フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: リング誌から

日曜日だというのに、大学でお仕事。

また、東北で地震がありました。東京も嫌な揺れ方でした。

天災を抑えることなど誰もできませんが、不運に見舞われた人を救うのは政治家のお仕事です。しっかりお仕事しましょう。

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リング誌は月間最高選手を毎月発表しています。
6月号で選ばれたのはジュニアバンタム級最強を賭けて8年8ヶ月ぶりの再戦を戦ったファン・フランシスコ・エストラーダとローマン・ゴンザレスの2人。

昨年の年間最高選手にもテオフィモ・ロペスとタイソン・フューリーの2人を選手したリング誌ですが「年間」の方はフューリーの単独で良かったと感じています。

しかし、エストラーダとロマゴンの「月間」は納得です。さすがリング誌です。

「ダウンシーンや、どちらかが決定的に傷つくこともなかったが、あれほどハイレベルな打撃戦はまず見られない」。

その通り、技術もハートもハイレベルなこれぞボクシングの試合でした。
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判定が読み上げられ、敗北したロマゴンはもちろん、勝ったエストラーダも会心の笑顔を見せることができませんでしたが、この試合の勝者は明らかです。

生で目撃した約2500人の観衆が最高の勝者、テレビで観戦できた世界中のボクシングファンも勝者でした。

今年の年間最高選手賞も、この2人で良いかもしれません。
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2015年5月2日、6年越しの交渉の末についに実現した「メイウェザーvsパッキャオ」。

興行規模だけが史上最大だった、つまり最もコスパの悪い、要は史上最悪の期待外れのメガファイトでした。
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それでも、試合前はそんなことはわかりっこありません。
 
チケット代は、MGMの売り出し価格で約30万円が最安値でしたが、手に入るなら見に行こうと思ってました。

しかし、私が買おうとしたときにはその席はソールドアウト、転売価格は100万円に迫っていました。

それでも、とんでもない名勝負になったら後悔すると、妻に土下座してでも…、とまで迷いましたが、さすがに100万円はありえません、思いとどまって大正解でした。

大金をドブに捨てる危機は回避しましたが、あの試合を見た後の喪失感は深過ぎました。

リング誌の定期購読をやめて、大量のバックナンバーも古本屋にでも売ろうと思いました。

それでも「これでお別れ」と過去のリング誌を読み返してると、まだ子供が小さくてリング誌を噛み破いた号など、当時のいろんな思い出も一緒に蘇り、そして何よりもかなり鋭く面白い記事が多いことに改めて感動しました。

もはや、リング誌を捨てるなんて考えは霧散、それどころか愛おしくてたまらなくなりました。

当時、慢性的な経営難から毎年ページ減を強いられていたリング誌は、2015年から月刊体制まで破綻、年9回発行の変則季刊誌になっていました。

64ページまで薄くなったリング誌。

その背表紙にプリントされた「RING MAGAZINE」の文字も窮屈そうで、今までこんなに楽しませてくれた雑誌の定期購読をこのタイミングで切るのも憚られました。

そして、リング誌のプリントバージョンの廃刊までが噂に上がっていましたが「だったら廃刊まで見届けてやろう」と思い直したのです。

その後、親会社のゴールデンボーイ・プロモーションズの経営も傾きますが、新たな出資者からのサポートで2019年から月刊誌として復活。ページ数も80まで戻しました。

今では、しばらく定期購読から離れていた英国ボクシングニューズ(BN)誌も取り始め、1ヶ月にリング誌1回、BN誌4〜5回が届けられる生活を送っています。

しかし…。

パンデミックの影響もあり、両誌とも試合展望や結果の総括、それに伴う歴史的な考察などの記事が少なくなり、過去のグレートの特集など懐古調の色彩が濃くなっていることに少し飽きてしまったのかもしれません。

いつもならどんなに疲れていても、届いたその日に封を開けていたBN誌でしたが、仕事が超繁忙ということもあり、封を開けないうちに次の号が到着ということが何度かありました。

仕事が忙しいというのはウソですね、どんなに忙しくても、本当に好きなら寝る間も惜しんですぐ読みたいはずですから。

仕事に余裕がある時期でも、さらっと目を通すつもりが夢中で読み込んでしまい睡眠不足、なんてことがリング誌とBN誌が同時に届いた日なんかはよくありました。

封も開けずに次の号着荷というのは如何なものか?と思い立ち、今月で切れるBN誌の定期購読は更新しませんでした。

ロンドンから白いビニール袋にパックされたBN誌は、4月からもう届かない。

そう思うと少し寂しい気もしますが、月刊のリング誌と違って、週刊のBN誌は結構なペースでかさばっていきます。

今のところ、リング誌の定期購読をやめるつもりはありませんが、面白い試合が見たいです。


6月は日本と世界のエースがリングに上がる予定。

もしかしたら中谷正義vsワシル・ロマチェンコも6月26日が有力と言いますから、日本のボクシングファン、スポーツファンにとってはオリンピック開幕前にでっかい楽しみが出来ました。

梅雨空を粉砕するようなファイトを期待します!
 

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Many words can be used to describe Marvelous Marvin Hagler. Versatile. Durable. Rugged. Skilled. Proud. But one word best defines who he was inside the gym and inside the ring, and to everyone who knew and loved him: Marvelous.
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マーベラス・マービン・ハグラーは、数多くの言葉で形容されてきました。

臨機応変で引き出しが多い。

恐ろしいほど我慢強い。

野生的で荒々しい。 

それなのに高度の技術を使いこなす。

誰よりも誇り高い。




しかし、彼はたった一つの言葉で表現できます。

練習でも試合でも、すべての人から尊敬された彼は、ただひたすらにMarvelous だったのです。
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先ほどアップされたリング誌電子版「ROMAN GONZALEZ AND THE TITLE-REIGN KINGS OF BOXING」(ロマゴンと世界戦最多経験王者)を短観も交えてご紹介。

6日後、ジュニアバンタム級のリング誌タイトルも加えた団体統一戦のリングに上がるローマン・ゴンザレスにとって、これが19度目の世界タイトルマッチ。
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これまでの18戦は16勝10KO2敗。フライ級時代にPFPキングにも君臨したチョコラティトは、殿堂入り確実、史上最高の軽量級の一人です。

世界戦登場回数、現役では19回(井岡一翔:17勝10KO2敗/ノニト・ドネア:15勝10KO4敗/マルコ・フック13勝5KO5敗)が最多。

…おいおい、19連続防衛ゲンナディ・ゴロフキンを忘れるな!

GGGはカネロ・アルバレスに敗れたあとセルゲイ・デレビャンチェンコとの決定戦に辛勝してIBFを奪還、去年12月にカミル・シェルメタを粉砕して防衛に成功してるから、世界戦21試合のはず。

しかし、このブログでもたびたびご紹介しているように世界的には「同一団体が同一階級に複数王者を乱立させた場合は上位王者一人しか認めない」のが通例です。

リング誌も「The Ring recognizes only the absolute WBA champion.」の姿勢です。「同一階級に王者は一人」。当たり前に正しい考え方です。

そこには「上位王者(WBAスーパー)が存在するならセカンド王者(レギュラー)は認めないという〝ルール〟が存在します。これも当たり前に映りますが、GGGはこの〝ルール〟の犠牲者です。

GGGとの対戦をあからさまに回避し続けたフェリックス・シュトルムがスーパー王者として並立していた間の世界戦が、ごっそり間引かれているのです。

そのため、リング誌などではGGGの世界戦成績は〝わずか〟13試合、11勝9KO1敗1分にとどまってしまうのです。

日本では、井上尚弥の世界戦は15戦で全勝13KOと考えられていますが、リング誌ではジェイミー・マクドネルとファン・カルロス・パヤノの2試合が「WBAスーパー王者が存在していた」ために間引かれて、GGGと同数の13戦全勝11KOとカウントされてしまっています。

GGGのケースは特に理不尽な思いが強いですが、仕方がありません。「シュトルムは逃げてたから上位王者とは認めない」というのは正義の考え方ですが、そこにあるのはどうにでもデッチあげることができる「無法」であり「法治」ではありません。

この「法治」の考え方では…そうです。村田諒太はまだ世界戦を1試合も戦っていないことになるのです。

井岡が「19」で現役最多を走る「世界戦出場回数ランキング」。

過去を紐解くと当たり前ながら、とんでもない怪物が現れます。

歴代最多はフリオ・セサール・チャベスの37戦(31勝21KO4敗2分)。

2位以下はバーナード・ホプキンス(36戦=26勝13KO6敗2分)、オマール・ナルバエス(32戦=28勝12KO3敗1分)、オスカー・デラホーヤ(29戦=24勝17KO5敗)、バージル・ヒル(29戦=24勝7KO5敗)、ウラジミル・クリチコ(29戦=25勝19KO4敗)、マルコ・アントニオ・バレラ(29戦=25勝14KO4敗)、マニー・パッキャオ(28戦=22勝12KO4敗2分)と続きます。

パッキャオの28戦は少ない気がしますが、これは「セカンドタイトルはノーカウント」という理由だけではありません。パックマンのこの数字には「非世界戦」のメガファイトをいくつも戦った極めて現代的なボクサーの特質が表れています。

※同数の場合は先に達成した選手が上位にランキングされています。


井岡にならぶ19度目の世界戦に臨むロマゴン。この二人の激突はあるのでしょうか?あるとすると、そのときには「二人合わせて世界戦40度」という、大看板が掲げられそうです。



▶︎今回の契約条項に盛り込まれていたのは「21日前計量」と「7日前計量」。

昨日の「7日前」では「119ポンド以内」が求められています。

昨日のウェイ・インは、ロマゴンが118.2ポンド、エストラーダ118ポンド。両者とも〝一発クリア〟。 

121ポンド以内が求められる「21日前」も、ロマゴン120.6、エストラーダ120と両者とも順調にウェイトコントロールが進んでいます。

このまま最高の状態で激突してください! 
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リング誌のDOUGIE’S FRIDAY MAILBAG (PETERED-OUT PUNCHERS, #P4P TROLLING, LIGHTWEIGHTS)からの拙訳です。

こういう記事はESPNなどでも、度々掲載されています。このブログでも紹介していますが…。

この場末のブログは口の悪い酔っ払いの暴言ならぬ暴文ですから、誤解されてる方も多いでしょうが、私はボクサーの味方です


軽量級の需要が絶望的に無い米国市場に打って出る、しかも、そこではすでにウエルター級やミドル級などの人気階級が支持されていてる。さらに、その市場は半世紀以上も凋落傾向を辿っている。

市場が拡大基調なら、まだかすかなミクロン・チャンスがあるかもしれません。

しかし、こんな危険しかない没落市場に外国人が勝負を賭けるとしたら、マニー・パッキャオや村田諒太のように人気階級に乗り込むしかありません。

あるいは、中途半端なカネではなく、ナジーム・ハメドを支援したイエメンやサウジアラビアのように5000万ドルレベルの放映権料をESPNに支払えば、在りし日のHBOがニューヨークで展開したように大々的に宣伝してふさわしい会場を用意してくれます。

西岡の「MGMメイン」の失態は、ある意味でカネの出し方が中途半端だったのです。「狭い宴会場」「マイナーテレビ」「ファイトマネー100万ドル」だから、浅ましいと嘲笑されたのです。

実は「ファイトマネー100万ドル」はどうでも良いのです。いや、むしろ無かった方が良かった。5万ドルとかの方が「それでもラスベガスで戦いたいんだ」という清廉な挑戦をアピールできました。

帝拳や大橋会長がこれ見よがしにありえない金額を、米国側が用意したかのように発表するから、ますます嘘くさくなるんです。井上も、大橋会長がカリフォルニア州アスレティックコミッションの発表数字の倍以上の金額を言っちゃうからダメなんです(マロニー戦は一切出してません、賢明です)。

長谷川穂積の「ジミー・レノンJr.の自腹来日」も同じ根っこです。

ハメドのように50億円出してれば「大会場」「HBOのワールドチャンピオンシップボクシング」が用意されます。この時点で「すげー」とファイトマネーはどうでもよくなります。

ちっちゃい会場で、しょぼいテレビで「100万ドル」だから誰もが「?????」となるんです。

それでも能面を被れだの、着物を羽織れだの、日本刀を振り回して入場しろなど、ハメドにしたような要求を突き付けてくるでしょう。

ハメドの場合、当時の中東には戦うリングがありませんでした。そして〝アラブ発揚〟の意義もありました。

しかし、西岡利晃や井上尚弥には、ラスベガスなんか比較にならない軽量級では世界最大の舞台が日本で用意できます。

。。。。。。ラスベガスに何しに行くんですか?
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2019年2月号と9月号で2度も井上を単独カバーしてくれたリング誌。その後、WBSSで優勝して、PFPでも2位に推してくれたのに、3度目はいつでしょうか?

前置きが長くなりました。。。。

**********

井上尚弥はクラスを上げながらも世界のトップ選手を相手に勝つだけでなく、驚くべきことにことごとく粉砕して見せた。私たちが目の前にしているのは、もう一人のロマゴンだ。

しかし…ロマゴンと全く同じように、不幸なことに米国では誰も彼のことを知らない。そして、不幸なことにこれからも彼は無視され続けるだろう。日本以外のマーケットで、フェザー級以下のクラスが注目されることなど、まずありえないのだ。

もちろん、井上も米国のリングに上がっているが、騒いでいるのは日本だけ。米国ではハードコアな一部のマニア以外は、井上には興味はない、というかそもそも知らない。

井上は、昨年10月にESPNデビューを果たしたが、一般的なボクシングファンに名前を知られるにはまだまだ多くの時間も、演出効果も求められる。

昨年、このパンデミックがなければ、井上はもう1試合米国で戦っていたはずだ。

井上を“overlooked stepchild.”(見落とされた義理の子供、つまり「誰それ?」)と無視する前に、あと少しだけトップランクとESPNは待つべきかもしれない。


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「あと少し待つ」というのは、日本が大騒ぎしてくれて「ハメド級の放映権料を待つ」ということでしょうか。

こういう記事は、フィリピンやプエルトリコのネットニュースの重箱の隅まで突きまくるTHE ANSERなどの〝大本営〟は見てないふりをするのでしょうが…。

こういう記事もしっかり伝えないと、おかしな信者を増幅させるだけで、それが結局、西岡がラスベガスの話が出来ないという不憫で悲惨な結果につながるのです。

井上の100万ドル、あれは西岡の「MGMメイン」同様、本当の金額でしょうが 、どっから出てきたのかは明らかです。マッチポンプです。

書きかけの話で「ハメド式はダメなのか?」みたいなテーマがあったはずですが、私はそれでも良いと思います。

理想は「パッキャオ式」ですが、あれはビジネスモデルではなく、ただの奇蹟です。 

井上は、西岡のような中途半端な形でなく「ハメド式 」の札束で頬を叩く押し売りでセールスすべきです。そんなカネがないというなら、トップランクとは手を切るべきです。
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こんなデジタルな世の中になっても、好きな本や雑誌は紙媒体で読みたい時代錯誤野郎。それが私です。

仕事先でも、老若男女いろんなやつらから「なんで?なんで?」と問い詰められることもありますが、そもそも人に納得してもらう理由があって好きになったわけじゃねぇ!
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リング誌電子版3月号が届きました。

これから冬本番というのに、もう春かよ!

でも、見てしまいます。

OPENING SHOTSは我らが福田直樹の秀作がずらり。中谷潤人vsジーメル・マグラモのワンショットも。

ちょうど今、発表されているアウォードの特集号です、やはりデジタルバージョンのタイムリーさは素晴らしい…。

2020の表彰は以下の通りです。


▶︎CO-FIGHTER OF THE YEAR:テオフィモ・ロペスとタイソン・フューリーが同時受賞。

やっぱり、この賞を獲る日本人が早く現れて欲しいです。

テレンス・クロフォード、オレクサンダー・ウシク、そしてテオフィモとThe Undisputed Champion が受賞してますから、井上が来年、バンタム級完全統一なら、期待大です!



▶︎FIGHT OF THE YEAR:ホセ・セペダvsイバン・バランチェック
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昨年の「井上尚弥vsノニト・ドネア」に続いて「中谷正義vsフェリックス・ベルデホ」の「日本人が勝者として2年連続」にも期待しましたが…。

これは納得です。

ちなみにROUND OF THE YEARもこの試合の第5ラウンドが選ばれました。



▶︎KNOCKOUT OF THE YEAR:ガーボンタ・デービスvsレオ・サンタクルス

これも納得。

ただ、二つの階級のタイトルを同時ステイク、両者の階級差などいろいろスッキリしない試合ではありました。



▶︎COMEBACK OF THE YEAR:ローマン・ゴンザレス
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文句なしです。キャリア初のアンダードッグをひっくり返してカリド・ヤファイをKO!

おかえりなさい、チョコラティト!



▶︎TRAINER OF THE YEAR:テオフィモ・ロペスSR.
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予想はシュガー・ヒル、願望は井上真吾でしたが、外れました。

テオフィモ父が名トレーナー???????????

これは納得できません。



▶︎EVENT OF THE YEAR:COVID-19

これも、納得したくない。

こんなEVENT OF THE YEARは今年が最初で最後です。



▶︎UPSET OF THE YEAR:テオフィモ・ロペスvsワシル・ロマチェンコ

「中谷vsベルデホ」もアリ!と期待しましたが…。

掛け率・予想を見れば、確かに中谷は大番狂わせとは言えません。

試合の面白さなら断然、勝ってましたが、そこに焦点あてるとFIGHT OF THE YEARになってしまって「セペダvsバランチェック」に及ばない…。

しかし、考えてみると来年、中谷がテオフィモに勝つとFIGHTER OF THE YEARUPSET OF THE YEARは確実、勝ち方によってはFIGHT OF THE YEAR と KNOCKOUT OF THE YEARまでかっさらいそうです。

これ、絶対にありえないとは言えませんよ。




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リング誌電子版の話から、本題がそれてしまいました。

絶滅危惧種の紙媒体。

例えば、リング誌や英国ボクシングニューズ誌、デジタル化が進んでいる欧米では、プリントバージョンよりも格安低価格で、しかも早くデジタル版が届けられます。

プリントバージョンではまだ届いていないリング誌3月号が、デジタルならもう読むことができるのです。

しかも、デジタルなら記事に関連動画がついていることも多く、プリントバージョンの優位点を聞かれても「時代錯誤野郎だから!」と開き直るしかありません。

日本の「ボクシングマガジン」など場合はデジタル版がプリントバージョンを完全補完してなおかつ動画付き、しかも格安という次元にはまだほど遠いので、プリントバージョンが生き残っています(生き残ってるのかな?)。

私には毎月ポストに投函されているリング誌、スポーツイラストライテッド誌、毎週届く英国ボクシングニューズ誌、愛おしくてたまらないのです。

遠い外国から遥々やって来たということもあるのでしょうが、やっぱりとにかく愛おしいです。

こいつらが、もはや時代遅れで無価値の紙屑とはどうしても思えないのです。

そんな私にとって、心強くて、嬉しいお話。

子供の教育現場における「デジタル教科書」で先行しているヨーロッパで実施された複数の調査で「10歳までは紙媒体の教科書を使う方が習得力が高い」という結果が出ているのです。

幼児の場合、最初の文字体験がデジタルか紙媒体かで、習熟度に有意の差が認められたそうです。

もちろん、10歳以降はほとんど差がなくなるということで、特にネット環境にあるデジタルの情報量は紙媒体とは比較になりません。

それでも「10歳まで紙媒体(デジタルと併用)で学習」が未来にも定着するなら、文字通り接触した記憶は永遠に残るわけです。

全員がそうではないにせよ「紙媒体で読みたい、見たい、そばに置いておきたい」という思いを持つ10歳以降の子供たちは一定数いるでしょう。

デジタル教科書を先行している教育現場では「読解力」や「書く」能力の低下も共通して指摘されていました。

また、心身に及ぶ健康面の影響がどの程度なのかもまだ明らかになっていません。明らかになっているのは「悪影響がある」ということだけです。


また、紙媒体より前に「非効率」「無駄」というレッテルを貼られた漢字。

中国では非効率的と簡易化され、日本でも「漢字が文明の進歩を遅らせる」と言われた時代が80年代までありましたが、今は風向きが変わっています。

日本で「今年の一字」など漢字表現が発信される機会が増え、同じような行事が中国にも波及しています。

欧米でも漢字への憧れは強烈です。身近な仕事関係ばかりか、ボクサーのタトゥーを見るだけでもそれは伝割ってきます。

紙媒体や漢字は、机上の唯物主義からだけ突き詰めれば「非効率」で「無駄」です。

では、それをいうならアロマテラピーやリラクゼーションもスポーツも「非効率」で「無駄」です。

共産主義を追求した社会では、紙媒体も漢字も存在しないでしょう。

しかし、そんな社会は、まず面白くありません。

そればかりか、間違いなく弱い。何もかも弱い、どうしようもない社会です。

なんでこんな話になったかというと、リモート会議の後、世間話で「紙媒体は必要か?」みたいな話になって、相手の取引先の方からアマゾンである本が届けられたんです。

「紙つなげ!彼らが本の紙を造ってる」というハヤカワのノンフィクションでした。

お礼のメールを送ると、取引先の方(まだ20代)から「 紙媒体の良さをアピールする内容でしたか?」と意外な返信。

東日本大震災から立ち上がる日本製紙石巻工場の感動の物語ですが、紙媒体とデジタルがどうという内容ではありませんでした。

メールのやりとりが面倒くさくなって電話すると「僕、読んでなくて、タイトルだけ見て思わず送ったんです。面白かったら嬉しいし、今度内容を面白く教えてください」と、Battle of Age なことを平然と語る20代男でした。

自分が読んでない本を人に贈るか?

しかも「読んだら内容を教えてくれ」って…。まずオノレが読んで、それで面白かったら「こういう本あるんですけど」って紹介して来い!

私の周囲だけかもしれませんが、若い男の子はとぼけた子が多い気がします(悪い意味ばかりじゃなくて)。
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今年のリング誌FIGHTER OF THE YEAR はライト級で時期尚早と見られたワシル・ロマチェンコ戦で番狂わせを起こしたテオフィモ・ロペスと、デオンティ・ワイルダーから予想外のノックアウト勝利を奪ったタイソン・フューリーが同時受賞。
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これは1981年のシュガー・レイ・レナードとサルバドール・サンチェス以来…と思いきや1985年にマービン・ハグラーとドン・カリーがやはり同時受賞してました。 

先日のカネロ・アルバレスのパフォーマンスを見て「2年連続もあるか?」と慄いていましたが、とりあえず良かった、良かった。 

まあ、でも〝カネロ戦待ち〟でしたね。

これで、リング誌よりも格上のBWAA のFIGHTER OF THE YEAR( Sugar Ray Robinson Award)の行方は混沌としてきました。
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リング誌2月号はテオフィモ・ロペスが単独カバー。

見開きのOPENING SHOTSでは、井上尚弥がジェイソン・マロニーを攻めるシーンが見開き2ページで。 

このコーナーはこれまでも八重樫東や山中慎介、三浦隆司、村田諒太が飾り、日本のボクサーが取り上げられています。

井上尚弥は意外にもこれが初登場かもしれません。
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OPENING SHOTS


In his long-awaited Las Vegas debut, Ring Magazine bantamweight champion Naoya Inoue was back to his malicious best in posting a dominant seventh-round knockout over Jason Moloney at the MGM Grand.

彼が待ち焦がれていたラスベガス・デビュー。リング誌認定世界バンタム級チャンピオン井上尚弥は、ジェイソン・マロニーを7ラウンドでノックアウト、凶悪なまでの強さを取り戻した。
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リング誌 THEN AND NOW: COMPUBOX ANALYZES MIKE TYSON-ROY JONES JR. EXHIBITION から、拙訳と補足です。
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 桜の紅葉もなかなか味わい深いものです。↑
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2003年3月1日、世界中のボクシングメディアが集まった前に、ロイ・ジョーンズJr.が座っていた。

ジョーンズは12ラウンド大差判定でWBA世界ヘビー級王者ジョン・ルイスを下したあとの記者会見。ミドル級の世界王者を経てヘビー級を制したのは、ボブ・フィッツモンズ以来のなんと106年ぶりの出来事だった。

ジョーンズの初防衛戦の相手が誰になるのか?様々な憶測が飛び交っていたが、最初に名前が挙がり、その対戦が熱望されたのがマイク・タイソンだった。

▶︎当時、ジョーンズはPFP1位、歴代でも上位に推すメディアもあるほど、その評価は天井知らずでした。一方で「弱い相手を圧倒するが、強い相手と戦っていない」という指摘も多く〝106年ぶりの快挙〟にしても「階級最弱王者を狙い撃ちにしただけ」「初防衛戦が注目」と冷ややかな目も向けられていました。

当時のタイソンは3年間の服役などでブランクを作り、レノックス・ルイスに予想通りに惨敗するなど化けの皮は剥がれていましたが、まだ36歳の危険なヘビー級ボクサーと見られていました。

タイソン戦は、その実力が報酬に正当に反映されていなかったジョーンズにとって巨額のファイトマネーが保証されるメガファイトになるはずだった。

気の早いラスベガスのオッズメーカーは両者の勢いから2-1で元ミドル級王者有利の数字を立ち上げ、試合を煽った。

しかし、あの記者会見の途中で、ヘビー級挑戦のためにジョーンズが返上したWBCとIBFのライトヘビー級王座に就いていたアントニオ・ターバーが「ジョーンズはライトヘビーですら最強を証明していない」と対戦要求をぶちまけた。

この要求を無視して、タイソン戦を選択することができたジョーンズだったがあまりにも直接的で無礼なターバーの挑発に、ヘビー級の新王者はメディアやファンが望むのとは違う選択をしてしまう。

その意味で、ターバーはボクシングの歴史を変えてしまったと言えるだろう。

ジョーンズはターバー戦に向けて少なくとも18ポンドの減量を強いられ、ライトヘビー級タイトルマッチのリングに上がる。

この試合は大苦戦の末に2-0のマジョリティデジションで、ライトヘビー級王者に返り咲いたが、ジョーンズにとってこの勝利は、長く険しい劣化との戦いの幕開けであった。

一方のタイソンは、ダニー・ウィリアムスとケビン・マクブライトという無名のボクサーに連続KO負け、そのキャリアを閉じた。

あれから17年、二人はついにリングの上で相まみえることになる。

しかし、この試合は彼らのキャリアに記録される公式戦ではなく見世物であること当時実現していたであろう試合とは何もかも様相が違う。

全盛期の彼らは階級こそ違え、圧倒的な強さでリングを支配していた点で、非常によく似ていた。

タイソンは①史上最年少(20歳と150日)で世界ヘビー級のピース(WBC)を獲得、②世界戦は12勝10KO4敗、③リング誌とBWAAの年間最高選手に2度選出(1986年/1988年)、④リング誌の歴代ヘビー級ランキングで14位(1988年)、全階級歴代ランキングで72位(2002年)、⑤2011年に国際ボクシング名誉の殿堂入り(一発殿堂)。

▶︎タイソンの全盛期はまだ高校生、その強さと日本国内メディアの絶対評価に対して、リング誌の14位の理由について「強い相手とは一人も戦っていない」という評価に、日米評価の激しい乖離に少し驚きました。

ジョーンズは①ソウル1988でライトミドル級に出場「史上最悪の判定」に泣いて銀メダル、②アマ戦績は122勝13敗、③プロデビューから17試合連続KO、④世界戦22勝14KO3敗、⑤のべ22人の元・前世界王者と対戦して18勝8KO8敗、⑥リング誌の年間最高選手(2004年)、⑦BWAAの年間最高選手賞は一度も獲得できなかったが、90年代のFIGHTER OF THE DECADE(10年間最高選手賞)には選出。

▶︎BWAAのFIGHTER OF THE DECADEに選出されていたら、常識的には年間最高選手を何度か獲得しているはずですが、これはある意味ありです。「年間でみるとより傑出していたボクサーがいたが、10年間で見るとジョーンズが一番」ということです。

とはいえ〝106年ぶりの快挙〟を「たまたまタイトルを持っていた最弱王者を狙い撃ちしただけ」と評価しないあたりはさすが米国メディアです


Prediction:(勝敗予想)全盛期は格下相手に圧倒的なパフォーマンスを見せながら、強い相手に技術と精神の欠点を暴露された二人。

2018年2月が最終戦のジョーンズは51歳、2005年6月のタイソンは54歳。両者の試合勘には大きな差があるかもしれない。

一方で、この見世物はヘビー級で行われる。もし、この試合が真剣勝負になると、タイソンのTKOを予想する。

ただし、これはexhibition(フロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガーとは違う)。

二人はexhibitionの暗黙のルールを知っているはずだから「フリオ・セサール・チャベスvsホルヘ・アルセ」の3連戦のようなプロレス的な展開になるかもしれない。

そして、それが見るファンにとっても、二人にとっても最もハッピーなやり方だろう。



 
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どうして彼らは戻ってくるのか?

THE COMEBACK CROWD

MIKE TYSON, ROY JONES JR., OSCAR DE LA HOYA AND OTHER FORMER STARS ARE DROPPING HINTS AND MAKING PLANS TO RETURN – SO WHAT’S THE DEAL WITH THIS WAVE OF UN-RETIREES?

リング誌のドン・ストラドリーの記事から、私見も交えて…。
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Nov. 28: Carson, California (PPV)
Mike Tyson vs. Roy Jones Jr., 8 rounds exhibition, heavyweights

ボクサーがカムバックするケースには、多くの場合で共通点があります。

「カネのため」「栄光のため」です。 

もちろん、彼らは「カネのため」とは言いません。「まだできる。もう一度世界チャンピオンに返り咲いてみせる」。

「栄光のため」。「もう一度、注目を浴びたい」という自己顕示欲です。

そして、彼らのやり方は二種類あります。

一つ目は「Real Ring 〜文字通り本物のリングに戻ること」です。この〝やり方〟は当たり前ですが、悲劇的な結末を迎えます。

どんな優れたボクサーでも、自らの肉体の経年劣化と長いブランクに打ち勝つことは出来ません。

たとえ、それがジョー・ルイスやモハメド・アリ、シュガー・レイ・レナードであったとしても。
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例外中の例外は、エデル・ジョフレとジョージ・フォアマンですが、彼らが「時計に勝つ方法を知っていた」わけではありません。それは、後世のカムバッカーたちが、彼らから何も学習できないことからも明らかです。

しかし、ボクシングファンは彼らが「時計に勝った秘密」を知っています。

ジョフレとフォアマンが、飛び抜けてスペシャルだったということです。

そして…。この道に踏み出したのがセルヒオ・マルチネス。

アルゼンチンのマラビータがスペシャルであることに誰も異論はありません。しかし、お隣の国ブラジルが生んだ最高傑作ジョフレのように、飛び抜けてスペシャルでしょうか?
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名画「チャンプ」(1931年)も、カムバックするボクサーの悲劇的な結末を描いています。

そして、二つ目は「The Farce〜茶番劇で文字通りお茶を濁すこと」です。

まさに、日本時間11月29日に行われる「マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.」が「The Farce」です。

このサーカスのパイオニアを自称するフロイド・メイウェザーがMMAのスター選手コナー・マクレガーと演じた茶番劇はネバダ州アスレティック・コミッションが管轄する「公式戦」で、ボクシング史上2番目に大きな興行となり、商業的には大成功を収めました。
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オスカー・デラホーヤが踏み出してしまうかもしれないのは Real Ring ?それともThe Farce?どちらになるのでしょうか。
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