フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: リング誌から

残念なニュースです。

マイキー・ガルシアがインスタで、引退を静かに報告しました。

私が見たボクサーの中で、最もスタイリッシュなボクサーでした。

2006年7月のプロデビューから昨年10月のサンドル・マルティン戦までのプロ17年間で、42戦40勝30KO2敗の成績を残しました。

フェザー級からジュニアウェルター級までの4階級制覇。

フェザー級ではオルランド・サリド、ファンマ・ロペスをストップ。

ジュニアライト級ではローマン・マルチネスを倒し、ライト級でも無敗のデジャン・ズラチカニンを粉砕。エイドリアン・ブローナーの化けの皮も剥ぎました。

弱い相手を選ばない。それがマイキーの流儀でした。

それが原因で、生ぬるいマッチメイクを組むトップランクと何度も衝突してしまいます。

IMG_0090 (1)

内山高志との一戦が実現したら、私たちはどんなに打ち震えていたでしょうか。

ジュニアライト級は米国ではけして人気があるクラスではありませんが、それでもマイキーは別格です。

もちろん、大田区総合体育館に呼べるタマじゃありません。

ロサンゼルスやラスベガスの大会場、360度完全アウエー、大ブーイングを浴びながら花道を進む内山…。それだけで、ボクシングファンは泣いてしまいそうです。

リング誌もESPNも階級最強パンチャーと認めていたKOダイナマイトです。チャンスは、十分にあったと思います。

マイキーはジュニアウェルター級まで上げても、セルゲイ・リピネッツ、ロバート・イースターJr.との無敗対決を制しました。

cb47272d-72fa-4530-8433-58d3a3e6d93b

そして、キャリア初のアンダードッグとなったエロール・スペンスJr.戦では、あのシュガー・レイ・レナードの記録を更新する、史上最少10試合での5階級制覇に挑みます。

126ポンド(フェザー級)王者が、147ポンド(ウェルター級)王者になる。ボクシング150年の歴史で、そんな空前絶後の離れ業をやってのけたグレートはヘンリー・アームストロングとマニー・パッキャオの二人だけです。

2019年3月16日、テキサス州アーリントンはAT&Tスタジアム(カウボーイズスタジアム)。

プロ初黒星を喫したマイキーは、トレーナーの兄ロベルトの「棄権しよう」という助言を遮り、12ラウンド終了ゴングが鳴るまで、階級最強王者の前に立ち続けました。


マイキーの輝かしいキャリアで惜しむらくは、トップランクとの闘争で失った2年半もの時間です。

2014年1月25日(ファン・カルロス・ブルゴス戦)から、2016年7月30日(エロイ・ロハス戦)。年齢にして26歳から28歳までの2年6ヶ月と5日、トップランクからの独立闘争を法廷で展開、軽量級ボクサーにとって貴重な時間を喪失してしまいました。


「アリ法」以降の時代でも米国市場に大きな影響力を持つ大手プロモーターの犠牲者、と言って良いかもしれません。

高い志を持つ傑出した才能が潰される、その最大の被害者は本人だけではありません。私たち、ボクシングファンも、きっと見る事が出来たいくつものスペクタクルを奪われた被害者です。 
ワシル・ロマチェンコだけでなく、マニー・パッキャオとのメガファイトも交渉のテーブルに乗ったことがありました。




お疲れ様でした。それしかありません。
「マイキーの練習と試合を見ればトレーナーも教科書も要らない」と言われた美しいボクシング、兄ロベルトの血統を見るまでもなく、素晴らしい指導者になるのは間違いないでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ESPNに続いて、リング誌もPFPランキングを更新。

アルツール・ベテルビエフが10位に入って、ファン・フランシスコ・エストラーダがランクアウト。

10位の変動だったので、1〜9位は変わらず。

①井上尚弥
②オレクサンダー・ウシク
③テレンス・クロフォード
④エロール・スペンスJr.
⑤カネロ・アルバレス
⑥ワシル・ロマチェンコ
⑦ドミトリー・ビボル
⑧ジョシュ・テイラー
⑨ジャーメル・チャーロ
⑩アルツール・ベテルビエフ

近年、エストラーダとローマン・ゴンザレス、ドニー・ニエテス、井岡一翔らが印象的なパフォーマンスを見せ、最多で三人が10傑入りしていたジュニアバンタム級でしたが、今回のエストラーダのランクアウトを受けて、ついに〝絶滅〟。

現在、最多勢力は、カネロをカウントすると三人のライトヘビー級、続いてクロフォードとスペンスのウェルター級が二人となっています。

井上の視界に捉えるジュニアフェザー、フェザーでも誰か食い込んでくれると面白いのですが…。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

リング誌創刊100周年を記念して、6月号で特集された「GREAT PUNCHERS ARE GREAT FIGHTERS」。

創刊の1922年〜2022年の100年間の強打者ランキングトップ100です。PFP同様に妄想極まる馬鹿企画ですが、それが面白いのです。

今月は、井上尚弥とアルトゥール・ベテルビエフの衝撃的な2ラウンドKO劇を見ることが出来ました。
june-2022-cover-308x432-1

というわけで、GREAT PUNCHERS ARE GREAT FIGHTERSから現役選手だけを抜き出しました。

現役No.1は、100年ランキングで33位に付けた井上尚弥!パチパチパチ!!!と勝手に思い込んでしまいましたが、16位にデオンティ・ワイルダーが入ってました。悪しからず。それはそうと、ワイルダー、現役か?

i

続いて36位はゲンナジー・ゴロフキン。そして49位がノニト・ドネア!

ここまでは日本のボクシングファンに気を使ってくれてるのか!?、という感じです。 

62位がセルゲイ・コバレフ、82位にガーボンタ・デービス。

88位にやっとアルトゥール・ベテルビエフ登場。

91位にシーサケット・ソールンビサイ、95位にローマン・ゴンサレス、97位にアンソニー・ジョシュア。

現役からはこの10人が100傑にランクされました。

突っ込みどころ満載です…。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 18, June 2022
  
Madison Square Garden Theater, New York
commission:New York State Athletic Commission
promoter:Bob Arum, Joe DeGuardia
matchmaker:Brad Goodman
inspector:Matthew Delaglio
WBC Light Heavy 
IBF  Light Heavy 
WBO  Light Heavy 

アルトゥール・ベテルビエフがパーフェクトレコードを伸ばして、ドミトリー・ビボルとの完全統一戦に駒を進めるのか。

それとも、意外性の男、ジョー・スミスJr.が大番狂わせを起こすのか? 

身長はベテルビエフが182㎝、スミスが183㎝とほとんど変わりませんが、リーチはベテルビエフの185センチに対してスミスが193㎝。

スミスが長い距離をキープできるか?ミドルレンジから近い距離で戦う時間が長いと、早い決着もありそうです。 

オープニングラウンドは左ジャブを起点にスミスが攻勢を取りますが、終了間際にベテルビエフが右ショートフックでダウンを奪って10-8。

片膝をついたダウンですが 、スミスはキャリア初のダウン。

第2ラウンド。強ッ!!!!!! なんというパンチ力。

カネロはビボルを選んで大正解。 

もう少し、スミスが粘ると思いましたが。 

第2ラウンドにもダウンを2度追加。左右フックを警戒して必死にサバイバルを図るスミスに、角度を変えたアッパーでグラつかせると主審のハーベイ・ドックがたまらずストップ。

第2ラウンド2分19秒。

この破壊力、今更ですが全階級通じて最強です。

「いくつかミスも犯した。チームと確認したい」。あの圧勝劇、その勝利者インタビューでミスを犯したことを反省。普通の強打者ではありません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 18, June 2022
 
Madison Square Garden Theater, New York, New York, USA  

WBO-Global Featherweight title 10 Rounds
 

絵に描いたようなアマチュアエリートのキューバ人のラミレスが迎え撃つのは、絵に描いたようなキワモノ無敗ファイターの〝スーパー〟ノバ。

WBO-Global という承認団体の収益とテレビ向けの飾り物でしかない空位のタイトルがステイクされています。

紛い物が揃いもそろった試合…そんな意地悪な視線が集まる中、試合開始のゴング。

第3ラウンド、ノバの動きを見切ったラミレスがラッシュ。このラウンドは、明白にラミレス。

続く第4ラウンド、ラミレス慎重です。

第5ラウンド、ラミレスの狙い澄ました左ストレート一閃。ノバは背中からキャンバスに落ちて、ここでレフェリーストップ。

素晴らしいフィニッシュでした。 

さて、ラミレス。いつまともな相手との試合が組まれるのでしょうか? 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 18, June 2022
  
Madison Square Garden Theater, New York
commission:New York State Athletic Commission
promoter:Bob Arum, Joe DeGuardia
matchmaker:Brad Goodman
inspector:Matthew Delaglio

WBC Light Heavy 
IBF  Light Heavy 
WBO  Light Heavy 

Artur Beterbiev (No. 2
vs.
Joe Smith Jr. (No. 3)
Artur-Beterbiev-vs-

過小評価されてきたパンチャー同士の対決です。

アルトゥール・ベテルビエフはPFPリストに入れるべき。対戦相手の出方に合わせて重圧をかけていく、実に理に適ったスタイルだが、その強打だけが目立って技術の評価が疎かになっている」。

その通りだと思います。本当なら、オレクサンダー・グボジーグに勝利した時点でPFP入りで何の問題もなかったはずです。

この言葉の主のティモシー・ブラッドリーも自身のPFPリストにベテルビエフをランクしていません。

6月9日に更新されたESPNのMythcal rankingでブラッドリーの脳内妄想順位は、1. Crawford, 2. Inoue, 3. Spence, 4. Alvarez, 5. Fury, 6. Usyk, 7. Lomachenko, 8. Stevenson, 9. Davis, 10. Haney。

15人の投票者でベテルビエフを10傑に入れたのはテディ・アトラスだけ( 1. Crawford, 2. Bivol, 3. Inoue, 4. Usyk, 5. Spence, 6. Alvarez, 7. Lomachenko, 8. Fury, 9. Davis, 10. Beterbiev)。

今日、WBO王者ジョー・スミスJr.から鮮烈な勝利を収めてもPFPにランクされることはないでしょう。

そのスミスJr.もまた過小評価され続けているスラッガーです。

アマチュアではジュニアオリンピック優勝、エンパイアステートチャンピオン、ニューヨークメトロチャンピオン、ニューヨーク・ゴールデングローブ・チャンピオンなどのタイトルをコレクションするものの、世界選手権や五輪の檜舞台での実績は皆無。

2016年6月18日にNBCで世界中に放映されたメインイベントで、アンドレイ・フォンファラを1ラウンドでKO、リング誌のUpset of the Year に選出されました。

その勢いに乗って、次戦でもバーナード・ホプキンスをリング外に叩き落とす衝撃的なKOで番狂わせ、生きる伝説を引退に追い込みます。

しかし、サリバン・バレラからダウンを奪うも判定負け。ドミトリー・ビボルには12ラウンド36分間の授業を受けてしまいます。

「トップ戦線で勝てば番狂わせというレベルの選手。つまり世界基準の実力はない」。

それでも、建設現場で働くスミスJr.は、This is worker's hero.。会場には現場仲間たちが駆けつけ、野太い声援を送ってきました。

そして、徐々にボクシングに集中できる時間が増え、それは技術と体力の向上に直結しました。

ウィリアム・ヒルのオッズは、スミス勝利は9/2(5.5倍)で昨日から変わらず。しかし、ベテルビエフ勝利は1/8(1.13倍)から1/6(1.67倍)と、わずかながら下振れ。

大番狂わせの〝予震〟かもしれませんが、ボクシングファンとしては、ベテルビエフがパーフェクトレコードを18戦全勝18KOまで伸ばして、ドミトリー・ビボルとのUndisputed Championを賭けた大一番を盛り上げて欲しいところです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ボクシングには、メジャーリーグは存在しません。サッカーの欧州トップリーグも存在しません。

もっと、正確に言うとボクシングの軽量級には「憧憬する最高峰の本場」は、格好良い米国や欧州にはありません。

アスリートは、最高峰の戦いを公平な舞台で求めます。4年に一度のオリンピック、そこでの採点競技では地元選手が有利になるのは納得できます。

しかし、ボクシングの舞台は富裕国に限定されます。

ノニト・ドネアは優れたボクサーですが、軽量級であるがために米国でドサ周の旅しました。もちろん、捨てた母国フィリピンで戦うよりも何十倍もの報酬を手にすることが出来るから、プロとして当然です。

ドネアと違い、ゲンナジー・ゴロフキンは人気階級のミドル級で圧倒的な存在感を示しましたが、母国カザフスタンのアルトマイでカネロ・アルバレス戦や村田諒太戦を開催するなど、微塵も考えていなかったでしょう。

ゴロフキンほどの実力と実績を残しても、米国のリングで異邦人は脇役です。

そもそも主役が存在しない軽量級では、脇役にすらなれません。

たった一つの例外が、マニー・パッキャオです。ドネアはパッキャオのように、人気階級にのしあがれば良かったのです。ゴロフキンも「強豪選手が逃げる」なんて言わずに、アンドレ・ウォードやセルゲイ・コバレフを粉砕していれば、パッキャオになれました。
スクリーンショット 2022-06-18 18.25.54
スクリーンショット 2022-06-18 18.28.06
今月7日の井上尚弥との決戦で、ドネアは「米国で開催するのがフェア」としながらも「私も井上も米国では経済的な価値が小さすぎる。金銭的な観点から米国で開催するのは意味がない」と諦観していました。

米国では井上のリングサイド席は150ドル。それでも売れないのです。それが、日本では20倍近くに跳ね上がり、MGMグランドガーデンアリーナよりも巨大なさいたまスーパーアリーナをフルハウスにできるのです。

ゴールデンボーイ・プロモーションズとの綱引きで、ドネアの報酬は一時期100万ドルを超えることがありましたが、ボブ・アラムは「いつも小さな会場で、客も集まらない、HBOも大きな予算を割かないから赤字だった。フェルナンド・モンティエル戦も大赤字」と、GBPと契約しようとしていた裏切り者のドネアを名指しで「お荷物」と非難していました。

モンティエル戦のドネアは当時キャリア最高の35万ドルを獲得しましたが、チケットの売れ行きが絶望的に悪くマンダレイベイのアリーナは中上階席を封鎖、チケット料も破格の安さでしたがそれでも売れず「あれは興行でもビジネスでもなかった。ただの不幸な事故」と言われる始末。

交通宿泊費などを考慮すると現実的ではありませんが、後楽園ホールでやれば、普通の世界戦以上に注目され、チケットはソールドアウトだったでしょう。

「フィリピンは論外。日本なら米国の10倍以上のビジネスになって、多くの人が尊敬してくれる。どこでやるか、なんてもう最初から決まってた」(ドネア)。

PFPキングに2年間も君臨していたロマゴンも、井上ほどではありませんが米国で無名でした。

もし、ニカラグアが富裕国でロマゴンが、井上のように母国を中心に試合を重ねていたら、さらに無名の闇は深まっていたでしょう。 

専門家評価では井上を絶対的に上回り、米国での認知度も目クソ鼻クソとはいえ、井上よりは上のチョコラティトがリング誌の表紙をカバーできなかったこと、井上よりもはるかに少ない報酬に甘んじている理由は、たった一つです。

日本とニカラグアの富裕度の違い、だけです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

Saturday 18, June 2022
 
Madison Square Garden Theater, New York, New York, USA  

Feather Contest, 10 Rounds
 

大手プロモーターが大枚叩いて契約したホープがいきなりズッこける。残酷なボクシングファンの楽しみの一つです。

ロベイシ・ラミレスは、2012ロンドン(フライ級=52㎏)、2016リオ(バンタム級=56㎏)と2大会連続で金メダルを獲ったエリートアマ。

トップランクと大型契約を結んでプロ転向。そのデビュー戦でアダン・ゴンザレスに まさかの完敗。その後はゴンザレスに雪辱、ここまで9勝(5KO)1敗とキャリアを立て直していますが、どの対戦相手が生き生きとして見えるのは、ゴンザレス戦から「俺も食ってやろう」という意気込みが強いからでしょう。

それにしても、やりにくさを感じさせないサウスポーです。

五輪連続金メダルとはいえ、ラミレスはワシル・ロマチェンコや同じキューバのギレルモ・リゴンドーとは別の、ゾウ・シミンのリーグに分類されます。

五輪でシャクール・スティーブンソンやムロジョン・アフマダリエフ、マイケル・コンラン、アンドリュー・セルビーらを競り落とした28歳は、未だにテストマッチを続けています。

今回、キューバ人にフェザー級10回戦試験で出題されるのは、同い年のエイブラハム・〝スーパー〟・ノバ。

同じ名を持つリンカーン大統領を真似たようなヒゲが特徴的な叩き上げのプエルトリカン。戦績は21戦全勝15KO。主戦場は、NABA北米王座を獲得するなど1階級上のジュニアライト級。

全戦全勝とはいえ、スーパーノバ(超新星)と言われると戸惑うしかない貧弱な対戦相手のオンパレードです。


前日計量はラミレスが125.8ポンド、ノバが125.4ポンドで一発クリア。

ノンタイトルと思いきや、WBOグローバル・フェザー級王者決定戦だそうです。オッズはラミレス勝利が1/5(1.2倍)、ノバ10/3(4.33倍)。

ラミレスがカムバック路線を順調に消化して世界王者になる頃には、現在29歳の井上尚弥がフェザー級に乗り込んでいるでしょうか?

そうはならずに、ラミレスはまたどこかでズッこける気がしてなりません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

The Ring magazine 。

高校〜大学時代は図書館で毎号欠かさず愛読、社会人になってからもほとんど途絶えることなく定期購読してきました。

かれこれ約35年、400号以上のお付き合いです。

そんな愛すべきリング誌ですが、最近は言うに及ばず、初めて手にしたときも「素晴らしい雑誌だ!」というよりも、日本のボクシングマガジンなどと比べると「これがリング誌?ショボいな」というのが正直な感想でした。

週刊のスポーツイラストレイテッド誌と比べると、中学生でも「リング誌の経営状況って良くないんだろうな」と想像出来ました。スポイラを比較対象にするのが間違いとはいえ、です。

経営難から何度も身売りを繰り返し、約5年前には月間体制を維持できず年9回発行に陥るなど、廃刊まで噂されていました…過去形じゃないですね、いまだその可能性が危惧されています。

米国ボクシングの凋落、相対的にも絶対的にも完全マイナースポーツ化、そしてスポイラをも飲み込むデジタル・インターネットメディアの台頭にリング誌が耐えることなど出来っこありません。

そして「メイウェザーvsパッキャオ」という史上最大の興行が打たれた2015年からページ数減、月刊体制崩壊の道を辿ったのは、全く皮肉な話でした。

日本でもボクシングのマイナー化は歯止めがかからず、「村田諒太の日本史上最大の戦い」に「井上尚弥のPFPキング」という輝かしい年に、悲しいかな、ボクシングマガジンが休刊してしまいます。

不吉なコジツケはしたくありませんが、ボクマガは値上げ・紙質変更からしばらくして休刊しました。

実はリング誌も昨年から値上げ・紙質変更しています。年間購読してる私からすると、とりあえず今年は得した気分です。

とはいえ、値上げするのは経営的に苦しいから。紙質変更も、コストダウンが目的でしょう。

ボクマガは親会社ベースボールマガジン社のリストラにあった形で、どこかに買収する目はなかったのかもしれません。

ボクマガもThe Ring magazine JAPANとして創刊、もちろん最初は年4回発行の季刊誌として新しいスタートを切るなど新しいスタートを切れないものでしょうか。
FullSizeRender
先日、古本屋で見つけた1979年10月号のボクシングマガジン↑を読んでいると「リング誌売却」のニュースを見つけてしまいました。

それでも、前しか向かねぇ!

リング誌というのは半世紀以上も売却・倒産慣れしているタフな雑誌なのかもしれない、きっとそうだ!そうに違いない!廃刊危機を何度も切り抜けるダイハード・マガジン、それがリング誌なのだ!!!と心強く思うのでした。

1979年の身売りはランキングのスキャンダルで信用が失墜、〝身内〟のバート・シュガーが100万ドル、当時のレートで2億円で買収したものでした。リング誌が、当時の2億円とはいえ、安い、安すぎる…。

このときは、最盛期の発行部数20万部が14万部まで落ち込んでいたそうです。

リングジャパン(ジョー小泉が代表をつとめる代理店)の広告では「全世界で100万部」と喧伝していた気がしますが、現在は何部まで落ち込んでいるのやら…。

クロフォードのPPV売り上げよりも怖いから、リング誌の発行部数なんて調べたりしません…。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

英国ウェールズ・カーディフ、米国ミネソタ州ミネアポリス、豪州ビクトリア州。

全ての試合が米国で生中継され、日本でも早朝から生配信されました。

そして結果は、3試合ともオッズと予想のとおり。

内容的に意外だったのは、カーディフ・モーターポイントアリーナで開催された「尾川堅一vsジョー・コルディナ」。

IBFジュニアライト級王者・尾川の速い踏み込みから放たれる右は、経験不足のコルディナを混乱させると思いましたが、まさかのワンパンチKO負け。

ラッキーパンチと呼ぶには、狙い澄ました一発でした。

今年の年間最高KO賞にもノミノートされるであろう、完璧な一打、痛烈なダウンでした。

「のまれてしまった」と語った34歳のロードウォリアーは、進退を迫られる大きな敗北を喫してしまいました。

コルディナはWBA大陸タイトルを獲得した前戦から、ずっと力強いボクシングを披露しました。





◉WBC/WBOジュニアフェザー級王者スティーブン・フルトンは、ラウンドを失ったのが一人のジャッジの1ラウンドだけというほぼ完封試合。

PUNCHESFULTON ROMAN
Total landed218113
Total thrown603673
Percent36%17%
Jabs landed10645
Jabs thrown358306
Percent30%15%
Power landed11268
Power thrown245367
Percent46%19%

CompuBoxのスタッツでは、的中率でジャブ・パワーパンチ・合計いずれもダブルスコア以上と、元王者をまったく寄せ付けませんでした。

27歳のテクニシャンが描く青写真は、WBA/IBF王者ムロジョン・アフマダリエフに勝ってこの階級を完全統一、バンタム級から上がって来たPFPファイター井上尚弥を防衛戦で撃破、そしてフェザー級転向。

ローマンと五分だったアフマダリエフとのUndisputed Championを賭けた一戦。やってみないとわからない側面が多いでしょうが、三段論法でオッズや予想はフルトンに偏るでしょう。

それにしても、世界戦は4戦全てが判定。この10戦で切り取っても3KO。スタイル、と言ってしまえばそれまでですが、10ラウンド終了間際に舌を出してローマンを愚弄したのを見ても、完全に鬼ごっこの気分でボクシングしています。

メキシコ系のファンが多いラスベガスで「実質負け」と言われたブランドン・フィゲロア戦から、ファンにとっては悪い意味でいろいろ学習したのでしょう。

あの試合は「9ラウンドKO」予告していましたが、「もう倒しに行かないぞ。だってオレ、パンチが無いんだもん。鬼ごっこを極めてやる」という感じでしょうか。

名指しされた井上にとっても、これは捕まえるのが難しい相手です。米国でやったらダメなボクサー。

ただでさえ軽量級というハンデがあるのに、メキシカンスタイル全盛の米国で人気が出ることはないでしょう。

ゲイリー・ラッセルJr.との塩ダンスは面白いかもしれませんが…。




◉日本ではジョージ・カンボソスJr.がすでにUndisputed Lightweight championであるかのような報道がされていた、デビン・ヘイニーを地元の巨大スタジアムに迎えての大一番。



左ジャブを間断なく突き続けたヘイニーの精度が試合を制しました。

カンボソスは想像通りの無策。

再戦条項が盛り込まれた契約、完敗のオージーは「11月下旬に再戦」と早くも意気を上げていますが、まったく必要ありません。

何が悲しくて、また「下手くそvsチキン」を見なきゃいけないのか。

PUNCHESKAMBOSOS HANEY
Total landed100147
Total thrown417588
Percent24%25%
Jabs landed3278
Jabs thrown215333
Percent15%23%
Power landed6869
Power thrown202255
Percent34%27%

パンチスタッツを見るとパワーパンチで互角の面白い試合に見えますが、それはよくあるスタッツのウソです。

カンボソスはノーチャンスでした。

"THIS IS NOT THE END" (これで終わりじゃない。再戦する)- GEORGE KAMBOS …頼むからもうやめてくれ。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ