フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 複数階級制覇


先月12日、南アフリカ・ヨハネスブルグのリングで2年12日ぶりの復帰戦を1ラウンド55秒KOで飾ったゾラニ・テテ

相手のイディ・カユンバは24歳ながら、直近5試合2勝3敗、その3つの敗北は全てKO負けという咬ませ犬。

この試合はジュニアフェザー級10回戦で行われましたが、テテは2006年のデビューからキャリア最重量の119ポンド、ジュニアライト級を主戦場とするカユンバはキャリア最軽量の116ポンド1/2でリングに上がりました。

どんな背景があったのかわかりませんが、カユンバは前の試合(2021年9月4日)でWBCユースのジュニアライト級(130ポンド)王者決定戦に出場、143ポンド3/4とウェルター級の体重というありえないウェイトオーバーを犯した挙句にKO負け。

今回は、そこから27ポンド以上も落としていますから、カユンバがまともなコンディションだったとは考えられません。

南アフリカ…ボクシングに限らず、スポーツに限らず、不条理で理不尽で理解不可能なことが当たり前に起きる国です。

何はともあれ、33歳のテテはジョンリール・カシメロに痛烈に沈められた敗北から、25ヶ月ぶりに一歩前に踏み出しました。


テテは「フランク・ウォーレンが3月か4月に、122ポンドで空位のIBFインターナショナルとコモンウェルスのタイトルをかけて戦うことを約束してくれた。3つの階級で世界王者になるのは大きなモチベーション」と、ジュニアフェザー級進出に意欲満々です。

長年のマネージャー、ムランデリ・テンギムフェンも「ゾラニは、世界チャンピオンに返り咲くのに十分な能力を持っている」と3階級制覇を後押し。
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本来なら、WBSSの優勝候補の一人で、準決勝ではドネアと対戦するはずだったテテ。

このときの予想は「ニコラス・ウォータース戦以来、ドネアがノックアウト負けする」(ESPN)という通りに、掛け率もドネア10/3(4.3倍)、テテ1/5(1.2倍)と一方的でした。

もし、大方の予想通りにドネアを粉砕していたなら、あの「さいたまスーパーアリーナ」は戦前からもっとはるかに盛り上がっていたことは間違いありません。
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しかし、テテは怪我で棄権(WBSSの詐欺的契約・報酬の未払いに嫌気がさした詐病とも見られています)。

テテの典型的なグラスジョーを考えると3階級制覇は難しそうですが、絶妙のタイミングと角度を持っているソリッドなパンチャーだけにチャンスはあります。

はてさて、バンタム級では幻に終わった「Monster vs Last Born」がジュニアフェザー級で見られますでしょうか?
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WOWOWがお届けしてくれたFOUR KINGS 中量級黄金時代。

FOUR KINGSによる総当たり戦は、日本のボクシングファンも大きな関心を集め、多くの人が一連の名勝負を見て世界のボクシングに惹き込まれました。

私も、そんな1人です。

この壮大な戦いは、モハメド・アリからスーパースターのトーチを受け取ったシュガー・レイ・レナードが栄光を掴む一貫した「山岳ロマン」であるはずでした。

ロベルト・デュランに雪辱し、トーマス・ハーンズとの史上最高の名勝負を制したレナードは確かに山を登り切ったように見えました。

しかし、網膜剥離で引退宣言したときはまだ25歳の若さ、ウィルフレド・ベニテスを下してからハーンズ戦までリングで輝いた時間はわずか1年10ヶ月という悲しいまでの刹那でした。

しかし、主役のレナードが舞台から突然降りてしまったにもかかわらず、物語は続きます。これこそがボクシング史上最高のラウンド・ロビンの奥深さ、素晴らしさです。

舞台のテーマは「鬼退治」、つまり「誰がマービン・ハグラーを倒すのか?」に変わり、戦場はミドル級に移ります。

複数階級制覇を果たした華やかで近代的なボクサーが、他の階級など見向きもしない原始の遺物のようなハグラーに挑むのです。

面白くないわけがありません。

そして、ハグラーがデュランとハーンズの野望を引き裂き、ジョン・ムガビも打ち倒したとき、レナードが実質5年のブランクを経てリングに舞い戻るのです。

「調整試合は不要、ハグラーを倒すためだけの1試合限りのカムバックだ」。そう語ったレナードの格好良さといったら、思い出しただけでゾクゾクします。

一旦は幕を閉じたと思われたレナードの物語は終わってなんかいなかったのです。

それにしても、なんという、よく出来たシナリオでしょうか。神様でもこんな台本は書けっこありません。

「ハグラーvsレナード」は史上最も議論を呼ぶ判定になりましたが、あの試合がFOUR KINGSの物語の大円団だったことに異論を唱える人はいないでしょう。

その後のレナードの、悪い意味でのスーパースターの傍若無人ぶりは醜悪なだけでした。
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ハグラーが退場したあと、レナードは晩節を汚し、ハーンズとデュランは彼らが常識外れの才能だったことをあらためて世界に誇示しました。

暗黒面にはまったレナードはドニー・ラロンデやテリー・ノリス、ヘクター・カマチョらとメディアやファンが試合前から眉をしかめた相手とメガファイトを繰り広げます。

そして、ハーンズがデニス・アンドリュースと、アイラン・バークレーを相手に見せた強さと脆さの鮮やかなコントラストときたら!

バージル・ヒル戦は、FOUR KINGSの戦いがランダムな総当たり戦ではなく、リーグ戦であったなら、ハーンズが最強であったかもしれないと思わせるに十分な惚れぼれする勝利でした。

FOUR KINGSでは唯一レナードから勝ち星を挙げ、ハーンズに壮絶なKO負けを喫したデュランが、ハーンズのジョーカーだったバークレーを下しているのもボクシングの深泉を覗き込んだ思いがしました。
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また、ウィルフレド・ベニテスがハグラーと戦っていれば、彼も「総当たり」のプレーヤーの一人になっていたはずです。FOUR ではなくFIVEだったかもしれません。

そして、ついにFOUR KINGS と交わることが叶わなかったものの、打倒ハグラーの急先鋒だったドナルド・カリーの一瞬の輝きと墜落。

そのカリーを粉砕したマイク・マッカラムは、FOUR KINGSの誰もが対戦を回避したという見方をする人もいます。

さらに、アマチュア時代にハーンズに勝ち、プロではレナードが対戦を嫌ったというアーロン・プライアーがFOUR KINGSに絡んでいたら、何が起きていたでしょうか?

ああ、映画にもなったビニー・パチエンザの存在も忘れられません。

「レナードvsハグラー」以後の、レナードとハーンズ、デュランが見せた非FOUR KINGSの戦い。

そして、FOUR KINGSには食い込めなかったものの、ハーンズとデュラン相手に存在感を示した魅力あふれる衛星たち。

何もかも、全てひっくるめてFOUR KINGSでした。

マニー・パッキャオとマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスの〝FOUR KINGS〟は「モラレスvsマルケス」という最も蠱惑的なカードが実現しなかったことから総当たりではありませんでした。

さらに、咬ませ犬のパッキャオが圧倒的な攻撃力で〝メキシコのシナリオ〟を引き裂いてしまったこともあり、本家FOUR KINGSのような寄せては返す波なような物語性は欠落していました。  

シュガー・レイ・レナード、マービン・ハグラー、トーマス・ハーンズ、ロベルト・デュラン。もうあんな奇跡の時代は2度と訪れないでしょうが、だからといって全く残念でも寂しくもありません。

常識的には1度も訪れないはずの奇跡が、すでに起きてくれたのですから。 
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クルーザー級進出(つまみ喰い)を決定済みのカネロ・アルバレスが見据える最終目標は、本人も陣営もまだ公言していませんがヘビー級制覇であることは間違いありません。

もちろん、そこで行われるのはロイ・ジョーンズJr.と同じ、最弱王者を狙った「つまみ喰い」です。

Boxing News24 が無敗のヘビー級フランク・サンチェスが「カネロは世界ヘビー級王者になれる」と語る記事をアップ。
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▶︎▶︎▶︎今年初めにYouTubeに公開されたカネロとサンチェスのスパーリングは、マイク・タイソンとロイ・ジョーンズJr.並みの見世物レベル。

サンチェスは「カネロがヘビー級王者の誰に勝てるのか」については言及していないが、WBAのセカンド王者トレバー・ブライアンを指していると思われる。

32歳のブライアンは43歳のバーメイン・スティバーンを11ラウンドでノックアウト、空位のWBAセカンド王者に就いた典型的な穴王者。

DAZN NEWS のインタビューでサンチェスは「何度かスパーしてハッキリわかったことは、カネロのパワーはヘビー級並みということ。クルーザー級なら問題なくタイトルを獲るだろうし、ヘビー級でも通用する」と〝証言〟。

しかし、カネロが通用するのはブライアンであり、オレクサンダー・ウシクやタイソン・フューリーではない。▶︎▶︎▶︎


ウシクは「カネロ戦が実現するならクルーザー級に落とす」と公言しています。

英国ザ・サン紙にロイ・ジョーンズは「ヘビー級王者のウシクがクルーザーに下げる必要はない。チャド・ドーソンがアンドレ・ウォードと戦うために168ポンドに肉体を削って、何が起きたかを思い出せ」と、最も有名な失敗サンプルである自分自身ではなくドーソンを挙げて警告。

ロイは「ウシクがアンソニー・ジョシュアとの再戦に向けて、エディ・ハーンに対する条件引き上げの道具としてカネロ戦を使っているなら問題はない。もちろん、これはビジネス。カネロ戦でジョシュアとの再戦の何倍もの報酬が獲得できるのなら、そっちを選ぶのもまたプロだ」と、カネロ戦も〝あり〟と語っています。

ウシク戦実現なら、クルーザー級リミットを1ポンド上回る201ポンドのキャッチウェイトと当日のリバウンド制限を設ける〝カネロ縛り〟のヘビー級タイトルマッチになるのでしょうか。 

ロイもヘビー級制覇の瞬間は「ボブ・フィッツモンズ以来106年ぶりの快挙」 「オールタイムPFP最高」と絶賛されましたが、冷静なメディアは「現時点のロイは圧倒的有利の予想で空き巣に入ったコソ泥。ヘビー級で証明することが残されている」と評価を先送り。

ロイが速攻でライトヘビー級に逃げ戻ったことには、多くのメディアとファンは大きく幻滅します。そして、ライトヘビー級で無様な敗北を重ね「雑魚相手に圧勝していただけ」と後世の評価は決して高くはありません。

BEST FIGHTER POLL(年間PFP )にメイウェザーの7回に次ぐ6回も選出したリング誌は、ロイ引退後に特集した存命PFPでは圏外、ヘビー級王者に就いた2000年代のディケイドPFPでも「snared a heavyweight belt from Jhon Ruiz(小賢しいやり方でヘビー級の王座の一つをジョン・ルイスから掠め取った)」と8位評価、手の平を返しました。

カネロもこんなやり方を繰り返していては、冷静に業績を凝視されてしまう後世から笑い者にされるかもしれません。 
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今年のFighter Of The Yearは「カネロ・アルバレスで決まり」と見られています。

2021年、スター選手としては異例の3試合を戦い、ケイレブ・プラント、ビリー・ジョー・サンダース、アブニ・イルディリムをKOしました。

昨年12月19日のカラム・スミス戦からは11ヶ月で4試合を戦い、イルディリムを除く3試合は、苦戦を予想する声もあったライバル王者が相手でしたが、どの試合も圧勝でスーパーミドル級史上初のUndisputed Championに就きました。

一方で、スミス、ビリー・ジョー、プラントはやりにくいボクサーですが、怖さのないソフトなボクサーでした。

ボクシングファンが本当に見たい対戦相手はゲンナディ・ゴロフキンとの決着戦、デビッド・ベナビデス、ジュニアミドル級時代から対戦を回避しているジャモール・チャーロです。

また、劣化版のセルゲイ・コバレフをつまみ喰いしただけのライトヘビー級にはアルトゥール・ベテルビエフやドミトリー・ビボルというまともな世界王者が君臨しています。

クルーザー級をまたつまみ喰いする前に、汚く食べ残したライトヘビー級の皿を平らげるのがスーパースターの務めであるはずです。
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それにしても、カネロのキャリアが非常に良くできたマッチメイクを積み重ねたことには感心します。

難解なボクシングをするエリスランディ・ララやフロイド・メイウェザーらとも戦ってきましたが、旬の強打者は無様なほどあからさまに回避してきました。

ミドル級進出時もゴロフキンを避けるだけでなく、155ポンドのキャッチウェイトでのタイトルマッチを繰り返すなど、160ポンドへの適応と、ゴロフキンの劣化を待つ時間稼ぎをしました。

4−Belt EraにおいてUndisputed Championは特別な意味を持ちますが、オスカー・デラホーヤもフロイドもマニーもそこには執着せず、メガファイト路線をひたすら突き進みました。

「ファンが沸き立つメガファイト」か「4−Belt Eraだから完全統一」かは、そのボクサーの価値観の問題です。「メガファイト」と「完全統一」が両立するケースもあるでしょう。

しかし、多くの場合両立しないことは、井上尚弥を知る日本のボクシングファンにはよく理解できます。

ただ、井上とカネロは全く違います。

井上は「王者が複数いて誰が一番強いのかがわからない今のボクシングはおかしい」と完全統一を目指し、上の階級に対しても「しっかり体を作ってから上の階級を目指す」と、カネロの浅ましい〝つまみ喰い〟とは違う姿勢で戦っています。

もちろん、貧相な相手しかいないバンタム級を完全統一する意味がどこまであるのかは疑問です。

ベルト収集に時間を奪われ「強い相手としか戦わない」と豪語した発言からはどんどん離れているようにも見えてきます。

「完全統一に固執して時間を浪費するよりもジュニアフェザー級やフェザー級の名のある強豪と戦って欲しい」というのが、日本のファンの多数派かもしれません。

マイキー・ガルシアがエロール・スペンスJr.に敗れた試合を観戦後に「スーパーフェザー級まで行ける」という声に対して「そんなことはない埋もれてしまう」と否定した井上でしたが、ラスベガス進出前のMGMグランド訪問では「ここでメインを張るのが目標。でもバンタムでは無理。フェザーから景色が変わる」と夢を膨らませます。

アスリートの気持ちは揺れ動くものですが、井上がファンが喜ぶメガファイトよりも、自分が納得する完全統一に軸足を置いているのは明らかです。

だったら、カネロも「つまみ喰い」や「ソフトな相手を倒して完全統一」に納得していれば、それもカネロの自由か?というと、繰り返しになりますがカネロと井上は全く違います。

世界的には全く関心を持たれない階級でも、井上は日本のファンが暖かく応援しているのに対して、カネロは史上最高のセレブボクサーです。世界のボクシングファンは、カネロの対戦相手に不満を持っています。

もし、カネロがスーパーミドル級でゴロフキンを、ライトヘビー級でジャモールを、クルーザー級でベナビデスやベテルビエフ、ビボルを倒すことになっても、煮え切らない違和感しか湧いてきません。逆キャッチウェイトな幻滅感です。

カネロを見てると、いつも時間稼ぎをしている、そんな苛立ちを覚えてしまいます。見た目はメキシカンスタイルの完成型だと評価しますが、メキシカンスタイルの芯を通す勇気が、どうしても感じられないのです。

今年のFighter Of The Yearはカネロで決まりでしょう。書類審査上は文句無しです。ただ、その内実は「もっと他に戦う相手がいたはず」という不満です。

クルーザーまでつまみ喰いしようとする姿勢は、苛立ちます。

「クルーザー級まで落とせる」というデオンティ・ワイルダーとの史上最大最高のノンタイトル戦に挑むというなら、全力応援しますが〝強打者は選ばない教〟を信奉するチームカネロがそんな選択をするわけがありません。
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ドネアがWBSSに参戦したとき、決勝進出のオッズは最低の50倍。

8年以上もまともな相手に勝てないまま、30代後半を迎えたドネアのバンタム出戻りとWBSS出場は、引退する時期を誤ったと見られていました。

しかし…。

優勝候補の一人、ライアン・バーネットは試合中に背中を損傷して棄権。

ゾラニ・テテとの準決勝も圧倒的不利と見られていましたが、テテが離脱。代打のステフォン・ヤングは一発で仕留めたものの、ヤングは世界基準に届かないボクサーです。

そして、決勝ではラッキーパンチ?で井上尚弥の眼窩底を破壊、敗れたものの、惨敗予想を覆し判定まで持ち込みました。

やはり圧倒的不利のフラグが立てられたノルディーヌ・ウバーリ戦でも破壊力を見せつけてKO勝ち。ここでも、ウバーリは井上拓真戦よりも体が薄く、調整に失敗していたとも言われました。

そして、先日のレイマート・ガバリョ戦です。
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WBSSは米国と英国の2大市場での関心は低かったものの、日本では大興行となりました。

もはや、ドネアが勝ち続けているのが幸運によるものではないことを理解できない人はいないでしょう。

ドネアに対して疑いの目を向けてしまっていた理由は大きく3つもあります。

①まず、その年齢。20代がピークとも考えられている軽量級で39歳というのは異常な年齢です。

経年劣化の影響を最も受けないパワー、鍛えることで下落を抑えられるスピードとは違い、衰える一方の反射は鍛えられないはずで、ドネアもその衰えは明らかというのに…。

②バーナード・ホプキンスは50歳でも世界の最前線で戦い、軽量級でもドニー・ニエテスがドネアと同い年と、例外はありますが、消耗の激しいファイタースタイルのまま39歳でも強打を振るうのは、やはり異常です。

常識的には、打たれ強さと引き換えの被弾覚悟のパワーボクシングは、経年劣化に最も脆いスタイルなのですが…。

③上の階級で通用しなかったから下に戻る。ボクシングにおいて、それが非常に危険な選択であることはシュガー・レイ・レナードやロイ・ジョーンズJr.が身をもって証明してくれています。

「軽量級のロイ」とまで言われたドネアも身体能力への依存度が高いボクサーで、バンタム出戻りは仇になると誰もが考えていました。

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このブログでも紹介しましたが、常にシェイプアップする生活に改善、減量によるダメージを最小限に抑えることに成功したのでしょうが、それにしても、です。


一旦、ドネアから離れて、加齢の影響をを受けにくいスポーツについて考えてみます。

ボクシングでは減量による消耗がないヘビー級が、最も加齢の影響を受けません。

ある程度の体づくりと、それに伴う爆発的なパワーが求められるヘビー級は、100メートル競争に似ているかもしれません。

では、同じ無差別級の大相撲はいかがでしようか?

人間の骨格と筋肉が支えることが出来る限界まで肉体を大きくさせた力士は、深刻な怪我と向き合わなければなりません。

では、マラソンのような長距離走は?男女差が最も少ない競技の一つとも考えられていますが、トップレベルでは故障が付き物です。

実際に高齢者が活躍する射撃やアーチェリー、乗馬などは、身体能力だけでなく精神的な成熟も求められ、加齢の影響が少ないようです。

一方「頭脳的=加齢の影響が少ない」というのは、スポーツではありませんが、将棋の藤井聡太を見ていると、何か違う気もします。

頭脳もハイレベルになればなる程、加齢で失われる反射が重要な要素になるのかもしれません。

高いだけの昼ごはん、ハンバーガーを頬張りながら思いつくまま書き連ねましたが、まだまだ続きます。
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開催中の第59回WBC年次総会(メキシコ・シチー)で、エディ・レイノソが「カネロ・アルバレスが5階級制覇を狙ってWBCクルーザー級王者イルンガ・マカブに挑戦する」と発表しました。
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現在、スーパーミドル級(168ポンド)でリングに上がるカネロは、ライトヘビー級(175ポンド)でも1試合戦っていますが、25ポンド上のクルーザー級(200ポンド)に進出するというのです。

PFPキングのメキシカンはもちろん、クルーザー級ランキングに入っていません。

レイノソのリクエストにWBCが二つ返事で承認、クルーザー級史上最大のメガファイトが実現に向けて一気に動き出しました。

ジュニアミドル級(154ポンド)で最初の世界王者に就いたカネロは、ライトヘビーまでの4階級・21ポンドの壁をすでに撃破。

クルーザー級制覇となると、46ポンドの壁を打ち破ったことになります。

現在の複数階級制覇の最多記録「8」を持つのは、マニー・パッキャオただ一人だけ。

アジアの誇りが突破した階級の壁は、フライ級(112ポンド)からジュニアミドル級(154ポンド)までの42ポンド。

スタート階級が異なるファイターを単純比較は出来ませんが、乗り越えた体重差という点ではパッキャオ超えを果たします。

「カネロはヘビー級のトップ選手ともスパーリングをこなしている。そこで何が起きていたかを、私はよく見てよく知っている。マカブはとても強いが、カネロはもっと強い」(レイノソ)。

カネロは2019年11月にセルゲイ・コバレフからライトヘビー級王座を強奪した直後から、ヘビー級制覇が最終目標という噂が立てられ、クルーザー級はその途上に当然包含されていました。

クルーザー級とヘビー級の間、ブリッジャー級も踏破しても7階級制覇、パッキャオには届かないとはいえ、ジュニアミドルからヘビー級制覇は更新されることのない快挙です。

このニュースを伝えられたマカブは「生涯最高の幸せ」と喜びを爆発させおり、元々のクルーザー級リミット190ポンドでのキャッチウェイト・マッチでも対戦を躊躇うことはないでしょう。

WBCが逆風の中でもブリッジャー級を新設したのは、カネロのメガファイトを近い将来に織り込んでいたが故の強気だったのかもしれません。

現在、WBCを除くWBAとIBF、WBOの主要団体はいずれもブリッジャー級への参入を否定しています。

しかし、カネロが4団体統一戦を望んだら?

彼らが巨額の承認料収入の誘惑に打ち勝って、ブリッジャー級導入を見送るとは到底考えられません。
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現代ボクシングのトレンドは「(安易な)複数階級制覇」と「(複数の意味で)ハードルが高い完全統一王者(Undisputed Champion)」の二本立てです。

タイトルが4つに分裂した状態からUndisputed Championになるには最短で4試合、アルファベット王者を倒さなければなりません。

また、そこにはプロモーションの問題も横たわっています。対立するプロモーターが最も嫌うのは、共同でイベントを作り上げることです。

オリジナル8の時代は、世界王者は一人残らずUndisputed Championであり、Lineal Championでした。
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WBAからWBCが分離独立した60年代末から、世界王者の二人体制が常態化、1983年にIBF、1988年にWBOが設立されて世界王座は四人乱立する異常事態に陥ります。

さらに、21世紀になると不要不急の暫定王者を乱発、休養王者やスーパー王者、ダイアモンド王者、フランチャイズ王者と同一団体が複数の世界王者を擁立する倒錯の世界が構築されてしまいます。

王者の数が多ければ多いほど、承認料ビジネスは儲かるわけです。承認団体に無駄なタイトルを作るな、と言うのは土台無理な話なのです。

IBFはタイトル濫造から距離を置きますが、規定の期間にタイトル戦を行わない場合はどんな理由があれタイトル剥奪、決定戦開催を急ぎます。

世界戦を組まないと儲からないのですから、IBFに「複数団体のベルトを持つ王者にとって個々の団体の防衛戦期限を守るのは難しいから融通を利かせろ」というのも間違いです。

そんな営利団体が主要と呼ばれるだけでも4つ、承認団体への批判の色を明確にしたリング誌ベルトも含めて5つのメジャータイトルが存在するのがボクシングの世界です。
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Undisputed Championは、タイトルの一本化を意味しますから、承認団体が乗り気になるはずがありません。

しかし、80年代まで辛うじて残っていた世界王者の矜持と尊厳から同一階級の防衛記録を重ねるという習性は、現在のスター選手にはありません。

「安易な複数階級制覇」は、タイトルの大量生産と並んで世界王者の価値を貶めています。安易な複数階級制覇のキャリアの中で、Undisputed Championになることは箔を付けることにつながります。

明日のカネロはもちろん、井上尚弥もそうです。

大きな試合に不可欠のビッグネームがそもそもいない、さらに殿堂クラスの実力を持つボクサーが少ない、つまり「誰に勝ったのか」を追求しにくい軽量級でUndisputed Championにこだわるのは、ある意味で当然です。

そして、現在のスターボクサーはUndisputed Championを箔、キャリアのアクセント記念碑ととらえています。記念碑を建てたら、また上の階級を目指します。

つまり、タイトルはすぐ分裂状態に戻るのです。

承認団体からすると完全統一戦は大きな興行になることから実入りも増えます。Undisputed Championにその座を粛々と年2回ペースで守られると、承認団体にとって危機的な状況ですがそうはならないのです。

WBSSに端を発したクルーザー級のように、このScrap&Buildが短いスパンで繰り返されることは、承認団体にとって悪いことではありません。

Undisputed Championの誕生にとって大きな障害の一つであった承認団体の姿勢は、明らかに軟化しています。

4−Belt Era(4団体・同一団体王座濫造時代)にあって、完全統一路線が比較的容易に整備されつつあるのは、このような背景からです。

4−Belt Eraで誕生したUndisputed Championとその階級はミドル級(バーナード・ホプキンス→ジャーメイン・テイラー)、ジュニアウェルター級(2005年:テレンス・クロフォード/2021年:ジョシュ・テイラー)、クルーザー級(2018年:オレクサンダー・ウシク)、ライト級(2020年:テオフィモ・ロペス=WBCのフランチャイズを正統タイトルと認めるなら)の6人、4階級。

残りの13階級のうち、フライ級、バンタム級、フェザー級、ウェルター級、ライトヘビー級、ヘビー級のオリジナル8に数えられた6階級は、4−Belt EraでUndisputed Championを生み出せていないだけで、それ以前の時代でUndisputed Championを擁していました。

また、オリジナル8には入らないジュニアライト級と、ジュニアミドル級の3階級も1団体時代に存在していましたからUndisputed Championを抱えていました。

ジュニアバンタム級はWBA王者の渡辺二郎が1984年7月にWBC王者パヤオ・プーンタラトとの統一戦に勝利、WBAのタイトル剥奪は「試合終了=勝敗が決してから」という変則の形であったことから「瞬間的にUndisputed Champion」でした。

Undisputed Champion of The World!「議論する余地のないチャンピオン!」 のコールを聞いたことがない、という点ではそうですが…。

この1984年4月にIBFが初代王者決定戦を行い新垣諭が王者に就いていますが、この時点のIBFを主要団体に数えるのは無理があります。

最後に残された4階級が、歴史上一度もUndisputed Championが存在した経験を持ちません。

それがストロー級とジュニアフライ級、ジュニアフェザー級、スーパーミドル級です。

この4階級で複数団体のベルトを保持するのは、スーパーミドル級のカネロ(WBA/WBC/IBF)と、ジュニアフェザー級のムロジョン・アフマダリエフ(WBA/IBF)。

ジュニアフェザー級は今月27日にWBCのブランドン・フィゲロアとWBOのスティーブン・フルトンの団体統一戦が行われますから、Undisputed Champion誕生の期待が膨らんでいます。

4団体が完全分裂状態のジュニアフライ級はリング誌とWBAの京口紘人、寺地拳四朗を大番狂わせで下したWBCの矢吹正道と日本人がベルトを保持。マッチルームが統一路線に興味を示しており、今後面白い展開が期待できそうです。 

同じく完全分裂のストロー級は、統一の機運がまだ盛り上がっていません。
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オッズが10−1以上に開くと、ミスマッチの目安とされています。

その意味ではマイキー・ガルシアvsサンドロ・マルティンの145ポンド契約ノンタイトル10回戦は、ミスマッチでした。

28歳のマルティンはWBAジュニアウェルター級7位に付けているものの、ESPNでもリング誌でもランク外、メディアの評価では本物の世界ランカーではありません。

当然、世界的な強豪との対戦はなく、これまで40戦のキャリア(38勝13KO2敗)で欧州を出たことはなく、米国初登場。

一方のマイキーは、マニー・パッキャオとファン・マヌエル・マルケスに続くフェザー級からジュニアウェルター級を制した、史上3人目のグレート。

これまで、オルランド・サリド、ファンマ・ロペス、ローマン・マルティネス、エイドリアン・ブローナー、セルゲイ・リピネッツ、ロバート・イースターJr.らを倒してきた33歳のマイキーにとって、無名のマーティンは咬ませ犬と呼んでも差し支えない実績・評価しか持ち合わせていませんでした。
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ウェルター級最強のエロール・スペンスJr.に5階級制覇を賭けて挑戦したときは「11試合で5階級制覇」というシュガー・レイ・レナードの記録を「10試合」に更新する期待と、パッキャオ以来の史上2人目の「フェザー級王者からウェルター級攻略」が注目を集めていました。

ペーパー上のマイキーとマルティンは、明らかにステージの違うファイターでした。

もちろん、アンダードッグのスペイン人は「一世一代の大勝負」と、過去最高のキャンプと最強のハートでリングに上がりました。

そして、マイキーは本来なら今年中に実現するはずだったレジス・プログレイスとのサバイバルマッチにDAZNが両者で約300万ドルレベルの報酬を準備することができず、とりあえず今回の調整試合を行ったという背景がありました。

ガルシアの動きが鈍かったは1年8ヶ月のブランクだけが原因ではなかったでしょう。
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「接戦だったのは認めるが、勝ったと思った。もちろん言い訳はしない。結果は受け入れる」とキャリア2つ目の黒星を喫したマイキー。
 
人生最大の勝利を挙げたマルティンは「マイキーはウェルター級で通用しなかった。今日はウェルター級(145ポンド)の試合、彼がライト級時代の動きが出来ないのはわかっていた」。

パンチスタッツは手数のマイキー、精度のマルティン。どっちの転んでもおかしくない内容でしたが、たとえ買っていてもこの試合ではマイキーにとっては〝完敗〟です。

公式採点は97−97*2/95-95の2-0。

かつて、トップランクからの独立を図るも裁判で敗れ、2年6ヶ月ものブランクを強いられながらも見事にカムバックしたマイキーでしたが、今日の試合からは心身にこびりついた錆びしか感じられませんでした。

★Punch Stats★

Punch Stats

PUNCHESGARCIAMARTIN
Total landed6075
Total thrown318231
Percent19%33%
Jabs landed2223
Jabs thrown170120
Percent13%19%
Power landed3852
Power thrown148111
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-- Courtesy of CompuBox
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同じイベントに出場したジョナサン・ゴンザレスも番狂わせで、WBOジュニアフライ級王者エルウィン・ソトをスプリットデジションで下し、タイトル奪取。

リング誌/wBA王者の京口紘人にWBCの矢吹正道、寺地拳四朗ら日本のタレントが豊富なクラスに異変あり、です。
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Undisputed Champion、議論する余地のない王者。

ネットニュースなどでは議論する余地ない王者」「比類なき王者」「明らかな王者」など直訳どまりで、それだと正しい意味が伝わっていないかもしれません。

Undisputed Championとは、議論する余地のない王者=他の誰にも王者を名乗らせない王者=完全統一王者、のことです。

4団体時代のUndisputed Championはミドル級のバーナード・ホプキンス(2004年)、ホプキンスに勝ったジャーメイン・テイラー(2005年)から12年間も出現していませんでした。
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ところが、2017年にテレンス・クロフォードがジュニアウェルター級を完全統一すると、オレクサンダー・ウシク(2018年:クルーザー級)、テオフィモ・ロペス(2020年:ライト級)、ジョシュ・テイラー(2021年:ジュニアウェルター級)と毎年のようにUndisputed Championが誕生しています。

今年は、ジュニアミドル級で「ジャーメル・チャーロvsブライアン・カスターニョ」の勝者がUndisputed Championに就くはずでしたが、まさかのドロー、完全統一は棚上げ。

それでも、11月にはスーパーミドル級で「カネロ・アルバレスvsケイレブ・プラント」の完全統一戦争が決定していますから、ジュニアミドル級の大一番で決着がついていると、今年は3人のUndisputed Championが生まれたかもしれません。

日本の井上尚弥もバンタム級でUndisputed Championを目指していますが、2019年にIBFとWBAの二団体統一から歩みを進めることが出来ていませんが、現在のボクシングシーンは空前の完全統一ブームとも言えるでしょう。

このブームを引き起こしたのは、4団体17階級時代で暴落する世界王者の価値を上げようという純粋な動機だけではありません。

4団体がそれぞれ複数の王者を乱立する環境下で、Undisputed Championが生まれてしまうと、フランチャイズやダイアモンド、スーパー、暫定etc.…なタイトルマッチが封じ込まれて、承認団体にとって好ましくない気がします。

Undisputed Championが年3人ペースで生まれると、現在ロペスとテイラーがいますから残り15階級、あと5年で、全ての階級にUndisputed Championが君臨する「世界王者は世界に一人だけ」という常識をボクシング界が取り戻すことになります。


…しかし、そうはなりません。


クロフォード、ウシクはUndisputed Championの座を守ることに執着せず、人気階級に戦いの場を移し、ロペスもジュニアウェルター級転向を明言しています。

井上の意識でもバンタム級完全統一はジュニアフェザー転級へのマイルストーンの意味しかないでしょう。

スーパーミドルが上限と見られるカネロですら、このクラスでキャリアを全うするつもりはなく、完全統一を果たすとタイトルを返上することが確実視されています。

現在のUndisputed Championは、かつてのマービン・ハグラーのように誇り高い王者としてその階級に君臨することが目的ではありません。

全てのベルトをコンプリートすること自体が目的なのです。Undisputed Championは、上の人気階級へ挑む箔付けなのです。


ヘビー級直下のクルーザー級や、ウェルター級直下のジュニアウェルター級の場合は、この傾向があからさまです。

カネロにしても、スーパーミドルで粛々と防衛を重ねる気など毛頭なく、周辺階級でメガファイトを追求する方針なのは間違いありません。

この〝Undisputed Championブーム〟は、短い期間でスクラップ&ビルドを繰り返すことが織り込み済み、タイトルはすぐに散り散りになり、それぞれの承認団体の王者決定戦がセットされるのです。


承認団体にとっては、悪い話ではありません。


また、Undisputed Championのケースに限らず、頻繁なタイトルのスクラップ&ビルドと、安易な複数階級制覇も表裏一体です。

年に数試合しかリングに上がらない現代ボクサーと、月に複数回戦うこともある50年前のボクサーでは体重管理の仕方が全く違います。


毎月試合するボクサーは常にシェイプアップしていなけれなりませんが、年2〜4戦では試合の間に体重が一気に増えるのが普通です。

そんな不健康な減量を繰り返していると、徐々に体重が落ちなくなるのは当然です。

成長期なんてとっくに過ぎているはずのボクサーが、どうして減量がキツくなるのか?

膨張と減量とリバウンド…その不健康なサイクルを繰り返すからです。

4団体17階級時代、階級定着率はかつてないほど低く、複数階級制覇の難易度もファイティング原田の時代とは比べるべくもありません。

原田も当日計量時代。しかし、原田は膨張と減量を不健康なサイクルで繰り返していました。

それが、史上初の軽量級2階級制覇を果たす引き金の一つになったのだとしたら、原田は未来を先取りしていたのかもしれません。


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ミドル級タイトルマッチにもかかわらず、ジュニアミドルより1ポンド重いだけのキャッチウェイトを使うようなカネロ・アルバレスです。

クルーザーやブリッジャーでも倒錯のキャッチを弄ぶのは間違いありません。

ジュニアミドル級154ポンドカネロ級155ポンド<<<<ミドル級160ポンド

問題はヘビー級です。

無差別級のヘビー級でキャッチウェイトとなると、いくら低脳なカネロファンでも気づくのではないでしょうか?

「ヘビー級でキャッチウェイトはおかしい」と。

ああ、でも気づかないでしょうね。今までわからなかったんだから。バカは死ぬまで治りません。

ただ、現在のヘビー級はタイソン・フューリーとアンソニー・ジョシュアという、カネロでもAサイドに立てるかどうか微妙な大巨人が王座を分け合っています。

しかし、フューリーのキャッチウェイトって、何ポンドになるのでしょうか?

「クルーザー級(200ポンド)で逆2階級制覇」をほのめかしたこともあるデオンティ・ワイルダーなら195ポンドキャッチとか受け入れそうですが、あれはカネロが徹底的に逃げ回ってきたパンチャーの究極型です。

そう考えると、ジョン・ルイスのような180㎝台の遅鈍な穴王者がタイトルを獲ったら、ロイ・ジョーンズのようにすかさず空き巣に入る。もちろん、キャッチウェイトの保険もかける。これしかありません。

なかなか、そんなやつ見つからないので、決定戦ですかね…。ロイと同じように圧倒的有利のオッズと予想、その通りにヘビー級獲得。めでたしめでたし。
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それでは、現時点でのカネロと複数階級制覇のグレートの比較です。


◀︎第1弾▶︎マニー・パッキャオvsカネロ・アルバレス▶︎

今までに何度か話題に上がったカードです。

UAEドバイや、メキシコの世界的な大富豪が招致に名乗りを挙げるなど、具体的な日程・会場がメディアに踊ったこともありました。 

今年になってからも、42歳のフィリピン人が「カネロとの対戦はない」と断言するなど、今や現実性はありません。

パッキャオがステイクしたタイトルの最重量はジュニアミドル級の154ポンド。カネロが主戦場宣言したスーパーミドル級の168ボンドとの乖離は大きすぎます。

しかも、パッキャオが戦った唯一のジュニアミドル級は、アントニオ・マルガリートにキャッチウェイト151ポンドを強いた試合。

さらに、現実の計量でフィリピン人が目盛りを刻んだのはわずか144ポンド、ウェルター級リミットを3ボンドも下回っていたのです。

そもそも、今のパッキャオとカネロではメキシコ人がAサイド。カネロが最大の譲歩をしても160ポンド前後のキャッチウェイト。

現実のリングで向かい合う可能性は、あらゆる意味でないでしょう。

では、そのレガシーを比較した〝仮装対決〟はどっちに軍配が上がるでしょうか?

「誰に勝ったのか?」。対戦相手の質という最も重要な物差しで見ると…。

◎全盛期 △未熟・または劣化期 ★キャッチウェイト


…まずは42歳から。
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【殿堂クラス】


◎マルコ・アントニオ・バレラ(一発殿堂・初戦対戦時リング誌王者・PFP3位)

◎エリック・モラレス(一発殿堂・第2戦対戦時PFP4位)

◎ファン・マヌエル・マルケス(一発殿堂・第3戦対戦時リング誌王者・PFP6位)

△オスカー・デラホーヤ(一発殿堂・引退試合・元PFPキング)

◎リッキー・ハットン(一発ならず、殿堂入り待ち・Fighter of the Year2005年・対戦時リング誌王者・PFP8位)

◎ミゲール・コット(一発ならず、殿堂入り待ち・対戦時PFP7位)★

△シェーン・モズリー(一発殿堂・元PFPキング)



【PFPファイター】

◎チャチャイ・ダッチボーイジム(対戦時PFP9位)

◎ティモシー・ブラッドリー(第1戦対戦時PFP8位・第3戦対戦時PFP4位)



パックマンの対戦相手の質はちょっと、異質というか異常です。モハメド・アリやシュガー・レイ・レナードでもここまで異常じゃありません。




…次に、30歳の赤毛。

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【殿堂クラス】

△ミゲール・コット(一発ならず、殿堂入り待ち)★

△シェーン・モズリー(一発殿堂・元PFPキング)

◎ゲンナディ・ゴロフキン(現役・初戦対戦時PFP1位・第2戦対戦時PFP1位)



【PFPファイター】

◉カラム・スミス(対戦時PFP10位※)
※実際には10位に入っていませんが。WBSS優勝で10位にランクイン、無敗をキープしてたのに入れ替え激しくランクアウト。無敗を考慮して特例10位。

やはりTripleG に1勝1分(多くのファンの目には1勝1敗)というのが光ります。逆に言うと「ゴロフキン!なんで叩きのめせないんだ!」という憤りです。

そして、カネロの質の高い4試合はいずれも判定勝ちにとどまっていることも、本質的な何かをしっかり伝えてくれています。

質の高い相手では印象的なKOどころか、KOすら出来ていないのです。それが当たり前なのですが。

比べた相手が悪すぎたとはいえ、殿堂クラス2人、PFP2人(実質ゴロフキン1人)に勝っているのは十分なレガシーです。




パッキャオと比較したのがそもそもの間違いでした。完全なミスマッチ。
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