フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: お金(マネー)の話

カネロ・アルバレスはリミット一杯168ポンド、ケイレブ・プラントは1ポンドアンダーの167ポンドで一発クリア。

計量での波乱は考えられない、コンディショ二ングに定評のあるプロフェッショナル。 

二人ともすごい肉体を披露しました。特にプラントは「キャリア最高」。
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会場には「プラントに勝ち目はない」と断言予想したマイク・タイソンが「結果はわかりきっているが観戦に来ました」とカネロを表敬訪問。 

3団体時代の1984年に新設されたことからも、これまでスーパーミドル級に存在しなかったUndisputed Champion が初めて誕生します。

オッズと戦前予想こそ一方的ながら、米国ボクシングシーンで最大のスターに登りつめた31歳のカネロにとって、この試合は大きなマイルストーンになると見られています。

一方、リング外でも「カネロの選択」に大きな注目が集まっています。
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SUCH A MESS〜なんという数字だ!カネロとの史上最大契約で大々的な会見まで開催したDAZNでしたが、米国ボクシング市場への参戦は失敗でした。

2018年、大型契約を交わしていたHBOがボクシング事業から撤退、カネロはDAZNと5年11試合3億6500万ドル(約410億円)の当時あらゆるスポーツで最高金額の契約を結びます。

しかし、DAZNが目論んだゲンナディ・ゴロフキンとの第3戦は実現できないまま、パンデミックを理由に契約内容の下方修正を余儀なくされます。

以来、カネロのDAZNへの不信感は根深く、今回の試合もDAZN型のビジネスではカネロの報酬を支払う能力がなく、SHOWTIMEがPPVで提供することになりました。

看板スターの大試合を放送できないーーー少なくとも米国のボクシングビジネスにおいてDAZNはもはや死に体です。

そして、死臭を嗅ぎつけてやって来るのは、いつだって死神です。そう、アル・ヘイモンです。

やはり衰弱死の階段を一つずつ降りているトップランクからマニー・パッキャオを引き抜いたとき「ボクシング市場参戦以来の夢が叶いましたね?」と聞かれた死神は「もう一人大物がいる」とカネロへの興味を隠しませんでした。


カネロとの契約はまだ締結していないものの、最低保障4000万ドルを用意したのはヘイモン。「ゴロフキン2」から3年ぶりのPPVイベント登場となるカネロが、この試合で満足出来る報酬を手にしたら、カネの話が出るたびにあれこれ泣き言を並べて渋りまくったDAZNを切り捨てるのは確実です。

また、これは「ボクシングのメガファイトは巨額のカネが動く。ストリーミング配信は限界がある。PPVが今も最高のビジネスモデル」(ステファン・エスピノサ)というSHOWTIMEの主張が、DAZNにトドメを刺すことになるかもしれません。

SHOWTIMEの親会社ViacomCBSから出資を受けているBoxingScene.comによると、今回のPPVの損益分岐点は50万件。@79.99ドルですから、カネロの最低保障4000万ドルがすっぽり当てはまります。

ここにMGMグランドが支払った1000万ドルの招致フィー、世界各国への放映権料やスポンサー収入が加算され、プラントやアンダーカードのファイトマネー、必要経費をカバーすることになります。

確かに、50万件はギリギリのラインですが、それ以上に販売が伸びると見られています。 


プラントの前回のFOXでの試合は、平均視聴者数が188万7000人、ピーク時で201万9000人。悪い数字ではありません。

この数週間、CBSが生中継したNFLとカレッジフットボールで「カネロvsプラント」は大々的に宣伝されており、Showtimeも試合をあおるプロモーション「All Access」シリーズ3部構成を様々なソーシャルメディアやプラットフォームを通じて流してきました。

目抜き通りのストリップにある巨大ビデオビルボードでアルバレスvsプラントの大看板を設置、他にもあちこちで巨大な看板が立てられ、さながら〝ラスベガスジャック〟の様相。

MGM Resorts International社も、ラスベガス大通りにある9つの所有ホテルでこのイベントを宣伝、チケットを入手できなかったファンにクローズドサーキットで試合を提供する予定です。

「損益ラインの50万件を大きく超えるのは間違いない」(エスピノサ)という自信が、米国の反対側ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催されるUFC 268とのバッティングにも余裕を持っているのでしょう。
ヘイモンは、カネロ獲得に成功すると2022年に傘下のスター選手二人(ジャーマル・チャーロとデビッド・ベナビデス)とのメガファイトを早くも計画していると噂されています。

スーパーミドル級でリング誌を含めた4つのベルトコレクションをコンプリートしたカネロがヘイモンが差し出した契約書にサインするかどうかは、次に「どこ」を目指すかで左右されるでしょう。

米国でPBCの人気選手と戦い〝安全地帯〟で巨額の報酬を獲得するのか?

あるいは、カネロも関心を示しているライトヘビー級のWBA王者ドミトリー・ビボル、その先のWBC/IBF王者アルトゥール・ベテルビエフとの〝冒険の道〟を選択するのか?

前者ならもちろん、ヘイモン、後者ならエディ・ハーンがカネロとの交渉権を獲得することになります。

ビボルはマッチルーム×DAZNと提携、ベテルビエフが契約するトップランクは没落著しく、ハーンからすると難しい仕事ではありません。マッチルームがカネロを手に入れると、DAZNと寄りを戻すことになるでしょう。

カラム・スミス、 アブニ・イルディルム、ビリー・ジョー・サンダースと直近3試合をハーンと手を組んできました。今回もハーンはラスベガス入りしていますが、試合とそれに関わるあらゆるイベントへの顔出しは禁止されています。

当のカネロは、今回はヘイモンとがっちり握手。

「どっちが俺のことを高く買うんだ?」と、欧州と米国を代表する二人の怪人を睥睨しているようです。

それにしても。トップランクとゴールデンボーイプロモーションズが米国市場の覇権争いを繰り広げていた10年前は、もはやひと昔。かつての二大プロモーションに往年の勢いは見る影もありません。 
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先月から新宿でのお仕事が。月に何度かJR新宿の大混雑を人酔いしながらかき分けて仕事先まで突き進んでおります。
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それにしても、西新宿の高層ビル群は、30年以上前に上京してから大きく変わっていません…が!

どういうわけだか、懐かしいという感情は全く湧き上がって来ません。

高層ビルだけが当時のままで、飲食した店がほとんど無くなって、見知らぬ店に入れ替わっているからかもしれません。

というか、私にはここにも忘れたい思い出がある…。
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この「LOVE」のオブジェはニューヨークや台北にもある有名な作品ですが、作者は誰だっけ?と思い出せないまま、高層ビルのエレベータでお仕事先へ。

出迎えてくれた取引先のGに「あのLOVEの作者、誰でしたっけ?」と聞くと、彼も「う〜ん、前まで覚えてたのですが、あらためて聞かれると…」と黙り込んでしまうのでした。

「スマホなので調べたらすぐ出てくるんでしょうが、それは野暮だから、どっちが思い出すかで賭けましょう」と、なんでも賭けようとするG。

商談してる部屋は高層階ですが、地上なら徒歩1分もかからないところに新宿警察があります。

大昔、Gと大失敗に終わった大仕事(個人の意見です)を新宿で手掛けたことがあり、新宿警察に大仕事のイベントについて説明、道路使用許可証なるものを申請したことがあるのですが、そこでもGはゴルフや麻雀でどんだけ負けたかを結構な音量で話すのです。

翌日、この仕事に関わった様々な業界の同世代の仲間との飲み会を企画していてGは「麻雀とゴルフで負けが込んで、カネがないから貸してくれ」ということなのですが、賭け麻雀、賭けゴルフは(一応)犯罪です。賭けないでやってる人なんて、私は一人も知りませんが。

「そんなもん知るか!てめえの会社の中で解決しろ!たっかい給料もらってるくせに!」と突き放す私でしたが、結局、おカネは貸してやることに。

「こうなったら総合商社や広告代理店、銀行の給与をみんなで曝け出そう」と、口頭はダメで給与明細などの証拠を持ち寄ることを参加者に強要する趣味は悪いが誰もが興味津々の飲み会に。

1995年くらいのお話で、みんな30前後。

最初のオッズは低い(給料が高い)順から広告代理店、総合商社、酒類メーカー、自動車メーカー、銀行…でした。

バブルの恩恵を全身で浴びたカネ感覚(金銭感覚ではありません)の鋭い年代です。その通りでしたが、基本給以外の部分が大きいとはいえ広告代理店の不当なまでの高給に一同、驚きました。2000万円を超えてるのです。

「会社四季報の嘘つき…」。そういうと、商社勤務の酒癖の悪い女が3杯目のIWハーパーのロックを一気飲み、ささくれだったムードが加速します。

それにしても、あんなバカが2000万円なんて、カシメロが不憫です…。当時はカシメロ、知りませんが。

そして、そんなアホ飲み会に警察の方も誘ってしまうという究極のアホさ。

同じ世代のアホな給料に、怒りと酒に酔い狂った警視庁勤務のKは「お前ら全員逮捕する!」と暴れだし、みんなで抑え込むも、酔って暴れる大男ほど厄介なものはありません。

そもそも、小さい女の子でも泥酔しておぶると重いし、後ろから嘔吐されると防ぎようがない、ボクシングでいう「見えないパンチが最も効く」というやつで、ショックもダメージも大きいのであります。

何人がかりだったかは忘れましたが、ようやく押さえつけたと思うとKは「ごっぽん」と井戸が詰まったような音を腹から鳴らすと、スプリンクラーのように辺りに撒き散らしたのでした…。

「逮捕された方がマシやー!」というGの甲高い悲鳴が、今も忘れることができません。

そんなGと、久しぶりのお仕事です。

「あのメンバーも少し参加してもらおう」というGに、私は「もう誰がどこにいるのかわからんだろ。今どんなスキル持ってるかも全くわからんし。それに今、給与明細見せましょうをまたやったら、当時よりずっと多いやつとか、少ないやつもいるかもしれん、結構気まずいも飲み会になるぞ」と諌めたものの、友達とのキープタッチ能力に長けたGは、オンライン会議に旧知の奴らをするすると呼び出します。

「こいつ、仕込んでたな」と思いましたが、口には出さずにモニター越しの再会に結構盛り上がりました。

スプリンクラーKはもはや新宿から旅立ち桜田門へと出世、銀行員は何度も出向を余儀なくされ、紅一点やら二点やら三点は結婚して幸せに暮らしているというのに、GがスプリンクラーKの話をすると「懐かしい!またみんなで飲もう!」と前のめりになるのでした。

私は「時間はあの大惨事までも美化するのか?お店の人に謝り倒して、コンビニで着替えの衣類買って、閉店間際の銭湯に駆け込んで、あの臭い汚れを落としたことを忘れたのか?あれ、楽しかったか?お前ら誰一人笑ってなかったぞ」と冷静に語りましたが、彼女や彼らは「コンビニで下着は買ったけど、24時間営業のジーンズメイトでもみんなでジージャン、ジーパン揃えたなあ!」とメッチャ楽しそうに笑うのでした。

私は「待て、このコロナ下でスプリンクラーはありえない。しかももう俺たちは30前後の若者じゃない。あれから25年も経っとんねん。やるならリモート飲み会やな。それならスプリンクラー被害は発生しない、Kの自爆だ」と妥協案を示すも、事態は着々とリアル飲み会へ。
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しかし、新宿は新しい居酒屋が続々ですなあ。レモンサワーってあんまり飲まないけど流行ってますね。

当時のメンバーにも仕事で一肌脱いでもらおうと声をかけたはずが、ただの飲み会企画会議になってしまいました。

LOVEの作者がロバート・インディアナだと思い出した私ですが、もはやそんなことはどうでもよい状態に、スプリンクラーKが来るなら今週末にも半世紀ぶりのアホ飲み会を開催する運びとなったのでした。 

いやな予感がします。いやな予感しかしない。

「もうアラフィフの大人、昔みたいに幼稚なお酒の飲み方はしないのよ、うふふ」…なんていうのはアホ集団には通用しません。

三つ子の魂百まで。

アホ集団は、仕事や家庭の中ではアホじゃない仮面を被って生活していますが、仮面の下は、所詮アホです。

アホ集団が再集結すると、四半世紀くらいの時空は簡単に飛び越える特殊能力を彼らは持っています。

そんな特殊能力が爆発する様を、先週の大阪で目の当たりにしたばかりだというのに、またアホ集団の時空越えに巻き込まれなければならないのか? 

今年の秋は厄年ならぬ厄秋なのか?

「ハーパー、ボトルで持って来い!」と真っ赤な目で酔っ払い、スプリンクラー被害を最も受けた直後は「この警察男、連れてきたの誰!!?」と涙目&金切きり声で私を睨みつけた商社女は「ジーンズメイトまだやってるかとか、もろもろ調べとくね」と話し、当時の悲劇が完全に楽しい思い出に変換されていることに、私は大きな衝撃を禁じえませんでした。

冗談抜きで人間ってすごい。

あんな大惨事が楽しい思い出になるなんて。

私も「いまとなっては少しは笑い話かな」という部分はあるものの、50歳にもなってしかもコロナ下でスプリンクラー浴びるなんて、カネもらっても絶対嫌です。

女の方がメンタル強いのかもしれませんが、ジーンズメイト探すなら、最初から着替え持って来い!
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お金(マネー)の話。

大きなお金が動く試合、莫大な金額の契約を勝ち取ったスター選手…フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレス、アンソニー・ジョシュア、タイソン・フューリー…。

ほんの一握りのファイターが手にする報酬は、メジャースポーツにも引けを取りません。

1970年代まで、日本のスポーツ観戦はオッさんの縄張りでした。それは1950年代の米国も変わりません。

小学生の頃。普段、スポーツを見ない母親が「具志堅(用高)は偉いなぁ」と呟いたことを今でも覚えています。

そんな、時代ですら「ボクシングは人気がないから」という理由で、具志堅の国民栄誉賞が見送られたのです。

ボクシング全盛期、1960年代を、私も知りません。しかし、その当時のヒーロー、ファイティング原田が、日本はもちろん世界的にも傑出した存在であったことは、私にでもわかります。

全米ボクシング記者協会やリング誌が、辰吉丈一郎や長谷川穂積、井上尚弥ら日本のボクシングファンがその実力に耽溺する才能が出現しても「日本最高」はファイティング原田のまま、書き換えられないことに違和感を覚えるひとも多いでしょう。

「原田」をリアルタイムに知らない私も、その1人です。

百田尚樹の「黄金のバンタムを破った男」で「PFP1位のエデル・ジョフレに勝てるわけがない」と諦観するファンの描写がありますが、当時PFPなんて一般的ではなかったはずです。もちろん、あの作品は小説ですから、そのことをとやかく言うのは野暮である以前に、間違っていますが…。

それでも、きっと後世のボクシングファンも原田を最高と記憶していくのでしょう。原田を凌ぐようなスペクタクルを見せない限り。
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1960年代、黄金時代のど真ん中。ボクサーの報酬も半端じゃありませんでした。

スポーツイラストレイテッド誌が「少ない時でも5万ドル以上(当時のレート=1ドル360円=で1800万円)」と報じられていたのは、衝撃的です。当時の1800万円って、今なら2億円はくだりません。しかも、1試合の報酬です。当時は年間何試合もこなしています。

それを想像すると、現代のファイターが、井上ですら可哀想になります。

もし、60年代にフォーブスのアスリート長者番付があったら、1位がモハメド・アリで2位が原田だったでしょう。

この情報化社会の現代で、井上尚弥の報酬はネバダ州アスレティックコミッションからは公表されず、大橋秀行会長の口頭で「100万ドル」といつもキレの良い数字で「このまま防衛を重ねれば天文学的数字」と、一方的にパンチドランカー発言しているのとは真逆です。

観客動員も日常化した米国で試合をする方が天文学的報酬を得られるはずなのに、どうして12月の防衛戦も4月の団体統一戦も日本開催なのでしょうか?

ラスベガスでやれば、天文学的数字が稼げるのに、大橋会長はどうしちゃったんでしょうか?

150年に1人の天才だけに、常人では何を考えているのか及びようもないということでしょう。

素晴らしい才能に、嘘は必要ありません。

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そして、この1週間で景気の悪いお話が続きました。

WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロが、ポール・バトラーとの指名試合が競争入札で、約1170万円で落札されました。

「バンタム級の入札」というと、ドン・キングまで参戦した「辰吉vs薬師寺」が世界的に有名ですが、悲しかな、25年以上前の1/30にも満たない金額です。

この1170万円から両者が報酬を分け合うわけです。王者7、挑戦者3としてもカシメロの取り分は819万円、バトラーは351万円…。

カシメロは実力もキャラクラーも十分です。ただ、軽量級に関心が低い米国を主戦場とするしかなく、異邦人にとっては厳しい環境です。

日本で井上戦なら、上手にプロモートできると、世界が驚いた「埼玉のドネア」を上回る大興行になるはずです。

そして、WBOストロー級王者ウィルフレド・メンデスと谷口正隆のタイトルマッチも入札になってしまいました。

事前入札は8万ドルを最低金額に設定、メールや郵便などあらゆる門戸を開放して募集したにもかかわらず、誰も手を挙げないという異常事態。


WBOが異例の仕切り直し案を提示、最低落札額4万ドルからやり直すことになりました。

これ、10月17日に結果が出てるはずですが、なんでしょうか、悲しい、悲しくて結果、見てません。

日本は「ワタナベジム&ジョー・小泉」のケチケチ連合、向こうはプエルト・リコ…。悲惨な数字しか想像できません。

ストロー級。バンタム級どころじゃない、貧困階級です。
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ボクサーのファイトマネー、その源泉がどこにあるのか、おさらいしてみます。

井上やナジーム・ハメドのような富裕国をバックボーンにして、米国に放映権料などを奉納するケースを例外とすると、その仕組みは厳しいシステムです。 

実力と人気。いいえ、人気が最優先の世界です。その一方で、カネが人気を駆逐します。

米国で全く興味を持たれていない井上がしょぼい無観客会場で試合しても100万ドル。同じトップランクで井上を人気で遥かに凌駕するテオフィモ・ロペスを、ボブ・アラムは「誰が対戦相手でも100万ドルの価値を持つようなスターじゃない」と公言。

「井上は日本で天文学的でもなんでも勝手にして。うちが払えるのは限られている」 。「テオフィモの報酬はうちの持ち出しだから、勝手にはできない」。

そういうことです。大橋会長は、おそらくトップランクやラスベガスに舐められるのを屈辱と感じないタイプの心の広い方なんでしょう。

ESPNの記事でも、一介のファンですら「舐めるな」と怒りに震えることが何度かありました。

「井上尚弥」と、「大坂なおみ」「大谷翔平」は全く違うアスリートです。下手しなくてもバドミントンや卓球選手の方が健全な形でより多くの報酬を受け取ってるでしょう。

井上は、日本国内で試合をして最も大きな報酬と注目が得られるという点で「稀勢の里」や、外国人ですが「白鵬」に近い存在です。

日本でメガファイトを繰り返して、大相撲のように、軽量級の面白さを世界に発信しながら、ラスベガス公演を披露する。それしかない、と思います。

西岡利晃や井上尚弥のような〝憧れ料支払い〟は、個人的にはもう唾棄レベルです。

仕事関係でも、欧米に無条件で憧れて擦り寄る、80年代以前に代表される日本人とは、一緒に仕事とかしたくないし、してきませんでした。

もう馬鹿なことはやめるべき、井上信者がどんなに低脳でもそろそろ気づき出しています。

井上の大勝負、アフマダリエフやフルトンとの決戦は、米国でやっても商業的には矮小な規模にしかなりません。

東京や横浜の大会場でやってほしいです。

世界的には大失敗で、不誠実な運営で非難・軽蔑されたWBSSでも「さいたまスーパーアリーナ」は、欧米は「バンタム級メインで2万人以上の集客、客単価は100ドル以上」という事実を「シューリアル(ありえない・信じられない)」と驚愕しました。

もっと、驚かせてやりましょう!

世界の軽量級ファイターが希望の炎を燃え咲かせるような、ラスベガスやニューヨークではありえない軽量級のメガファイトを日本でやってやりましょう。
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プロボクサーの「格」を「カネ」だけでざっくりカテゴライズすると…。

☆テレビファイター…日本や米国でテレビに生中継されるイベントでメインを張れるボクサー。 ファイトマネーは10万ドル以上。

放映権収入とゲート収入がファイトマネーを決めるため、100万ドル〜200万ドルが上限。人気選手や巨大スタジアムで試合ができるスター選手は、この上限を突破できるものの限界はある。


☆PPVファイター…PPV課金が収益の中心となるため、放映権料やゲート収入への依存度は低い。注目度の高い試合はラスベガスなどのカジノ&リゾートが莫大な招致フィーを支払って富裕層の集客を図る。

チケットをカジノ側が買い取り、得意客を無料で招待することも珍しくない。

MGMグランドはメイウェザーやパッキャオの通常の試合で1000万ドル以上の招致フィーを支払うが、経済効果はその2倍以上と言われている。

ファイトマネーは100万ドル〜1億ドルレベル。現在、世界約2万人のプロボクサーでレギュラーのPPVファイターと呼べる選手は10人もいません。全体の0.05%以下というピラミッドのトップストーン。


☆Fobesファイター…PFPファイターの中でも数人いるかいないかの、フォーブス誌のアスリート長者番付100位以内に入るボクサー。現役ではカネロ・アルバレス、アンソニー・ジョシュア、タイソン・フューリーの3人だけ。

そもそもボクサーがランクされない年もあるだけに、このFobesファイターが激突するのは非常に珍しい現象です。

それでも、マイク・タイソンとイベンダー・ホリフィールド、フロイドメイウェザーとマニー・パッキャオのように強烈なライバルが同時期にランクインすることもあります。

ジョシュアとフューリーは同じヘビー級。つまりは対決の可能性があるのです。

日本のボクシングファンは「デオンティ・ワイルダーが絡む方が面白いけどなあ」と見るのが自然ですが、ジョシュアとフューリーは今最も大きなカネが動く英国ヘビー級のトップ2です。

この2人がヘビー級最強を争う形で対決するのが、現在のボクシングシーンで考え得る最も大きなメガファイトです。
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あと5時間後にゴングが鳴るジョシュアの防衛戦(vsオレクサンダー・ウシク)、来月第3戦を迎えるフューリーvsワイルダー。

2人の英国人が〝前哨戦〟を無事にクリアできるのか? 

現在のオッズはジョシュア8/15(1.53倍)、ウシク9/4(3.25倍)。

フューリー1/3(1.33倍)、ワイルダー12/5(3.4倍)。

どちらも、少しずつ差が縮まっています。

究極の英国対決を期待している世界中のボクシングファンは嫌な予感がしてるでしょうが、日本のボクヲタは面白い試合が見たいだけ。

番狂わせ、大歓迎です。

「ウシクvsワイルダー」もある意味、究極の対決。いいですねぇ。

まずは、少しウシク寄りに見つつ、AJ のお手並み拝見と行きますかな。

…眠くなってきた…イベント開始まで起きてられるかな、俺。 
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ルイヴィトンの2021秋冬メンズコレクション。
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牛革製、手縫いのスニーカー。

15万4000円。消費税だけで1万5400円。

全然履き心地が良さそうじゃないし、15万4000円のスニーカーって狂気の沙汰です。
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Forbes、米国版と日本版の「MONEY IN SPORTS〜スポーツマネーランキング2021」特集から、私見雑感を交えて徒然に。

世界的なパンデミックで試合数が激減、テレビ放映権料や入場料収入がかつてない低迷に悩む中で、2019年から2020年にかけて選手報酬が激減したスーパースターが目立ちました。
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一方で、パンデミックがまださめやらぬ2021年は総収入1億ドル以上を稼いだアスリートが過去最高の4人を記録。

これまで1億ドル越えを果たしたのはロジャー・フェデラー、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、ネイマール、タイガー・ウッズの4人だけでしたが、今年は1位コナー・マクレガー(1億8000万ドル・約198億円)、2位リオネル・メッシ(1億3000万ドル・約143億円)、3位クリスチャーノ・ロナウド(1億2000万ドル・約132億円)、4位ダック・プレスコット(1億750万ドル・約107億円)と一気に4人がエントリー。
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トップ50の内訳を見ると、アメフトとバスケ、つまり米国の2大人気スポーツが全体の62%を占めます。

プロボクシングからはカネロ・アルバレスがただ一人、3400万ドルでアンドレス・イニエスタらと48位タイでトップ50に滑り込みました。

このトップ50入りの最低ライン3400万ドルも過去最高と、パンデミックで入場料収入が激減しているにもかかわらず、トップ選手の収入は増大しているという矛盾が起きているのです。

そのカラクリは選手報酬以外のエンドースメント(スポンサー契約料)、イベントなどの出演料、サイン入りボールなどのスポーツモラビリア、ライセンス料、その他ビジネス活動で得た収入がこの10年で倍増と急伸しているのです。

トップ10で、この選手報酬が総収入の5割に満たない〝エンドースメント長者〟は4人。フェデラーに至っては選手報酬は約3万ドルに過ぎなかったにもかかわらず、その他収入は9000万ドルと、収入内訳だけならもはやアスリートではありません。

出資するスポーツブランドONが今秋にも株式上場を予定しており、2022年のランキングではフェデラーが史上最高額を更新して返り咲きすると見られています。

マクレガーが今年度トップに立った最大の収入源は、保有しているウィスキーブランド「PROPER12」の売却益。

これってアスリート長者番付? という事態になっています。

しかし、Forbesのランキング基準は変わっていません。変わったのはトップ選手の収入構造です。

これまで、ゴルフやテニスの専売特許だった巨額のエンドースメントを他のスポーツ選手も獲得、選手報酬への依存度は年々軽くなる傾向が強まっているのです。

かつて、フロイド・メイウェザーが「副収入ゼロ」という驚愕の不人気ぶりを見せつけながらランキングに入リ、首位に立ったこともありました。

プリティボーイ時代は少額ながらナイキやアメックスなどのスポンサードを受けていましたが、マネーになると企業は軒並み撤退。

世界一稼ぐアスリートが副収入ゼロ!どこまで嫌われてるんだ、という話です。

ファンや企業から蛇蝎のごとく忌み嫌われていることを問い詰められたマネーは「俺だってウィニングからエンドースメントをもらってる」と大見得をきりましたが、Forbesでは100万ドル以下は切り捨てゼロにされます。

たぶん、切り捨てラインが1万ドルでもゼロだったでしょう。ウィニングからのスポンサードは、下手しなくても数十万円だったと思われます。


そんな、選手報酬100%だった頃のメイウェザーが、今更ながら狂おしいまでに愛おしく感じるのは私だけでしょうか?



前置きが長くなりました。。。
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今年のフォープスのアスリート長者番付で一番目を引いたのは、コナー・マクレガーの1位です。

収入は1億8000万ドル!

約200億円を稼ぎだしましたが、その大半は自身が所有するウイスキー「Proper12」の売却益。なんか違う気もしますが、それもあり、なんです。
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   黒豚つけ麺。980円。

そして、特に女子でテニス選手が圧倒的な存在感を見せたことは今年も相変わらず。

今に始まったことではありませんが、ここ数年で女子テニスの席捲ぶりは目を見張るものがあります。

アスリートの世界でも、男女の報酬格差は歴然としています。

女子サッカーのアレックス・モーガンは米国で最も稼ぐフットボーラーですが、クリスチャーノ・ロナウドやリオネル・メッシらとは桁違いに低い報酬に甘んじています。

ボクシングやバスケットボール、ゴルフでも、報酬の男女差は絶望的なまでに存在しているのが、現実です。

しかし、テニスにおいてはこの格差は一気に縮小。

日本では大坂なおみが男女アスリート合わせてもトップの報酬を得ています。
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テニスのアドバンテージは三つあります。

▶︎一つ目は欧米や日本、中国などの富裕国で押し並べて人気があること。

「富裕国人気」の点では、米国という巨大市場に完全に入り込めていないサッカーを上回ります。


▶︎二つ目はゴルフほどではないにせよ、ウエアやラケットなどのギアが一般にも広く販売される土壌があること。

老若男女問わず、気軽にできる環境が整っているテニスは、特別なスポーツです。

製品売り上げに直結するため、他のスポーツと比べてスポンサー収入は莫大な金額になります。


▶︎そして、三つ目は選手報酬で男女差が実質解消されていることです。

4大大会では1973年の全米オープンから〝男女平等〟に、2007年からは残る3大会でも男女同額となりました。

メジャー大会での報酬で男女平等を実現したテニスで、富裕国のスポンサーが集まる大坂が最も稼ぐ女子アスリートにあっさり駆け上がったのは、ある意味で当然の帰結でした。

テニス同様に、報酬や人気で男女格差が小さいゴルフに女子の若い才能が次々に爆発しているのには、はっきりと示された〝導火線〟があるからです。

テニスとゴルフ、この2つのスポーツでは世界はもちろん、日本からもスーパースターと呼ぶにふさわしい女子アスリートがこれからも生まれ続けるでしょう。

その反面、これまで女子の才能を受け入れてきたバレーボールやソフトボール、柔道、陸上競技などの〝儲からない五輪種目〟離れは、今以上に進んでしまうかもしれません。


「大坂なおみ」が何人も出現するのは、日本のスポーツ界にとって素晴らしいことです。

願わくば幅広いスポーツを舞台にして、その夢が実現できたなら、本当に最高です。
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ボクシングのメガファイト、超高額のファイトマネーはPPVによる売り上げと site fee(招致フィー)、ゲート収入が、主な源泉です。

@100ドルのPPVを100万世帯に売ると1億ドル。

100万世帯PPVファイターのフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスの試合の招致フィーは1000万ドルから2000万ドル、対戦相手によっては5000万ドルまで跳ね上がります。

このステージまで登り詰めると、アスリート長者番付で上位にランクされるフォーブス・ファイターの仲間入りです。

昨年、この長者番付に入ったボクサーはタイソン・フューリーの11位が最高。ファイトマネー5000万ドル+エンドースメント(スポンサー収入)700万ドル=5700万ドルを稼ぎました。

続いて、19位にアンソニー・ジョシュア。ファイトマネー3600万ドル+エンドースメント1100万ドル=4700万ドル。

デオンティ・ワイルダーがジョシュアに肉薄、20位。4600万ドル+50万ドル=4650万ドル。

メイウェザーの退場からボクシング界の顔だったカネロ・アルバレスはパンデミックの影響から1試合をやり逃してしまい3500万ドル+200万ドル=3700万ドルの30位と伸び悩みました。

大坂なおみ(3740万ドル=40億2800万円)は女子史上最高額、男女総合でも29位で、カネロをかわしました。

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この、フォーブス・ファイターのトップ2、フューリーとジョシュアの決戦に、サウジアラビアが1億5000万ドルで招致に手を挙げました。

2019年12月の「ジョシュアvsアンディ・ルイス第2戦」では6000万ドルで引っ張り込みましたが、今回はその2.5倍の1億5000万ドル。まあ、相手がジョシュアよりも世界的人気は上のフューリーですから、当然の金額です。

一説には「実際には2億ドルが用意されている」とも。

メイウェザーやパッキャオ、カネロのメガスター相場の約10倍です。おそらく「パックメイ」の招致フィーも大きく上回るのではないでしょうか。

まだ、契約は合意に達しておらず、当然日程も未定だというのに先走っています。さすが、ヘビー級のメガファイトです。

ラスベガスのカジノが莫大な招致フィーを支払うのは、ホテルや他のイベントへ観光客を集める強力なフックになるからで、デビッド・カッパーフィールドのイリュージョンにもメイウェザー並みの招致フィーが支払われていると見られています。

メイウェザーvsパッキャオではラスベガスのホテルは一室残らず予約が入り、MGMグランドが買い取ったチケットは文字通りのプラチナに、系列ホテルで生中継するクローズドサーキットもソールドアウト。経済効果は1億ドルともいわれました。

あの史上最大のメガファイトの招致フィーは、9000万ドル払っても1000万ドル丸儲けだったことになります。

では、今回のサウジアラビアは1億5000万ドルも払って、元がとれるのでしょうか?

もちろん、取れるわけがありません。

五輪やサッカーW杯を招致するのと同じ感覚、国の内外に向けた国威発揚が目的です。

「モハメド・アリvsジョージ・フォアマン」のRumble in the jungle(1974年10月30日)を招致したザイールのモブツ大統領、「アリvsジョー・フレイジャー第3戦」のThe Thrilla in Manila(1975年10月1日)のフィリピンのマルコス大統領とまったく同じ構図です。

70年代に独裁者が用いた手法が、半世紀後の現代に蘇りました。

様々な事件から、今更ですがサウジも70年代のザイールやフィリピン並みの独裁国家ということの証左です。

ゲート収入は期待できないものの、ここにDAZNから放映権料、スポンサー収入が上乗せされるわけです。

この両者の報酬は「メイパック」 も超えるかもしれません。
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臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃、都の南で接触相撲という怪しげな催事がはびこっていた。

相手の体に何回接触するかを競う接触相撲は、誰の目にも退屈で、強さとは全く無関係に思えた。

ところが、接触相撲で無敗を誇った風呂井戸関は巧みな言動で人々を煽り立て、接触相撲こそが最強という錯覚を引き起こす妖術使いだった。

朝廷や大相撲の識者は「言語道断の戯事。接触相撲など、童の遊び鬼ごっこと同じ」と非難したが、風呂井戸のまやかしに踊らされた八百八町の人々は酔狂するばかり。

浴びせられる非難轟々を、風呂井戸は笑い飛ばした。

「偉大になるために戦ってるんじゃない。銭のためだけに戦っているんだ」。
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「フロイド・メイウェザーが有力な対戦相手から逃げ続けた」という見解は、森羅万象がそうであるように一面では正しくもあり、別の一面では間違いです。

また、マネーはカネ儲けだけを追求する銭ゲバだというのも大間違いです。

ボクシングにおいて勝利の絶対スタイルは存在するのか?

「数学上の未解決問題」に匹敵する難問です。

クイーンズベリー・ルールが開闢してから130年以上の歴史を積み重ねて来た近代ボクシングですが、その答はまだ紐解かれていません。

「ポアンカレ予想」のように、いつかその解明者が現れるのでしょうか?

現在のところ、この130年間で2人のボクサーがこの難問に挑みました。

1人はシュガー・レイ・ロビンソン。もう1人がフロイド・メイウェザーです。

メイウェザーが「カース・オブ・ゼロ=ゼロ(無敗の呪い)」に取り憑かれているというリング誌の見立ても、大間違いです。

マニー・パッキャオのティモシー・ブラッドリー第1戦や、ジェフ・ホーン戦が許容されるなら、メイウェザーのホセ・ルイス・カスティージョ第1戦とマルコス・マイダナ戦も判定負けで何ら問題はありません。

しかし、重要なことはメイウェザーがダイレクトリマッチで明白に〝雪辱〟していることです。初戦と同じ内容なら、判定は相手に転がりかねない状況できっちり再戦で勝利しているのです。

フロイドを逃亡者と揶揄したり、カネの亡者と軽蔑することは、彼の表層しか見ていないだけで、その本質を見落としています。

もちろん「コットとの無敗対決」「パッキャオとの究極の盾矛対決」が、もっと早い段階で実現できなかったA級戦犯はメイウェザーです。

ここまで書いて、メイウェザーの話は「0=ゼロの寓話」で触れるべきではなかったと、思い至ってしまいました…。

一旦、撤退して出直してきます。
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緊急事態宣言の延長濃厚なムードの2月初日。

さすがに、もうこんなプチ単身赴任な日々は耐えられないので今週いっぱいでウィークデイのホテル暮らしはおしまい。

7時でお酒のラストオーダー、8時で閉店の世界でホテル住まいなんて、どんな酔っ払いでも精神に支障をきたします。

お昼は近江ちゃんぽんのランチ。
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スペインサッカー1部リーグ、バルセロナの中心選手リオネル・メッシが「今年を最終年とする4年契約総額5億5500万ユーロ(約700億円)をクラブと結んでいた」と同国エル・ムンド紙が報じました。

事実なら、スポーツ史上最高額の契約となります。

素晴らしい話で終わらないのは公表数字と大きく食い違っていることです。

Forbes誌のThe World’s Highest-Paid Athletes によると、メッシの昨年度報酬は1億400万ドル。

内訳はクラブからのsalary(選手報酬)が7200万ドル、endorsement(スポンサー収入など)が3200万ドルでした。

4年総額5億5500万ユーロの配分が不明ですが、単年平均1億3875万ユーロ。これは昨年度の選手報酬のほぼ2倍に当たります。

西岡利晃や井上尚弥のように「どこからそのカネが?」という摩訶不思議な報酬も失笑ものですが、このメッシのケースはもっと深刻な問題を孕んでいます。

一つ目はもちろん、クラブ発表や納税額等から算出されるThe World’s Highest-Paid Athletes とここまで大きな乖離があると「ちゃんと税金払ってたのか?また脱税してるんじゃないか」という犯罪の可能性。

もう一つは「他の選手の報酬高騰の抑止力」という目的で、大幅に少ない数字を公表したという〝犯罪〟の可能性。

日本のプロ野球選手の年俸などが、記者との会見やり取りで「推定」される数字で、現実と大きく離れている場合があるのは周知の通りです。

正確な数字を公表する義務がないとはいえ、それをしてしまうと「俺、あいつより成績良いのに年俸が全然下ってどういうこと?」と、あちこちで不要な軋轢が生じてしまいます。

プロアスリートの報酬が単純な直近成績だけではなく、過去の実績はもちろん、グッズの売り上げなどの人気面、何よりもチームの経済力が大きく影響します。

ソフトバンクや読売と、広島の選手では同じ成績をあげても報酬に大きな差が出るのは仕方がないことです。

ただし、クラブチームがスター選手と策謀して実績報酬を少なく公表することで、他選手の要求を抑止するようなことがあってはなりません。

グラウンドの外でも大きな役割を果たす義務があるのがスター選手です。

その義務は、夢を見せること。

勝ち獲った高額報酬を広く世間に知らせることは、他の選手の意欲を刺激し、子どもたちを中心としたファンに夢を与えます。

かつて、松井秀喜が派手なパフォーマンスで来季年俸を発表していたのは、明らかにその義務を意識してのことでした。

一方で、王貞治や長嶋茂雄ら〝昭和のスター〟はこの点において、選手の代表ではなく企業の犬でした。

グラウンドの中で選手と監督の仕事を大成功させた野村克也は、その意味では史上最高の野球人でした。

しかし、落合博満がプロ野球選手初の〝公表・1億円プレーヤー〟になったとき「1億なんてわしももろとった。長嶋、王なんてもっともろうてたやろ」とやっかんだのは、本当に下劣でした。

そんなの自慢にもなんにもなりません。

あなたたちが、企業の犬ではなく、選手の代表という意識があれば多くの選手がその恩恵を受け、子どもたちも憧れを更に強くしていたでしょう。

そんな〝昭和のスター〟と同レベルの幼稚な行為に、21世紀の世界最高クラブとメッシが手を染めていたのだとしたら、残念なんて通り越して幻滅と軽蔑しかありません。

アスリートが結んだ史上最高額契約は、カネロ・アルバレス(2018年10月:5年11試合=3億6500万ドル)▶︎マイク・トラウト(2019年3月:12年=4億2650万ドル)▶︎パトリック・マホームズ(2020年7月:10年=5億300万ドル)と毎年のように更新されてきましたが、メッシの7億ユーロ超えは衝撃的です。

この since1990 米国スターダムの系譜をForbesから読み解く。The Golden Torch シリーズでは、アスリートの報酬構造の変遷を三つのフェーズに分けてご紹介しています。

「boxerの時代」から「endorsementの時代」までお話を進めていましたが、これは三番目の「big clubの時代」を象徴する事件でした。

ただ、メディアにすっぱ抜かれる形で表に出たしまったことは全くもって頂けません。
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