フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: FIGHT SONG

お仕事関係の話しって、あんまり詳しく書きたくないものです。

結構、嫌なことも多いから、かなり婉曲して5重くらいにオブラートにくるまないといけません。

まあでも、そこは外せば、いいわけです。

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【ヤングケアラー:Young Carer】ヤングケアラー。家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと(厚生労働省)。
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聞き慣れない言葉ですが、最強の新聞、ニュースで一気に浸透しました。

私がこの言葉を知ったのは、仕事で関わることになった数年前のことでした。

しかし、そのずっとずっと前から家事や介護につとめる10代がいることは、身近に知っていました。



池江璃花子や松山英樹のように、日本中が沸き立つどっからどう見ても誰もマネの出来ない大偉業をやってのけた人とは違いますが、身近なところにだって立派な仕事を粛々とこなす人がいます。



私の高校時代、陸上競技は全国レベル、柔道は近畿大会レベル、学業は東大レベルという絵に描いたような文武両道の先輩がいました。

それに対して、私はというと不登校・引きこもり、学業最低と真逆でしたが、野球と陸上競技部に所属、先輩とは「兼部」という共通点もあって、可愛がっていただいた思い出に溢れています。



ある日、記録会が天候不良で現地で中止になったことがありました。

「うちの家来る?」。

先輩の家が沿線に近いということで、私も何気なく「えー、おじゃましていいんですか?」とお誘いを受けてしまいました。


大豪邸に手入れの行き届いた広い庭、上品な母親が出迎えてくれて、大企業の役員を勤める父親は海外出張中、天窓から星が見える1人部屋を持ってる…。


そんな勝手な想像は、根底から覆されてしまいました。



そこは、小さな台所に四畳半と六畳間だけの、粗末な長屋の慎ましい部屋でした。

それまでベラベラ話してた私は、普通に話さなきゃいけないと思いながらも、無口になってしまいました。

家には小学生の弟が待ってました。しばらくすると中学生の妹が帰って来ました。

鈍感な私にでも、上品な母親も大企業の役員の父親もいないのは、すぐにわかりました。

母親は腰ほどの高さのパーテーションで仕切られた、狭い六畳間の端っこで寝ていました。


先輩は母親の看病と、妹弟と面倒を一手に引き受けていたのです。

何か言わなきゃ言えないと思えば思うほど、何も言葉が出て来ませんでした。

「私、部活で帰り遅いやんか、でもこの子ら優秀で、ちゃんとご飯温めてお母さんの世話までしてくれるねん」。


私が、なんとか絞り出したのは「先輩、いつ勉強してるんですか?」という、間抜けな質問でした。

先輩はいつもと同じように笑って「あ?もしかしてめっちゃ大変そうって思ぉてる?時間はあるよ。そこそこ大変やけど、授業とか部活でも本当に幸せ感じるねん。こういう毎日があるから、この1分1秒を大切にしようって思えるねん」と答えてくれました。

私は授業にも出ず、自宅や図書館に引きこもり、日長一日映画館に入り浸ったり、好きなように毎日を過ごしていました。

自分とは全く違う生き方をしている人を目の前にして、私は自分がひたすら恥ずかしくなりました。

先輩の印象は「勉強とスポーツが飛び抜けてめっちゃできる人」から「尊敬出来る人」に変わりました。

これからは授業をサボって映画館で日長一日過ごす、なんてとこと、純粋に楽しめそうにないな、とも思いました。

それでも、先輩はそんなこと求めてないのは分かっていました。

逆の立場なら、私みたいな存在は腹が立ってもおかしくないはずですが、私に「何か面白い本はない?」とときどき聞いてきては「本のソムリエやなあ。トラックではヘタレな走りするのに」と笑ってそのまま受け入れてくれていました。
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学校が奨励している予備校などの模試の問題を持って来たときは、勉強教えてくれるつもりか?とちょっと余計なお節介やめてくれと思っちゃいましたが、そうではありませんでした。

自分が出来なかった国語や英語の文章題をあろうことか私に聞いてくるんです。

「僕、学年一個下で英語も国語も2か1ですよ、通知表」と断っても、運動部の先輩パワハラ全開で聞いてくるんです。

あとになって、大学時代に家庭教師のバイトをしたり、子供やその友達に教科書や過去問で勉強教えたり、今も野球部の子の宿題とか見てあげてますが、最初の〝生徒〟はあろうことか、スポーツも勉強も〝学校始まって以来の〟で語られた、この先輩でした。

学校の中間・期末試験は全く出来ないのに、大手予備校の模試や、難関大学の過去問は普通に解ける…。そんな、あろうことかなことが起きました。

〝あろうことか〟な現象が続々と起きたのです。

先輩に教えてるうちに「こんな問題で東大とか京大って本当か?きっと他にもっと重要で大きな問題が用意されているに違いない」と信じられない思いでした。

そういうことを先輩に聞くと「英語はこの長文和訳が一番キモや。君の答えは、正答出来なかった私が見ても素晴らしいとわかる」といつもおだててくれました。

それでも大学に行く気はありませんでしたが、この単発的で短い〝授業〟で、私が手当たり次第に乱読していた読書や、スボイラ誌やリング誌、海外の洋画誌を読み漁る中で無意識のうちに培っていた国語力や英語力が、受験用にアダプトされていったのは間違いありません。

自慢話じゃなく、私のような不登校・引きこもりが、成績優秀の自分の知らないことを知ってると、利用価値があると嗅ぎつける能力が普通じゃないと思いました。

そもそも、本人の私が受験英語や国語の学力があることを全く気づいていなかったというのに。

もしかしたら、社会不適応者の私もケアされてたのかもしれません。

間違いなく、先輩は私を〝見つけてくれました〟。



先輩はまさに、ヤングケアラーでした。

高校3年になって大学受験することに決めたのは、先輩が「君はどこの大学でも軽く通る」と背中を押してくれたからでした。

正直、大学なんて行く気もありませんでしたが、先輩の言葉には、勇気づけられたというよりも、この人に言われたら、受験するしかない、もう合格するしかない、冗談じゃ済まないと追い込まれた気分でした。


私の中では、この先輩は永遠の尊敬の対象です。

そんな人と、高校時代に出会えたことは、本当に幸運でした。
 
あの頃、すごい人がいるなあと感動しながら見上げた先輩は、当時はそんな言葉はありませんでしたが、まさしくヤングケアラーでした。

もちろん、運動部の先輩です。暴力は手加減してくれてましたが、結構面倒なことも色々ありました。

全部、良い思い出です。大学時代もそうですが、なんだろう、運動部って最高です。
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誰だっていろんなものを背負って生きています。

明日をも知れぬプロアスリートの場合は、その荷物はより重くて複雑でしょう。

リングの上でエンターテイナーぶりをいかんなく発揮しているタイソン・フューリーは、リングを降りると深刻なうつ病と闘い続けています。


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RYAN GARCIA BATTLING MENTAL HEALTH ISSUES, WITHDRAWS FROM JAVIER FORTUNA BOUT.

明日のスター候補最右翼、ライアン・ ガルシアがうつ病の治療のため、7月9日に予定されていたハビエル・フォルトゥナとの試合をキャンセル、中長期の休養生活に入ると自身のSNSで発表しました。

「今はこの病と向き合い、早く治癒することに専念したい。もっと強くなって戻って来る。神と家族、ファンに感謝している」。

キング・レイは先月もSNSで精神疾患との闘病について告白していましたが、まさかここまで深刻だとは思いませんでした。

WBC暫定王者の22歳はフォルトゥナ戦をクリアすると、WBC王者デビン・ヘイニーとホルヘ・リナレス(5月29日)の勝者と対決する路線でした。

フォルトゥナもコメントを発表。「残念だが、私たちにはボクシングよりも大切なものがある。ライアンの回復を願う。健康を取り戻した100%の彼と闘い、倒す」。

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ライト級では強烈なタレントが割拠、ワシル・ロマチェンコ戦(6月26日:ラスベガス・バージンホテル)が決定している中谷正義もこのホットゾーンに激しくアプローチしています。

中谷がテオフィモ・ロペスやライアンと拳を交える、そんな夢舞台を期待している日本のボクシングファンにとっても残念なニュースです。
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いぇ〜い!いぇ〜い! えい!えい!!えい!!!

レベルの低いキック!

歴史も伝統もないキック! 

社会的に認められていないキック! 

ボクシングで通用するわけがないキック!

アメリカで無視されているボクシング超軽量級にキック!

アメリカが逆立ちしても出来ない軽量級ビッグファイトをお届けするぜキック!

蹴飛ばせ!天心!

ぜーんぶ、蹴散らせ!天心!

バカな日本のボクシングファンもろとも全部蹴り倒すんだ!天心!

お前が蹴れないものなど世界に一つもない!蹴っ飛ばせるもんは一つ残らず蹴っ飛ばせ!

いぇ〜い!いぇ〜い! えい!えい!!えい!!!
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さて「亀田」です。

その「功罪」「光と影」。そして「罪と影」へ。


The Sin of the TURTLE〜「亀田」その罪と影 ①BOMB!視聴率取りたきゃ爆弾持って映画館に飛び込めばいい。

「負けるところが見たい」。

そう思わせるのがアンチヒーローの条件なら「亀田」は間違いなくアンチヒーローでした。

しかし「亀田」の「亀田」たる所以は、憎たらしいほど強いから「負けるところが見たい」というのではなく「実力がないくせに醜悪な言動を繰り返すから化けの皮を剥がしたい」という一風変わった動機から憎まれたところです。

「亀田」に吹いた強烈な逆風は、江川卓やフロイド・メイウェザーとは全く異質の「誰もが実力を認めていないけど、惨敗するのを見たい」という、よくよく考えるとアンチヒーローに対する感情とは反対のイジメに近い種類のものでした。

もちろん、本当の悪は彼らではありません。「亀田」に非難や怒りの矛先を向けるのは、オレオレ詐欺の受け子に全ての罪を押し付けるのと全く同じ構図です。

彼らはその低劣な知能につけこまれ、利用されただけの、ある意味で被害者でした。

あの醜悪な言動は彼らの意思で行ったことですが、それが世間からどう見られるのかを彼らは全くわかっていませんでした。おそらく、普通にヒーローになれる、多くの人の応援を得られると考えていた節まであります。

のちに深く後悔する、神妙な表情で謝罪するのですから、本当に何も考えてなかったのでしょう。それほど、彼らの知能は劣悪なまでに低かったのです。

完璧なセルフプロデュースで「嫌悪のエネルギーは好感を凌駕する〝人気〟であること」を確信犯で徹底して見せたメイウェザーとは真逆の可哀想な人たちなのです。

彼らの醜悪な行動を裁くなら、私が裁判官なら「メディアが共同正犯であること」「善悪の区別がつかないほど低い知能レベル」を酌量して無罪を言い渡します。

では、彼らが村田諒太や井上尚弥も問題としない、時代背景が違う具志堅用高と比較できるほど大きな注目度を集めたことは素直に評価できるのか?ボクシング界に貢献したのか?となると、それははっきりとNOというしかありません。

そもそも腐敗してたとはいえ、ボクシングへの不信感を増幅させ、ボクシングファンからはリング外の行動だけでなくリング内のパフォーマンスでも嫌悪・唾棄された「亀田」はボクシング界にとって百害あって一利なしでした。

利があったのは、彼らを利用したメディアです。「亀田」という社会現象は、ボクシング界にとっては災害でしかありませんでした。

もし、どうしてもボクシング界に貢献した点を見つけなければいけないというなら「(当時の)ボクシング界の空気が大嫌いだった。ボクシングがちゃんと熱く盛り上がる時代を取り戻したいと思った」「井上家では世界チャンピオンなんて言葉は軽々しく口にできなかった」と井上尚弥が語ったように、4−Belt Eraでの正しい方向性を示したことでしょうか。

その意味でなら「亀田」は非常に優秀な素晴らしい議論する余地のない反面教師でした。

彼らがやったこと注目を浴びたことは、アスリートのパフォーマンスではなかったことが問題なのです。

彼らは江川卓のように嫌悪され罵声を浴びましたが、目を見張る豪速球を投げることができませんでした。

メイウェザーのようにボクシングファンから「つまらない」と嫌われましたが「こいつに誰が勝てるんだろう?」と想像させてくれることは一切ありませんでした。

「亀田」は凶悪犯罪を犯したわけではありませんが、やったことは「爆弾持って映画館に飛び込めば有名になれる」というのと同次元のレベルだったのです。

「亀田」は飛び抜けたアスリートだった江川や桑田とは全く次元が違います。

彼らの「1億円以上」はアスリートとして稼いだのではなく、チンドン屋として稼いだものだったのですから。

もちろん、彼らは1億円に見合うアスリートではありませんでしたが、チンドン屋としては傑出した存在だったことは認めなければなりません。

惜しむらくは、それがメイウェザーのような計算されたものでなく、あとで後悔の涙を流すような低劣な知能に端を発したことです。

しかし、逆の意味では「ここまでバッシングされるとは思わなかった」と何も計算できずに何も考えずにやったことであれほどの注目を浴びたのですから、その意味だけでは本物の天才だったのかもしれません。





The Sin of the TURTLE〜「亀田」その罪と影〜②QUALITY(4−Belt Eraでは「誰に勝ったか」しか評価されない)

Low rating for three−division world champion is due to Quality of opposition. 〜Ring magazine

3階級制覇王者なのにどうして評価が低いのか、それは勝った相手の質が低いからだ。〜リング誌

亀田興毅と真逆の存在と見られているのが、井上尚弥です。

飛び級3階級制覇という共通点がある2人の世界挑戦5試合をラップアップしてみます。
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まず、両者のキャリアで「殿堂」クラスのグレートは、井上が激闘を繰り広げたノニト・ドネアだけ。そのドネアもギレルモ・リゴンドーに敗れてから8年間も下り坂を転がり続けていたロートルでした。

次に「現役PFPファイター」となると、両者とも1人もいません。

世界挑戦5試合で、亀田が戦った最強はポンサクレック・ウォンジョンカム(12ラウンド判定負け)。この試合はリング誌タイトルがステイクされた階級最強決定戦で、勝利したポンサクレックはリング誌PFP9位にランクされました。

試合前の予想は興毅が有利。オッズや予想通りの結果なら興毅が山中慎介や内山高志に先んじて日本人初のリング誌PFPにランキングされていたことは間違いありません。

ただし、興毅のキャリアでポンサクレックを除くとリング誌やESPNにランキングされている「まともな世界ランカー」はあろうことか内藤大助と河野公平の二人だけ。しかも、ポンサクレックと河野には負けているのです。

14試合も世界戦のリングに上がり12勝2KO2敗、3階級制覇。オリジナル8の時代なら本物の「伝説の名王者」ですが、今は4−Belt Era、それは「4団体17階級時代」と訳すのは間違いです。

「4団体がそれぞれ勝手な出鱈目ランキングを作って、それぞれ複数の王者を抱える時代」です。

4階級制覇のレオ・ガメスやエイドリアン・ブローナー、二桁防衛を2階級で達成したオマール・ナルバエスなどに代表される、殿堂には100%出禁の色物ボクサーがひしめく時代ですが、それにしても興毅の対戦相手の質の低さには「これが4−Belt Eraか!」と目を覆うばかりです。

そして「亀田とKOはセット」と毎度飛び出すKO宣言も、世界戦14試合でわずか2KOという軟弱ぶりでは見る人の神経を逆撫でするだけでした。


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一方の井上も旬の強豪と呼べるのは、1万歩譲ってエマヌエル・ロドリゲスだけ。とはいえ、世界挑戦した相手は全員がリング誌ランカー。 

世界戦15戦全勝13KO、そのうち8人がリング誌ランカーというのは「弱い相手としか戦っていない」という批判は当てはまりません。


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亀田3兄弟は「3兄弟世界王者」と「3兄弟同時世界王者」で2つのギネス記録を持っています…。本気で競技の高みを訴求したいなら「ギネスはタブー」が絶対常識です。

「30人縄跳び何回できるか?」「世界一長い太巻き」「電話ボックスに何人入れるか?」と同じ目で見られるのがわからないのでしょうか?

ギネス記録は承認ビジネスで、わざわざおカネを払って申請書を出し、認定員を呼ばなければなりません。何をやってんだか…誰も止める人がいなかったのか?

こういうところも、知能の低さが哀れなまでに、溢れ出てしまってます。

また、バッシングの嵐に興毅は「5階級制覇したら文句ないやろ!」と啖呵を切ったこともありました。低劣な知能は一生治らないのかもしれません。

4−Belt Era では何階級制覇しようが、何度防衛しようが、評価されないのです。

「伝説の名王者」や「指名挑戦者は最強」を垂れ流すメディアにとっては格好の素材なのでしょうが。

血眼になって海外メディアの記事を〝逆輸入〟するメディアのあざとさよりも、幼稚で可愛いかもしれませんが、バカ丸出しすぎます。

あざとい〝逆輸入〟メディアも米国大手メディアでなければ〝逆輸入は逆効果〟 ですから、幼稚といえば幼稚です。

それにしても…。

「亀田和毅が2階級制覇したら3つ目のギネスを申請する」(興毅)。

まだそのつもりなら、やめときなさい。おカネの無駄というより、自らのステイタスをますます貶めるだけです。 
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3度目の非常事態宣言。

ニュース番組では「政府の対応ば後手後手」と、得意の結果論と後出しジャンケンに終始しています。

しかし、このパンデミックは日本史上でも未曾有の危機です。

的確な先手を打てる政治家、指導者なんているわけがありません。聖徳太子がいたって、どうしようもなかったでしょう。

政治家に望むことは、誠実にこの危機に取り組んでくれることです。それ以上のことなんて求めていません。

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さて「亀田」です。

その「功罪」「光と影」。まずは「功」と「光」から。


Achievement of the Turtles〜「亀田」の功と光〜①MANEY(なんだかんだ言ったって彼らは西岡や井上よりもわかりやすくカネを稼いだ!)】

「亀田」が、井岡一翔や井上尚弥、田中恒成らの単なるボクシング・ファミリーの枠を超えた社会的現象であったことは、テレビ視聴率だけからも簡単に窺い知ることが出来ます。

力道山や東京五輪と互角の争いを展開したファイティング原田には遠く及ばないものの「オンライン調査が開始された1977年以降」のボクシング中継ベスト10で、2位、3位、9位とランクイン。

これは驚異的なことです。

「世界と戦う日本人」を応援できる恒常的な舞台がボクシングのリングに限定されていた時代の具志堅用高や、Jリーグ発足直後の辰吉丈一郎と「亀田」は同列に語ることは出来ません。

「亀田」の時代とは「世界と戦う日本人」を応援できる舞台がいくつも整った時代です。そして、ボクシングの「世界」がどうやら「本物の世界」ではないことに、多くの人が気付き始めた時代でした。

「世界で活躍する日本人」のアリバイ(存在証明)。野茂英雄がそうだったように米国のメディアが大々的に報道するのを〝逆輸入〟する形で知る、その〝動線〟がアリバイ(存在証明)になる時代が到来したのです。

この〝動線〟を無理やり作ろうとしたのが西岡利晃であり、今の井上尚弥です。

米国ボクシングの現在位置は完全マイナースポーツで、その中でもジュニアフェザー級以下の超軽量級はほとんど無視された存在です。さらに、彼らは米国から見ると中国や韓国とのどう違うのか、地理的にも歴史的にも全く知らない日本人です。

人気階級のミドル級で無双の強さを見せつけたゲンナディ・ゴロフキンがPPVスターの何歩も手前で停滞してしまったことの原因はたった一つ、米国に大きなファンベースを持つ「ヒスパニック」じゃなかったからです。

PFP1位の座を確固たるものにしていたワシル・ロマチェンコの商業的評価がゴロフキン以下であったことの理由は二つ、やはり「ヒスパニック」でなかったこと、そして軽量級だったことです。

アジアのボクサーにとってスターになることが極めて難しい、というか事実上不可能にもかかわらず、西岡と井上はラスベガスのMGMグランドでメインを張り、100万ドルの報酬を手にしたのです。

ボブ・アラムはトップランクの大看板テオフィモ・ロペスの初防衛戦の報酬について「パンデミック下の現状では125万ドルが精一杯」と語り、両者の関係は回復が見込めないレベルまでこじれています。

テオフィモでも125万ドルなのに、同じトップランクの超軽量級・井上は100万ドル…。両者の米国での報道量や視聴者数、人気は比較にならないほど大きな差があるというのに、井上の100万ドルは一体誰が用意したのでしょうか?

限りなく出処が謎の井上の「米国で戦って100万ドル」と比べると「亀田」の1億円以上といわれる報酬は、清廉潔白で透明性のあるものです。

辰吉丈一郎と薬師寺保栄の報酬は「マイケル・カルバハルの報酬レベルで前代未聞とされる米国の軽量級では考えられない大きなイベントになる」とカネの匂いを嗅ぎつけたドン・キングらも巻き込んだ競争入札で、突発的に膨張したバブルでした。

「西岡」と「井上」は、どこをどう考えても疑問符しかわいてこない100万ドルでした。

亀田の「1億円以上」は、どこをどう考えても本物です。5億円だったとしても、疑問符は一つも出てきません。

かつて、リング誌は「村田諒太の2017年の収入は500万ドルを超える」と報じました。本田明彦も「村田は日本の歴史上で最も多くの報酬を稼いだ」と明言しています。

ミドル級という米国の絶対人気階級にもかかわらず、日本に何度も世界タイトルマッチを引っ張り込み、軽量級ではありえない対戦相手を来日させてのポストカンファレンス開催と、超軽量級とは全く違う額のお金が動いていることは誰にでもわかりました。

社会的な関心・注目度は「亀田」のレベルではありませんでしたが、公表はされてないものの村田の報酬が巨額であることは、簡単に想像できるものです。

〝どう考えても謎の100万ドル〟の西岡と井上。

〝人気階級ゆえに大手広告代理店や東京キー局が神輿を担いだ〟村田。

彼らと比較して、亀田の「1億円以上」には圧倒的な説得力があります。




Achievement of the Turtles〜「亀田」の功と光〜②RESULT(なんだかんだ言ったって素晴らしい戦績とタイトル!現代が4−Belt Eraであることを忘れるな!)】


長男の興毅が、「亀田」の象徴です。

35戦のキャリアで33勝18KO2敗。アルファベットの単独ピースとはいえジュニアフライ、フライ、バンタムの飛び級3階級制覇。表面上の数字とタイトルコレクションは、文句無しの名王者です。

オマール・ナルバエスを「伝説の名王者」と呼ぶなら、亀田興毅にもその称号はふさわしいはずです。ナルバエスや興毅を「伝説の名王者」と語ると、その意味が変質してしまいますが…。

「素行・態度が許容範囲を超えて劣悪」「勝った相手の質があまりにも低すぎる」というならエイドリアン・ブローナーと互角の勝負です。

さらに、ブローナーの醜悪な態度や、対戦相手のレベルの低さが、本人の責任に負うところが大きいのに対して、亀田のケースはメディアとの〝共謀共同正犯〟であること、そしてあの家族の知能レベルを考慮すると本当の主犯が彼らではないことは明らかです。

そして、4−Belt Era(州レベル王者でも世界王者になれる)の現代において、彼らの実力が〝世界王者〟にふさわしいレベルであったことは間違いありません。

団体傘下の地域タイトルをコレクション、防衛して承認料の支払い実績を重ねることで、ランキングが上がって行く4−Belt Eraのシステムでは、個々の団体のランキングは「強いヤツの順番」ではありえません。

承認料の支払い能力の高いボクサーを並べた〝与信管理名簿〟です。

4−Belt Eraで大量生産された世界王者は「亀田」だけではありません。

「素行・態度が許容範囲を超えて劣悪」「勝った相手の質があまりにも低すぎる」と、彼らを糾弾するるのは順番が狂っています。

大きな怒りの矛先を向けなければならないのは、彼らではありません。

知能レベルの低い彼らを利用した卑怯者、簡単に世界王者になれるシステムこそが主犯です。

あたかも米国で偉業を成し遂げ100万ドルの報酬を獲得した、そう思わせるように誘導する〝知能犯〟の方が相当にタチが悪いと思うのは穿った見方でしょうか?


【The Sin of the Turtle〜「亀田」その罪と罰】ではその対戦相手の品質を考えてみます。
 
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Wednesday 5, May 2021
EDION Arena Osaka, Osaka, Osaka, Japan
亀田和毅vs三宅寛典 
commission Japan Boxing Commission
promoter:Masato Yamashita (Shinsei Promotions)
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ラグビーW杯では多くの人が詰めかけて熱狂した東京スポーツスクエア。

〝メインイベント〟五輪を目前にしながら、まさかこんなにひっそり廃屋のように佇んでしまうなんで…。

たった2年で何もかもが変わってしまいました。
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有楽町パスポートセンターにはこんな自動販売機が。


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前回、江川卓に代表されるかつてのアンチヒーローと「亀田」の決定的な違いが、彼らの〝悪業〟の差ではなく、アスリートとしての〝能力の差〟であると指摘しました。
あの傍若無人な振る舞いをしたのが「亀田」ではなく「パッキャオ」なら、多くのスポーツファンが「人間として糺さなければいけない部分は多いが、ボクサーとしては世界史上でも傑出した才能。もっと試合が見たい」と支持したでしょう。

「いいピッチャーがいるなら泥棒でも使うぜ」とは、大沢啓二の名言です。

その気持ちはファンも親分と一緒です。「ものすごいピッチャーがいるなら泥棒でもいいから見てみたい」。

捕手が中腰で構えて高めのボール球しか来ないのがわかってるのに打者が見逃さずに空振りする、江川のストレート。

プロの一流打者がどうして見逃さないのか、打席で見てみたいと多くの野球少年が江川のストレートに魅了されました。

その純粋な〝凄いもの見たさ〟の欲求の前では「ルール無視のゴリ押し入団」など、どうでも良いことでした。

「亀田」の悲劇(喜劇)はリング内のパフォーマンスによって、リング外の傍若無人が精算されなかったことがベースにあります。

まあ、あれほどの傍若無人を補完する実力パフォーマンスは尋常なレベルではありません。

とはいえ「亀田」の対戦相手はそこまで酷かったのか?

例えば、亀田興毅はリング誌PFPに接近したことはなかったのか?

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☆☆☆☆☆

夜10時前の地下鉄銀座線。

こういうちょっとした移動時間に仕事と全く関係のない文章をつらつら書くのは、気分転換に最高です。

電車の中だと、今もそうですが、スマホにぼちぼち打つことがほとんどなので、リング誌やボクレコを見ながら発想する作業になりません。

普段はあまり、そんなことを思わず、自分の頭の中の分泌液だけをインクに書き連ねるのですが、何故だかボクマガやリング誌のバックナンバーで亀田興毅らを振り返りたくなりました。

5月5日までに一段落つかない気配です…。
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Wednesday 5, May 2021
EDION Arena Osaka, Osaka, Osaka, Japan
亀田和毅vs三宅寛典 
commission Japan Boxing Commission
promoter:Masato Yamashita (Shinsei Promotions)

日本スポーツ史におけるアンチヒーローは「亀田」だけではありません。また「亀田」が最初でもありません。

江川卓や桑田真澄、そして野茂英雄への非難轟々は「亀田」を遥かに凌ぐものでした。

ただし、この3人に吹いた、一見すると〝罪〟にしか見えなかった強烈な逆風はプロ野球の入団と移籍に関する重大な欠陥を露呈させ、システムの不備を改善に導いた、実は〝功〟でした。

もちろん「亀田」のケースもボクシング界の欠陥・欺瞞を露わにしたという部分はあるものの、のちになっても言い訳できない明白な〝罪〟を重ねたことは変わりません。

しかし、この差が「江川」と「亀田」の評価を隔てた最大の原因ではありません。

もし「亀田」が行き過ぎた〝罪〟を重ねなくても、彼らが英雄に転化することはもちろん、赦されることもなかったでしょう。

江川と桑田が〝赦され〟野茂が日本スポーツ史上に燦然と輝く英雄に昇格したのは、彼らが傑出した実力を見せてプロ野球ファンを納得させたからです。

「江川は大嫌いだけど途轍もない投手」。

スポーツファンとして、認めるしかなかったのです。そして、スポーツファンはどんなに嫌いと口にしても、途轍もないヤツが大好きなのです。

もし亀田興毅が圧倒的な実力を見せつけていたなら、全盛期のノニト・ドネアを粉砕して日本人初のFighter of the year に輝いていたなら、彼は日本のフロイド・メイウェザーになっていたでしょう。

「ボクマガの読者は俺らのことが嫌いやからな」なんてひねくれた言葉は「俺らボクシングファンにしか人気ないからなあ。ボクシングを知らない一般のスポーツファンには嫌われてるから」と余裕の睥睨になっていたはずです。


憎たらしいほど強くなければアンチヒーローたりえません。憎たらしいほど強くなければアンチヒーローの資格がないのです。

その意味で「亀田」はアンチヒーローではありませんでした。

憎たらしいほど強さを見せつけることが出来なかった「亀田」はほとんどのボクサーと同様に、4-Belt Era だから王者になれたことに異論がある人はいないでしょう。

逆にいうとこの時代で王者になるには、全く差し支えなかったと考えます。

ゴジラが「核の落とし子」だったように「亀田」は「4-Belt Era だから咲き乱れた徒花」でした。

では、彼らはどの程度強かったのでしょうか?
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Wednesday 5, May 2021
EDION Arena Osaka, Osaka, Osaka, Japan
亀田和毅vs三宅寛典 
commission Japan Boxing Commission
promoter:Masato Yamashita (Shinsei Promotions)

緊急事態宣言が週明けにも発出される見通しの大阪府。

期間は3週間から1ヶ月といわれていますから「亀田和毅vs三宅寛典」の試合ゴングが無事に鳴らされるかどうか、全く不透明になりました。

無観客でもやって欲しいと思いますが、時期は最悪です。
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リング誌の名物企画「BEST100」↑。毎年1月号で現役PFP100傑!を発表する冒険的なコーナーでしたが、経営難と誌面リストラで2014年を最後に惜しまれながら消滅。「亀田」には辛辣なコメントもありましたが、愛される常連でした。



さて、ボクシングの話がほとんどのブログですが「亀田」に関する記事が極端に少ないことには理由があります。

改めて考えてみると、①長男次男が引退、三男も積極的に活動していない②和毅は下流王者ジェイミー・マクドネル、普通王者レイ・バルガスに健闘したとはいえ女子並みの決定力の無さ③リング外の話題を自分たち嬉々として発信する選手は生理的に受け付けない、などでしようか。

②③は皮肉で、①がほぼ全てです。

亀田興毅が世界王者になった頃から引退までの時期にこのブログを立ち上げていたら「亀田」について間違いなく何度も触れていたはずです…。

と、ここまで考えてみて、そもそも国内ボクシングが亀田騒動の最中では「議論する余地の無い王者=Undisputed Championとは?」「Lineal Championの系譜をおさらい」「日本歴代PFPを考える」「リング誌単独カバーの考察」「人気階級に風穴を開けろ!」…なんてテーマを書く動機付けに乏しく、ブログそのものを立ち上げていませんでした。

村田諒太や井上尚弥、中谷正義、井岡一翔らの躍動があるから、書きたいものが尽きないわけです。

亀田興毅に「カネロ・アルバレスを倒してくれ!」なんて発想は脳みそが沸騰しても浮かんできませんし「亀田大毅はPFPに値するか?」なんて妄想すら出来ません。「亀田和毅はメキシコでも米国でも無名」なんてことも口にする気にもなれません。

興味・関心を向けることが全く出来なかったので、一部のボクシングファンが向ける嫌悪や非難など負の感情は、私にはほとんどないのです。

 

暗愚で幼稚な振る舞いなども含めて「亀田」に向けられた非難は、本来彼らに向けられるべきではありません。

ヘドロが無ければ、腐臭が立ち昇ることはありません。

「亀田」にだけ批判の矛先を向けるのは、ヘドロを排除せずに腐臭だけに大騒ぎしているのと同じことです。

うーーん、ボクシング界にヘドロが沈殿しているのは間違いありませんが「亀田」を腐臭と表現するのは間違いですね、訂正します。

日本のボクシング界は、すべからく「亀田」だと言った方が正解です。 

さて、その「亀田」とは何だったのか?

それは、日本のボクシング界とは何なのか?と同義です。 
 
 

本人たちが胸を張るように、彼らがボクシング界を盛り上げた功績は紛れもない事実です。

一方で、興毅が「ボクマガの読者は俺らのこと嫌いやからな」と拗ねたように、彼らが盛り上げたのは〝広義〟のボクシング界で〝狭義〟のボクシング界は極端なアレルギー反応を示しました。


それは、まさしく「近親憎悪」でした。 

亀田和毅の試合に向けて「亀田」の功罪を総括、この国のボクシングの輪郭をなぞっていきます。
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WOWOWエキサイトマッチのオープニングが刷新しました。

「何を今更?!」と突っ込まれそうですが、今、先週のエキマを見ています。

基本、生中継ならエキマを見ますが、そうでない試合や、最近だとDAZNでしかやらない試合も増えてしまっています。

30年ですか。

「WOWOWエキサイトマッチ」の前は、NHKがBSで「世界のボクシング」を提供してくれていました。

当時はインターネットが普及していない時代です。

海外のビッグファイトは新聞で触れられない場合は、高校の図書室に届けられる「リング誌」「スポーツイラストレイテッド誌」で確かめるしかありませんでした。

「ボクシングマガジン」や「ワールドボクシング」で試合結果を知ることも当たり前でした。

エキサイトマッチとWOWOWは、日本のボクシングファンにとって冗談じゃなく、神様からの贈り物でした。
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新しいオープニングも素晴らしいです!

先日も「パッキャオの8階級制覇はインターナショナルとかそういう王座も含めてるのかと思います」とかいう、もう「えーー???海外の情報をあれだけ仕入れててどうしてそうなるの?!」ということもありますが、全部ご愛嬌です。

次の30年に向けて、さらに素晴らしい番組にして下さい!!!!!!!!!! 
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年齢を重ねると、いろんなことが起きます。

私が近所の子供に勉強を教えるとか、受験の相談を受けるなんて、彼らと同じ頃の私には想像もできないことです。



高校時代は学校嫌いの引きこもり。大学時代は将来のことなど考えずに、遊んでばかり。

受験や就職は差し迫ってからようやく腰を上げるような、世間を舐めた若者でした。

普通なら大学なんて行けない、行く大学がない、どこにも就職できないなんて結果を突きつけられてもおかしくなかったのに、そうならなかったのは、高校時代は信じられないくらいに先生や友人に恵まれたから、大学時代はやはり信じられないくらいに時代に恵まれたから、でした。


受験や就職、当事者はもちろん家族にとっても重大な人生の一大事に思えますが、そんなことありません。

「環境と時代に恵まれた運だけのお前が言うな」という話かもしれません。実際、自分の場合は「人生の一大事」なんて意識は全くありませんでした。

ただ、自分の選択に後悔はないものの、他の選択もあったなとはよく思います。

しかし、そのときは「他の選択」は見えませんでした。

私のような無茶苦茶な生き方をしていても、そうでした。

どこの大学にでも入学できる、どこの企業でも就職できる。だとしたら、どこの大学、どの企業を選ぶか?

私のような世間から外れた人間でも、その時の選択は恐ろしいほど世間と同じでした。
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昨日の日本経済新聞の広告からですが、なんだか30年前から代わり映えしないなあ、というのが実感です。

文系で前年1位だったJTBグループが同35位に、4位の日本航空が45位に、5位のオリエンタルランドが20位に急落するなど〝パンデミックの反乱〟は見られますが、全体の基調は変わりません。

全体の基調、それは「寄らば大樹の陰」ということですが、大樹が常に大樹であるとは限らないことは、パンデミックの反乱を見るまでもありません。

「寄らば大樹の陰」は正確には「寄らば(今現在大樹に見える)大樹の陰」ということです。

そもそも、人気大学ランキングと一緒で人気企業ランキングも「どこの大学にでも入学できる、どこの企業でも就職できる」という前提での回答を集計したものではありません。

「自分が行けるかもしれない大学、就職できるかもしれない企業」のランキングです。

本当なら人気大学ランキングは東京大学文科一類や理科三類が1位になるはずですが、そうではないランキングも多く見られます。

それどころか青山学院大学や明治大学が1位という、不可解なランキングも少なくありません。そういえば、私の時代は早稲田大学が1位だった気がします。

「どこでもいいから選べるとしたら」ではなく「口にしても許される大学」という〝許容フィルター〟を通したランキングなのでしょう。

受験や就職の大学、企業の人気ランキングほど、対象者の本意から大きく逸脱したものはまずありません。PFPよりも意味のないランキングです。

「どこでも連れて行ってやる」と親に言われた子供が「火星」や「月」ではなく「近くのスーパー銭湯に行きたい」と答えるようなものでしょうか。


私の出身高校で大学ランキングを作れば、関西学院大学や関西大学なんかが1位になるかもしれません。それは、灘高などのランキングとは全くの別物です。

企業ランキングも東大生に聞くか青学生に聞くかで、全く変わってくるでしょう。

20才そこそこの若者の選択です。自分たちは大人だと思ってても、こういうバカランキングなど周囲の雑音に左右されてしまいやすいものです。

いろんな情報が溢れる真っ只中にいると、全く不思議なことに「他の選択」が見えにくくなります。

多くの情報があれば、常識的には選択肢が増えるはずなのに、情報は多数決的に一つの選択に誘導する、思考能力を麻痺させる劇薬のようなものです。


高校三年生の夏、大学に進学しようかなと思ったとき、最初に思い浮かんだのは筑波大学や日本体育大学、順天堂大学でした。選手として挑戦したい気持ちもありましたが、体育や運動をもっと深く学びたいと考えたからです。

しかし、現実にはその思いはほとんど誰にも話しませんでした。信頼出来る先生や先輩には話しましたが、冗談としかとられませんでした。

そして、自分の中でもそれを自然と受け入れる自分がいました。



若い人には、周囲の声や、溢れる情報に溺れずに、やりたいこと、自分に向いていることを考えて人生を選択して欲しいと思います。



それを考えると、今の自分だって偉そうなこと言えないなあと、本当に思ってきます。

もうそろそろ、やりたいことやっていいんじゃないか、と。


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