カテゴリ: ESPNから

世界最大のスポーツメディアであるESPNは、長らく続いたトップランクとの関係を解消、格闘技については「ボクシングからMMA(UFC)とプロレス、より大きくより成長が見込めるジャンルに完全シフト」しました。

ボクシングのサイトも10年前と比べると質量ともに大きく縮小。マイナーなボクシングの中でもさらにマイナーな軽量級を扱うのは珍しくなってしまいましたが、明日の「井上尚弥vs中谷潤人」については3人だけの予想とはいえ、きっちり記事に上げてくれています。



******** 現代ボクシングのエリートボクサーの1人、井上尚弥がキャリア最大の試練に挑む。対する中谷潤人もESPNのPFPに名前を連ねる、やはり強打者。

2人の元王者とベテランの関係者に、この試合の焦点と勝敗について予想してもらった。

▶︎ホルヘ・リナレス…私は以前から井上の大ファン。でも、この試合は彼にとって最も厳しいテストになる。試合は判定までもつれ込むと見るけど、何が起きるかわからない。ダウンシーンがあるとしたら、井上の方かも。それでも、井上は逆境を乗り越えるんじゃないかな。

[中谷が勝つには?]ボクシングに徹すること。手数は増やしすぎてはいけない。井上のスピードと攻撃能力は、中谷よりも上。リードはしっかり打ち続けて、左の強打を狙いたい。井上はおそらく、サウスポーが苦手。スタイルでは中谷に活路がある。

[井上が勝つには?]自分の距離を作ること。ボディショットがキーパンチになる。いつもの獰猛で正確なカウンターが有効に打てる距離を作ることに成功したら、試合は井上のものだ。

[どっちが勝つ?]予想が難しい50−50のファイト。私が井上が負けるかもしれないと思った初めての試合だ。ものすごいクロスゲームになるが、中谷の僅差判定勝ちを予想する。


▶︎アレハンドロ・サンティアゴ…勝利の方程式を持つ2人が激突する好勝負。井上がダウンしたのは、いずれもサウスポースタイルからのワンパンチ。ルイス・ネリとラモン・カルデナスと比較しても、中谷の左のパワーは凄まじい。

[井上が勝つには?]井上はいつもの攻撃スタイルになるのを我慢できない。しかし、とにかく慎重になるべき。中谷のパンチは、ネリやカルデナスとは全く違う。ただ、エルナンデス戦とロドリゲス戦、中谷は特に後半になって苦しめられた。あれは一つのヒントになる。常にプレッシャーをかけ続けることだ。中谷にとって井上の速くて強いジャブは初めて経験することになる。

[中谷が勝つには?]彼の作戦は長い距離を保ちながら、パンチを放ち続けることだろう。とにかく、井上の接近を許さないこと。井上が恐ろしく危険なパンチャーであることは、彼もわかっているだろう。

[どっちが勝つ?]どっちに転んでも驚きはない。しかし、井上の方が経験で上回り、賢いボクシングができる。井上が勝つんじゃないか。


▶︎アル・バーンスタイン…前戦で評価を落とした中谷だが、あの試合だけを考慮してはいけない。とにかく素晴らしいマッチアップだ。このクラスで完熟している井上がパワーで上回る。それでも、中谷も全く非力ではない、そして非常に巧みな戦い方をする。

[井上が勝つには?]早い段階でパワーを見せつけたいと考えているはず。井上はファンタスティックなテクニシャンでもある。彼こそが、まさにボクサー・パンチャーのお手本だ。ただ、井上はここ数試合でダウンを喫し、この2試合は決定的な場面も作れず、ジャッジに仕事をさせた。戦略的な理由はあるだろうが、常識的に考えると劣化の兆候だ。ただ、中谷にとって井上の右は大きな武器になる。より重いクラスで適応していることが、井上の明白なアドバンテージになるだろう。

[中谷が勝つには?]オッズは明白に不利だが、その通りに受け取れない。井上はこれまでサウスポーにも勝ってきたが、見直すと危険なタイミングをいくつも見つけることができる。井上のスタイルにとって、サウスポーは危険な要素になる。4ラウンドまでに試合の趨勢は決まる。井上のパワーが目立つか、中谷の距離と手数に井上が戸惑っているか?中谷は井上に警報を聞かせることが重要になる。

[どっちが勝つ?]中谷が勝つ可能性も十分あるが、パワーで上回る井上が勝つでしょう。(ジュニアフェザー級に適応した)体格とパワーで分のある井上の方が勝ち方のオプションも多い。ただ、白熱の名勝負になるでしょう。 ********


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=====昨夜の報道ステーションで井上の練習風景を特集。井上が苦しそうになると、トレーナー陣から「中谷はもっとやってるぞ!」と、何度も檄が飛んでいました。

モンスターのキャリアで、ここまで対戦相手を意識したのは初めてでしょう。この試合に限らず、井上は「サウスポーが苦手、クロスレンジでのサウスポーの左が見えていない」というのは散々指摘されてきました。

クロスレンジが苦手というのは、死角が多くなるのですから、誰にとっても同じ。腹筋を締めて顎を引いて頭を相手に引っ付ける接近戦ではなく、離れたり近づいたりの中での一瞬のクロスレンジを得意とするボクサーはほぼいません。

井上も2度のダウンシーンいついて「相手は一か八かでその距離に来た」と振り返っているように、弱者のギャンブルゾーンです。一つ間違えば、逆にノックアウトされてるのですから。

ただ、今回は「最も相性が悪い」と自覚しているように、いつも以上に左の攻撃に敏感になって防御を固めるはず。ネリやカルデナスとは違うことは、井上が一番わかってるはずです。






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From 50/50 to Cy Young? Dodgers' Shohei Ohtani on a mission


ESPNから。 

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昨年、大谷翔平が二刀流に戻ったとき、ドジャースの投手コーチ、マーク・プライヤーは「厄介なことになりそうだ」と感じていた。

トップバッターでありチームの核でもある打者・大谷と、他の投手と同じようなコミュニケーションをとる時間はないだろうと確信していたからだ。

そう、物理的に時間がないのだから。

しかし、プライヤーはすぐに自分の確信が間違っていたことを思い知らされる。

確かに、マウンドを降りた大谷が次の攻撃の先頭打者のときはベンチの戻らず(ありえない!)、ダグアウトの前で打者としての装備に〝衣替え〟すると、すぐにネクストバッターサークルに走る。

しかし、先頭打者でないときはダグアウトに入ってキャッチャーと私と3人でしっかり話し込むんだ。

「何が起きたのか。次のイニングの対応を話し合い、大谷は自分の投球フォームやチームのゲームプランの流れの中でこれから何をすべきかを聞いてくる。もちろん、先頭打者でなくても次打者の場合もあるから、話し合いが途中で切れることもあるが、彼は最初からそれも織り込み済みで会話しているんだ」。

「私は投手コーチのプロフェッショナルだと自信を持っている。しかし、彼はツーウェイ(二刀流)のプロフェッショナルだったんだ」。

ドジャースの関係者もツーウェイ大谷のプロ意識の高さに驚いている。「彼は二重人格だ。打者としてはのびのびしした陽気な天才だが、投手になると特別な緊張感が漂う。1球のミスでチームが負けることを誰よりもよく知っている天才になる」。

アンドリュー・フリードマン編成本部長は「彼は投手として間違いなく自分に不満を持っている。ホームラン王を獲った。誰も成し遂げていない50/50という排他的なクラブまで開設した。彼はサイ・ヤングをミッション(使命)だと考えているだろう。いま、自分が何を言ってるのか理解しているつもりだよ、50/50をやってのけた打者がサイ・ヤング賞を使命だと考えていると言ってるんだ」と、大谷の特別さを語る。

"He can go out there and win a Cy Young this year. I have no doubt about that."


ウィル・スミス捕手も「サイ・ヤングを獲るよ、それについて私はなんの疑いも持っていない。そもそも、獲って誰が驚くの?いまさら」。

31歳の大谷翔平は過去5年間で4度のMVPを獲った。もっと獲った選手もいるが、大谷はその全てを満票で選ばれている。ユニコーンのユニコーンたる所以だ。

4度のMVP、その全てが満票。しかも、それはあくまで現時点での話なのだ。

Leaving no doubt that he is the greatest, most singular talent in Major League Baseball history


彼がMLB史上最高であるだけでなく、唯一無二のプレイヤーであることには疑いようがないところまで来てしまった。

2度の手術を挟んだエンゼルス時代の2021年から2023年にかけて、大谷は74試合に先発登板、防御率2.84、542奪三振をマークした。

同じ期間で大谷よりも防御率が良かったのはマックス・フリードとマックス・シャーザーの2人だけ。奪三振率が高かったのはブレイク・スネルだけ。

もし、大谷が今年キャリア最高のマウンドを見せれば…サイ・ヤングを獲れない方が不思議だ。

もちろん、こんなおかしなことがいつまで続くのか、それはわからない。

もしかしたら、今年がツーウェイ崩壊の年になるかもしれない。大谷も「3度目(の手術)はない」と覚悟している。

もしそうなったら、私たちは歴史的な出来事が終わってしまった悲しさに涙し、それを目撃できたことがどれほどの幸運だったのかに気づいて、やはり嬉し泣きするだろう。









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ESPNから〜

No other men's world champion boxer can match Inoue's activity this year and some question whether it has been too much.

年間4試合も戦うチャンピオンはどこにもいない。

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海外のファンからは「雑魚相手の4試合に意味はない」という声も聞こえますが、強豪相手に4試合どころか1試合でも戦ったチャンピオンがどこにいますか?

テレンス・クロフォードのカネロ・アルバレス????????

そろそろ、笑う段階です。

まだ3ヶ月しか経っていませんが「最強クロフォードは、最強カネロにも勝てる!」ではなく「どっちも峠を越えてるが、精神的に燃え尽きてるのはカネロ」という戦前の予想やオッズを思い出せば、あの試合の輪郭がはっきりするでしょう。

もちろん、井上の対戦相手ーーーキム・イエジュンにラモン・カルデナス、ムロジョン・アフマダリエフ、そしてアラン・ピカソ、アフマダリエフを除くと雑魚です。

そのアフマダリエフはカネロと比較するとはるかに昇り調子で、階級を公平に見ると間違いなくカネロよりも手強い相手でした。

井上がWBSS決勝であいまみえたノニト・ドネアが、バドが迎えたカネロに近似しているかもしれませんが、勢いは全く違いました。

「年間試合数」という観点の話を戻すと、井上には需要があり、クロフォードには需要がないという事情は確かにあります。

チャンピオンが試合を渋る現代の〝戦うチャンピオン〟で記憶に新しいのは、井上が対戦を「縁がなかった」という名言で回避したエマヌエル・ナバレッテです。

ナバレッテは、WBOジュニアフェザー級のストラップを2018年12月8日(王者アイザック・ドグボエから奪取)から2019年12月7日(4度目の防衛戦=vsフランシスコ・オルタ)まで、ちょうど1年間で5試合のアルファベットタイトルマッチのリングに上がりました。

しかし、メキシカンといっても叩き上げのナバレッテと、永遠のAサイド井上は立ち位置が全く違います。

名前を売る必要のあるナバレッテと、世界的に貧困な軽量級という事情も踏まえて日本国内だけで飛び抜けた需要を持つ井上。

ナバレッテは「贅沢いえない、選り好みできない〝貧民〟」ですが、井上は「軽量級が尊敬される唯一の先進国を母国に持つ、選り好みできる〝一等選民〟」なのです。

それでも、今の時代に4試合も戦う姿勢は、これは敬服しかありません。

その理由は「ボクシングが大好きだから」なのでしょうが、それも嬉しい、ファンにとって嬉しい。

マイク・タイソンのような特殊なファイターと並べるのは間違っているのでしょうが、タイソンがこのスポーツがいかに汚くて、選手にとっておぞましいものかを吐き出しているのは聞くに耐えませんでした。

最近では、タンク・デービスが「ボクシングなんて死んでる」「スポーツとしてのボクシング?どうでもいい」と馬鹿にしてるのにも、こいつを誰か叩きのめしてくれと呪いました。

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今年もあとわずか、でもボクシングのイベントは盛りだくさん!タイトルマッチだけでも何試合?

酔っ払ってなにを書いてるかわからなくなりましたが・・・・おやすみなさい。












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今度はESPNの2025年のPFP100傑。

1位はテレンス・クロフォード。

2025年にリングに上がったのは、カネロ・アルバレスに軽微な番狂せで勝利した1試合だけでしたが、現時点での印象点が高いのは認めるしかありません。

これから時間が経つにつれ、その評価がどう変容していくのか?

2位には井上尚弥。

Top fighters such as Inoue aren't known to fight more than twice a year nowadays. However, Inoue has already fought three times in 2025 and will add a fourth when he faces Picasso later this month in Riyadh, Saudi Arabia. 〜井上のようなトップ選手が年間2試合以上戦うことはほとんどない。年間2試合どころか、井上はすでに3試合を消化し今月末には4試合目が決定しているのだ。

③オレクサンデル・ウシク、④ドミトリー・ビボル、⑤バム・ロドリゲス、⑥アルツール・ベテルビエフ、⑦シャクール・スティーブンソン、⑧デビッド・ベナビデス、⑨中谷潤人、⑩デビン・ヘイニー。

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3人目の日本人はずずず〜っと降って79位に寺地拳四朗、90位に武居由樹、91位に西田凌佑…。5人しかかいってないのか。

ボクシング中継から完全撤退したESPN、やる気も失っているようです。
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ESPNのPFPが、バム・ロドリゲスとシャクール・スティーブンソンの快勝を受けて更新されました。

ESPNが世界最大のスポーツメディアだから、というわけではなく(この10年ほどでボクシングの扱いは激減中)、1位から10位までを10点〜1点でカウント、記名投票制で行われるPFPは最も透明性があるとされています。

対立王者プメレレ・カフを粉砕したバムが前回6位から5位に、苦戦も予想されたウィリアム・セペダを打撃戦にも応じながら快勝したスティーブンソンが10位から7位にジャンプアップしました。

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ESPNのPFP10傑は以下の通り[リング誌の順位]。

①オレクサンデル・ウシク[①]

ついに、17人の投票者の全員が1位に推しました。十人十色、妄想を楽しむPFPですが〝10人一致〟となると、これはもう妄想ではない?

満票はフロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオの全盛期以来でしょう。ヘビー級でそれを達成したというのも別格の価値があります。

21世紀最高のヘビー級、その足場を固めつつある。



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②井上尚弥[②]

これほど支配的でスリリングなファイターはいない。9月にムロジョン・アフマダリエフ、そして来年にはバンタム級から上げてきた中谷潤人との〝全日本最高選手決定戦〟のリングに上がる。

1位票は得られなかったが2位票は10/17を集めた。


③テレンス・クロフォード[③]

かれがPFP1位に返り咲けない理由はたった一つだけ。あまりにも試合数が少なすぎる。2位票は7/17。

しかし、彼に勝てば全てがひっくり返る。


④ドミトリー・ビボル[④]

キャリア唯一の敗北を高い学習能力を見せつけて雪辱した。次戦はアルツール・ベテルビエフか、デビッド・ベナビデスか?


⑤バム・ロドリゲス[⑦]

まだ25歳。そしてPFP5位というポジションが過小評価に見えてしまう、超逸材。

11月にフェルナンド・マルチネスを期待通りに下すと、今年のFighter of the yearの最有力候補だ。


⑥アルツール・ベテルビエフ[⑤]

バムに押し出される形で6位に順位を落とした。

PFPランキングを賑わす実力はまだまだ持っているが、ついに40歳の大台に乗った。年齢との戦いが始まる。


⑦シャクール・スティーブンソン[⑨]

ファンが毛嫌いするボクサーだったスティーブンソンが大化けしたのか?

セペダ戦に不満があるとしたら「KOできなかった」だけ。「トムとジェリー」の鬼ごっこにはしなかった。


⑧カネロ・アルバレス[⑧]

いまなお、ボクシング界で傑出した興行能力を誇るメキシカン。

クロフォード戦は有利の予想だが、鮮烈な勝ち方をすることで一発殿堂確実のレガシーに新しい勲章が付与される。


⑨デビッド・ベナビデス[No Ranked]※

カネロと戦うために、168ポンドでやるべきことは全て済ませたが、そのチャンスは訪れなかった。

ライトヘビー級ではビボルやベテルビエフという名実ともなった強豪との激突が期待される。驚くべきはまだ28歳で、まだ全盛期とは思えないところ。


⑩中谷潤人[⑥]

バンタム級に上げてからの5試合を全てKOで片付けているもう1人のモンスター。

井上尚弥との日本史上最大の決戦は、両者があと1試合か2試合を無事にクリアすると実現確実。



※リング誌では寺地拳四朗を9位にランク、ベナビデスは圏外。


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THE LAST DANCE?〜これが見納め?(英国ボクシングニューズ誌:2021年8月19日号)ーーー残念でした、ハズレ…。

15年ほど前には長期にわたって満票1位に君臨したマニー・パッキャオですが、今回は10位票の一つも獲得できず。まあ、パッキャオが入っちゃうとマリオ・バリオスも入れなきゃいけませんからねぇ…。

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ESPNの毎年恒例のMidyear boxing awards: Best KO, fighter, fight and more(各賞中間発表)を一部紹介。

そういえば、この世界最大のスポーツメディアはトップランクとの長年の業務提携を解消、ボクシング界からどんどん距離をとって離れています。

15年ほど前は、マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーの試合をリアルタイムで採点、解説してくれる充実ぶりで、WOWOWの放送とセットで視聴し「贅沢な時代になった」と感慨に耽っていたものです。

選者はAndreas Hale と Nick Parkinson。


【BEST FIGHT 】

H:クリス・ユーバンクJr. vs コナー・ベン
世代を超えた強烈なライバル関係。これほどの敵対関係は他にない。前宣伝が派手な試合はつまらない展開になりがちだが、この対決は見応え十分だった。

P:ファビオ・ウォードリー vs  ジャスティス・フニ
WBAヘビー級暫定王者決定戦。ウォードリーの劇的な逆転KO。




【BEST FIGHTER】

H:ドミトリー・ビボル
初戦の敗北から学習してアルツール・ベテルビエフにリベンジ。

P:ドミトリー・ビボル
ビボルがベストだということには同意する。すでに今年2試合を戦っている井上も素晴らしい。




【BEST KO】


ここもHとPは一致…

ブライアン・ノーマン vs 佐々木尽

むむむむむ…がんばれ!尽!また世界のリングに戻って来い!



【BEST MOMENT】

ここも一致。
Chris Eubank Jr. arrives at fight with his father.

ユーバンクJr.が父親と一緒に会場に姿を見せた瞬間。
確かに盛り上がってましたけど…日本人にはそこまで思い入れありません。

ーーー12ストーン(168ポンド)のスーパーミドル級は、カネロ・アルバレスの活躍もあって、英国だけでなく、いまや米国でも人気階級。

今年の上半期は「ユーバンクとベンの2世対決」が最大の注目だったということですか…。



【Biggest news story】

最も耳目を集めたニュース!

H:ジェイク・ポールによる女子ボクシングの隆盛。

P:マニー・パッキャオの電撃復帰。

ーーー報道の質量を見ると、そうなりますわな。

日本のBiggest news storyは「井上尚弥vs中谷潤人が来年激突で内定!」ですが、世界的には余程のマニアでないと興味関心は示してくれません…。

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ESPNから Which fighter will end the year atop ESPN's pound-for-pound rankings?

アンドレアス・ヘイルとニック・パーキンソンの意見です。

ちなみに、ESPNのPFPトップ5は①アレクサンデル・ウシク、②井上尚弥、③テレンス・クロフォード、④ドミトリー・ビボル、⑤アルツール・ベテルビエフ。

ESPNは公開投票制で16人の専門家のうち、最も多くの1位票を集めたのはウシク(13人)。井上が2票、クロフォードが1票で続きますが、きわめて少数意見。

パーキンソンの投票は集計結果と同じ順位。ヘイルは①ウシク、②クロフォード、③井上、④ビボル、⑤ベテルビエフで、井上とクロフォードが入れ替わっています。

クロフォードを井上よりも評価したヘイルは「カネロとの大一番に勝利して3階級でUndisputed championになれば、クロフォードを1位にしない理由がありますか?彼はカネロに勝つだけでなく、スパースターのメキシカンをキャリア初のTKO負けに追い込む実力もある。クロフォードがPFP1位から遠ざかっているのは試合数が少ないから。カネロに勝利したら、そんな理由は瑣末なこと」と、カネロに勝利することを前提にクロフォードを推しています。

パーキンソンは「ウシクは今年2試合を予定、どちらも勝利を収めるはず。そして、公言通りに今年で引退なら、その時点で井上が繰り上がり1位になるはず。クロフォードがカネロに勝つと、1位返り咲きに強力なカードになるが、あくまでウシクの引退が大前提。ウシクが勝ち続け引退しない限り、他のファイターにチャンスはない」と、PFP1位交代はウシクの動向次第としています。

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▶︎▶︎▶︎個々人の妄想でしかないPFP(パウンド・フォー・パウンド=パウンド当たりの強さ・体重同一時)に明確な基準などありません。

あるとしたら「実際に戦えばヘビー級が一番強いに決まってる」「軽量級は層が薄く専業ボクサーも少ないからレベルが低い。その逆にウエルター級やミドル級はレベルが高いからPFPから軽量級はPFPから外すべき」という、妄想から離れた現実論はNGです。

「ヘビー級が一番強いからヘビー級最強がPFP1位」だとか「レベルの高いウエルター級最強がPFP1位」と考えるのは妄想から離れてしまっているので、PFPではありません。

体重同一時、全ての階級を同じレベルだと公平に見ることで成立する妄想であるPFPは、すなわち「弱者の言い訳」です。

人気・実力面で弱者の代表格である軽量級に光を当てたい、強者の代表であるヘビー級は遠ざけたい、というのがPFPです。

しかし、ウシクの評価が厄介なのは、50ポンド以上も重いタイソン・フューリーを翻弄するなど、10ポンド単位で自分よりも重い相手に勝ち続けているということ。

ウシクは「パウンド・フォー・パウンド=体重同一時」という、弱者の言い訳という妄想を使わずに巨大な体重ハンデを跳ね返してしまったのです。妄想であるはずのPFP(体重同一時)を逸脱して、現実の舞台で「重い方が強い」という階級制の根本概念を破壊してしまったのです。

繰り返しますが「妄想がPFPの根源であり、そこに現実を持ち込むのはPFPではない」のです。もし、そうなら、ウシクはPFPから完全に外すべきです。

ウシク的な強さまで広げてPFPを解釈してしまうと、軽量級が何階級も飲み込まれるような体重差を跳ね返して勝利を収めるヘビー級もそれなりに評価しなければなりません。

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例えば、デオンティ・ワイルダーは世界戦の全試合で自分よりも重い相手と戦いました。フューリー戦以外でもバーメイン・スティバーンやドミニク・ブリージール、ロバート・ヘレニウスら30ポンド以上重い相手と戦い、ウシクのようなクロスゲームではなくKOで勝利。それなのに、PFP10傑に数えるメディアは少数派でした。

もし、ワイルダーがフューリーや、幻となったアンソニー・ジョシュアとの無敗王者対決にKO勝利してUndisputed champion になっていたとしても、ウシクのような満票に近いPFP1位評価は受けていなかったと思われます。

身長198㎝/リーチ211㎝のワイルダーは十分に大きい、191㎝/198㎝のウシクはヘビー級としては小さいだけでなく、クルーザー級だったという残像もプラス評価に作用しているように思えます。

ヘビー級のウシクは巧さはあってもけして傑出した強さは見せていません。それどころか、緊張して判定のアナウンスを待つような試合も珍しくないのが現実です。もし、ウシクがデビューからヘビー級を主戦場にしていたら、現在のように高い評価を受けていたでしょうか?















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女子スポーツは男子と比較して「スピードがない」「パワーがない」「迫力に欠ける」と見られ、プロスポーツとしては同じ種目でも人気も報酬も男子よりも遥かに下であるのが現実です。

例外的に「女子テニス」や「女子ゴルフ」などは〝遥かに下〟ではなく男子に準じる地位を確保しています。また、米国限定ですが「女子サッカー」は男子よりも遥かに上の注目度と報酬、尊敬を集めていますが、「女子ボクシング」となると〝遥かに下〟というだけでなく「女子が殴り合って血を流しているのなんて見るに耐えない」という拒絶感まで入り込んできます。

亀田和毅ら非力な男子ファイターを解説者が「まるで女子の試合を見ているよう」と笑うのは、女子ボクシングは面白くないという偏見の発露です。

専門家やコアなマニアがチェックするPFPでは非常に高い評価を集めたリカルド・ロペスは日本でも人気のあるレジェンドですが、米国のカジュアルなボクシングファンの間では全く無名、女子ボクサーの前座をつとめるなど人気と報酬面では不遇のままでキャリアを終えました。

とはいえ、それは男子とはいえ全く関心の払われない軽量級だから。「女子がメインで人気階級の男子を従えた」わけではありません。




それでも、少しずつ時代は動いています。

2022年4月30日「ケイティ・テイラーvsアマンド・セラノ」のUndisputed Jr.Welterweight championshipがマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)140年の歴史で初めて女子の試合がメインで起用されました。

もちろん、シアターではなくキャパ2万人のアリーナ。チケットは早い段階でソールドアウト。当日は1万9187人が詰めかけました。

このメガイベントをジェイク・ポールと共同プロモートしたエディ・ハーンの「今夜の問題は男子がどうとか女子がどうとかではない。素晴らしいファイターが素晴らしい試合を見せてくれた」という通りの内容。

アイルランドのテイラー、プエルトリコのセラノというニューヨークにファンベースを持つトップファイターの激突とはいえ、女子がMSGのアリーナをフルハウスにしたのです。

女子ボクサーが、ワシル・ロマチェンコやゲンナジー・ゴロフキンを人気で凌駕したのです。





そして、7月11日にこの2人の第3戦目がやはりMSGでセット。このイベントも歴史的な意味を持ちます。

メインからアンダーカードが全て女子の試合という非常に珍しい、画期的で野心的なイベントです。





プロモートは、ジェイク・ポールが立ち上げたMost Valuable Promotions(MVP)。ジェイクはこのイベントに先立つ6月28日にフリオ・セサール・チャベスJr.とのビッグファイトに登場、そのアンダーには契約初戦のホリー・ホルムもリングに上がります。

カネロ・アルバレスの後を継ぐスーパースターを完全に見失った米国ボクシングに、女子ボクシングという一筋の光が射し込んでいます。


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スポーツの世界は技術だけでなく道具(ギア)の進化によっても記録を伸ばしてきました。

靴本体とブレードが分離するスピードスケートのスラップ・スケート、人体を流線型に締め上げる競泳のレイザーレーサー(現在は禁止)、反発力を生み出すプレートをソールに内蔵した厚底シューズ…。




…そしていま、ニューヨーク・ヤンキースの分析部門が開発した魚雷型のトルピード・バット(torpedo bat)が旋風を巻き起こしています。

トルピードバットは、いわゆるバットの芯の部分を太くしたボーリングのピンのような形が特徴で、愛用者の1人であるヤンキースのベリンジャーは「重量が手に近いように感じるため、バットが軽くなったように感じる。それが最大の利点」と語っています。

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ESPNはこのバットを発明した元物理学者のアーロン・リーンハートの「2023年の開幕から三振が増えていることに芯の部分を太くするとヒッティング面積も増え三振が減るはず」という最初の仮説を紹介しています。

もちろん、芯を太くすると重量が増し、スイングスピードが落ちてしまうため、先端部分を細くする方向で開発を進めます。

寸胴型のツチノコバットやスリコギバットは、金属バットやプロ野球でも福本豊が愛用していましたが、重量は重くなっており、ゴツン!と強打してパワーを補完する意味合いが大きいバットでした。

MLBを席巻している魚雷はツチノコとは違い、パワーヒッターにも好んで愛用されています。

シーズン開幕当初、魚雷バットは「規定に反する違法バットではないか?」とも疑われましたが「バットは滑らかで丸みをおびた棒状のもので、最も太い部分の直径は2.61インチ(6.6㎝)以下、長さは42インチ(106.7㎝)以下でなければならない」というMLBルールの中に収まった正当なギアで、コルク内蔵のサミー・ソーサの違法バットなどとは違います。

さて、しかし。

重量そのものは変わらなくても、重量バランスは大きく変わります。スイングしたときのイメージには、少なくとも使い始めは大きな違和感を覚えるはずです。

昨季、大谷翔平とMVP争いをしたメッツのフランシスコ・リンドーアも今季から魚雷バットに持ち替えましたが、打率.100、本塁打ゼロと悪戦苦闘しています。


一方で、当のヤンキースの主砲アーロン・ジャッジは従来型のバットを使用して今季も爆発的なパフォーマンスを見せています。

大谷翔平も「いまのバットで十分満足」と、魚雷を握る気はありません。

魚雷の効果をどこまで評価すべきかは、もう少しデータが揃ってきてからになるのでしょうが、現時点ではスラップスケートやレイザーレーサー、プレート仕込みの厚底シューズのような「誰がどう考えても明白なアドバンテージがある」とは言えません。

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と、ここで早めのお昼。

なんとシンプルな中華そばじゃ。
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ESPN のAndreas Haleの記事から。

George Foreman was more than a boxing champion
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1991年9月11日、まだ10代前半だった私は、父親と一緒にテレビで「イベンダー・ホリフィールドvsジョージ・フォアマン」を見ていた。

初めて見るジョージ・フォアマンは、父親から聞かされていた人物とは、あまりにもかけ離れた体型と容貌をしていた。

父親が語るフォアマンと、テレビに映っているフォアマンが全く一致しない、同じ人物とは思えなくてひどく混乱したことを覚えている。

父親は「歴史上最強のパンチャーでジャブまで速くて強烈だ」」と説明してくれた。

リングアナウンサーのマイケル・バッファーも「史上最も破壊力があるパンチャー」と紹介したが、私にとっては幼い頃から見ていたマイク・タイソンこそが最強であり、アリやフォアマンなんて過去の遺物、老人たちが昔を懐かしんでいるだけじゃないかと思っていた。

だから、私はバッファーが「ジョージ・フォアマン!」とコールした、赤いバスローブで257ポンドの肥満体を隠してコールを受けるハゲ頭の中年を見て「この人がフォアマンなの?」と父親に聞いた。

私はプロレスのハルク・ホーガンも好きだった。私の目に映ったフォアマンは、タイソンやホーガンがいつも簡単にぶっ飛ばしていた〝jobber(やられ役)〟以下の雑魚に見えた。

テレビでは解説者も「フォアマンが全盛期ならホリフィールドは何も出来ない」と決めつけていたが、90年代のボクサーにとって、70年代の強打者なんて話にならないと、私もまた決めつけていた。

アリやジョー・フレイジャーの名前も知っていたが、私にとっては昔話で、そんなグループに所属する年老いたフォアマンが現代ヘビー級最強のホリフィールドに挑戦するなんて無謀にもほどがあると思っていた。

全盛期のタイソンが一番強い。なぜなら、あんなに簡単に対戦相手を沈めるボクサーなんて見たことがなかったからだ。

あのタイソンがフォアマンの対戦要求から逃げ続けていることも、全く納得できなかった。老人をいじめるのが可哀想だから、逃げてるふりをしているだけだと、そんなふうにも思っていた。



フォアマンやアリ、フレイジャーもその目で見て、タイソンも知っている父親やバッファーや解説者たちがどうして「全盛期ならフォアマンが最強」なんて言うのかさっぱりわからなかった。

人間は最初に見たものを最強と思い込んでしまうのかもしれない…そう思ってハッとした。私の「最初」はタイソンだったのだ。そして、私はアリもフレイジャーもフォアマンも知らない。

しかし、父親たちはその両方をよく知っている…。


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