カテゴリ: 井上尚弥


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2025/06/28 18:59


これだけ表紙を飾るということはカネロのようにはいかないにせよ向こうのマニアや関係者からの評価は日本史上最高クラスに高いって認識でいいんですかね?


元記事: THE RING MAGAZINE JULY 2025〜モンスター、着陸。 (編集)
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「日本ボクシング史上」をどう解釈して良いのかわかりませんが、個人的には海外の評価は「最高クラス」ではなく「最高」だと思います。

インターネットは影も形もない、PFPランキングも一般的ではなかった20世紀のボクサーよりも、はるかに評価されやすい環境だという前提がありますが。

井上だけでなく、亀田兄弟や井岡一翔、中谷潤人、寺地拳四朗は「専門ネットメディアやリング誌に名前が挙がる回数」を「評価」「有名」と捉えるなら、日本ボクシング全盛期の1960〜70年代に活躍した大場政夫や輪島功一、具志堅用高ら、あるいは90年代の辰吉丈一郎とは比較にならないほど有名です。

ただ、それは「(普通のボクシングファンのレベルをはるかに超えた)コアなマニアや専門家」の評価にとどまり、一般スポーツファンには全く無名です。

カジュアルなボクシングファンの間でも全く無名。ニューヨークで開催されたBWAAの表彰式のあとマディソン・スクエア・ガーデンの興行に顔を出したとき「誰も彼を知らないからスマホを向けたり、声をかけたりもしない。ファンに囲まれたエドガー・ベルランガの方がはるかに有名」(ティム・ブラッドリー)というのが実態でしょう。

「リング誌のPFP上位に長期間いるのに無名であるはずがない」という訳のわからないロジックは、リング誌が誰もが知る権威のある専門誌で、そのPFPもボクシングファンならこまめにチェックしているという間違った認識に立脚している妄想です。

先日、井上よりも大きな実績を持ち、多くのメディアで圧倒的なPFP1位で、何よりもヘビー級という人気階級のキングであるオレクサンデル・ウシクですら米国では誰も知らないという記事を紹介しました。

「メジャースポーツの野球で規格外の活躍を見せる大谷翔平ですら、米国では無名」というのはこのブログでも何度か書いてきましたが、それらは全て私の皮膚感覚、つまりメディアの情報や現地に住む友人知人や会社の関係者から得たものを総合して判断したものです。

現地に住んで日本の情報を気にしている日本人ですら、日米の「大谷翔平熱」のギャップには戸惑っているほどです。

ただ、ドジャースという人気球団に移籍してからLA在住の日本人は「メディアに露出する機会が劇的に増えた」と感じ、ポストシーズンとワールドシリーズへの出場でそれがさらに加速したようです。

完全マイナースポーツのボクシングと同列に語るべきではないかもしれませんが、エンゼルスは不人気階級の軽量級、ドジャースは文句なしの人気階級、NFLやNBAと比べると全米の注目度が落ちるMLBでもポストシーズンに入るとメディアの取り上げ方が全く違います。

ちなみに、大谷翔平はスポーツ・イラストレイテッド誌はもちろん、TIME誌などの総合誌でも表紙を飾り、ニューヨークタイムズ紙も大きく特集、全米地上波やCNNでもその活躍が特集されました。

それでも、多様な価値観を抱える合衆国では無名なのです。

価値観が単一に近い日本ですら「読売新聞で大きく報道された」「9時のNHKニュースや報道ステーションで特集された」からといって有名だとは限りません。

ましてや、米国です。

井上はスポーツ総合誌でも表紙は論外、まともなメディアで試合が取り上げられることも極めてレアな、マイナースポーツの超マイナー階級で活躍するアジア人にすぎません。

あまりに売れなくて廃刊に追い込まれたリング誌の価値は、ラスベガスのホテルに無料で置かれているタウン誌、ラスベガス・マガジン以下です(ちなみに井上は表紙を飾っています)。

その意味では、信者たちはリング誌よりも「ラスベガスのタウン誌の表紙になった!」と喜ぶのが先です。

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今回のTモバイル興行で「帝拳や大橋が井上尚弥を実態以上に有名だと思わせたい」という強力で不純な動機があったのは明らかです。

身の丈にあった会場ではなく「まずTモバありき」という、西岡利晃の「MGMグランドありき」と同じ発想で、なぜかあの試合でキャリア最高の100万ドルを稼いだ西岡以上の赤字興行になりました。

スポンサーの協力もありますからキャリア最高の報酬を得るのは問題ありません。しかし、それが「米国で人気を博した結果」のように騙るのは一種の詐欺行為ではないでしょうか?

敬虔な井上信者ですら、それは怪しいと感じてしまうのでは?


素晴らしい才能を持つファイターに、憧れ料を支払ってラスベガスに媚びるようなプロモートは全く必要ないのです。






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Sunday 4, May 2025
  
T-Mobile Arena, Las Vegas, Nevada
commission:Nevada Athletic Commission
promoter:Bob Arum (Top Rank)
matchmaker:Brad Goodman
 USA ESPN, USA ESPN+

◾️Undisputed Junior Feather -weight ◾️



◾️WBO  Feather -weight ◾️


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井上尚弥のラスベガス再上陸。舞台はMGMグループのラスベガス最高会場、T−モバイル・アリーナ。

米国では関心の低い軽量級ではPPVイベントになるわけもなく、チケットの売れ行きも不調。早々に上階席の一部が封鎖されることも発表されました。

一次価格の設定は強気ですが、実勢価格はどんどん下がっています。

イベント的には間違いなく赤字でしょう。

景気の良い話をしているのは大橋秀行だけ、それを信じるバカだけです。

軽量級に理解のあるザ・フォーラムなどで開催、The Super Fly的なイベントにした方が本当の盛り上がりに期待できたと感じます。

もちろん、これが、ライアン・ガルシアやタンク・デービス相手ならPPVにもなっていたかもしれませんが、井上以上に対戦相手のラモン・カルデナスも全くの無名。

このイベントには、かつて西岡利晃がやってしまった「ラスベガスへの飽くなき憧憬」が根っこにあります。

メジャースポーツの野球やサッカーと同じように、ボクシング軽量級にも華やかな欧米の本場があるはず、いやあって欲しい、いやいやあらねばならない!というは往生際の悪い妄想です。

もちろん、人気階級でカネロ・アルバレスやオレクサンデル・ウシクをド派手に撃破するなら、米国のボクシングファンからも大きな注目を集めるでしょう。ただ、一般のスポーツファンは興味を示さないでしょうが。

今日の会見で、大橋秀行が「ファイトマネーは二桁(10億円)いくか?」という質問に「言うと(報道陣の)動画で撮られていますから(証拠が残るから言いません)」と苦笑い、「これからどんどん、どんどん上に行くと思います。もうそういう時期に入ってますよね」と話すにとどまりました。

これまで、さんざん嘘を重ねているだけに、カメラの前での動画(証拠)で大風呂敷を広げるのは憚られたようです。

いくらなんでも、もうそろそろ、きちんと発表しないと井上が可哀想です。

この興行は井上尚弥が主役でゲストという点では、これまで非メインだった海外遠征とは色合いが異なります。

日本時間5月4日(日)午前9:00開始ゴング予定で、アマゾン・プライムビデオで無料生配信されます(米国ではESPNが放送)。

日本側はESPNに放映権料を売りつけられる形になるわけです。日本開催の井上の試合は二束三文で買ってた(ほとんど無料?)ESPNですが、無茶苦茶な金額を突きつけたのは確実。

試合まで1ヶ月を切ったというのにESPNの報道がほとんどないのも、日本のファンにとっては不快でしかないはずですが、多くのファンの反応がそうでもないのが気になります。

米国の大手一般メディアまで巻き込んで大注目された大谷翔平や大坂なおみのように、井上が米国で大騒ぎされて受け取められるとは、到底考えられません。



それでも、一つだけ重要なことはこの試合は絶対に落とせないということです。

来年に予定されている中谷潤人戦を見込んだことではありません。

万一、この試合で不細工なパフォーマンスをしてしまうと、井上を支持しているコアなマニアも幻滅してしまうでしょう。

世界のボクシング地図は米国の〝中央集権〟が崩壊。重量級が英国に、オーストラリアも大きな磁力を発揮して〝地方の時代〟が進行しています。

いまや、ラスベガスやESPNに憧憬れ料を支払うようなご時勢ではありません。

日本やアジアで大黒字のメガイベントをぶち上げて、没落する一方の米国ボクシングが逆に憧れるような
舞台を作るべきです。

そして、繰り返しますが、こんな歪なイベントだからこそ、絶対に負けられません。



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慢性的な経営不振・販売不振から2022年に廃刊してしまったリング誌。

サウジアラビアの全面支援で昨年12月から紙媒体が復活。

Print is not dead

デジタル化の大波と販売不振から多くの紙媒体雑誌が廃刊に追い込まれていますが、時代の流れに逆らって復刊した例はリング誌が唯一無二でしょう。

もちろん、没落一方だったボクシング人気が息を吹き返し、多くのファンがリング誌の復刊を渇望して需要が膨れ上がったのではなく、サウジアラビアの〝不思議な気まぐれ〟で復刊しただけですが。

そして、実際には不思議でもなんでもないのですが…。

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表紙は、5月にタイムズスクエアで試合をするライアン・ガルシアvsローランド・ロメロをメインとしたメガファイト。

試合自体への興味はもう一つですが「タイムズスクエア」でどんな具合にリングが設営されるのか、非常に楽しみです。

そして、4月15日がTHE FIGHT(あるいはTHE WAR)、マービン・ハグラーvsトーマス・ハーンズから40周年ということで10ページにわたる大特集。

続いて「ドミトリー・ビボルが主役に躍り出たライトヘビー級」「スター候補のキーショーン・デービス」「ディエゴ・コラレスvsホセ・ルイス・カスティージョ」「ヘビー級の台風の目、ジョセフ・パーカー」の特集に続いて…「A MONSTER'S PASSION(怪物の情熱)」!。


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サウジアラビア傘下のリング誌はコミック風イラストをこれでもか!と押してくるのですが、これは日本人には不評でしょう。それでも、井上を取り上げてくれるのなら、ま、いっか。

そして、巻末の連載「The Face of Boxing」でも井上が「Naoya Inoue The Quest for greatness(グレートへの飽くなき追求)」。

さあ、リング誌を読みましょう…今のリング誌が面白いかどうかは、あなたの評価に任せます。私からは何も言いません。

デジタルバージョンのみなら年間10ドル、約1500円。金額的にはけして高くありません。サントリーの角瓶くらいか?



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【左】英国ボクシングニューズ(BN)誌024年8月29日号。あまりにも唐突な「こんにちは」。中身の記事との関連性もありませんでした。「日本=漫画」ということで、吹き出しにセリフを入れてみようと考えたのか?それなら「俺は怪物君だ♬」の方が…。

【右】1月23日号。おもいきり日本語で「モンスターに迫る脅威 誰が井上尚弥を攻略できるのか」。その言葉の通りに、記事は「RIVALS The biggest threats in Inoue's future(好敵手 井上の前に立ち塞がるライバルたち)。

わずか5ヶ月でここまで来たか!さすが、創刊1909年の世界最古のスポーツ専門誌!




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デイリーの「大山」は予想通りとはいえ、サンケイが「マー君」。
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米国のBOXING NEWS24が「Inoue vs Kim: Why No Buzz?(井上とキムの試合はどうして誰も興味を示さないのか?)」という記事をアップ。

「井上尚弥はこれまでのキャリアで、36歳(当時)のノニト・ドネアよりも強い相手とは戦ったことがない。弱い相手ばかりを選んできた」。

「ドネア戦では右眼窩底と鼻骨を骨折、大苦戦を強いられたが、もしドネアの反射が若い頃のように鋭く、当て勘も正確であったなら、井上の顎を撃ち抜いていたはずだ」。

 The answer is pretty obvious as to why Inoue chooses not to move up to featherweight. It’s too hard. 

「井上が(めぼしい対戦相手のいないジュニアフェザー級にしがみついて)なかなかフェザー級に上げない理由は明らかだ。フェザー級はレベルが高いから」。


 I can’t blame him because of the easy money coming in without Inoue taking any risks. I’d probably do the same thing.

「強い相手を避けて楽してカネを稼ぐ井上を責めるつもりはない。もし、私が井上なら同じことをするだろう」。




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トップランクと業務提携しているESPNもなぜか井上には優しくなく、昨日も「Yet he still remains somewhat of a mystery to many American boxing fans since he constantly fights in Japan at odd hours in the U.S. (米国のボクシングファンにとって、米国では夜明けの時間の日本で戦っていることから見る機会がなく、ミステリーな存在のまま)」。

さらにESPNは「Is there a fight that could help Inoue become a star in the U.S.?(井上が米国でスターになるきっかけとなるような対戦相手はいるのか?」として「There's only one at the moment, and it's unlikely to happen. That would be a fight against Gervonta Davis(現時点では1人しかいない。ガーボンタ・デービスだ」。

確かに、米国でタンクを破壊するなら、スターへの足がかりになります。マニー・パッキャオのマルコ・アントニオ・バレラです(さすがにそこまでではないか)。

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また、井上はイチローや大谷翔平とは全く違います。

ここで難しいのは「世界最高峰」の定義です。

まず「ボクシングはマイナー競技だから野球やサッカーとは比較できない」という正論はここでは語りません。

世界最高峰の定義を「リーグのレベル」「世界的な注目度(尊敬と栄光)」「高額の報酬」「日本での逆輸入的人気」の4つにしてみましょう。



大谷翔平らのMLBを例にとると「リーグのレベル」が日本よりもはるかに高いのは明らかです。


▶︎「リーグのレベル」という点では、ジュニアフェザー級以下は日本が層も厚く、レベルも高いと考えて差し支えないでしょう。

つまり、海外にボクシングファンが注目する軽量級のスターなどまず存在しません。

軽量級には「世界的な注目度」というものは、そもそも存在しないのです。

これは何も恥ずかしいことではなく、大相撲や将棋などの世界も同じです。



▶︎「世界的な注目度」は野球は米国の影響を色濃く受けた環太平洋の一部の国だけでメジャーですが、米国でメジャースポーツに数えられていることで、こと定義も問題なくクリア。

世界最高のスポーツアワードESPYの最上位の賞をすでに獲得している大谷翔平が、他の日本人男子アスリートと一線を画した特別すぎる存在であることは誰もが認めるしかないでしょう。

一方で井上は言うに及ばず、フロイド・メイウェザーもマニー・パッキャオもESPY賞にはカスリもしませんでした。



▶︎そして「高額の報酬」。大谷を例に出すまでもなく、マイナー契約の佐々木朗希ですら契約金10億円です。説明不要。

大谷や大坂なおみはフォーブス誌などのアスリート長者番付にランキングされます。井上尚弥もサウジから30億円、ファイトマネー合計20億円(信者さんが信じてる額はもっと上?)、合計50億円レベルなら100傑の下位に顔を出しても良いはずですが…おそらくそうはなりません。

なぜでしょうかね…?



▶︎「日本での逆輸入的人気」。5番目に書きましたが、これも大きなポイントです。

米国のスーパースターたちと互角以上に渡り合う大谷翔平の大活躍に「日本人として誇らしい」という感情を膨張させることができるのは、その情報が世界最高峰の舞台からもたらされるからです。

世界最高峰が欧米に存在しないボクシングの軽量級では「日本での逆輸入的人気」は起こり得ません。






▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎井上には、マニー・パッキャオが歴然と意識していた人気階級=メジャー、軽量級=不人気階級=マイナーの意識はおそらくないでしょう。

より大きな報酬、より大きな注目度を渇望するパッキャオにとって、オスカー・デラホーヤから届いた対戦オファーは人生最高の喜びに打ち震えるものでした。

一方で、井上は当時1階級上のメキシカン、エマヌエル・ナバレッテの対戦要求に「階級が違うから縁がなかった」と、シラっと片付けるのでした。

もちろん、これはパッキャオが勇気の塊で、井上がチキンということではありません。

もし、井上がパッキャオの立場なら、タンク・デービスとの対戦に前のめりになっていたはずです。

そして、パッキャオが井上の立場なら、試合10日前にオファーが届いたリーロ・レジャバ戦なんて迷うことすらなく断っているでしょう。

ナバレッテの対戦要求も絶対に受けなかったでしょう。

マルコ・アントニオ・バレラやエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスなんて「縁がないにもほどがある」と、やはり断固受け付けなかったはずです。

「アメリカに日本以上の報酬と注目があるなら行くけど、そうでないなら行く必要も意味もない」という井上のスタンスですが、そもそもアメリカに軽量級に大きな需要がありません。

つまり、アメリカにもヨーロッパにも軽量級ボクシングの世界最高峰の舞台など影も形もないのです。

当然のことながら、サウジアラビアにも…。



最初の夢の見方が大間違いだっただけです。
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漫画やん…。

いや、漫画にもならん。

スポーツ選手を礼賛する形容は数え切れませんが「漫画やん…」「漫画にもならん」というのは、その中でも最上級でしょう。

そんなのは、まずいません。

例えば、井上尚弥をそう語る人もいるかもしれませんが(いるわけないか?)漫画雑誌の編集会議を想像してみましょうか。

◾️漫画家「ジュニアフライ級からフライ級をスキップしてジュニアフェザー級まで4階級制覇、PFPトップ争いをする無敵の日本人ファイターが主人公です!」

✖︎編集部「せっかくの漫画なのに、どうしてジュニアフライ級とかジュニアフェザー級なの?あまりにも現実的すぎるでしょう。経済大国から滑り落ちかけてる日本が憧れのマーケットで、王者になっても専業になれないとか、漫画にするには夢がなさすぎる」

◾️漫画家「でもPFPです、PFP!」

✖️編集部「夢がないんだよ。PFPはいつもヘビー級に対する言い訳、ヘビー級に冷淡なランキングでしょ。いっそのこと、日本人なのに大巨人でヘビー級タイトルを完全統一。倒した相手はラスベガスやニューヨークで人気のスーパースターで大金持ち。さらに、オクタゴンでMMAルールを飲んで、結局は二つの拳だけでUFCヘビー級王者までKOしてしまう、なんて方が漫画らしい」

✖️編集部「そうそう、それでもPFPランキングにはリストアップされない、なんてクール!JBCは「UFCのオクタゴンに入った瞬間にライセンスを剥奪する」と警告しても「別に日本で試合するわけじゃないから、JBCのライセンスは要りません」と完全無視。




…井上尚弥の場合は、別の意味で「漫画にもならん」なのです。


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こんばんわ。
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シュガー・レイ・ロビンソン賞(SUGAR RAY ROBINSON AWARD)は、全米ボクシング記者協会(BWAA)という米国の組織が選定する年間最高選手賞(Fighter Of The Year)ですが、この賞が世界最高のボクサーの証です。

Joe Louisの名前が冠せられた、10年区切りのFighter Of The Decadeも表彰されていますが、こちらは90年代から始まり歴史が浅く、選出されたのは3人だけ(90’:ロイ・ジョーンズ/2000年代:マニー・パッキャオ/2010年代:フロイド・メイウエザー)。

JOE LOUIS AWARDはさておき、井上尚弥はボクサーとしての最高栄誉を手にしたわけです。

これで一発殿堂はともかく、殿堂入りも間違いありません。





ただ、ボクシングはマイナースポーツ。つまり、ボクサーがボクシングの枠を超えた評価を勝ち獲ることは非常に難しいということです。

1993年に立ち上げられたESPY( Excellence in Sports Performance Yearly)賞の総合部門は、1954年から「世界最高のスポーツ選手」を表彰する役割を担ってきたSports Illustrated誌のSports person of the Yearに取って代わり、その豪奢な表彰式は〝スポーツ界のアカデミー賞〟の異名の通り。

この世界最高アスリート賞に日本人で選ばれたのは大坂なおみ(2021年)と大谷翔平(2022年)の二人だけ。

男子でここ10年で選ばれているスポーツはNFLとNBA、NHLの選手だけ。

ユニコーンはここでも強烈な異彩を放っていますが、NHLで受賞したのは、この10年に限らず、2018年のアレクサンドル・オベチキンだけ。このロシア人の方がユニコーンですね。

さて、ボクシング。31年の歴史でスポーツの枠を超えて総合部門のESPY賞に選ばれたボクサーは…たったの一人もいません。

ボクシングがメジャーだった1970年代までなら世界ヘビー級チャンピオンがSports person of the Year(当時はSportsman of the Year)に当然の如く選ばれていましたが、そんな時代は遥か彼方に過ぎ去ってしまいました。

マニー・パッキャオもフロイド・メイウェザーもカネロ・アルバレスも、総合部門のESPY賞には全く無縁、お呼びでないのです。「カネロ?メキシコで有名でも世界では誰も知らないんじゃESPY賞は獲れないよ」と笑われるのが関の山です。

ボクシングでは人気階級のスーパースターですら、無名と言われてしまうのです。マイナースポーツの悲哀です。

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さらに、メジャースポーツでセンセーションを巻き起こすとタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」 に選ばれ、単独カバーを飾ることもあります。

ここでもやはり、大坂と大谷がこの栄誉に輝いています。

しかし、マイナースポーツに落ちたボクシングがセンセーションを起こすことは事実上、不可能です。

モハメド・アリはボクシングどころか、スポーツの枠をも超えた偉人でしたが、「世界ヘビー級チャンピオン」つまり世界で最も有名な人物であったことが、彼の業績の大前提にあったのは間違いありません。

1960年代〜70年代初めの世界ヘビー級チャンピオンの知名度と威厳は、現在では想像すらできない次元にあったということです。信じられないかもしれませんが、ボクシングがメジャーだった時代が確かにあったのです。

しかし、ボクシングの人気も威厳も地に落ち、マーシャルアーツの選手にヘビー級チャンピオンがボクシングルールで転がされてしまう時代になってしまいました。

私は80年代からボクシングに興味を持ち始めましたが、モハメド・アリの名前は知っていました。ジャック・デンプシーもロッキー・マルシアノも知っていました。

今、オレクサンデル・ウシクやテレンス・クロフォードを知っているスポーツファンがどれだけいるでしょうか?

日本ではボクシングファンですら「井上尚弥がPFPを争っているから知っているだけ」という人が大半かもしれません。


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ボクシングではTIME誌は論外、Sports Illustrated誌でも表紙になることは遠い夢になってしまいました。


「欧米で、井上はカジュアルなボクシングファンの間で有名か?」と聞かれると、否定せざるを得ません。

BWAAの表彰式はコンパクトで、ESPYと比べるとマイナー感が濃厚、質素で地味ですが、個人的には大好きです。

地元でもほとんど知られていないという黒ミサみたいな式典で、質素で地味ですが、粗末ではありません、卑しくもありません。

「軽量級のボクサー」というマイナースポーツのマイナー部門みたいなジャンルではESPY賞の栄光は夢を見ることすらできない眩さですが、ここまで落ちぶれたボクシングではたとえ人気階級でもメジャースポーツを差し置いて頂点評価を受けることは不可能なのでしょうか?

あるいは「こんなパフォーマンスを発揮したらボクサーでもESPY賞の可能性がある」というような、夢の材料はあるのでしょうか?

あのモハメド・アリですらメジャースポーツだった時代に「世界ヘビー級チャンピオン」であることが大前提で、社会や歴史に大きなインパクトを与えたのですから、その大前提が死滅した現代では絶対不可能なのでしょうか?

井上尚弥が、大坂なおみや大谷翔平のような世界評価に浴することが絶対不可能なのは「軽量級だから」ではなく、それ以前に「ボクシングだから」なのでしょうか?


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うーん。

井上尚弥には、マニー・パッキャオのようにMLBの始球式のマウンドにも上がってほしかったのですが、ノニト・ドネアでもそんな機会は与えられませんでしたし、仕方がないところでしょうか。

ドネアに言われるまでもなく「米国ではジュニアフェザー級のチャンピオンなんて誰も知らない」でしょうし…。



今日はマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われたトップランク+ESPNのイベント(ザンダー・ザヤスvsパトリック・テイシェイラ)を観戦。

ESPNのマーク・クリーゲルは井上を「PFP No.1」と表現していますが、これは間違いではありません。

先月来日したルイス・ネリも「井上はPFP1位じゃない」と話していましたが、PFPというのは人それぞれ、ESPNでも井上を No.1に推すパネリストもいますから「ESPNのPFPで1位」「リング誌で1位」という表現でなければ間違いではありません。

これが、パッキャオやメイウェザーのように多くのメディア全員一致でPFP1位のファイターが存在する時代なら、他のファイターを1位とする表現は妥当ではありませんが。

井上は中谷潤人との対戦について「対戦相手の一人としてすごく楽しみな選手」と前向きな発言。

フェザー級転向は「体が出来上がってから」と、しばらくジュニアフェザーにとどまる意向で、中谷は「バンタム級統一は最優先ではない」と最優先が別にあることを示唆しています。

ネクストモンスターが来月20日のビンセント・アストロラビオとの防衛戦を大方の予想通りに圧勝でクリアして、ジュニアフェザー級転向を宣言というのが、ボクシングファンにとって最高にエキサイティングな展開です。

中谷も堂々のPFPファイターですが、アストロラビオに快勝するとさらにランクアップの目もあります。

モンスター対決が実現なら、勝者がPFP1位というだけでなくFighter Of The Yearの最右翼に躍り出ることになります。

プエルトリカン・デイということでザヤスをメインにしたイベントでしたが、MSGといってもシアター。キャパ5000人ですから、有明アリーナの3分の1。

ミゲール・コットの引退からスーパースター不在のプエルトリコ。人気階級で戦うザヤスがコットのように強くなって、MSGのスポーツアリーナをフルハウスにする日がいつかやって来るでしょうか?


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