アジア杯初戦。相手は、謎のベールに包まれたトルクメニスタン代表。
あのベルギーを土俵際まで追い込んだサムライブルーにとって、ウォーミングアップ程度に思っていたら…まさかの展開でした。
勝ったから、良しとしましょう!
🌿🌿🌿🌿🌿🌿🌿1月も10日という段階で、何を今更なんですが、2018年のスポーツシーン、日本中を沸騰させたという一点ではロシアW杯のベルギー戦でした。
この大勝負。
ベルギーのルカクなんぞ、サッカーにも階級制がないと不公平だと感じるほどの、恐るべき体格とフィジカルでしたが、そのルカクは封じ込めたものの…。
この試合については「ロストフの14秒」という、おそらくスポーツドキュメンタリー史に残る名作が生まれ、「西野朗×岡田武史」というロング対談、「両チームの選手への重奏的なインタビュー」もまた、あの試合の奥深さを垣間見せてくれました。

代表チームは初戦で、グループ最強と目されていたコロンビアを撃破。
世界最速と言われたセネガルのスピードと互角に渡り合い、1勝1分けで迎えた最終戦。
ポーランド戦で負けている状況での〝パス回し〟。
今度は世界のブーイングを受けた試合後、ロッカールームで選手に謝罪する西野監督に、選手たちは「当然の選択」「納得している」と答えました。
あのベルギーを土俵際まで追い込んだサムライブルーにとって、ウォーミングアップ程度に思っていたら…まさかの展開でした。
勝ったから、良しとしましょう!
🌿🌿🌿🌿🌿🌿🌿1月も10日という段階で、何を今更なんですが、2018年のスポーツシーン、日本中を沸騰させたという一点ではロシアW杯のベルギー戦でした。
この大勝負。
ベルギーのルカクなんぞ、サッカーにも階級制がないと不公平だと感じるほどの、恐るべき体格とフィジカルでしたが、そのルカクは封じ込めたものの…。
この試合については「ロストフの14秒」という、おそらくスポーツドキュメンタリー史に残る名作が生まれ、「西野朗×岡田武史」というロング対談、「両チームの選手への重奏的なインタビュー」もまた、あの試合の奥深さを垣間見せてくれました。

代表チームは初戦で、グループ最強と目されていたコロンビアを撃破。
世界最速と言われたセネガルのスピードと互角に渡り合い、1勝1分けで迎えた最終戦。
ポーランド戦で負けている状況での〝パス回し〟。
今度は世界のブーイングを受けた試合後、ロッカールームで選手に謝罪する西野監督に、選手たちは「当然の選択」「納得している」と答えました。
成田空港を「史上最弱チーム」「三戦全敗で帰って来る」と罵詈雑言を浴びてロシアに発った、あのときから、彼らの心は、固く一つにまとまっていたのです。
西野監督は、あの「マイアミの奇跡」というドラマの指揮者でもありました。
あの日のマイアミ、1点リードを守りきった日本サッカーはブラジルに勝利するという、とんでもない果実をもぎ取りました。
その一方で、世界最強チームとの真っ向勝負を渇望した選手と、1点を守り抜くことを貫いた西野との間には深い齟齬が生まれていました。
西野監督と代表選手。
「史上最悪チーム」と石もて追われた2018年ロシアW杯と、「史上最強」と未来を託された1996年アトランタ五輪。
フル代表と五輪代表の違いはあれ、サッカー元年1993年以来、あの二つのチームは対極の形で、日本中を歓喜に沸騰させてくれました。
マイアミで生じた軋轢と、ロストフの一致団結は、鮮やかなほど対極的でした。
「(今度は)サムライのように真っ向勝負をしたい。ベルギーはその相手として不足はない」(長友佑都)。
ロストフでは、監督も選手も気持ちは、一つになっていました。
もし、あの結果が、あの選択が間違っていたとしたら、…正確には、なってしまっていました。
⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎そして、スポーツドキュメンタリーの傑作といえば「江夏の21球」です。
あの1979年日本シリーズ、広島カープvs近鉄バッファローズの第7戦。
西本幸雄は、あの土壇場でスクイズを選択しました。
さかのぼること19年。1960年の日本シリーズ、大洋ホエールズvs大毎オリオンズ。
大毎オリオンズの監督として采配を振るった西本は、初戦を落とした第二戦の重大局面でスクイズを選択して失敗。
大毎は1勝もできず、四連敗で日本一を逃しました。
🌿🌿🌿🌿🌿🌿⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎
「ロストフの真っ向勝負」は間違っていたのか。
「江夏の21球」を生んでしまった「スクイズ」は間違っていたのか。
西野朗との対談で、岡田武史は語っています。
「監督の采配は、答えのない問題に決断を下すこと。負けた時だけ『あの采配は間違っていた。正解はこっち』のように叩かれる。もともと正解などないのに」。
その通りです。
叩く奴らは、結果がわかってから騒ぎ立てるのです。あるいは、その策が成功していたら、黙って口を噤んでいるくせに。
現実の、その瞬間、正解のない大問題に、決断を下すのが指揮者です。
「もう一点取りに行って勝負を決めるのか?延長戦に持ち込むのか?」
「強硬策で一気に試合を決めるのか?スクイズで同点に追いつくのか?」
どちらが、正解なんてありえません。
私は 超三流選手の経験しかありませんが、大切な試合で負けたあとでOBや父兄から責められる指導者を見てしまうことが何度かありました。
複雑な思いでした。
本来、指導者の決断には正解も不正解もはありません、結果があるだけです(もちろん、明らかな不正解を選択するおかしな指導者もたまにはいますが)。
しかし、OBや父兄はそれを正解、不正解と〝採点〟します。そして、多くの場合は選手も。
厄介なことに、その採点は、OBや父兄の中でもバラツキがあるどころか、ときには真逆のことまで起きてしまうのです。
ボクシングに例えると「ノックアウトに恋焦がれた」西野朗と、「Sweet Scienceの立場から戦略を俯瞰した」西本幸雄。
やはり対極に見える、二人の名将ですが、そうではありません。
美しいまでに、その輪郭も、内実も、全く同じです。
どんどん続きます。
⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎そして、スポーツドキュメンタリーの傑作といえば「江夏の21球」です。
あの1979年日本シリーズ、広島カープvs近鉄バッファローズの第7戦。
西本幸雄は、あの土壇場でスクイズを選択しました。
さかのぼること19年。1960年の日本シリーズ、大洋ホエールズvs大毎オリオンズ。
大毎オリオンズの監督として采配を振るった西本は、初戦を落とした第二戦の重大局面でスクイズを選択して失敗。
大毎は1勝もできず、四連敗で日本一を逃しました。
🌿🌿🌿🌿🌿🌿⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎⚾︎
「ロストフの真っ向勝負」は間違っていたのか。
「江夏の21球」を生んでしまった「スクイズ」は間違っていたのか。
西野朗との対談で、岡田武史は語っています。
「監督の采配は、答えのない問題に決断を下すこと。負けた時だけ『あの采配は間違っていた。正解はこっち』のように叩かれる。もともと正解などないのに」。
その通りです。
叩く奴らは、結果がわかってから騒ぎ立てるのです。あるいは、その策が成功していたら、黙って口を噤んでいるくせに。
現実の、その瞬間、正解のない大問題に、決断を下すのが指揮者です。
「もう一点取りに行って勝負を決めるのか?延長戦に持ち込むのか?」
「強硬策で一気に試合を決めるのか?スクイズで同点に追いつくのか?」
どちらが、正解なんてありえません。
私は 超三流選手の経験しかありませんが、大切な試合で負けたあとでOBや父兄から責められる指導者を見てしまうことが何度かありました。
複雑な思いでした。
本来、指導者の決断には正解も不正解もはありません、結果があるだけです(もちろん、明らかな不正解を選択するおかしな指導者もたまにはいますが)。
しかし、OBや父兄はそれを正解、不正解と〝採点〟します。そして、多くの場合は選手も。
厄介なことに、その採点は、OBや父兄の中でもバラツキがあるどころか、ときには真逆のことまで起きてしまうのです。
ボクシングに例えると「ノックアウトに恋焦がれた」西野朗と、「Sweet Scienceの立場から戦略を俯瞰した」西本幸雄。
やはり対極に見える、二人の名将ですが、そうではありません。
美しいまでに、その輪郭も、内実も、全く同じです。
どんどん続きます。