フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: ドーピング

   
Saturday 13, April 2013
Radio City Music Hall, New York, New York, USA  

Junior-feather Contest, 12 Rounds
WBA Junior-feather Title 

WBO Junior-feather  Title 

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故障を抱えていたと言い訳したドネアでしたが、リゴンドーのフェイントにことごとく引っかかってしまいます。

2013年4月13日。リング誌に言われるまでもなく、すでに衰えをいくつも指摘されていたドネアにとって、この日が「終わりの始まり」だと、多くのファンも予見できました。

そして、それはある意味で正しく、ある意味で間違いでした。

確かに、そのあとフィリピーノ・フラッシュは弱々しく明滅しながら坂道を転がり落ちて行きます。

試合前、ドネアは自らの目を指し「俺は速いぞ。よく見ておけ。ノロマのお前には見えないだろうが」と、いつものトラッシュトーク。

興奮するドネアに、ギレルモ・リゴンドーは「その目玉を潰すよ」とつまらなそうに答えました。

そして、キューバ人は宣言通りにフィリピン人の眼窩底を破壊しました。

あれから、9年。

2階級落ちた層の薄いバンタム級とはいえ、ドネアがPFPファイターとの再戦のリングに上がるなんて、誰が考えたでしょうか? 

 

当時、ゴールデンボーイ・プロモーションズとの契約を試みようとしてたドネアへの当てこすりのようなリゴンドー戦でした。

トップランクはその手を緩めず「リゴンドーとの再戦かフェザー級か」を迫ります。

当時のリゴンドーは引き出しゼロのドネアが再戦でどうこうなる相手ではありません。ボクサーの次元が違います。より悲惨な結果しか待っていないのは、当のドネアが一番よくわかっていたでしょう。

しかし、フェザー級を選択した〝裏切り者〟ドネアに、ボブ・アラムは容赦しませんでした…。 
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ビクター・コンテとマーガレット・グッドマンは対極的な人生を送ってきました。

コンテはBALCOの創設者兼社長であり、史上最悪のドーピングスキャンダルの主犯。

彼は2005年に、違法なステロイドの配布とマネーロンダリングの罪を認める司法取引に応じて、刑を大幅に軽減されましたが、それでも4か月の実刑判決を科せられました。

「私が捕まったのは全て内部告発。ドーピングが見破られたことは一度もない」。

そう豪語していたコンテは出所すると「改心した」とクリーンなスポーツ、教育、改革に生涯を捧げると語ります。
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現在、カリフォルニア州サンカルロスにSNAC(Scientific Nutrition for Advanced Conditioning)を起業、最先端の施設で、コンディショニングと栄養士としてアスリートをサポート。

〝ドーピング・グル〟コンテはその知識を提供し、かつて自らが汚染させたスポーツ界の健全化に努力しているのです。
 
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そして、グッドマンはラスベガスで開業している神経内科医。

ネバダ州アスレチック・コミッションの主任リングドクターと医療諮問委員会の議長として、ボクサーの健康とドーピング問題に正面から取り組んできました。

アジアの軽量級選手が直面している過酷な減量にも警鐘を鳴らし、2005年にはマニー・パッキャオらをサンプルに「フェザー級のパキャオはフライ級に乾燥させるような無茶な減量を強いられていた。弱い相手を探すのではなく、より強い自分を探す体重管理をすべき」と主張。

グッドマンはVoluntary Anti-Doping Association(VADA)を創設、ボクシング界では最も誠実なドーピング機関として活動しています。
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釈放されたコンテに群がった迷えるアスリートの一人が、ノニト・ドネアでした。

「私が捕まったのは全て内部告発。ドーピングが見破られたことは一度もない」というコンテにすがる彼らの思い、心の奥底に何が潜んでいるのかを想像すると、清々しい思いにはなれません。

コンテは、あれほど多くの有名選手とドーピング犯罪を繰り広げた張本人です。

WADAですら手玉に取ったコンテにとって、ザル検査のVADAをすり抜けるのは朝飯前でしょう。

それにしても、ドネアには「李下に冠を整さず」という美学がある日本人の感覚とは懸け離れた心理、思考回路があるようです。

セカンドチャンスは与えられるべきで、コンテは司法取引もしていますから引き続きドーピングの知識を活かした職業に就くのも自由です。

ただ、日本ならコンテはスポーツ界から永久追放です。 もちろん、そんな硬直した社会意識が世界から遅れをとる一因になっているのですが…。
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Saturday 7, May 2022
T-Mobile Arena, Las Vegas, Nevada, USA  
Light Heavy Contest, 12 Rounds

WBA World Light Heavy Title

commission:Nevada Athletic Commission
promoter:Eddie Hearn (Matchroom Boxing)
matchmaker:Kevin Rooney Jr
media:DAZN  


ジュニアミドル級で最初の世界タイトルを獲得したカネロ・アルバレスは、4階級21ポンドも上のライトヘビー級でもパワーボクシングを展開してきました。

…。ビボルの動きが素晴らしい。

カネロをローブに詰めるなんて!

中盤までの8ラウンド、明らかにリード。私のフシ穴採点では79-63。フルマークでもおかしくありません。




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Saturday, May 7th clash in Las Vegas’ T-Mobile Arena 

World Boxing Association World Light Heavy Title


昨日行われた最終記者会見。

両選手・陣営とも刺激的なトラッシュトークはなく、悪い意味で地味に進行した印象でした。
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かつて「リングの中で戦うのに英語は要らない」と野茂英雄みたいなことを言っていたカネロですが、ここ数試合で英語は随分流暢になりました。

「シンコ・デ・マヨの週末に試合ができることを誇りに思う。メキシコを代表して戦うんだと、強い気持ちでいる。ビボルは素晴らしい世界チャンピオンでアマチュア時代から豊富な経験を積んできた手強い相手」。

一方のビボルも、丁寧に一語一句をかみしめるように英語で質疑応答。

「本当に大きなチャンスをつかむことが出来た。この幸運に感謝したい。この数年間、陣営といつも夢見ていた試合が現実になっった。素晴らしい試合をお見せする。このスポーツに5歳のときから打ち込んできた。16歳で2度目のアマチュア世界王者になった。そしてプロで19試合、全て勝利を収めて私は世界王者。週末の試合、勝利しかイメージできない」。

オッズは5-1で、ホームのカネロが圧倒的有利。

カネロのKO勝ちは5/2(3.5倍)、ビボル15/2(8.5倍)。

「カネロが終盤ストップする」という専門家予想と同じく、オッズでも第8〜第10ラウンドでカネロがKOする賭け率が19倍で最も低く、大穴はビボルの1ラウンドKO勝ちで101倍。

5-1レベルのオッズが引っくり返されるのは珍しいことではありませんが…そのフェイバリットがカネロとなると、これまで何度も繰り返された不可解なジャッジも考慮すると100-1レベルに思えてしまいます。
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カネロ・アルバレスのライトヘビー級戦があと3日に迫りました。

私のようなアンチがカネロを嫌う理由は、①過保護なマッチメイク、②ドーピング騒動の2点に集約されるでしょう。

①については、カネロだけでなく、村田諒太やオスカー・デラホーヤ、古くはジョージ・フォアマンも過保護なマッチメイクでプロキャリアに線路が敷かれました。

それなのに、どうしてカネロだけが嫌悪されるのか?

あらためて問いかけるのも無駄なことですが〝村田ゲート〟を通るには「富裕国の五輪金メダリスト」という絶対的な手形が必要なのに、カネロはボクシング大国のメキシコの生まれとはいえ、五輪に出場すら出来なかった馬の骨です。

馬の骨の分際で、温室の中に丁寧に線路が敷かれたから反感を買うのです。世界王者になってからもキャッチウェイトや、当日リバウンド制限などを対戦相手に強いて(現実には相手は喜んで受け入れてるのですが)、リスクの大きいパンチャーを徹底的に回避してきたのが腹立たしいのです。

もちろん、五輪金メダリスト以外は〝村田ゲート〟を通るべからず、なんて国際法はありません。ボクソングが盛んでない国や、人気のない階級で五輪メダルを獲るよりも、メキシコの人気者の方が優遇されるにふさわしい、今はそんなメキシコの時代だといわれたら返す言葉もありません。

②のドーピングについては、世界的な統括団体が不在というボクシングの構造上の問題です。「五輪選手がドーピングしたら永久追放に匹敵するペナルティを科せられるのに、プロボクシングでは6ヶ月のライセンス剥奪なんて甘すぎる」なんて騒いでもなんの意味もありません。

ライセンスを剥奪できるのは米国なら各州のコミッション、日本ならJBCです。世界中のコミッションがライセンスを剥奪しないと意味がないのですが、足並みを揃えるなんて不可能。それができるなら、国際連合的なコミッションが出来ています。

ドーピングが発覚すると、ランキングから一定期間追放するリング誌やESPNなどのメディアでもドーパーが殿堂入りすることに異論を挟むことはありません。

そして、おそらくカネロは①にも②にも、自分が主体的となって絡んでいません。カネロだけを蛇蝎のように嫌うのは、江川卓や桑田真澄に罵声を浴びせた多くの野球ファンと同じレベルです。

それでも、カネロを忌み嫌うのは、江川や桑田のように孤立無援、四面楚歌の中で戦っていないからです。
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ネバダ州の経済に大きなインパクトを与えた2015年のメガファイト。↑ファン投票の勝敗予想ではパッキャオが圧倒的に支持されていましたが…。

およそ年間200試合、課税対象のファイトマネー合計1億5000万ドルもの興行を打つネバダ州アスレティック・コミッションにとって、カネロの試合は200分の1か2に過ぎません。しかし、カネロがファイトマネー合計の50%以上を占める年も珍しくないのが現状です。

この数字にはカネロの試合目当てにラスベガスのホテルに宿泊し、カジノやショーも楽しむ経済効果は換算されていません。

承認料が収益のほとんどを占める承認団体にとっても、収益の中でカネロ戦は大きな割合を占めているでしょう。カネロに4団体統一してもらうことは、団体に取っても最高の形です。

カネロ戦を開催するために1000万ドル単位のサイト・フィー(招致料金)を支払うMGMグループや、毎度特別ベルトを製作して買い取ってもらうWBCにとってカネロは神様みたいなものです。

カネロがテキサス州のAT&Tスタジアムや、ニューヨーク州のマディソン・スクエア・ガーデンで試合をされると、ネバダ州全体の大損失なのです。
 
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カミラ・ワリエラが個人フリー演技で自滅しました。

後味の悪い結果です。

ドーピング問題から、ワリエラの出場した団体のメダル授与式は行われず、今回の個人でも同様の処置がとられました。

ワリエラが個人に出場できたのは、彼女が16歳以下の"protected person"(保護対象者)だからというのが大きな理由です。

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しかし、15歳の彼女は本当にprotectされたのでしょうか?

世界中から非難と疑惑の視線と言葉を浴びせられた15歳にとって、あのリンクは夢の舞台などではなく、残酷な処刑場になってしまいました。

ドーピングをしたから当然の報い、などであるはずがありません。

15歳の少女をあんな目に遭わせては、絶対にいけません。

今回の五輪で、ドーピング問題だけでなく、同じくらい深い問題が浮き彫りになってしまいました。


16歳以下のprotected personをどんな形で保護するのかも考えられないIOCが無神経で厚顔無恥な営利団体なのは十分理解していても、どうにもこうにも、やりきれません。
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まず、ネーサン・チェンが素晴らしかった、強かった。

4年前の平昌では勢いだけだった18歳が、母方のルーツの地である北京で躍動しました。

フリーで使ったエルトン・ジョンの「ロケットマン」も力強いリズムで舞うチェンにピッタリでした。

日本勢は銀メダルに鍵山優真、3位に宇野昌磨、4位に羽生結弦。

SPの〝事故〟がなければ羽生が勝ててたか?なんてイフは無意味です。圧巻のレベンジを果たしたチェンの金メダルには拍手を送るしかありません。

チェンの後、2〜4位を日本勢三人が占めたのは期待はしていたとはいえ「嬉しい驚き」「史上最強」(荒川静香)にふさわしいパフォーマンスでした。
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清々しい風が吹いたような男子フィギュアに対して、女子は団体戦の表彰式がサスペンドされる異常の事態に揺れています。

ロシアのコメルサント紙が「優勝したロシアのカミラ・ワリエワがドーピング検査で陽性反応を示した」と報じ、多くのメディアも追随しています。

コメルサント紙は複数の関係者への取材で、15歳の妖精が大会前に提出したサンプルから禁止物質にリストアップされているトリメタジジン(TMZ)が検出されたとしています。

TMZは心臓病の薬として使われるのが一般的で、冠動脈を拡張して心臓へ流れる血液の量を増加させ、心肺機能を上げる効果があるため、競技力向上につながります。

国際オリンピック委員会(IOC)が昨日開いた記者会見で、マーク・アダムス広報は「継続中の法的案件で、現在話せることは何もない。多くの報道は憶測の域を出ない」とだけ語っています。
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ロシアは国家ぐるみのドーピングを進めていたことで、2019年から4年間、国際競技から追放されました。ロシアの選手はドーピングに潔白であることを条件に中立的な「ロシアオリンピック委員会(ROC)」の旗のもとで参加されることが認められています。

潔白な選手を救済するのは当然の処置ですが、今回のロシアは最大規模の214名を北京に送り込んでいます。

「ROCの選手は母国の国旗を背負えず、肩身の狭い思いをしてそう」という同情は、間違っているのかもしれません。

「ロシアに対するペナルティは形だけのもの、国旗をROCにしただけ」(ESPN)という指摘は、間違いではありません。

IOCが「継続中」というのは、ワリエワのサンプルが陽性反応を示したのが本当にTMZなのかどうか?という点も含めた世界アンチドーピング委員会(WADA)の検査結果かもしれません。

WADAによると、TMZが、許可されている片頭痛治療薬ロメリジンが偽陽性反応を示して尿検体に現れる可能性があるということです。

ただ、これが五輪開催直前に採取されたサンプルなら、白か黒かを時間をかけて調査するのはわかります。

しかし、AP通信は、このサンプルについて「先月エストニアで開催されたヨーロッパ選手権でワリエワが優勝する前、12月に採取された」と報じ「五輪の最中に、どうして去年12月のサンプルの陽性反応が降って湧いてくるのか?」と疑問を投げかけています。

国際スポーツ専門弁護士ポール・グリーンは「検査結果を一定期間内に報告しなければならないという義務はない。検体が研究室に投げ込まれ、誰かの悪意ではなく放置されることがないとは言えない」と、「偶然放置され、偶然五輪中にサンプルを検査した可能性も否定できない」とESPNに語りました。

今後、事態はどう進展するのか?

グリーンは「ワリエワとIOCは、メダル剥奪には至らない警告を含む制裁を彼女が受け入れることで合意に達する可能性」を挙げています。

もし、IOCが持ちかけた妥協点にワリエワが納得しないなら「現地で緊急案件を審理するスポーツ仲裁裁判所(CAS)のアンチ・ドーピング部門のパネルに問題が持ち込まれることになる」(グリーン)。

中国とロシアとIOC。そして、検査機関のWADAと、裁判所のCAS。非常に複雑な問題が絡み合っていますが、IOCは迅速に見解を発表するしかありません。

女子個人戦は来週に迫っています。

15歳の神業に感動した一人としては、残念すぎる展開です。そう、15歳です。

16歳以下は"protected person"(保護対象者)です。この点も「進行中の法的案件」をより複雑なものにしているのでしょう。

ワリエワが失格なら?

日本が銀メダルに繰り上げですが、素直に喜べるはずもありません。
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ノニトとレイチェル、そしてビクター・コンテ。

8月14日に内定していたWBC王者ノニト・ドネアと、WBO王者ジョンリール・カシメロのフィリピン対決は、日本国内では「カシメロがドーピング検査を拒否した」と勧善懲悪的に語られていますが、両陣営が嘘の応酬で事態を険悪化させたのは明らかです。

カシメロ陣営の決定的な非は、レイチェルに事実に基づかない誹謗中傷を浴びせたことです。

その他のカシメロ陣営の主張は、レイチェルは否定しているものの、おそらく事実に近いでしょう。

「数年前にドネアをスパーリングパートナーに指名したが、逃げられた」。→これはカシメロがこれまでも何度も口にしていたことで、事実でしょう。

ただ、ドネアが逃げたのはボコボコにされるのが怖いのではなく「後輩のパートナー」にまで落ちることにプライドが邪魔したのかもしれません。

「今回のVADAのプログラムは3万ドルと、軽量級ボクサーにとっては世界戦のファイトマネーに匹敵する金額で、自己負担ではすぐに登録できるものではなかった」。→レイチェルは「3万ドルなんてありえない」と言いますが、帝拳がルイス・ネリのVADAプログラムを肩代わりしたのが150万円でしたから、より厳格な「五輪式」なら全く見当違いの金額ではありません。

カシメロをマネジメントするショーン・ギボンズはマニー・パッキャオの右腕でもあり、パッキャオと常に距離を置こうとするドネアをSNSでいつもバカにしてきた。

「パッキャオは強い階級に登るが、ドネアは弱い階級に落ちぶれる」。

「コンテが司法取引で釈放されると真っ先にすり寄ったのがドネア。まともなアスリートならコンテとは関わらないはずなのに、どうしてだろうか?」。

レイチェルは反論します。

「フロイド・メイウェザーとは違いからノニトは無視されるが、ノニトは五輪式ランダム検査を提唱したパイオニア。酒も飲まないし葉っぱ(大麻)も吸わない。ノニトほど健全なアスリートはいない。一市民に戻ったコンテを犯罪者扱いするのは名誉毀損」。

Nonito had to deal with pressure as being maybe the next big thing from the Philippines, post Pacquiao.

「ノニトはパッキャオの後継者という重圧にいつも晒されていました」。

「フェルナンド・モンティエルを2ラウンドでKOしたのは、パッキャオのリッキー・ハットン戦のミニチュア版だった」「パッキャオが名前を挙げたフェザー級であなたは酷い挫折を経験した。引退しないのか?」「パッキャオにとっては通過点だったライト級でPPVスターが夢だと語ってしましたが、それが破れてはるかに下の階級で細々と闘うモチベーションはどこから来る?」…。

「トップランク時代にパッキャオの前座に起用されるのを、常に断り続けたのは当然でした」。

「ゴールデンボーイ・プロモーションズへの移籍がトップランクの訴訟によって妨害された後、ボブ・アラムは無理難題を押し付けてきました。ギレルモ・リゴンドーにニコラス・ウォース…」。

「最後にマッチメイクが提案されたのは、スパーリングでウォータースを追いかけまわしていたオスカル・バルデスでした。ノニトはそこでトップランクに頭を下げました。もう無理だと」。

トップランクは「ドネアはトップランクの厳しいマッチメイクに耐えられないとリリースを要求してきた。ドネアは偉大なファイター。契約期間はまだ残っているがフリーエージェントにしてあげました」。

裏切り者に大恥をかかせたアラムは、さぞかし気持ちよかったでしょう。嫌な年寄りです。

「その頃にはもう、オスカー・デラホーヤもノニトへの興味を完全に失っていました。彼はアラムが大切なものを横取りしたかっただけでした。アラムが捨てたものには関心を示しませんでした」。

その頃、釈放されたコンテが、Scientific Nutrition for Advanced Conditioning (SNAC)という健全な?サプリメント提供会社を創立しました。

彼は、禁止薬物PED(Performance enhancing drug)をルールを無視してアスリートに提供したことで収監されていたのです。

米国的なセカンドチャンスの考え方は、あるべきだと思います。更生した人物がその知見を活かして、正しく社会に貢献するなら大賛成です。

しかし、コンテは自分が制作したサプリメントなどに「PED」とブランディングしているのです。

それを問われたコンテは「Performance Energy Drink」の略だと言い放ったのです。もちろん、どんな名前をつけようが自由です。

しかし、そんな元犯罪者を信じられますか?反省の色が全く見えません。 完全にボクシング界をナメています。
 
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ンテは「ボクシングの検査はザル」とことあるごとに嘲笑しています。そして、ボクサーの顧客を集めています。

社会的な影響力の低いボクシングではドーピングが発覚しても試合結果が有効という、完全治外法権の世界です。

コンテはメジャースポーツに手を出したから世紀のスキャンダルに発展しましたが 、マイナースポーツのボクシングではドーピングは野放しです。

ドーピング問題で揺れた「フロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ」から1年後の2016年にWBC は「クリーン・ボクシング・プログラム」をキックオフさせますが、VADAと業務提携したその内容はネバダ州アスレティック・コミッションが「私たちの方が厳格」というような酷い内容でした。

WBCのプログラムはパスカルを〝摘発〟するなど一定の効果はありますが「私たちはやってますよ」という主張のためだけのポーズに過ぎず、あの腐敗団体がフリオ・セサール・チャベスJr.など人気選手に検査が甘いのは変わりません。

〝パスカル〟たちも、今後は「マスキングをうっかり忘れた」とかの凡ミスしなくなるだけです。イタチごっこですらありません。

そして、ここが重要なポイントです。

多くのケースでドーピングが発覚したとき、選手は「知らなかった」と主張します。

ジャン・パスカルは複数の筋肉増強剤に陽性反応を示したことに驚き「即刻、栄養コンディションイングコーチを解雇した」と釈明しました。

本当に知らなかったのかどうかはがわかりませんが、パスカルが過去にメモ・エレディアら〝その道〟の達人をアドバイザーにしていたのは事実。

憶測でものをいうべきではありませんが、ドネアの検査はもっと厳格にしなければなりません。もし、何かが出ても「知らなかった。コンテを信じていたのに」と弁解するだけです。

ドネアがドーパーかどうかは、わかりません。

ただ、確実な事実はノニト・ドネアは「李下に冠を正した」ということです。

日本人的な感覚では到底理解できません。
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そのことについては、レイチェルもノニトも「セカンドチャンスを奪われる国はおしまいだ」というだけです。

私たちが聞いているのは「どうして李下に冠を正したのか?それまでしてコンテの〝力〟が必要だったのか」ということでしたが。

ドネアは「ボクシングをクリーンにしたい。子供たちの手本になりたい。今までに何度もドーピングで罰金を支払った選手を見てきた。彼らを軽蔑するし、私は不正をする必要がないから堂々としている」と胸を張りますが、コンテを軽蔑しないのは、なぜでしょうか? 
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日本なら「ドネアはスポーツマンの紳士」。「カシメロは低脳な野蛮人」。 

米国なら「極貧から這い上がった謙虚なパッキャオ」と「嫉妬と金銭欲に狂った下劣なメイウェザー」。

古今東西、どこの馬鹿でもステレオタイプな切り口が大好物です。


馬鹿は、歴史を知りません。というか、知ろうとしないから馬鹿なのです。


ノニト・ドネアを下手したら3年前に知ったようなアンポンタンが「ドネアは紳士」とのたまいます。

馬鹿は、米国を知りません。メイウェザーは〝まともな〟人気があると思い込んじゃいます。

それでも「ドネアvsカシメロ」が破綻した直接の原因がVADAのドーピング検査でないことは、誰にでもわかるでしょう。

「偏見でモノを言うな。事実で説明しろ」と説いてきた私が、こんなことをいきなり言うのは自分でもおかしいとは思いますが、ドネアのトラブルは、トップランクとゴールデンボーイ・プロモーションズの抗争の道具にされたこと、父ドネアとの決別、などなど…これまでにも数え切れないほどありました。

そして、その舞台裏(今回は表舞台?)には、いつも必ずレイチェルがいたことも。

そして、今回はドネアの栄養・コンディションイングコーチであるビクター・コンテが、カシメロ陣営に検体提出のタイミングについて非難を浴びせました。

コンテは、ドーピング・グル(教祖)と世界中が認める、実績でも名前でもドーピング界で飛び抜けた第一人者です。

ドネアは本当にサムライですか?

過去のトラッシュトークや対戦相手を愚弄する行為を持ち出すつもりはありませんが、彼はずっと〝仙人〟だったわけではありません。

少なくとも、今でも「李下に冠を正さず」という倫理観は完全に欠落しています。

もちろん「誰にだって、たとえコンテみたいなスポーツ史上最低の極悪犯罪者にだってセカンドチャンスは与えられるべき」という欧米的な理屈は、ありです。 

しかし、ルイス・ネリを許せなくてコンテは許す、という、一部の日本のボクシングファンの理屈は、私には全く理解不能です。

まー、コンテなんて知らないというのが本当のところなんでしょうが。

おれおれ詐欺の出し子だけを激しく馬鹿みたいに憎悪して、本丸には全く思い至らない…。まさにこれぞ、馬鹿思考極まれり、です。
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カシメロ陣営の最大の非は、噂レベルでしかないレイチェルの過去などを誹謗中傷したことです。これは、絶対に許されません。

しかし、それらはこのブログでは全くどうでもいいことです。
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しかし、2番目の非は、大問題です。

つまりこのブログで最優先のリングにかかわる非です。

WBCのピースを持つドネアとタイトルを賭け合うということは、通常実施されるドーピング検査だけでなく、WBCとVADAで結託している「クリーンプログラム」に登録しなければならないということです。

統括コミッションの検査に上乗せてVADAの検査プログラムにも登録するということになります。

もう何度も書いてるので、繰り返しませんがVADAはザルです。

そして、VADAはある意味、検査の承認団体の様相も呈してきています。最悪のルートです。

もちろん「やらないよりはやったほうがいい 」という理屈もあるでしょう。

実際、私もリング誌などで読んだレベルですが、米国で最も厳格なネバダ州アスレティック・コミッションよりもVADAはマシです。

それでも〝ちゃんと〟ドーピングする輩にとってVADAの検査など、簡単にくぐり抜けれます。

零細企業のVADAは「五輪式365日24時間ランダム検査」を標榜しても、海外の選手まで検査できません。

それどころか、米国内でも「VADAは連絡してから来る」(フロイド・メイウェザー)、「フィリピンで検査されたことは一度もない」(パッキャオ)という有様です。


本物の「五輪式ランダム」は365日24時間、いつでも検査に行く、応じなければアウト、というだけだはありません。

365日24時間の「所在地」を提出しておかなければならないのです。報告していた場所にいなければ、その時点でアウトです。

こんなものパーティーマンのメイパックが応じるわけがありません。

それ以前に「クリーンプログラム」を掲げるWBCが、フリオ・セサール・チャベスJr.をどれほど遇したかは、ボクシングファンなら誰でも知ってるでしょう。

「メキシコベルトをリングに上げるな」とWBCを罵ったドーピング・アルバレスに、最終的にWBCが〝土下座〟したことも知っているでしょう。

レイチェルはいつも狡猾(かしこく)て、カシメロはいつも暗愚(ばか)です。 

もし、井上vsドネアⅡが実現したら、ザルVADAではなく、JADAに文字面だけでない本物のオリンピック式プログラムで依頼するのも一考です。

日本人だから盲目になってるのかもしれませんが、どう考えても井上尚弥がドーピングしてるとは考えられません。

本物の五輪式365日24時間ランダムが導入されると、コンテは慌てるでしょう。シャバに出てからは、ご自慢のマスキングも最先端では試されていませんから。

かつてのドーピング・グルも今はロートル。JADAの検査でも突破できないかもしれません。

というか、そうなるとリング上では「井上vsドネア」で、リング外では「JADAvsドーピング博士」。

普通に考えて、コンテ、つまりドネア陣営が拒否するでしょう。 
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8月14日に予定されていた「ジョンリール・カシメロvsノニト・ドネア」の大一番が、中止の危機にさらされています。

WBO王者カシメロがVADAのドーピング検査プログラムへの参加を拒否したことを受けて、WBC王者ドネアが「そんなやつとは試合できない」と辞退を表明したというものですが、正式には何も発表されていません。
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BoxRecのスケジュールも削除されていません。 

ドーピング疑惑が根強いドネア陣営が仕掛けた駆け引きという見方もされていますが、この種のゴタゴタがおきるのはボクシングの世界では慣れっこです。

米国では各州のコミッションが試合を統括、薬物検査も義務付けていますが、多くの場合試合前後にしか検体採取は行われません。 

検査のタイミングがわかっていたら、禁止物質を隠蔽するマスキング作業も容易になりますが、それがボクシングの現状です。

ドネアの栄養コンディション管理を担当する、ドーピングの専門家ビクター・コンテも「ドネアはカシメロとの試合を拒否する」と語っていますが、カシメロ陣営の声は聞こえてきません。

日本ではドネア=良い人、カシメロ=悪者ですが、世界のボクシングマニアの間では、過去にドーピング犯罪にどっぷりつかっていたコンテと組んでいるドネアのドーピング 疑惑は以前から指摘されてきました。

VADAの検査は義務ではありません。短期でも1万ドル以上のコストがかかり、相手を参加させたいのなら、こっちがその費用を負担する提案をしてからの話です。帝拳がルイス・ネリの検査料を全額負担したように。

どっちにしても、楽しみなカードだけに実現して欲しいのですが…。

 
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