私の娘と全く同じ誕生日なので、彼女の誕生日も忘れることはない。
きょう長野市エムウェーブで行われた全日本距離別選手権最終日。
彼女は1500メートルで10年連続10度目の優勝を果たした。
あと100日に迫ったミラノ・コルティナ五輪へ向けて、彼女は両足のブレードを研いでいる。
それにしても。
どうして、彼女は挑戦するんだろう、挑戦し続けるのだろう?
彼女が氷の上に残した忘れ物など何もないはずだというのに。
いまさら、何を証明しようとしているのか?

「1500mの金メダル」ではない。
また「死に場所を探している」というのでもない。
高木美帆はロベルト・デュランやマニー・パッキャオのような純度100%のファイターなのだ。
往生際の悪いファイターほど面倒なアスリートはいない。
ハッピーエンドではない最後が待ち構えているのをわかっていながら、私たちは応援し続けるしかないのだから。




