カテゴリ: 大谷翔平

このブログでも何度もふれてきましたが、日本と米国での大谷翔平に対する熱狂の温度差は小さくありません。

米国在住の友人知人は「そっちでも大谷はすごい騒ぎでしょ?」と聞かれるたびに戸惑ってしまうと笑います。

日本で大谷翔平を知らない人が、もしいたら、かなりヤバい人です。しかし、米国では、少なくとも過半数が大谷翔平を知りません。

米国のブランチから日本に転勤、出張してくる人はある程度の日本通ですが、大谷翔平を知らない人も普通にいます。

ーーーと、ここまでは私の皮膚感覚としてこれまでも書いてきましたが、昨年のワールドシリーズ制覇、そして今年の連覇で明らかに潮目は変わりました。

米国のテレビニュースのトップで報道される、スポーツニュースや人気バラエティ番組にドジャースの選手が出演して「我々のチームで最もすごいやつはここにいない。翔平はこういう(テレビ)ところで露出するのを極端に嫌う」と触れ回るのです。


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 史上最高の瞬間最大風速?


また、野球への関心がゼロの欧州でも「米国のナショナル・パスタイム(国民的娯楽)である野球で、説明のできないユニコーンが現れた」と英国国営放送(BBC)やフランス通信社(AFP)が特集を組んでいるのです。

欧州の多くのスポーツファンは「野球なんて興味ない」と、いまでも大谷翔平を知らないでしょうが、欧州の大メディアが野球、それもたった1人のプレイヤーにフューチャーすること自体が異例中の異例です。

「欧州発で世界的なスポーツのサッカーのスーパースターと比較して、大谷翔平は本当に圧倒的なのか?」というヘッドラインからは「そんなわけがない、野球なんてちゃんと見たこともないし、世界選手権すらないローカル競技、投手と野手を両立するのが本当に偉業なのか?」と、パニックが読み取れます。




ぐっと目線を足もとに移して、大谷翔平は日本スポーツ史上で最高のアスリートなのでしょうか?

「積み上げた実績」という点では王貞治やイチローにはまだ至っていません。それでも、当の王が「彼は我々が見上げていたものを見下ろしているのではないか」と〝負け〟を認め、イチローも「彼(ほどの才能)は世界最高の野球選手になってくれなければ困る」と語っています。

では、後世の評価で1960年代PFP1位とみなされたエデル・ジョフレに唯一勝った男(2戦2勝無敗)ファイティング原田と比べてどうでしょうか?「ボクシングの軽量級とメジャーリーグを比較するのがアホ」と言われたらそれまでですが。

大谷さん…。

それにしても、大谷さん…。




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スポーツは常に進化を続けている。

具体的にいうと、スピードとパワー、テクニックの向上、役割の専門化・細分化、押し上げられる平均値と傑出したプレイヤーの減少…。

それは、メジャースポーツにおいて特に顕著だ。

ベーブ・ルースがTwo-Way Star(二刀流のスター)たりえた最大の要因は、時代だ。1920年前後の野球は技術の向上、役割の専門化・細分化がいまほど進んでいない、牧歌的な時代だった。

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大谷翔平vs 他スポーツのオールタイム・グレート…。大谷さん…。それにしても、大谷さん…。


現代にルースと同じことをやってのけるアスリートが出現しただけでも信じられない驚きだが、大谷翔平がやってしまったことはルースをはるかに凌駕しているのだから、これはもうどんなに控えめに表現しても狂気の沙汰としかいえない。


That’s madness. 〜大谷翔平がやっていることは、控えめに表現しても狂気の沙汰だ。


一人の選手が3本のホームランを放った試合はポストシーズンを含めて701試合もある。ベースボールの150年を超える歴史の中でも珍しいことだが、奇跡とは呼べない。

一人の投手が10個以上の三振を奪った試合に至っては10,259試合もある。もはや、日常茶飯事だ。

701試合と10,259試合。

この二つは、全く別の集合体と考えられていた。正確にいうと、150年の間、全く関係のない、けして交わることのない集合体だったのだ。

大谷翔平は701試合もある3ホーマーの1人に過ぎない。大谷の他にのべ700人もの選手が3ホーマーをかっ飛ばしているのだ。

また、大谷翔平は10,259試合もあった10奪三振投手の1人に過ぎない。大谷がグレートなら、のべ10,258人の投手もグレートだ。

ただ、私たちはこの二つの集合体に共通項があるとは、全く想定していなかった。

メジャーリーグは環太平洋の一部の国で文字通りメジャーなスポーツだが、地球上の大半を占めるユーラシア大陸やアフリカ大陸、南米大陸ではほとんど馴染みのないスポーツだ。

それでも、米国で進化した野球が相当なレベルに発展しているスポーツであることは疑いようもなく、そこに701と10,259という大きな数字をそれぞれ抱えながらも、150年の間に共通項がたったの一度も出現してこなかった二つ集合体に信じられない異分子が発見されたのだから、英国や欧州のメディアからも注目されるのは当然だろう。

この発見の舞台が芝生を敷き詰めたフィールドの上でなく、物理学の研究室だったなら、間違いなくノーベル賞を獲っている。

大谷翔平が史上最高のアスリートなのかどうかには、まだ議論が必要だ。少なくとも、野球のくくりですら、彼よりも優れた投手、優れた打者は存在しているのだから。

とはいえ、同一人物が同一試合で3ホーマーを放ち、10奪三振を奪うというのは、まさしくユニコーン(同じ種類のプレーヤーは1人もいない)。

ノーベル物理学賞なら「なぜそんなありえないはず事象が起きたのか」を、科学的に説明しなければならない。

それができていない現時点では、大谷翔平の発見はノーベル賞クラスとは言えない。

それにしても…150年以上も交わらなかった集合体が、どうして交わったのか?いや、たった一つだけの異分子として大谷翔平の存在を無視すると、やはり「この二つの集合体はけして交わることがない」という法則は崩れていないのではないか?

おそらく、今後150年もそれ以降も異分子は出現しない。

となると、大谷翔平はユニコーンというよりはbug(バグ)ではないか?

絶対交わらない二つの集合体が、同時にバグってしまい、それが大谷翔平なのではないか。

ただ、この仮説にも懸念点はある。

もし来シーズン、同一人物で1試合4ホーマー、15奪三振なんかを記録されたらどう説明するのか?…なんだか、それでもすまない気がする…。

やはり、1試合3ホーマー、10奪三振程度でノーベル賞はおこがましい。

いずれにしても、このバグは野球界だけの問題にとどまらない。

他のスポーツ界にも〝大谷翔平〟はいるのではないか?



マイケル・ジョーダンは大谷翔平よりも優れたアスリートだろう。

大谷翔平の業績は、タイガー・ウッズのそれにはまだ遠く及ばない。

ディエゴ・マラドーナの方が大谷翔平よりも世界を驚愕させた。

モハメド・アリが示した社会的・歴史的影響力は、大谷翔平には微塵もない。

Greater Than Ohtani?
How Other Top Performances
Match Up Against
the Dodgers’ Two-Way Star


ドジャースの一選手にすぎない大谷翔平が史上最高のアスリートであるなんて、許せないし許さない。いや、許してはいけない。

大谷翔平を上回る〝狂気の沙汰〟を紹介していこうじゃないか。






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ESPNが記録にも記憶にも残る今年のポストシーズンの激闘を記念して「ワイルドカード時代のPS史上最高」をさまざまな項目から選んでいます。


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Top five pitchers 投手ベスト5」では山本由伸が(5勝1敗, 防御率1.45  37⅓ 回, 23 H, 33奪三振)で史上2位。

「ワールドシリーズのゲーム7で前夜に96球投げたにも関わらず、想像を絶する緊迫した場面で8つのアウトを奪い、第6戦と第7戦の勝利投手となった」。

1位はマディソン・バンガーナー(SFジャイアンツ)。2014年に4勝1敗, 防御率1.03 , 52⅔ 投球回, 28 H, 45奪三振)。




Best single-game performances 1試合限定のベスト5は、「あろうことか1位と2位を同一選手が占めた」。


1位は大谷翔平のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦。

「1試合で3本塁打を放ち、10奪三振を達成した選手は、ワイルドカード時代はもちろん、レギュラーシーズンでさえも、歴史上一人も存在しない。3打数3安打、3本塁打、そして6イニングを無失点、10奪三振。史上最高の選手?1試合限定なら文句なし。ありえない」。



2位も大谷翔平。ワールドシリーズ第3戦

「そう、大谷がトップ2を独占した。レギュラーシーズンでも9回出塁した選手はわずか3人だけ、そのうち9打席でそれを達成したのはわずか1人だけ。それを彼はPSの大舞台でやってのけた。

この第3戦は18イニングのマラソンゲームだったが、大谷は4打数4安打、本塁打2本、二塁打2本(ポストシーズンで長打4本を放ったのは歴史上わずか7人)、敬遠4つを含む四球5個。9打席9塁。もう一度、言わねばなるまい。ありえない」。

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そりゃ、ドジャースを応援してました。

大谷翔平の勝利への執念、伝説になるだろう山本由伸の大車輪、佐々木朗希のチラ見せ…日本のスポーツファンにとって最高のポストシーズン、最高のフィナーレでした。

ただ、最終決戦のGame seven を見ていて「トロントが勝つべきだ」と複雑な思いにもなっていました。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」と最初に語ったのは、野村克也ではなく肥前平戸藩第9代藩主の松浦清でしたが、ドジャースの優勝はまさに「不思議の勝ち」でした。

そして、ブルーの惜敗は「不思議の負け」などではなく、試合の主導権を握りながら追加点を奪えず、長距離砲を擁するドジャースの射程距離から離れられないままクロスゲームを続けてしまった「負けるべくして負けた」敗北でした。

「大谷にホームランを打たれても良い。前に勝者を出さずにソロならOK」という戦略はうまく機能していましたが、最終決戦では同点延長戦に突入して「ソロならOK」ではない状況を作ってしまいました。

負けるべくして負けました。

それでもね…シャーザーまで泣かんでくれよ。

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カナダの友人から頂いたティム・ホートンズ⬆︎。激闘の舞台となったトロント・ロジャースセンターにも大きな広告を出していたので、見覚えがある人も多いのではないでしょうか。

濃厚でまったりした味わいのコーヒーなんですが、今日の味は真面目な話、苦く感じます…。




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「僕からは1個だけ。憧れるのをやめましょう。フ アーストにゴールド・シュミットがいたりとか、セ ンター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にム ーキー・ベッツがいたりとか。まあ野球やっていれ ば誰しもが聞いたことがあるような選手たちがやっ ぱりいると思うんですけど。今日1日だけは、やっ ぱ憧れてしまったら越えられないんでね。僕らは今 日越えるために、やっぱトップになるために来たの で。今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つこ とだけ考えて行きましょう。さあ行こう!」


日本人から見ても全く劣等感を感じない小さなムーキー・ベッツは怪物ランドを代表する怪物の1人です。

…ムーキーがPSに弱いというのは今更の話ではありません。

チームの中心選手であり、レギュラーシーズンの活躍との格差も、そう言われる原因です。

新・悪の帝国が〝蝦夷地〟の田舎チームに崖っぷちまで追い詰められました。

メディアは公正を装っていますが、多くのファンはトロントへの応援を隠そうとしていません。

田舎の弱者が大都会の強者を倒して夢を掴む…単細胞な国民が大好きなストーリーです。

ただ、日本のファンは悪の帝国だろうがなんだろうが、大谷翔平と山本由伸、佐々木朗希が着るユニフォームのチームを応援するしかありません。

信じられないほど脆弱な救援陣が帝国の致命的な弱点ですが、脆弱といってもメジャーリーガー。

余裕を持って投げる状況を作る、1点取られても味方打線が必ず取り返してくれるという絶対の信頼があれば、彼らは抑えます。

ムーキーのバットが普通に火を噴けば、すべての歯車が噛み合うはずなのですが…。


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大谷さん…。



Feeling Good

対戦相手にとっては、死のメロディ。
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再来週、25日は井上尚弥だ!
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スポーツに筋書きなどありません。

日本短距離界をブーストさせた桐生祥秀が日本選手権でタイトル奪回を果たすなんて、筋書きはない、しかし、間違いなくドラマでした。

同じ日本選手権で、最終種目に女子100Hがセットされたのは、筋書きをかけないスポーツの世界で「ドラマを起こしたい」という、運営サイドの渇望でした。

そして、寺田明日香は決勝で完敗したものの、期待していた以上のドラマが起きました。

「日本選手権って、こんなに泣ける番組だったの?」(北口榛花)。





ーーー筋書きをかけないスポーツの世界で「ドラマを起こしたい」。

もし〝それ〟が起きたら「泣ける」。


藤浪晋太郎が3年ぶりに日本球界に戻って来ます。

なんか、あっという間でした。

ーーー藤浪晋太郎が、悪い意味だけで〝手ぶら〟で戻って来ます。


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もうなってるか。

飲料メーカーが激しい争奪戦を繰り広げて、勝者は「お〜い お茶」。伊藤園の〝落札価格〟は明らかにされていませんが、サントリーやキリンアサヒ、コカ・コーラを抑えたのですから数億円ではないでしょう。

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岩手、大喜び。

奥州、歓喜。

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権利の関係で「ドジャース」は使えないようです。

しかし、世界屈指の金満クラブも青色の権利までは抑えられず、ドジャーブルーは使い放題。

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これで、来年の開幕まで、日本列島を席巻した大谷フィーバーは休憩ですかね?
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