カテゴリ: スポーツよもやま話

先週の木曜日、日本高校野球連盟は今年度(5月末までの集計)の加盟校数、部員数調査の結果を発表しました。

加盟校数は3,768校(前年比30校減)、部員数は12万5381人(同1,650人減)。11年連続で減ってしまいました。

最も減少したのが埼玉の148人、次いで兵庫の122人、秋田の103人。部員数が最も多いのは、東京の9,208人、次いで愛知6,778人、神奈川6,197人で最も少ないのは鳥取の738人。

平均部員数は33.3人(同0.1人減)。継続率(3年生部員数÷入学年度1年生部員数=中途加入部員を含む)は90.1%。

36道県で部員が減少してしまいましたが、11都府県で増加。最も増えたのは大阪の192人。

運動部への入部自体が減少傾向にあるなかで、全体で11年連続減とはいえ全国で12万人5381人の球児が硬式球を硬式グローブで追い、硬式バットで打っているのです。

11年連続減は部員数で2014年(17万312人)からの降り坂。加盟校は2012年の4071校から13年連続減。

今年度の3,768校、12万5381人は、41年前の1985年(3,819人/13万577人)と同水準。

ただし、分母となる高校生の数は1989年の564万4000人がピークで、2024年では290万6921人と出生率の低下を反映して大きく数字を落としています。

野球部への〝入部率〟という視点で見ると、かなり上がっているのかもしれません。

また、かつて70%割れに迫った継続率は近年、90%で高止まり。これも嬉しい数字です。

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「取材パスを発行しない」という事件が、日本と海外でほとんど同時に報じられ、ちょっとしたニュースになっています。

日本では、NPB(日本野球機構)が日本シリーズの取材パスをフジテレビから没収したことなどが独占禁止法に違反するおそれがあるとして、公正取引委員会が調査に乗り出しています。

NPBは2024年10月、TBSによる日本シリーズ初戦の中継と同時刻に、フジテレビが大谷翔平選手が出場するMLBワールドシリーズのダイジェスト番組を放映したことを理由に、フジテレビの取材パスを没収しました。  

フジテレビ問題もからんで大きく報道されましたから覚えている人も多いのではないでしょうか?

公取委は「フジテレビの取材機会を著しく制限するだけでなく、放送各局の番組編成の制約につながるおそれがある」として、NPB関係者に聴取を開始したということです。

「MLBの放映権を最大限に活用したい」というフジテレビの思いは〝ムラ社会〟の中では「罪」なのでしょうか?

NPBの最大、最高イベントである日本シリーズへの関心や視聴率に悪影響が及ぶことが確実な番組を同時刻にぶつけてきながら「日本シリーズも取材させて」というのは虫が良すぎるというのが、NPBの言い分。

日本のメディアは記者クラブスタイルの「みんな仲間」が基本スタイルで、この傾向はスポーツメディアにおいて特に顕著です。

ボクシングの場合は「みんな仲間」というよりも、提灯記事を連ねるお抱えメディアに堕ちています。

もちろん、NPBとフジテレビの事件を見るまでもなく、取材パスを発行してもらえないような事態になると、特に専門メディアにとっては死活問題です。

さて、これは是か非か?

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海外の「取材パスを発行しない」はサウジアラビア。

サウジアラビアが強力に推し進める「Vision 2030」はスポーツ界を支配して国際的な存在感を高める国家プロジェクト。

強力な統括団体を持つメジャースポーツを支配するハードルは高いものの、サッカーやゴルフで超ビッグネームを招聘しています。

そして、世界的な統括団体を持たないプロボクシングは、米国史上は没落一方、長年経営難に喘いでいたリング誌が破綻するなど、サウジからするとハシタ金でマルッと買収できる格安物件。

サウジ国民が欧米スポーツに大きな関心を寄せているなんて聞いたこともありません。ましてや、ボクシングなんて…。

この国家プロジェクトの真の目的が「スポーツ・ウォッシング」にあることは明らかです。そして、その札束パワーの破壊力は異次元。

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かつて、キャッチウエイトでのウシク戦に興味を示していたカネロですが、ライトヘビーでずっこけてヘビー級への野望は封印。


プロモーターや認定団体を振り回してきたカネロ・アルバレスは「どんなにカネを積んでも奴らの言いなりにはならない」と断言してきましたが、サウジ側は契約金をどんどん釣り上げ4試合4億ドル(約575億円)でカネロをついに籠絡。

そして…非民主的な醜い顔はVision 2030プロジェクトで覆い隠そうとしても、隠しきれません。

このブログでもときどき記事を紹介している専門サイト、ボクシングシーンが昨秋から「ネガティブな報道」を理由に、サウジ主催の興行で取材パスの発行申請を拒否され続けています。

気に入らない記事を書けば取材はさせない、ということです。

買収したリング誌もジャーナリズム精神は完全に放棄。例えば、ボクシング界の諸悪の根源の一つ認定団体に対する厳しい見方は完全に影をひそめただけでなく、主要4団体をリング誌PARTNERSとして迎え入れているのです。

フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスにも容赦なかった鋭い批評は、もうリング誌で読むことはできません。


・・・・・NPBとサウジアラビア。

感情のもつれからフジテレビに取材パスを発行しないという暴挙に出てしまった軽はずみなNPBと、周到で狡猾なVision 2030 という名のスポーツ・ウォッシングを推し進めているサウジアラビアでは、共通点は「取材パスの発行拒否」だけが共通のキーワードで、全く違うのですが…。

先日の井上尚弥の試合にからんで、朝日新聞など一部の大手メディアが「スポーツ・ウォッシング」という言葉を出して批判しました。

年末に予定されている井上とニック・ボールの一戦はサウジが主催。「スポーツ・ウォッシング」という言葉を使った日本のメディアは出入り禁止になるかもしれません。



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米国の主要スポーツメディア、CNNスポーツなどがシンコ・デ・マヨのボクシング興行をどう伝えるのか、あるいは伝えないのかーーーちょっとだけ気にしてました。

サウジアラビアやラスベガスの興行は今までも伝えていなかったので、今回もないと思ってましたが、タイムズ・スクエアは報道すると確信していました。

ところが…CNNはやらなかった。さすがに、系列のニューヨークタイムズはスポーツ面で取り上げましたが。

この1週間、ボクシングはジョージ・フォアマンの追悼特集だけ。欧州サッカーやNBAプレーオフ、MLB、陸上のテグラ・ロルーペ(高橋尚子は変わらないのにおばあちゃんになっててびっくり)や、棒高跳び世界記録保持者アルマンド・デュプランティスの特集…。

ちょっと待て、タイムズ・スクエアでやってもニュースにならないのか?ボクシングって?
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このゴールデンウィーク、札幌から大阪、仙台と忙しく動き回り、そんな間隙を縫ってロードショウを4本見て、ボクシングの試合を3興行見て、海外の古い友人たちとオンライン飲み会…ほとんど寝てない状態で、今日は朝からラスベガスの試合に、午後からの高校生の野球の練習試合。

大学生みたいな無茶苦茶な11日間も明日で終わり。

さて、神奈川の春季大会は明日が決勝ですが、すでに敗退した我がコーチの高校と、なかなかの強豪校の試合。

いやあ、荒れた、荒れた。眠気吹っ飛ばしてくれたわ。

海外の友人とのオンライン飲み会、プロレス好きのおっちゃんと、UFC大好きのその奥さん(アフリカン−アメリカン)との話が盛り上がって、格闘技に全く関心のない参加者にも非常に面白がってもらえました。

これが、ボクシングの話だと、知らない人まで巻き込めないんでしょうが、知識ゼロだった人でも「新日本プロレス」「UWF」「グレイシー柔術」「PRIDE」「UFC」などの〝記号〟は簡単な説明で理解できて興味を膨らませることができるんです。


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「新日本プロレス」でアントニオ猪木が目指したのは、異種格闘技戦に代表されるように「プロレスラーはリアルに強い」ということ。

その流れを受け継いだのが「UWF(正確には第二次UWF)」でした。

そこにあるのは、一貫して「プロレス」でした。

そして、プロレスの対極にあるはずの「グレイシー柔術」が、プロレスの前に姿を現します。

そもそも、プロレスとリアルファイトは、サーカスとオリンピックと同じくらい全く別物です。

ガチ童貞を頑なに貫いた前田日明は、マイク・タイソンやヒクソン・グレイシーに対戦オファーを出しましたが、それはプロレス、つまりあらかじめ勝敗が決まっているショーへの参加でした。

タイソンとは報酬だけでなく、彼の犯罪歴から日本でビジネスを行うことが難しく、ヒクソンには「フェイクは受けない」と断られてしまいます。

高田延彦は前田と違って勇気があったのか?おそらく違います。「(引退の花道に)タイソンかヒクソンと戦いたい」と語った言葉を、プロレスにロマンを見た周囲が勝手にリアルファイトで進めてしまったのです。

そして「PRIDE」という実験にインスパイアされる形で、米国で「UFC」がスポーツに昇華してみせました。

格闘技の興味のない人(興味のある人でも)にはプロレスを「八百長だから」と蔑視する人がいます。

世間的にもプロレスは、ボクシングやもしかしたらキックボクシングよりも格下と見られています。

プロレスとは何なのか?

ものすごいテーマです。こんなに深い問いが、他にあるでしょうか?

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大阪の酒場で一人呑み。

テレビでは阪神vs広島。

菊池涼介、素晴らしいセカンドです。

その菊池のバットが大映しになりました。ミズノのバット、木目まで綺麗に見えます。

美しいバットです。

もっとそばで見たくなる美しいバットです。

最近は黒基調のペイントなどで木目が見にくいバットも多いですが、しっかり詰まって流れるような木目は本当に美しい。

あらゆるスポーツで最も美しいのは野球のバットです。

あ、でも魚雷バットはシルエットがツチノコみたいでカッコ悪いし、木目も美しく流れないでしょうから、あれはダメ。


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テレビはもちろんネット配信ですら、試合時間が正確に想定できないスポーツは非常に厄介なコンテンツです。

その代表格が野球とテニス。どちらも試合を時間で区切っていません。

試合時間は野球で4時間近く、テニスでも死闘と呼ばれる名勝負は4時間オーバーが珍しくありません。

錦織圭が全豪オープン1回戦を2セット先取されたあと、3セット連取、4時間6分の激闘を制しました。

ボルグvsマッケンロー、フェデラーvsナダル…テニスの大勝負の醍醐味は5セット制の長丁場で生み出されてきました。

しかし、現在では5セットから3セットに短縮する流れが加速、ツアーで5セット制を取るのは4大大会シングルスだけに。

試合時間が短くなればテレビやネット配信でも扱いやすく、ライトなファンも気軽に見ることが出来ます。さらに、選手の負担を減らすことで、スター選手がより多くの大会に出場できるようにもなり、ビジネスとしてはメリットしかありません。

野球でもピッチロックや申告敬遠の導入で試合時間は劇的に短縮、日本の高校野球では時間短縮ではありませんが選手の保護の面から7回制が検討されています。

いずれもオールドファンが「冗談じゃない!」と拒絶する〝改悪〟ですが、ライバルとなるスポーツが時間制を取る中で、ビジネスであるプロスポーツである野球やテニスにとっての時短は改善に他なりません。

時短によって、スポーツとしての形が大きく変質してしまうのは、これもビジネスである限り仕方がありません。

ボクシングの世界でも、19世紀後半にベアナックルからグローブルールが提唱されたとき、同じような議論が巻き起こっていたかもしれません。



「3セットの方が圧倒的に楽。でも実力差が絞り出されるのは5セット」(錦織)。


コートから死闘が絶滅し、フィールドではノーヒットノーランやパーフェクトが乱発されるーーーそれもまた楽しからずや?…でしょうか?





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宮内庁は、秋篠宮家の長男・悠仁さまが筑波大学に推薦入試で合格し、4月に入学されると発表しました。

筑波大学…私にとっては超強豪の一流体育大学の印象だけが強烈です。

都心からはアホほど遠いけど、個人的には立派な400mの全天候トラックがあって、記録会や練習会が開催されていました。

同じような記録会は日体大や東海大、法政大、中央大などでも行われていましたが、行くとなると泊まりがけとなる筑波大での記録会や練習会が好きでした。

アスリートにあるまじき旅行気分もありましたが、他の大学の選手と競技の話をするのは新鮮で楽しかった思い出があります。

確か、キャンパス内に居酒屋チェーン店まであったはず…はずなんて言いながらよく知ってたりするのですが…。

そういう〝大学生活に必須のインフラ〟がなければならないほど、だだっ広いキャンパスでした。校舎やエリアはバスで結ばれていました。

学生結婚も多く(学生結婚を否定しているわけではありません)、そのほかにも多くの非常に内向的な問題も抱えているようでしたが…。

そしてトラックや野球場など体育施設が集結したエリアに宿泊所が隣接。トレーニング設備は、当時のプロ野球チームでもまず備えていないようなびっくりするほどの充実ぶりでした。

それぞれの部屋にはセンス良く五輪の開催地の名前が付けられて、質素でしたが雰囲気のある宿泊所でした。

まだ、あるのかなあ?

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世の中が成熟すればするほど、理不尽なことはどんどん排除されてゆきます。

身体障害者や大病を患う人への差別の廃止。男女同権、同性婚の認定、セクシャルハラスメント。大企業優先から、働く人の権利の見直しへ。

全面的に素晴らしいことです。

その一方で、社会の成熟は、特に人気スポーツにおけるファンタジーはどんどん喪失してしまいました。

もちろん、それも反社会勢力が興行を牛耳り、スター選手のタニマチになることが当たり前であった時代よりも、現代の方が遥かに素晴らしいのは言うまでもありません。

移動のバスはタバコの煙で充満し、試合が終わると繁華街で豪遊する、そんな馬鹿げた時代のファンタジー、妖精たちなんてさぞかしタバコ臭く、酒臭かったことでしょう。

もしかしたら、ファンタジーなんてそんな時代だからこそ成立した、低レベルの幻覚だったのかもしれません。

しかし、そうではないかもしれません。

もちろん、万が一、現代にもファンタジーが生まれ、妖精が出現するとしたら、彼はタバコ臭くも酒臭くもなく、繁華街で待っていてもいつまで経ってもその姿を見せてくれないでしょう。

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⬆︎「史上初の10登板 20本塁打 10盗塁」を達成したとき、誰もが度肝を抜かれました。「絶対不可能と決めつけられたことを、まさかやってのけた」と。

大谷翔平は世知辛い現代にファンタジーを甦らせ、そのファンタジーを私たちの想像を超越して膨らませ続けています。ファンタジーなど死滅したはずの世界に現れた、ユニコーンなのですから、当然と言えば当然です。

大谷翔平がなにゆえ米国の野球ファンにも、ほとんど全面的に支持されているのか?

おそらく、その感情の発露には100年前、ベーブ・ルースが「投打の両立は不可能」と断言してから死滅していたはずのファンタジーを甦らせたからでしょう。

もし、現代にファンタジーという名の〝八百長〟を生業とするプロレスラーが、現代UFCのヘビー級チャンピオンを豪快なスープレックスで沈めたなら、その感動は大谷翔平を超えます。

それに比較すると小さなものですが、卑しいはずの軽量級から華やかな人気階級に土足で上がり込んで大暴れしたマニー・パッキャオもまた、ファンタジーの典型でした。

もちろん、そこには妖精たちが浮遊していた時代には考えられない、緻密な練習計画、不可能に到達するための周到な計算がありました。

減量苦のマニー・パッキャオは過酷な体重コントロールを豪快に投げ出すだけで、ウエルター級を目指したわけではありません。

専門の栄養トレーニングコーチと綿密な計画を作り、1日8000kcalを超えるダイエットと狂気の練習量で筋肉の塊となって人気階級に乗り込んだのです。

ユニコーンには、銀座の高級クラブで痛飲した翌日、二日酔いで投打に大活躍した、なんて武勇伝はありません。試合中もタブレットを覗き込んで自身の打撃や投球を詳細にチェック、試合後は記憶が鮮明なうちに速攻で帰宅、自身のパフォーマンスをより綿密に分析しています。

世知辛い現代でもファンタジーは、それこそ絶対不可能と思われているだけで、実はそんなことはありません。

そうです、死んでたまるか。



まあ、大酒飲みのあぶさんが、全く酒を口にせず、酒しぶきもせずに、ベンチで難しい顔してタブレットを睨んでいる。。。。。そんな漫画は見たくない気もしますが…。

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「僕?もちろんヤンキースを応援しますよ。思い入れのある選手もたくさんいますし」(松井秀喜)。

GM特別アドバイザーという仕事・立場を考えても当然です。

「思い入れのある選手」の一人に、マイナー時代にコーチしていたアーロン・ジャッジが含まれているのは間違いないでしょう。

松井からの指導をスマホに残していると語っていたのはもう何年も前になりますが、もしまだ消していないなら、まさにいま、その教えを何度も読み返しているはずです。

もしかしたら、GM特別アドバイザーから直接連絡が入ってるかもしれません。

大谷ドジャースを応援する立場からすると複雑ですが、打者として見た場合、現代最強、それも飛び抜けて最強がジャッジであることに誰も異論はないでしょう。

最高峰の究極の舞台で、現代最強打者が大スランプ…これは野球ファンにとっての不幸です。

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昼飯はニューヨークからやって来たハンバーガー。
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藤浪晋太郎は米国でのプレーを諦めていません。

現在帰国中の藤浪は「10月下旬にプエルトリコで開催されるウインターリーグに参戦する」(代理人のスコット・ボラス)そうです。

ギガンテス(カロリーナ)は先発投手として迎える予定で、11月から12月下旬までプレーし、メジャー球団スカウトにアピール、来季の開幕をMLB出迎えることを目指します。

七転八倒、のたうち回れ!
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