引退を労っています。



松井秀喜のニューヨーク・ヤンキースもそうですが、チームをチャンピオンに押し上げてくれた助っ人外国人の印象は強烈です。

ましてや、その後、チームが低迷し続けているとしたら…。


もう一生見ることの出来ない奇跡と、麗しいほどに泥臭いプレーを何度も見せていただき、誠にありがとうございました!


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サッカー・アジア杯の1次リーグで、日本がイラクに完敗を喫してしまいました。

世界ランクは日本が17位で、イラクは63位。

数字上は大番狂せを喰らった格好ですが、「厳しい戦いになる」という予想は戦前からありました。

誰もが「アジア最強」と認め、世界でも大きな存在感を示しているサムライたちですが、メジャースポーツという枠組みさえ超えたサッカーの世界は日進月歩。

初戦のベトナム戦では「これまでアジアのチームは引いて守ってきたのに、自信を持って向かって来る」(浅野拓磨)と、選手もメディアもファンも衝撃を受けました。

1次リーグ最終戦で当たるインドネシアは世界146位ながら、ベトナムに手堅く勝利、勝ち点3を挙げて日本と並び、日本は引き分け以上で決勝トーナメント進出。

しかし、日本が勝ってイラクがベトナムに負けても、直接対決で敗れている日本は最高の結果でも2位通過。負ければ、グループリーグ敗退です。

そして、決勝トーナメント進出で1回戦で当たるのは韓国。3大会ぶりの優勝に暗雲が立ち込めています。

W杯でドイツとスペインを撃破、クロアチアにも肉薄した日本はアジアでは圧倒的な〝チャンピオン〟。対戦相手は研究を尽くし、最高のモチベーションで立ち向かってきます。

「世界ランクなどただの数字に過ぎない」。わずか1年前のW杯で世界を驚かせた同じ地で、今度は驚かされる立場に追い込まれたサムライブルー。

前向きにとらえると「ステージが一つ上がった」ということになりますが、それは少なくともアジアでは「全ての国からターゲットにされる」という高くて分厚い壁にぶち当たっているということです。

この壁を破ったその次のステージが「正真正銘の世界の強豪国」ですが、ここが胸突き八丁。



きっとこの山場を乗り越えて、ベトナム戦とイラク戦が良薬になったと思える快進撃で優勝を勝ち獲ってくれるはずです。

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サッカーW杯には、国別最強を決める大会というだけでなく、富裕国の強豪リーグが有力選手を品定めする〝奴隷市場〟の側面もあります。

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ベスト8で敗退。普段通りに深々とピッチに礼をするなでしこ。顔を上げるまでがいつもより長く感じたのは、流れ落ちる涙を見せたくなかったのでしょう。

サッカー女子W杯、最も注目された1人が、大番狂せで得点王に輝いた宮澤ひなたでした。

宮澤は、所属するマイナビ仙台レディースでは2021〜23シーズンで出場39試合で4得点の凡庸なアタッカーで、W杯前は代表のレギュラーポジションも確保していませんでした。

それが、W杯5試合で5得点。覚醒なんて言葉が軽すぎる、大爆発でした。

どこにそんな火力を秘めていたのでしょう。

欧州の複数のピッグクラブからオファーを集めた宮澤が選んだのは、英国スーパーリーグのマンチェスター・ユナイテッド。

イングランドでは清水梨紗と林穂之香がウェストハム・ユナイテッド、長野風花がリバプールFC、今回のW杯で代表から外される屈辱を味わった岩渕真奈がいます。

そして同じマンチェスターには、シティーの長谷川唯が。

マンチェスター・ダービー、楽しみです。

宮澤ひなたのシンデレラ・ストーリーは、これからどんな展開を見せてくれるのでしょうか?
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日本は5位が確定した第9回女子サッカーW杯。

4強が出揃い、ニュージーランドの山は、なでしこが破壊したスペインと、なでしこが押し切られたスウェーデンが激突。

オーストラリアの山は、米国がKOされて〝優勝候補〟のイングランドと大番狂せを続けてここまで辿り着いた地元オーストラリア。

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英国ウィリアム・ヒルの優勝オッズ、トップドッグはなんとスペインの13/8(2.63倍)。イングランドは2番手の15/8(2.88倍)。

スウェーデンは9/2(5.5倍)で、オーストラリアの4/1(5倍)に抑えられ得て最下位評価。

個人的には大勝したスペインよりも、なでしこの欠点を曝け出させたスウェーデンに勝利して欲しいのですが…。 
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さて、世界最大のスポーツサイト、ESPNです。

◾️For the 450 minutes or so that Japan graced the massive stage that is the FIFA Women's World Cup, few would argue they have not been one of the most exciting sides at the tournament.
Barring an hour or so in Friday's quarterfinal against Sweden, where they were uncharacteristically hesitant, lacklustre and even passive. 


FIFA女子ワールドカップという大舞台を戦った約450分間、日本代表は、この大会で最もエキサイティングなチームの一つと言い切って異論を唱える人はほとんどいないだろう。

金曜日の準々決勝スウェーデン戦では、最初の1時間、彼女たちは珍しく躊躇し、精彩を欠き、消極的でさえあった。◾️


◾️Unfortunately for Nadeshiko, those 60 minutes were ultimately pivotal as it was the period where the Swedes would establish a two-goal lead that proved crucial in a 2-1 victory that saw them advance to the last four -- despite a stirring rally from the Japanese.

なでしこにとって残念なことは、この60分間が最終的に勝負を決する極めて重要な時間となったことだ。スウェーデン代表が2点のリードを築き、2対1で勝利してベスト4進出を決めることは最初の60分間でほぼ決まってしまっていた。 

◾️Even before the tournament kicked off, there were queries over where Japan genuinely ranked among the other title contenders. Any doubts fast evaporated with each dominant win they racked up in the group stage and then the round of 16.

But perhaps they exceeded expectations and finishing as quarterfinalists is roughly where they are at right now. 

トーナメントが始まる前から、日本が他の優勝候補の中で実際に何位に位置するのかという疑問がつきまとっていた。 しかし、グループステージ、そしてラウンド16で圧倒的な勝利を収めるたびに、どんな疑念もすぐに消え去った。

おそらく彼女たちは多くの過小評価を根底からひっくり返した。準々決勝進出者としてのフィニッシュは現時点で正確な順位だろう(世界5−8位)。 ◾️

◾️It is worth noting that Japan's squad at this World Cup has an average age of just 24.9 years. By no means were they a vastly experienced outfit perfectly primed for a charge at the trophy.

From their entire 23-player roster, only captain Saki Kumagai - at 32 - is a major doubt when the next Women's World Cup rolls around in four years' time.

Yui Hasegawa, who almost singlehandedly led Nadeshiko's comeback attempt against the Swedes, should be in her prime come 2027 at the age of 30. The same could be the case for her central midfield partner Fuka Nagano, two years her junior.

Breakout stars Hinata Miyazawa and Jun Endo are both still 23, while Fujino was a fixture in coach Futoshi Ikeda's starting XI at just the age of 19. 

驚くべきは、今回のワールドカップの日本代表チームの平均年齢がわずか24.9歳だったといことだ。 決して、彼らはタイトル獲得に向けて完璧に準備された経験豊富な軍団ではなかったのだ。

23人の全選手リストの中で、4年後の女子ワールドカップで大きな疑問となるのは、32歳のキャプテン熊谷紗希だけ。他の選手は伸び代しかない。 

スウェーデン戦でなでしこの逆襲をほぼ一人で切り開いた長谷川唯は、2027年に30歳で全盛期を迎えている。セントラルミッドフィールドのパートナーである2歳年下の長野風花も間違いなく、そうだろう。

ブレイクスターの宮澤ひなたと、遠藤純はまだ23歳、藤野あおばに至っては若干19歳で池田太の先発構想に定着した。

今回、痛恨の準々決勝敗退をもたらしたとしても、日本人にとっての未来は非常に明るいと見る以外に何が予想できるというのか。◾️


南半球で、若い才能が爆発させた21日間。

来年のパリ五輪、4年後のバンコク大会ではほとんどの選手が全盛期で迎えます。

もちろん、今回のメンバーから入れ替えもあるでしょう。

もし、そのとき長谷川唯が怪我や不調ではないにも関わらず中心選手でなくなっているとしたら、それは決勝戦が終わるまで世界を震撼させ続けるなでしこジャパンが完成しているということです。

それは究極の贅沢ですが、常識的に考えて長谷川のパスに追いつける攻撃陣がきっちり揃っているはずです。
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さて、今日は嗜好を変えて新華社通信(中国)。

日本人が中国や韓国チームを応援するのは極めて稀ですが、相手の見方は違います。

政府間レベルでの確執を一般市民レベルに持ち込むことがどれほど頭が悪くて、愚かなことか、過去や現在、そしておそらく本当に残念ながら未来でも引き起こされている戦争からも明らかです。

高校時代に殴り合うほど仲良くしていた韓国や北朝鮮系の学校に通う同級生たちの何人かは、彼らは出場したくても出場できない夏の甲子園予選の応援に来てくれました。

娘の一人が上海に短期留学、現地で病気になってしまったとき、ホームステイ先のご夫妻がすぐに、どこの大学病院に入院させるかを知らせてくれて、そこの先生の診断結果も本当に丁寧に報告してくれました。

その間も「大切な娘さんをお預かりしたのに申し訳ない」と何度も謝ってくれて、逆に私が恐縮してしまいました。幸い、大したことはなかったのですが、普段病気なんてしないくせに、あんな優しい中国人夫妻を心配させるな!と思ったものです。

彼らにとって、日本は最強のライバルですが、小さな島国なのに先陣切って欧米に挑戦し続けるスポーツ、漫画やアニメで世界中の若者の心を鷲掴みにするカルチャーに日本人の想像を絶するリスペクトを捧げてくれています。



前置きが長くなりました。


新華社通信は戦前から「日本は優勝経験もあり若手世代で大きな成果を残しているから、2度目があっても驚かない」と、日本のメディアよりもはるかに熱い視線を送ってくれていました。

「欧米はアジアを軽視しすぎる」とも。欧米どころか、母国でも期待されていなかったことを考えると耳が痛いです。

スウェーデン戦前に、新華社通信がなでしこに送った熱いエールです。


◾️日本女足在本届比赛中的表现,尤其是对阵欧洲强队的表现,也将给止步小组赛的中国女足以启迪,包括在技术培养、球员使用和战术设计等诸多方面。

今大会における日本女子サッカーチームの眼を見張るパフォーマンス、特に欧州の強豪チームとの対戦成績は、技術トレーニング、選手起用法、戦術など多くの面で、グループステージで敗退した中国女子サッカーチームにも大きな刺激を与え、勇気をもたらしてくれた。◾️



「長谷川唯や長野風花、宮澤はるなのようなプレーヤーが中国にも生まれるかとなると、悲観的になるかもしれないが彼女たちは同じアジア人である。彼女たちの輝きは中国だけでなく、韓国や北朝鮮など東アジアの女子サッカーに大きなインパクトを与えてくれた。明日、中国の長谷川唯が出現するのは無理でも10年後、5年後なら全く不思議ではない」。

そして、スウェーデン戦に向けては「スピードと連携で上回る日本が有利」としながらも、「日本を恐れて引いて戦ったノルウェーとは違う」「日本は相手がどんな戦い方で来ても対応できると思ってるかもしれないが、日本にも欠点がある。セットプレーと防空力だ。ノルウェー戦でも圧倒的な差を見せつけたが、失点シーンはあまりにもあっけなかった」。



◾️穆绍维奇或许将是决定本场比赛的关键因素,这位瑞典门将在淘汰美国队的比赛中曾神奇地做出了11次扑救,令美国队员都感到难以置信。

スウェーデンは、破竹の勢いで勝ち上がってきた日本を必要以上に恐れていない。 世界ランキング3位の北欧の巨人は、世界1位の米国チームに勝利、チームの士気は沸騰している。◾️



◾️而日本队的身体先天劣势,也将成为瑞典队的主要攻击点。挪威人在上一场比赛中证明了这一点,她们的头球证明了日本队的防空能力依然是全队最脆弱的一环。这种身体劣势,在比赛的最后阶段,或许会影响整场比赛的结果。

日本がフィジカルで劣ることも、スウェーデンの付け入る隙になる。 ノルウェー人はヘディングシュートで、日本の防空力が非常に脆弱であることを完全な形で証明した。 この体力的な不利が目立つ展開になると、勝敗に影響を与える可能性がある。◾️


「自信を持つのは大切だが、自分たちが完全無欠だと考えてはいけない。過信してはいけない。小さなアジア人が大きな欧米人に勝つには、フィジカルで正面衝突するのは絶対に回避しなければならない」。





▶︎まさに岡目八目です。それだけ真剣に見てくれているということです。

中国が孤軍奮闘しているなでしこを、同じアジア人として熱烈に応援してくれていることがヒシヒシと伝わってきます。

もし、5年後の中国に長谷川唯や宮澤ひなた、長野風花らが出現したら、とんでもない脅威になるでしょう。 
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“Of course, we have come here to win the world’s top prize,” Japan midfielder Yui Hasegawa said ahead of the World Cup. “For the future of women’s soccer, results are important. We have a lot of responsibilities, and I want to focus on the results.”

大会前、CNNのインタビューに答えた長谷川唯は「優勝するためにここに来た。日本の女子サッカーの未来にとって結果が最も大切。私たちには勝つ義務がある。結果にこだわって戦っていく」と話しましたが、誰もそれを本気にしていませんでした。

日本では男子サッカーは野球に並ぶメジャースポーツですが、女子サッカーは国内リーグも含めて試行錯誤が続いています。
 
彼女たちには常に逆風が吹き付け、欧米の代表チームだけでなく、欧米のメディアやファンからは信じられないことに、過小評価と戦ってきました。

FIFAの放映権料が跳ね上がったことも理由の一つですが、大会直前までどこのテレビ局も放映に手を挙げなかったのは彼女たちが期待されていないことの裏返し。

快進撃の予兆はありました。世界を肌感覚で知る海外リーグに所属する選手が増えていたのです。

英国マンチェスター・シティで活躍する長谷川は大会屈指のMFと見られていました。ただ、長谷川を起点とした攻撃に見合うだけのFW陣が日本には無いと見られていたのです。さらに近年は、守備の脆さも目立っていました。

なでしこは、その考えが全くの間違いであったことをグループリーグ初戦で思い知らせます。「このチームはFWのタレントと守備にも優れている」(CNN)。

7月22日(土)のザンビア戦から、8月11日(金)までの22日間。なでしこが見せてくれたのは、世界最強チームの夢でした。

「長谷川を封じ込めてフィジカルを全面に出して戦う」。対なでしこの戦略を聞かれたペーター・イエルハルドソン監督は答えました。「それをみんなやろうとしてどこの国も出来ていないが?」と聞かれると「スペインはスピードに戸惑っていたが、単純なスピード勝負にも持ち込まない」。

スウェーデンの戦いぶりは見事でした。

史上最強のなでしこが繰り広げた22日間のShock The World、世界がどう報じたのかを振り返ります。
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