カテゴリ: スポーツよもやま話

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高市早苗首相は昨日、ロシアのプーチン大統領が北方領土の択捉島を訪問したことについて「強く抗議する。断じて許容できない」「日本の対ロ感情を一層厳しくし、中長期的な関係回復を困難にした」と、記者団の取材に答えました。


プーチンは12日、太平洋艦隊の演習を視察するため、極東
サハリン州を訪問、艦隊幹部らとの会合で、北方領土について「第二次世界大戦後の現実として国際文書に明記された」と主張していました。

そして、明日の8月15日、高市首相が靖国神社参拝に行くのかどうか?首相になる前には「どんなに批判されても淡々と参拝に行く」と語っていただけに動向が注目されます。



戦後、日本が共産圏に組み入れられていたなら、米国は沖縄を返還することはなかったでしょう。1972年に中華人民共和国との国交を回復することなく、引き続き中華民国(台湾)を中国として認めていたなら、台湾は親日どころか国民の反日感情を煽りながら戦勝賠償と戦後補償を日本政府に求めていたのも間違いありません。実際に、72年以前の日本統治時代の史跡には日本への非難を黒塗りした部分が多く見られます。

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政治レベルでの対立を民間レベルに落とし込もうとする政府の扇動にいたずらに反応するのは、非常に浅はかです。

「米国や中国、ロシアと対等の立場で交渉する」なんて、普通の独立国家なら当たり前のことが日本には当てはまりません。

社会人になってすぐにバブル崩壊を目の当たりにした私が痛感した「絶対」は、トヨタ自動車の豊田章男らがいまも繰り返し口にしているように「日本がワールドスタンダードになることはない」という揺るがしようのない事実です。

もし「日本がワールドスタンダードになる」ことを目指すなら、方法はたった一つしかありません。もう一度、世界戦争を仕掛けて勝者になることです。プーチンが二日前に語った「第二次世界大戦後の現実」を書き替えることです。

バブル崩壊の引き金の一つも、米国から突きつけられたワールドスタンダード、当時はグローバルスタンダードと呼ばれていた「第二次世界大戦後の現実」でした。

もう一度、戦争を起こして世界の国家ヒエラルキーをひっくり返すーーーそれが悲惨な結果しか招かない絶対にやってはいけない行為であるなら「日本がワールドスタンダードになることはない」という絶対事実を念頭において行動しなければなりません。多くの民間企業がそうしているように、政治家も見習って。

一見正論に聞こえる耳障りの良いことではなく「日本がワールドスタンダードになることはない」ことを常に頭から離さずに「ワールドスタンダードの中で日本が代替不可能の欠かせないパーツとして必要とされること」を目指すしかないのですが、いまの首相はいたずらに足を引っ張ることしか出来ないようです。







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内閣府の「国民栄誉賞」の説明には「この表彰は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする」とあります。

具志堅用高は政府が「ボクシングは老若男女に広く愛されていない」と落選理由を説明したように、ニアミスでした。

銀行に人質をとってたてこもった犯人に、警官が「お前も昨日の輪島の試合を見ただろう!輪島を見習ってお前も人生をやり直せ!」(よく考えると輪島にかなり失礼な発言です)と説得した輪島功一は、リアルタイムでは知らないものの、沢木耕太郎のノンフィクションなどでも日本中を感動の渦に巻き込んだことは容易に想像できます。

今では考えられませんが「お前も見ただろう!」と断言できるような試合があった輪島の時代に国民栄誉賞があったなら、彼は受賞していたかもしれません。…が、この人も「立ちションできなくなる」とか言い出して固辞しそうです。




しかし、輪島や具志堅を凌ぐ「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」にもかかわらず、彼らの時代にこの奇怪な賞があったとしても受賞に至っていないであろう人物がいます。

戦後の日本列島を最も沸騰させたのは、力道山。テレビの普及にも大きく貢献しました。もし、あの時代に国民栄誉賞があったなら、台湾の王貞治に先駆けて朝鮮の力道山が受賞していたかもしれません。


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その力道山が残した遺産、ジャイアント馬場とアントニオ猪木も日本中で知らない人は誰もいない「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」でしたが、国民栄誉賞の俎上にのせられることはありませんでした。



また、アニメの主人公にもなった沢村忠は那須川天心など比較にならない「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」でしたが、彼の時代にこの奇っ怪な賞があったとしても議論さえされなかったでしょう。




馬場と猪木が天に召された時、ニュース速報が流れ、NHKをはじめ多くのメディアが特集を組みました。彼らのインパクトが国民栄誉賞レベルにあったのは間違いありません。

私はこのブログでも再三取り上げてきたように高木美帆のファンですが、彼女のライバルの名前を一人もあげられない人が大多数でしょう。

さらに突っ込むと、囲碁棋士の名前を、現役でなくても一人でもあげられる人がどれほどいるでしょうか?それでも「
広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」と見た政府の説明をもっと踏み込んでお聞きしたいものです。

ひるがえって馬場と猪木。馬場が巨人の投手であったこと、猪木がブラジルでスカウトされたこと、そして彼らが戦ったライバルたち。

ザ・デストロイヤー、ルー・テーズ、ブルーノ・サンマルチノ、ドリー・ファンク、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シン、ブルーザー・ブロディ、スタン・ハンセン、アンドレ・ザ・ジャイアント…そういえばロード・ウォリアーズは馬場と猪木には一度も絡まなかったっけ?

彼らの入場曲までが、囲碁棋士と比較すると「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」であったと断言できます。



もちろん、囲碁棋士を揶揄する意図など微塵もありません。

「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」の解釈を禅問答の領域まで広げてみせた国民栄誉賞を、海よりも深く山よりも高く炎よりも熱く、なんならドライアイスよりも冷たく尊敬させて頂いている次第なのです。


今回、副賞に包丁セットをリクエストした高木美帆の絶妙のセンスには、あらためて感服させていただきました。さすがです(これは本気の尊敬)。過去最高のリクエスト品ではないでしょうか。姉の奈那の「包丁セットでカレー作ってね」というコメントもさすがです。カレーかいッ!?(これも本気の尊敬)。





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俺がときの政府を率いる総理大臣なら、俺の国民栄誉賞を独断と偏見で決定する。
しかし、国民栄誉賞を断るやつらがいる。「あげる」と言っているのに「要らない」というのだから、非常に厄介な人種である。

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「長嶋茂雄+松井秀喜」方式で、「一緒にジャッジにもあげるから」と説得したら大谷は受け取ってくれる?



例えば、今なら高市早苗は大谷翔平に贈りたくてたまらないはずだが、無視されるのは100%間違いない。

そんな非常に厄介な人種に、国民栄誉賞を贈るにはどうすれば良いのか?

ここは逆転の発想だ。

無理やりあげようとするから、恥をかくことになる。

泥棒の理屈も同じ。強盗は大騒ぎになるが、盗まれたことに気づかれないスリなら、どうだ?ここにヒントが隠されている。

本人に気づかれないように対象者の財布に金を入れる、超高等技術〝逆スリ〟の発想だ。

つまり、大谷やイチローには本人が全く気付かれない形で国民栄誉賞をお贈りすればよろしい。もちろん、公式発表や受賞式典の開催は絶対にNG。全ては秘密裏に進められなければならない。

「財布の中に身に覚えのない1万円札が大量に入ってたらさすがに気づくぞ」と疑うかもしれないが、それは貧乏人の感覚だ。そして、都合の良いことに政府はスパイ活動や秘密工作を担当する「国家情報会議」を創設しようとしている。

国民栄誉賞には賞金や特別年金、公共の交通機関が無料になるなどの特典は確認されていないが、もしそうだとしても大丈夫だ。賞金や特別年金はMLB年金よりもどうせ遥かに少額だから「MLB年金の利子かな?」くらいでイチローにはバレない。

大谷はさらに雑魚だ。口座から勝手に27億円が引き落とされてても、銀行から確認の問い合わせがあるまで気づかなかったのだから、少々減ろうが増えようが、あいつは絶対に気づかない。

交通機関の無料も、やつらが阪神電車や南海電車、御堂筋線、大阪市営バスを利用することはないから安心して良い。

福本豊はもっとわかりやすい雑魚だ。彼は受賞拒否の理由を「立ちションができなくなる」と明確に説明してくれている。つまり「立ちションができる環境」を整えれば、福本は国民栄誉賞を受け取るはずだ。

福本が安心して「立ちションができる環境」とは何なのかは、福本への聞き取りも踏まえて、政府が閣議で煮詰めていけば良い。

ただ、大谷とイチローについては、工作の情報は絶対に外に漏らしてはいけない最高機密になる。

福本については「立ちションができる環境を整え、本人にも了承してもらったので晴れて国民栄誉賞をお贈りします!」と大々的に発表しても大丈夫だが、問題は「国民栄誉賞を受け取っても立ちションができるんです」と丁寧に説明しても受け取らないであろう大谷とイチローである。

もし、SNSなどで「政府が秘密裏に大谷翔平に国民栄誉賞を贈った」などと騒がれてしまうと、大谷から猛抗議を受けた末に内閣総辞職、「国民栄誉賞・辞職」と末代まで軽蔑されてしまう。

高市政権の転覆を狙う中国が軍事費を削ってまで、なりふり構わず情報収集に乗り出すだろうから、その対応策も考えておかねばならない。

とにかく、日本国内はもちろん、中国や世界の誰にも知られてはいけないのだ…つまり「大谷が国民栄誉賞を受理したことを、国民に大々的に発表したい!」と政府が考えているとしたら、この素晴らしい考えは無駄になる。

「国民栄誉賞を贈りたい」という純粋で唯一の動機を大前提にして、この秘密工作は有効なのだ。

高市に「大谷君と笑い合いながら握手しているところを全国民に見せつけたい。秘密なんて嫌や」という自分勝手でミーハーな欲求があるとしたら、そんな邪念は全て打ち捨てなければならないのだ。










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俺がときの政府を率いる総理大臣なら、俺の国民栄誉賞を独断と偏見で決定する。

まず、内閣府の規定を改正する。

「この表彰は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする」➡︎「この表彰は、俺が敬愛し、俺に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする」。

さらに外国人枠だって新設する。


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【俺の国民栄誉賞】


ービン・ハグラー…米国のボクシングに惹き込まれたのはマーベラスのおかげである。彼がいなければ、スポーツ・イラストレイテッド誌やリング誌に目を輝かせ、その延長上でタイム誌やニューズウイーク誌などまで貪り読むことはなかった。

ハグラーがいなければラスベガスのカジノが支払う招致料とクローズド・サーキットによって肥大化したボクシングビジネスの光と闇、認定団体の下劣、ボブ・アラムの老害っぷりなんかを知ることもなかった。もちろん、次から次へと現れる魅力的な強敵をことごとく破壊してゆくUndisputed Championの感動的なまでの強さに魅せられた。

もしも、私の高校時代の米国ボクシングが現在のような悲惨な状況であったなら、マーベラスがいなかったなら、1ミリの興味も抱かなかったのは間違いない。




ンディ・バース…普通の人は道頓堀にカーネル・サンダースを投げ込んだり、自ら飛び込んだりしない。

では、彼らは普通の人ではなかったのか?もちろん、そうではない、彼らは常識をわきまえた普通の人間だったのである。来る日も来る日もだらしなく負け続けるタイガースを声が枯れるまで応援していた、身の程をわきまえた謙虚な常識人だったのである。

そんな常識人が、いつもいじめられていた槙原寛己からバックスクリーン3連発なんて見せられたら、幻覚だと思っても仕方がない。バース様は巨人も捻り潰された西武まで粉砕したが、あれが現実だとすぐに認識するには、常識人たちはあまりにも辛い思いを積み重ね続けた。

カーネルを投げ込まれたKFCには本当に申し訳ない思いで胸が張り裂けそうだ。毒々しい液体をたたえる道頓堀に身を投じたことで、警察や関係者の方々には多大なご迷惑をかけてしまった。しかし、彼らは日陰に生きるおとなしい常識人だったのだ。

決して繰り返してはいけない事件だったのかもしれないが、バース様のおかげでKFCはカーネルの管理体制を徹底し、道頓堀の警備体制には全く新しい斬新なマニュアルが完成した。

バース様は阪神地区では神としてあまねく崇められているが、国としてもその認識を全国民にしっかりと徹底させたい。




イク・タイソン…ペリー来航はもちろん、ビートルズ来日すら知らない、知らないからどうでもいい私だが、タイソンの来日フィーバーがいかにすさまじかったかは鮮明に記憶している。はっきり断言しよう。タイソンはペリーやビートルズよりも衝撃的だった。

相撲部屋を訪問するなどの公式行事はいうまでもなく、早朝のロードワークで迎賓館の周囲を走った、千疋屋でメロンを買った、はちみつを探している…その一挙一動が日本中から注目され、ニュースや夕方の情報番組で各局が競うように報道、トヨタやサントリーなどのCMも大量投下された。

来日期間の1ヶ月ほどの出来事とは言え、どうでもいいことまで事細かく報道されたことを考えると、タイソンの瞬間最大風速は、今の大谷翔平を超えていたのだ。




吉丈一郎…この浪速節を、井上尚弥や井岡一翔らと比較する人はいないかもしれないが、それはあくまでアスリートという狭量な視点に限定しての話だ。

辰吉の試合は日本タイトルマッチでもノンタイトルでも地上波で生中継された。具志堅用高のような国民的英雄ではなかったが、カリスマという物差しなら井上尚弥はもちろん、具志堅もファイティング原田も凌駕していた。

敗北を重ねてもなお、人気の熱が冷めないどころかその温度は上がっていた。だから、カリスマなのだが。

ビッグファイトになると、プロボクサーの入場曲は凝りにこって流されるが「死亡遊戯」はCDでかけたオリジナルのメロディー。しかし、あれ以上の旋律が他にあるか?もっと言えば、あれを使える他のボクサーがいるか?

「(米国で需要のない軽量級にもかかわらず、人気階級のライト級でも活躍できる)とドン・キングが惚れたシリモンコン・ナコントンパークビューへの挑戦に、多くのファンが集まったのはカリスマの死に様を見届けるため、それだけのためだった。あの夜の大阪城ホールにはイチローも駆けつけていた。

そして、カリスマはリングを去らない。まだ、現役だ。「国民栄誉賞を贈る」と伝えたら「そんなん、要らんわ」ときっと断るだろうから、受賞は公にはせずに賞状を菓子折りの底にでも入れてヤマト便か郵パックで送ろう。見つけても「なんか変な説明書が出てきたぞ」とゴミ箱に捨てるだろうが。




ニー・パッキャオ(1回目)…この人は「もらえるものはなんでももらう。まさか認定料とか取らないだろうな?」と脳天気に笑って日本の国民栄誉賞を受け取りそうだ。

2003年11月25日、あのときのマルコ・アントニオ・バレラはゴールデンボーイ・プロモーションと軽量級では破格の契約を結んだばかりで、その評価は天井知らず。

そして、舞台は何もかもがバレラのためにしつらえられたテキサス州サンアントニオのアラモドーム。360度から浴びせられる強烈なブーイングに、花道を歩くフレディ・ローチは「これは大変だ、試合が終わったら大急ぎで裏口から逃げ出さないといけない」とパッキャオに声をかけた。

信じられないことに、あのコンビは勝利を確信していたのだ。そして、太平洋の遥か彼方、フィリピンでは9000万人の国民が衛星中継のテレビの前で勝利を祈っていた。




ニー・パッキャオ(2回目)…2回目も「タダならもらう、今回も認定料はないだろうな?」と確認してから、受け取ってくれそう。

2008年12月6日、MGMグランド・ガーデンアリーナ。バレラ戦は「全盛期のメキシコのスーパースターをKOした」という点で、世界のボクシング界に「ファイティング原田vsエデル・ジョフレ」以上のインパクトを与えたが、オスカー・デラホーヤ戦はそれをはるかに上書きする驚天動地の出来事だった。

PFP的には小さな波だったが、ショック・ザ・ワールドならボクシング史上最大級。「誰がこんな展開を予想しましたか!?」と香川照之を半狂乱にさせたメガファイト。

リーマンショックで景気は急降下している最中でもPPVは記録的な売り上げをマーク。

バレラ初戦と同じように圧倒的不利と見られていたが、違ったのは観客の歓迎ぶり。どんな相手からのオファーでも蕎麦屋の出前のように二つ返事で引き受け、ファンが喜ぶ真っ向勝負のメキシカンスタイルを繰り広げるパッキャオは、米国で最も人気のあるファイターになっていた。

ブーイングを浴びたのは、この試合に向けて米国とメキシコを二股にかけるような「アメリカの息子」という自叙伝を上梓、フロイド・メイウェザーとの再戦がまとまらないからと小さなパッキャオを選んだデラホーヤの方だった。







ーーー外国人オンリーにしようと思ったのに、浪速節が紛れ込んでしまった…












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1ヶ月以上にわたる人類最大の祭典、サッカーW杯が終わりました。

日本代表は残念でした。しかし、頂点は遠すぎます。

決勝のスペインvsアルゼンチンは見応え十分の試合になりましたが、非難轟々なのがハーフタイムショー。

ひどい見せ物でした。

アメリカとヨーロッパの文化の違いというよりも、アメリカの悪ノリが過ぎた印象です。

競技人口、注目度、どれをとっても他のスポーツを圧倒するサッカーに「競技以外の部分で過剰に関心を煽る必要性」はありません。

日本における野球も完全に「競技以外の部分で過剰に関心を煽る必要性」がないスポーツです。

一方で、バレーボールなどでアイドルタレントがテーマソングを歌ったり、大会サポーターとして露出するのは「関心を煽る必要がある」スポーツだから、当然と言えば当然。

バレーボール同様に、ファン層が偏りがちな(=ファン層を拡大する余地が広く残されている)ボクシングも「関心を煽る必要がある」スポーツでしょうか?

ボクシングもマイナースポーツだから当然、既存のファン以外に届く施策を打ち出していくべきで、亀田プロモーションズは実験的な試みをいくつも打ち出しました。

しかし、幕間に織り込まれた「亀田興毅のMC」「音楽」というミニコンサートは、亀田抜きにしても多くのボクシングファンにとって目障り、耳障りな雑音でしかありませんでした。

一方で、ファイターの入場シーンを彩るヘクター・カマチョやナジーム・ハメドらの「パフォーマンス」、フロイド・メイウェザーを先導するジャスティン・ビーバー、マニー・パッキャオの〝生〟EYE OF THE TIGER(サバイバー)、井上尚弥のBATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY(布袋寅泰)の「ご本人登場」は会場のボルテージを一気に引き上げてくれます。

ボクシングの場合、マイナー競技だからといって未開拓の女性やファミリー層、子どもに広くプロモーションの矢を闇雲に放っても意味がありません。

なかなか難しいです…。

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話途中ですが、着ドン。


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前回、ボクシングには体重による階級の他に、純粋に実力だけを反映したわけではない待遇による階級がある、ということをお話ししました。


まず、Elite Boxer。4団体17階級の時代でもタイトルホルダーはこのカテゴリー。プロテクトされながらチャンピオンに育てられ、トップボクサーと呼ばれることもあります。線路や温室を用意されたホープもこの階層のファイターです。

そして、Gatekeeper(門番)とも呼ばれるJourneyman。実力的にエリートボクサーに劣ると見られますが、まれに番狂せを起こすことも。エリートボクサーとの決定的な違いは、咬ませ犬を提供されないことです。

そして、Sacrificial Lambs 。咬ませ犬です。Elite Boxerの育成に欠かせない栄養素ですが、JBCでは「スポーツとしてのボクシングでは存在してはいけない」という建て前から、直近の試合内容によってフィリピン人やタイ人ボクサーを締め出してきました。

〝3階級〟全ての身分を経験したシーサケット・ソールンビサイのように、キャリアを通じて身分が固定されるわけではありません。また、咬ませ犬から這い上がったシーサケットは、咬ませ犬を提供されることはありませんでした。

エリートの肩書を持たないボクサーはデビューからJourneymanに向かって努力しますが、Elite Boxerに辿り着けるのはほんのひと握り。多くのボクサーはJourneymanにもなれずにキャリアを終えます。



ノニト・ドネアが9月に再起戦を予定しています。

ドネアは、ブライアン・ビロリアに敗れてシドニー五輪代表の座を掴めず、2001年プロデビュー。2戦目で判定が割れないようにする実験的な5回戦に出場するなどプロテクトされることはありませんでした。

それでも米国で非常に層が薄い軽量級ということもあり、ジュニアバンタム級を主戦場に地域タイトルを拾いながらJourneymanのポジションを獲得。2007年にはIBFフライ級王者ビック・ダルチニアンに挑戦、軽量級史上に残る大番狂せを起こし、Elite Boxerになってリングを降ります。

それから約20年も、ドネアはElite Boxerとして走り続けてきました。2013年にギレルモ・リゴンドーに敗れてからの10試合は7勝3敗、そこから増田陸まで続く11試合は5勝6敗。

直近5試合で見ると1勝4敗。敗れた5人は井上尚弥との第2戦、アレハンドロ・サンチアゴ、堤誠也、そして増田。いずれも全盛期のElite Boxerですが、ドネアのポジションはJourneymanレベルまで落ち、Sacrificial Lambs(咬ませ犬)の沼に沈みつつあります。

PFPファイターにまで登ったドネアやシーサケットが咬ませ犬としてリングに上がり続ける…これは日本人ではありえないことです。彼らの母国が日本のように富裕であったなら、Elite Boxerとして全てお膳立てされた母国のリングを主戦場にできたでしょう。

43歳のドネアが9月に戦うのは当初、バンタム級のジェイソン・モロニーと言われていましたが、ジュニアバンタム級の弟アンドリューに標的が変更されたようです。

お膳立ての通りにドネアが負けると、モロニーや増田よりもワンランク下の相手に提供される咬ませ犬の役割が回ってくるでしょう。

その行先を想像すると、暗澹たる思いしかありません。

日本のElite Boxerが蹉跌する姿には哀愁と残酷が混交する感情にとらわれますが、これがフィリピンやタイとなるとそんな感傷的なものは通り越して「咬ませ犬のリング禍」という最悪の悲劇に行き着いてしまいます。

スポーツにおける実力がかけ離れた相手との対決。それは、本来ならありえないことです。そのスポーツが選手の生命・健康にかかわる格闘技となると、絶対にあってはいけないことです。

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そして、軽量級のボクサーの多くはこの咬ませ犬はもちろん、タイトルホルダーや挑戦者でも劣悪なスケジュールでの来日を強いられます。

ましてや咬ませ犬になると、日曜日開催ノンタイトル戦のスケジュールは金曜日に成田着のエコノミーで来日。土曜日に前日計量。そして、日曜日の試合が終わるとその日のうちに帰国。

日本側から用意されるのは、航空券と格安のビジネスホテル代(最終段階の減量でサウナを使う場合は自腹)、食費として3日分(1日2,500円*3日分=7,500円)。選手とトレーナーの2人分が支給されます。

ファイトマネーはフィリピン人で1ラウンドあたり100米ドルが相場、約1万5,000円。10回戦なら約15万円が現金で支給されます(流石にチケット払いはありません)。

ここからトレーナーに10%、マネージャーに45%が差し引かれ、選手が手にするのは45%、6万7,500円。JBCに支払うライセンス取得費と医療検査費の合わせて185ドル(2万7,750円)は基本的に選手負担ですから、手元に残るのは5万弱です。少ないと思うかもしれませんが、これはマニラの貧困地域なら1世帯が2ヶ月以上暮らせる金額です。

世界王者クラスになっても航空機のエコノミーはデフォルトですが、ファイトマネーの相場は10倍以上。宿泊費・食費も1週間分用意されます。それでも、人気階級のタイトルホルダーを呼ぶことを考えれば安いもの。

もちろん、人気階級のスターともなると様相が一変します。

特別な日航機に乗って、高級ホテルに宿泊したゲンナジー・ゴロフキンには食費1日2,500円は準備されず、ファイトマネーに含まれていたといわれていますが、トレーナーやスタッフに日本側から別途経費が支払われていたかもしれません。

日本人で最高の報酬を手にしたのは、先月の東京ドームで戦った井上尚弥でしょうが、井上が倒した選手でGGGを上回る、あるいはそれに近い待遇、ファイトマネーが用意された選手は間違いなく1人もいません。

世界の人気階級と、そうではない軽量級は全く違う世界なのです。







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昨日の「ミルウォーキー・ブルワーズvsロスアンゼルス・ドジャース」を見た方はお気づきでしょうが、MLBのデータ解析でこれまで「スプリッター」で一括りにされていた球種を「スプリッター」と「フォークボール」に分類されるようになりました。

この分類を促した投手は、佐々木朗希でした。

MLB公式のBaseball Savant Gamefeedによると「スプリッターを投げる投手は急激に増加しているが、フォークボールを投げるのは佐々木と"Ghost Fork"(おばけフォーク)の千賀滉大の2人だけ」。

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Baseball Savantの分類基準はグリップでは挟んだ指の深さ、球質において「急速が速く、回転数が多いのがスプリッター」です。

2026年、今シーズンの佐々木を例にすると「球速85マイル(136.79km)/回転数578/垂直落下41インチ(104.14cm)/水平変化3インチ(7.62㎝)」がフォークで「佐々木のフォークは回転数が少ないのが特徴的で、今シーズンは578、昨シーズンは492で、ナックルボールを除くと最も回転数が少ない」。

スプリッターは「球速90.3マイル(145.32km)/回転数1026/垂直落下32インチ(81.28cm/水平変化9インチ(22.86㎝)」で「フォークよりも速いだけでなく、回転数が跳ね上がる」。「これは大谷翔平や山本由伸のパワー・スプリッターに非常に近い球種だ」。

佐々木が投じるスプリット系のボールは、日本ではフォークとスプリッターの2種類でしたが、MLBではフォークだけになっていました。今年に入って、MLBでもスプリッターを投げるようになったのです。

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左がスプリッター、右がフォーク。コントロールに明白な差があります。


制球という観点では「ストライクゾーンへの投球率でフォークは33%、スプリッターは44%」と、速くて落ちるスプリッターはどんな場面でも使えます。一方で「フォークは打者を追い込んだときに強力な威力を発揮する」。「回転数が少ない打者の手元で大きく落ちるフォークでも、2ストライクに追い込まれた打者にとってはスイングをかけなければならない最も厄介な変化球だ」。

「制球の難しいフォークボールは佐々木にとって諸刃の剣だったが、スプリッターと併用することを習得しつつあるのは大きな成長だ」。

「日本時代の佐々木は、信じられない数字がスカウティングレポートに並べられたが、MLBのフィールドではまだそれを見せていない」。

「しかし、投球パターン、投球術をマスターした佐々木が日本時代の球速と制球力を取り戻したら…サイ・ヤング賞争いの予想は、佐々木が健康にシーズンを過ごしてしまうと本当につまらない、無意味なものになってしまうだろう」。



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本文とは関係ありません。


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昨日、総務省が「こどもの日」(5日)に合わせて15歳未満の子どもの推計人口を発表しました。

4月1日時点で前年同期比35万人減の1,350万人。減少は45年連続で過去最少を更新してしまいました。

総人口に占める子どもの割合も10.8%と過去最低。

人口4000万人以上の38か国で子どもが総人口に占める割合(日本以外は2025年7月の推計値)を比べると、日本は韓国(10.2%)に次いで低く、米国(17.1%)や中国(15.4%)といった他の主要国よりも少子高齢化が深刻化しています。   

日本の総人口に占める子どもの割合は、1950年に35.4%をマーク。第1次ベビーブーム(1947~49年)後の出生数減で1970年には23.9%まで低下。第2次ベビーブーム(1971~74年)で再上昇したが、75年以降は52年連続で低下したまま、歯止めがかかる気配もありません。


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甲子園だけを見てると、素晴らしいスポーツマンシップがキラキラしてますが、中高の野球なんて最も荒れくれたスポーツです。

互いのベンチから「おい、おい…」なヤジは当たり前。死球や、スライディングなどでの接触プレーで険悪な空気になるのは当たり前。私の貧弱な体験でも乱闘までいったことが2試合あります。

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硬球では、死球は本当に怖い。まともに当たったら、石を直撃されたみたいに激痛です。まともに当たると、綺麗に縫い目が付きます。「120kmなら豪速球」「130kmはまずお目にかかれない超速球」という高校時代の私レベルでも、特に頭に向かって来るボールは恐怖でしかありません。

初めてスピードガンを見て触ったのは中学生のときでしたが、どこのポイントで〝撃つ〟かでスピードが変わるのも新鮮でした。

よく言われることですが、バッティングセンターで140km(一番近いとこには「堀内ボール」というのがありました)を、ちょっとぼやんとしてても2球目以降で完璧にミート出来ても、実戦での初球の130kmをバットに当てるのはものすごい集中力が要ります。打つことだけに100%の意識で、そのボールが体に向かってきたら、絶対に避けることは出来ません。

死球。その恐怖の発信先(相手投手と捕手)はハッキリしているわけです。投げる前と後の投手の目や顔を見れば、手元が狂ってしまったのか、それとも故意なのか、だいたいわかります。私みたいな底辺カス選手でもわかるのですから、プロならもっとわかるでしょう。

相手ベンチは「バッター、ビビッとんぞ!頭いったれ!」とかヤジってきて、ぶつけられたら…手元が狂ったとしても怒りは抑えられないのに、ましてや故意だったら…。そして、相手投手がニヤニヤして、その口元が「よけろや」と動いた日にゃ…。

昨年、ドジャースvsパドレスの死球合戦で殺伐としたフィールドで、大谷翔平が敵ベンチ歩み寄って笑顔で話しかけ〝停戦〟させたことがありました。見たことも聞いたこともない光景だったので、感動で泣いてしまいました。

しかし、高校時代にあんな殺気だった空気で私が敵ベンチに行ったら即・乱闘です。

それまで積み上げた尊敬するしかない行動と、何よりも圧倒的な実力がある、MLBでも〝神〟に近い大谷だから出来たことです。

そういえば、私の時代はぶつけたら投手は帽子を取って謝るなんて倫理道徳は徹底されていませんでした。

落合博満は「昔のパリーグなんて相手の4番をつぶそうと頭に投げてくるのは当たり前。それが、体を開く(逃す)フォームになった大きな理由の一つ」と語ってましたが、打者は「打つ」というだけでなく「死球をよける」という意識も頭から消せない生き物です。

東尾修なんて、あのスタイルでは現代なら1発退場。何度も同じことするから出場停止処分もあったでしょう。まあ、今の時代でどうするのか、話を聞いてみたいグレートですが。

勇敢な打者が思い切り踏み込んで、そのボール(死球)が頭に来たら取り返しのつかない悲劇につながります。



前置きが長くなりました。

昨夜の虎と燕の首位攻防戦。

燕の監督の出身校は市立尼崎で、私がやってた当時は県立尼崎などと並んで全国レベルの強豪校で、むちゃくちゃガラが悪かったですが、喧嘩はまったくもって弱かったですね(野球でボロ負けして、売られた喧嘩まで負けてられるか!という、あくまで個人の感想です)。

燕の投手の内角攻め。阪神の打線を抑えるにはそこを厳しく攻めなければ勝てないのですから、当然です。おそらく「ぶつけてもいいくらいでないと厳しくいけないぞ」という意識があったのは、容易に想像できます。

そこまでは、ギリで許容範囲だと思います。ボクシングでいえばレフが注意して続行させるローブローやホールディング、故意のバッティングやラビットパンチまではいってないかな。

ただ、あの藤川球児が怒るのは理解できます。

「議論を呼ぶ殺気だったフィールド」でした。












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前回のFirst Lossではプロボクシングには体重の階級以外にも〝身分〟の階級があるとお話ししました。

高貴の順番で並べると「Elite Boxer=スター」「Journeyman(Gatekeeper)=門番」「Sacrificial Lambs=咬ませ犬」。

この3つの階級はキャリアを通じて保証されているものではなく、基本的に落ちていくだけの一方通行ですが、その境界線は非常に曖昧で、JourneymanからElite Boxerに這い上がる例も珍しくありません。

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 実はエリートボクサー…なんです!


「Elite Boxer」はスターや、スター候補(育成中のスター)。五輪や世界選手権で卓越したアマチュア実績を持つ者、デビュー時点では注目されなかったもののチャンピオンにまで登った成り上がり者、何らかの知名度がある者たちです。

エリートアマは特に優遇されデビューから温室の中に敷かれた線路が用意されます。線路には必ず咬ませ犬が餌として撒かれ、徐々にジャーニーマンをまぶしながら加速させ、アルファベット団体で最も与し易いタイトルホルダーとの対戦を吟味して路地に出します。

「五輪や世界選手権で卓越したアマチュア実績を持つ者」は、五輪金メダリストのジョージ・フォアマンやシュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤらがその〝代表作〟。日本人では絶対不可能とされたミドル級でトップのアマチュア実績を残し、デビュー前から電通やフジテレビなど日本を代表する企業が巨大な資金を提供しあって〝神輿〟を用意された村田諒太もその典型。

世界的には「優れたアマチュア実績」とは口が裂けても言えない井岡一翔や井上尚弥らも、日本では堂々のElite Boxerに当たります。

「デビュー時点では注目されなかったもののチャンピオンにまで登った成り上がり者」にはバーナード・ホプキンス、テレンス・クロフォード、マニー・パッキャオ、ノニト・ドネア、畑山隆則ら。彼らは過保護なプロテクトから外れたJourneyman のポジションからの成り上がりです。

「何らかの知名度がある者」はサンプル数は少ないですが〝スラムから世界へ〟のムービーストーリーをなぞったマイク・タイソン、喧嘩自慢の福田健吾、キックの神童・那須川天心、五輪・世界選手権につながらないアマチュア大会の実績しか持たず、テレビ局が幼少期からまとわりつき絶大な知名度を培養させた亀田兄弟も後者にあたります。また、海外ではフリオ・セサール・チャベスJr.やコナー・ベン、クリス・ユーバンクJr.らの〝親の七光り組〟も珍しくありません。



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そして、Journeyman(Gatekeeper)

彼らはスターでもなく、無敗のレコードも持ってませんが、ナショナルタイトルやローカルタイトルを競う実力者です。

咬ませ犬を屠りながら温室で培養されたElite Boxerが路地に出されるときの踏み台も、彼らに託された重要な役回りです。

米国時代の亀海喜寛や石田順裕、亀海のライバルであったヘスス・ソト・カラスらが典型。ここからElite Boxerにのし上がるガッツマンもいますが、その逆にノニト・ドネアのように落ちてくるファイターも珍しくありません。

非常に珍しい例として、Sacrificial Lambs(咬ませ犬)としてキャリアをスタートし、JourneymanからElite Boxerに登り詰め、再びJourneymanに戻り、咬ませ犬に限りなく落ちつつある、この3つの身分を往復したシーサケット・ソールンビサイのようなファイターもいます。

Elite BoxerとJourneymanに明確な定義はありませんが「Sacrificial Lambs(咬ませ犬)を当てがわれるかどうか」が一つの境界線になるかもしれません。





さて、Sacrificial Lambs 、咬ませ犬です。彼らは実力差の乖離が大きいElite Boxerの自信と戦績の箔を付けさせるために用意された、本来は存在してはいけない〝種族〟。

重大な事故にもつながりかねない咬ませ犬は、日本人には存在しません。もっと正確にいうと、JBCは「日本人相手に3連敗」「日本人との階級や戦績・実力に大きな乖離」フィリピンやタイから咬ませ犬を呼び寄せることを禁止しています。

それでも「日本人相手に3連敗」していなければOK、そして「日本人との階級や戦績・実力に大きな乖離」という非常に恣意的な基準をすり抜けて咬ませ犬は今も日本に呼び付けられています。

井上尚弥のデビュー戦は、直近の試合で無敗の日本人(知念勇樹)に格安の待遇と超タイトな日程で日本に呼び付けられてきっちり負けているクリソン・オマヤオでしたが、このフィリピン人を咬ませ犬と呼んでも差し支えないでしょう。

ちなみに、咬ませ犬よりも一つ身分が上のJourneymanでも日本に呼ばれる場合は3泊4日がデフォルト。前日計量を考えると、このスケジュールは狂気の沙汰です。計量の前日に来日させる最も大きな理由も、日本のプロモーターのリスクヘッジのため。経費節減のため「2泊3日にしたい」のが本音でしょう。

ファイトマネーは米ドルで1000ドル(約15万円)未満。そこからマネジメント料やJBCへのライセンス交付と認定料など諸経費が引かれて、ファイターの手元には半分程度しか残りません(渡航費と宿泊費は日本のプロモーター持ち)。

それでも、フィリピンやタイの貧困層出身の彼らにとっては、家族を含めて数ヶ月養える金額なのです。

つまり…Sacrificial Lambs 、咬ませ犬の待遇はそれ以下ということです。大橋ジムに呼ばれて八重樫や井上のデビュー戦をつとめたシーサケットやオマヤオもとんでもないスケジュールととんでもないファイトマネーで日本のリングに引っ張り上げられました。

もちろん、大橋ジムや八重樫、井上を非難している訳ではありません。これがプロボクシングの世界なのです。海外では、もっと酷いかませ犬の例も数え切れません。日本はまだ良識がある方です。

「アンソニー・ジョシュアvsジェイク・ポール」のような、実力上は咬ませ犬のジェイクがプロモートして高額のファイトマネーを用意する、日本人の理解を大きく超えた茶番劇まで行われているのです。

そして、咬ませ犬たちは奴隷のように無理やり日本に連れてこられた訳ではありません。彼らは喜んで日本にやって来ているのです。

昨年4月に来日、山崎海斗に敗れたシーサケット・ソールンビサイは「また日本に呼んでもらえて嬉しい」と、感謝の言葉を残しているのです。キャリア初期の咬ませ犬ではありませんでしたが、世界ランクに残っているシーサケットの衰えを見切った、いわゆる〝ランク獲り〟のために呼ばれたケースで、待遇はJourneymanの相場よりも良かったでしょう。

それでも、この逆はありません。世界トップ戦線からこぼれ落ちてもランクが残っている元PFPファイターの日本人がタイやフィリピンのホープの踏み台としてバンコクやマニラのリングに引っ張り上げられるーーーありえません。



このシリーズの主役はElite BoxerでもJourneymanでもありません。

Sacrificial Lambs 、咬ませ犬です。その深くて暗い闇の底を、もう少し覗いてみましょう…。









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