フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: スポーツよもやま話

▶︎AT&Tスタジアム

スーパースターがAサイドとして、自分に有利な条件を揃えて戦う。

シュガー・レイ・レナードの時代に確立された、プロボクシング特有の理不尽なシステム。

オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ…21世紀のスーパースターは例外なくこの特権を行使してきました。

しかし、彼らがAサイドの横暴を振り回したのは、スーパースターの地位に登りつめてからです。PFPにも入らないどころか、もっと以前の段階からあからさまにプロテクトされ、Aサイドの線路を敷かれたカネロは「五輪にも出れない駄馬なのに温室育ち」という異例のスーパースターです。

村田諒太に代表される「富裕国の金メダリスト」は「温室で促成栽培」が基本ですが、カネロは「温室で熟成栽培」という、メキシコのファン以外の目からは「なんで?」というキャリアをぬくぬくと過ごしてきました。

「温室に敷かれた線路を走る促成栽培」が脱線しやすいことは、今更ここで例を出すまでもない、日常茶飯事です。

ましてや、世界的なアマ実績が実質ゼロのカネロです。

わけのわからない相手との世界戦、キャッチウェイトにゲンナディ・ゴロフキンを明らかに回避した2年間…2017年に衰えたゴロフキンに押されまくったにもかかわらず不可解なスプリットドロー。

その後も、ゴロフキン第2戦は攻撃的な形でマジョリティデジション勝利したものの、ダニエル・ジェイコブスとは塩分過多のビビリの試合、誰もが認める穴王者ロッキー・フィールディング、多額の債務などで私生活が崩壊していたセルゲイ・コバレフ、東洋レベルにも満たない指名挑戦者アブニ・イルディリム、規律のないフェザーの拳ビリー・ジョー・サンダース、まともな相手にしっかり勝ち切ったのはカラム・スミスだけ。

そして、ジュニアミドル級からの4階級制覇の対戦相手で危険なビッグパンチャーは、笑っちゃうほど一人もいません(カネロ戦時のコバレフは当日リバウンド制限もありクラッシャーとは別人でした)。

そうはいっても、カネロが「温室の中で怪物に育つ」という、きわめて稀な進化を見せているのは認めるしかありません。

⭕️なんだかんだ言って173センチのカネロが3団体スーパーミドル級チャンピオンは本当に凄い。
2021-05-09 18:42:32 返信編集 マイケル 126.156.213.172

正直、身長は関係ないと思いますが、カネロが非常に強いスタイルを完成しつつあるのは、もう認めるしかありません。
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世界戦で何勝したか?も「誰に勝ったか?」が優先評価されるボクシングでは意味はありません。

それでも、カネロはどの試合にも完璧に仕上げてリングに上がる高い規律と、強烈な勝負根性も持ち合わせています。

素晴らしい選手です。

本物の「五輪金→温室」の強打に打ち砕かれる、「そのとき」が来るまで、しっかり勝ち続けてもらいましょう!




▶︎国立競技場

今日、6時半からずっとテレビ観戦してた「東京2020オリンピックテスト大会 READY STEADY 東京陸上」。

国立競技場、外観しか見たことがありませんが、美しいスタンド、美しいトラックです。本当なら「いいなあ、あそこで走れて」と羨ましい思い、応援する思いが強いはずなのに、見ていて悲しくなりました。
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実は、前回の東京1964でもテスト大会的な「東京国際スポーツ大会」が1963年に行われています。もちろん、この世に生も受けていない私は知る由もありません。

今から58年前、それでも五輪を1年後に控えた熱狂が写真と活字からもいきいきと伝わってきます。



▶︎便所の落書きブログからのお返事

いろんなコメント、できたら全部読みたいし返事もしたいのですが、なかなかそうもいきませんが。。。


⭕️稼ぐために明らかに適正階級以上の肉をつける人と比較されるのも辛い 
実際バンタムのチャンピオンの方がミドル級の世界ランキング一位よりは稼げるだろうし間違った選択ではないだろう 2021-05-09 19:16:47 返信編集 牧師 123.254.22.138

>実際バンタムのチャンピオンの方がミドル級の世界ランキング一位よりは稼げる

→井上なら微妙ですが、他の王者はミドル級やウェルター級のランカー以下です。全く話にもなりません。

米国でのイベントを少しでも見たことがあって、普通に想像力を働かせたら簡単にわかることです。

多くの超軽量級ボクサー王者にとっては、10万ドルが憧れです。

最貧のジョンリール・カシメロのジュニアフライ級戴冠のファイトマネーはわずか3700ドル、ゾラニ・テテも世界王者になってからしばらくは1万ドルにも満たなかったといいます。

超軽量級では、世界ランカーでも「本業」を別に持ってるのが普通です。

ミドル級では地域タイトルでもありえません。

井上尚弥と村田諒太の対戦相手のファイトマネーは公表されていませんが、あきらかに違う、それも桁が下手したら二桁違うのは会見を見ただけでもすぐにわかるでしょう。

いまはなきHBOでも、上位番組は亀海喜寛らの中量級、下位番組で井上や井岡一翔のイベントと、そもそもの予算が違います。日本では井上・井岡>>>>>亀海ですが。




 
⭕️メキシコって貧乏なのに何故メキシコ人ボクサーって稼げるんでしょうかね? 
2021-05-09 17:57:32 返信編集 さ 119.104.145.82
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英語版が廃刊になったら…。スペイン語版を定期購読するかというと、しません。スペイン語読めないから…大学でスペイン語を選ぶべきだったな。。。

全てのメキシコ人がそうではありません。

日本でおなじみのフェルナンド・モンティエルとジョニー・ゴンザレスは、レオ・サンタクルスと同じようにメキシコのホープ10人に選ばれていましたが、メキシカンスタイルとは程遠いチキンファイトをしたこともあって、(長軽量級としては)スーパースターの道は閉ざされました。

サンタクルスは米国人やプエルトリカンでもそこそこ人気が出たでしょうが、あの厚遇はメキシカンならではです。

トランプがメキシコ人、メキシコ系を名指しして恐れるのも、理解はできませんが、それほど彼らの台頭が目立つということです。

日本人の私でも米国に行くたびに、ヒスパニック、特にメキシコ大きくなってるのがわかります。
 

バドワイザーとクアーズを駆逐したのはテカテとコロナ。リング誌も英語版は慢性的に廃刊危機を迎えながらも、スペイン語版は部数を伸ばしていると言われています。

リングアナウンサーが英語とスペイン語で話すのは珍しいことではなく、まさにパクス・メキシカーナです。 
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採点競技がいかに良い加減で、恣意的に流されやすいか、ボクシングファンはよくわかっています。

優位な条件を要求できる「Aサイド」という言葉が当たり前に闊歩していることからも、それは明らかです。

リングの広さやキャンバスの硬さ、ロープの緩み、使用するグローブ…それどころか階級制スポーツを根底から否定するキャッチウェイトやリバウンド制限等までを公に突きつけることが当たり前にある世界。
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Aサイドという言葉が耳慣れない日本でも、ほとんどの世界タイトルマッチが日本開催であることからもわかるように、この国が「Aサイド」そのものなのです。

もちろん、なぜか体重計が正確でない「タイの秤」や、ハンドボールなどでイスラム国に有利に吹かれる「中東の笛」などは許容範囲ギリギリの〝ホームタウンデジション〟と諦められてきました。

しかし、ホームタウンデジションを超越したを横暴

欧州では日本のスキー選手が絶対的に君臨したり、ホンダのエンジンが他を圧倒すると、ルールやレギュレーションが日本側に不利になるように改変される〝ヨーロピアン・チェンジ〟が当たり前に執行されてきました。

ルールまで変えてしまう欧州の見苦しさに比べたら、自国テリトリーで細工を施す「タイの秤」「中東の笛」は可愛いものかもしれません。
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今朝の読売新聞「地球を読む」から。

▶︎国際性を謳っていても、採点競技では、恣意的にルールが改正されるか判定基準が首尾一貫しない光景を目にする。

▶︎高梨沙羅選手の活躍するスキージャンプ競技では、飛型審判員の欧州偏重と判定基準の不明瞭さ、着衣による失格判定の恣意性が目立つように思う。国際性の形式をまといつつ、本質は一部欧州のローカル・スポーツの名残をとどめている感もある。

▶︎羽生結弦選手の分析によれば、フィギュアスケートには採点の欠陥とそれを悪用した演技があるらしい。審判員は同じ場所に座って決まった角度から見るため、ジャンプの回転不足や違反を見逃すことが少なくないそうだ。

 氷上で前向きに踏み込むアクセルは、羽生が16分の1回転したところに対し、ひどい人では4分の1回転もしてから跳んでも明確な減点ルールがない。審判員の死角をついた不完全な演技が減点されないのはAI映像で総合的に解析しないからだという。



選手が声をあげないのは、ある意味で当然です。突き詰めれば、声をあげて得することは一つもないからです。

「ただでさえ差別されているアジア人が不平不満をあからさまにしたら、余計ひどいジャッジを受けるだけ」です。

「興行である以上、欧州のスポンサーの思惑、つまり欧州の選手やエンジンが勝てないならスポンサーは撤退してしまう」というプロ意識は日本で戦うボクシング世界王者と同じ感情でしょう。

「どうして挑戦者の国に行かなきゃならないのか?」。もちろん、彼らは第三国はもちろん、自国でやるよりも報酬が高いから、喜んで日本に来るのです。イベントとしてはるかにショボくなるのに、わざわざラスベガスに出向く西岡利晃や井上尚弥のカモネギ行為は、彼らには理解不能でしょう。

ただ、日本人が勝てるようにジュニアフェザー級以下のルールを改変なんて考えもしません。あくまで、こっちの縄張りに引っ張り込んでホームタウンデジションの重圧を相手に与えるくらいです。

カネロでも東京ドームで戦うとなると、単なる後退はもちろん単なる突進も評価される「ラスベガス特別ルール」は及ばないでしょうが、これはお互い様のホームタウンデジション。


そのスポーツのルールやレギュレーションそのものを改変するスキーやフィギュアと比較すると、地上最悪に思えたボクシングは、まだマシなのかもしれません。
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マスターズ優勝の松山英樹に内閣総理大臣顕彰が贈られます。
〝準〟国民栄誉賞とも呼べる賞です。

個人的には、国民栄誉賞で問題ないと思いますが、パンデミックの時勢も影響したのかもしれません。

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ゴルフ界では、岡本綾子に続く史上二人目。

世界からニュースが〝逆輸入〟されることが「本物の保証書」になることを、最初に体現した岡本以来というのは、感慨深いです。

村田諒太がゲンナディ・ゴロフキンとカネロ・アルバレスを撃破すると、松山並みにスポーツ界は盛り上がるでしょうが、国民栄誉賞や総理大臣顕彰か?となると、難しいでしょう。

まあ、米国ではマイナースポーツ、日本でも微妙な地位のボクシング。そのマイナースポーツの中でも、米国ではほぼ無視されているのが軽量級。

村田のミドル級は文句なしの人気階級といえども、そもそもマイナースポーツです。

ただ、米国で人気があるから、欧米でステイタスが高いから、そのスポーツを好きになるわけじゃありません。

欧米ではボクシング軽量級が粗末に扱われていますが、その面白さをよく知っている私たちからすると「軽量級の面白さが分からなくてボクシングを見た気になってるんだ」と可哀想な人々を憐れむことしかできません。

まあ、特定のスポーツを好きになるのに「欧米でメジャーだから」というのは強烈な動機になりません。

「クリケットは野球よりもメジャー」なんて言ってもやる気にも見る気にもなりません、というか機会がないです、見たりやったりの。

ボロとかは面白そうですが、そもそも馬に乗れねーし。

話が脱線してしまいましたが、欧米で人気のニ大メジャースポーツ、テニスとゴルフでも日本人が活躍するのはやっぱり痛快です。

松山は、まず一つ目、ですね。今後も〝逆輸入ニュース〟を楽しみに、大活躍を期待しています。
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百貨店の臨時休業は、申し訳ないですが、私の生活にはほとんど関係ありません…。
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ああ、でもそんなこともないですね、買い物はもちろん、脚を踏み入れることも滅多にない百貨店ですが、朝の開店前からお客さんが並んでたり、いろんな催し物のポスター、地下鉄構内のショーウィンドー、やっぱり華やかな気分にさせて頂いてました。

百貨店に元気がないなんて、そんな銀座は死んだも同然です…。
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いつものように酔っ払ってます。

いつも以上に、いろんな方からお酒をいただくのは嬉しい気もしますが、その原因がこのパンデミック、そんなの悲しいだけです。

「一升瓶を開けてしまった日本酒、半月後にはもう出せないからもらってくれ」。そう言われたら「買う」としか答えることが出来ません。

でも、そういうお店の人は100%「店で飲んでいただくからお金を頂いてる。お金は頂けません」と言うんです。

テレビでは「政治家が悪い」「コロナが悪い」と嘆くお店の人の声をよく聞きますが、なんだか私の顔見知りの人はそんなことは一切言わないんです。

もちろん、そういう恨みごと、泣き言をいうのは当たり前です、本人に責任が全くないところで、どんどん窮地に追い込まれるなんて。



誤解してとらえて欲しくないのですが、酔っ払ってても、今回は書きたいことがはっきりしています。

いつもの長い前置きもここで止めて、テーマは「言い訳」です。

井岡一翔の一件では、まだ彼の口から何も聞けていませんが、今はそれが醜い言い訳でないことを祈るだけです。
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お断りしておきますが、私はこいつの信者ではありません、マニアです。最近は年1くらいで「どあほ!」ってことしますが、大統領選も応援してます。

しかし、2015年のパックメイは試合内容の酷さと、この成り上がり者の言い訳で「俺が好きなボクシングはここまで下劣だったのか」とリング誌を全部処分しようと思ったほどでした。

人間の感性は世界共通で、言語は数え切れないほどあっても、多くの言葉は「直訳ベスト」です。

そして、この言葉も…

The Barking Of a Loser.

…「負け犬の遠吠え」です。そのまんまです。



この「言い訳」。ボクシングの世界では情けないほど当たり前に横行してきました。

レジェンドやグレートと表現される偉大な業績を残したボクサーの口から「肩を痛めていたのが敗因」と負け犬の遠吠えが聞こえると、深く幻滅な気分になります。
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自分が弱ってるとこをわざわざ公表してどーする!これが、次の対戦相手にとって勇気の源泉になるのがわからないのか?それとも、それ以上に敗北の言い訳がしたいのか?

何がどうあろうが、敗北の原因なんて、それがどんな敗北であろうが、たった一つしかありません!

「(自分が)弱いから負けた。それだけです」(篠原信一)。

「勝敗はジャッジが決める。負けたのは自分。勝者を責めるのはやめて欲しい」(村田諒太)。

それしかありません。それ以外にありません。

心の中で思うことがあっても、周囲がギャアギャア騒いでも、敗者が口にできることは「私が敗者」です。

ファンやメディアがどう騒ごうが、アスリート本人は敗北を潔く受け入れるべき、そして前を向くしかないのです。

それをジャッジや怪我のせいにするのは、まさに負け犬の遠吠えです。



今回は「ザ・ベスト10」カテゴリーのお話ですが、これはボクシングの超有名なのだけでも10や20じゃ済まないです。

それでも、超厳選、10匹の「負け犬の遠吠え」、その声を拾って行きます。しかも、ボクシングを超えてスポーツ全般に広げましょうか。

【1匹目の遠吠え】は誰にしましょうか…。沢山いすぎて順番、迷います。

↑のフィリピンの遠吠え、同じ〝肩故障仲間〟のウクライナのハイテク…もはや完全喜劇のデオンティ・ワイルダーの甲冑コスチューム…。

悲しいほどありすぎますが、他のスポーツも含めて大展開して参ります。

いつものことながら「失念している遠吠え」だけでなく、無知・フシ穴ゆえに「そもそも知らなかった遠吠え」も数多くあると思います。

「この酔っ払いは失念してるだろう、知らないだろう」という「遠吠え」があれば、気軽にご指摘下さいませ。

スポーツ限定です。

では、おやすみなさい。。。 
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医者から注意されている、禁断のメダマ(卵二つ乗せ)。
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開幕まであと101日と7時間34分12秒。松山英樹も出場に前向きです。




このブログのテーマの一つは「日本人がどこまで行けるのか?」です。

〝目を逸らさず〟にそこを見つめることは、当たり前ですが、スポーツの世界にもある厳然とした差別にも向き合うということです。

やはり、テーマの一つ「スポーツには貴賎がある」ということです。

このブログでよく取り上げるボクシングにおいても〝差別〟はもはや常識のように露骨です。

井上尚弥の3階級制覇がウェルター→ジュニアミドル→ミドル級なら?バンタム級で繰り広げているパフォーマンスをミドル級で繰り広げていたのなら?

今の日本どころか、世界のボクシングシーンは全く違う光景になっていたでしょう。バンタムもミドルも、一応、同じスポーツだというのに。

あるいは、このブログでほとんど取り上げない羽生結弦や桃田賢斗。

羽生はかつて欧州で高い人気とスポンサーを集めたフィギュアスケートの第一人者です。

桃田のバドミントンは、競技人口を考えたらゴルフごときと同列に語るスポーツではありません。

…スポーツには貴賎が歴然として存在します。

ボクシングに至っては、階級による貴賎まで存在します。



このブログでよく取り上げる陸上競技、日本が最も世界に近いのは競歩です。東京2020ではメダル独占の可能性も十分の種目ですが、まともに注目されているとは言えません。

これが100メートルなら話は全く違います。

口にしてはいけないこと。

「バドミントンやフィギュアで世界一になるのとゴルフやテニスでメジャー制覇するのは偉業度が全く違う」ということ。

誤解して欲しくないのは、かつて長野県知事がスピードスケートを「ミズスマシのようで見ていてつまらない」と発言したこととは意図も真意も全く違うということです。

ここで書きたいのは「スポーツには貴賎がある」ということです。

相当に低脳なブログですが「バンタム級は選手が小さいから面白くない。世界的に人気がないということはレベルが低い、見る価値がないということ」「競歩は長距離の落ちこぼれ。どうしてあんな競技が存在するのかわからない」という元長野県知事レベルほどは低脳ではありません。

すでに何度も書いていますが、ボクシングの面白さは軽量級の中にこそ凝縮されています。

競歩のメカニクスがあらゆる走る動作のエッセンスであることも、このブログでも触れています。

スピードスケートにはスケートのみならず、あらゆる瞬発系スポーツ種目の本質が秘められています。

そこを踏まえてこそ、それをわかってるからこそ、ウェルター級で覇権を築く日本人の登場を渇望するのです。

100メートルで世界一速く駆け抜ける日本人の姿を見たいのです。

競歩の世界に走りのエッセンスを見つけた伊東浩司、女子ソフトボールの上野由岐子の助言でフォーム改善に踏み切った菅野智之。

「シングルモルトなどクセが強くて飲めたもんじゃないからブレンドウイスキーが世界を席捲している」という既成概念に耳を貸さなかったマイケル・ジャクソン(キング・オブ・ポップではありません)。

「秘密を知ってしまった」(ジャクソン)彼らは、恍惚の特権を楽しむことが出来ました。

ささっと一区切りをつけるつもりで書き出しましたが、タイトルの「パラドックス」も「エニグマ」も登場しないまま、イーグル②の回もここまで。

次回、アルバトロス③では、説明書と保証書が発行された「日本のスポーツ史の偉業ランキング」、つまりは〝非・長嶋茂雄〟のヒーローを辿り、それらが発行されなかった謎=パラドックス、エニグマのケースについても、その理由を推測してゆきます。

「日本スポーツ史の偉業ランキング」。これには王貞治の本塁打世界記録的なものは該当しません。

〝日本だけが大騒ぎ〟ではない、今回の松山英樹のようなBBCでもCNNでもトップニュースで報じられる〝偉業〟です。

もちろんBBCでもCNNでもトップニュースとなるとテニスとゴルフなどの富裕スポーツに限定されてしまいますが、ここでは〝BBCとCNN〟イコール〝米英をマニアレベルではなく震撼させた〟と拡大解釈します。

〝鬼畜米英〟にリスペクトを向けるのは忸怩たる思いもありますが、番場蛮の精神ですね。

一旦飲み込ませといて、奴らの腹の中から掻っ捌くという…。

さらに続きます。
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※THE GREAT TRIUMPH なんて言葉は多分ありませんが、雰囲気が伝われば。。。


さて!松山英樹のメジャー制覇です!!!

野球やサッカーとは違う「ゴルフ」という少し特別なスポーツだけに、一昨年のラグビーW杯のような「日本列島を熱くさせた」というよりも「ゴルフファンが悲願達成に泣いた」という方が近い大偉業でした。

そうはいっても、私はゴルフはしても、熱心に観戦することがない微妙なファンですが、松山がやってのけたことがどれほどとんでもない偉業かはよくわかります。
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https://www.bbc.com/sport/av/golf/56711510
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AUGUSTA, GEORGIA - APRIL 11: Hideki Matsuyama of Japan poses with his caddie, Shota Hayafuji, and the Masters Trophy during the Green Jacket Ceremony after winning the Masters at Augusta National Golf Club on April 11, 2021 in Augusta, Georgia. (Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)
 
ケーブルテレビで毎日見てるCNNやBBCのスポーツコーナーでも、例外なくトップニュースです。スポーツ専門チャンネルのESPNではもちろん総合トップです。

テニスと並んで欧米で最も高い人気を誇るゴルフで、4大メジャーの一つを制したのです。

優勝賞金207万ドル(約2億2700万円)という〝安さ〟も、テニス同様にこのスポーツの「品格」を感じます。

1934年に第1回大会が開催、招待資格を持つ世界中の名手(マスター)が一堂に会して覇を競うことから、39年から「マスターズ」と銘打たれた。あらゆるスポーツの中で最も格式が高く、最も紳士的…。

世界に爪痕を残す日本人が現れたとき、必ず〝説明書〟が発行されます。それは〝大偉業〟には付き物の〝保証書〟と言い換えた方がわかりやすいでしょう。

80年代、この保証書を最初に手にしたのが岡本綾子でした。

米国のメディアが「自動車、ゴジラを上回る日本の最も強力な輸出品」という報道を保証書に「米国が評価してるから本物だ!」と、岡本は一段高いステージのアスリートと尊敬されましたのです。

そして、90年代には野茂英雄が太平洋を渡り、中田英寿が大西洋を越えます。
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日本人が世界と戦い、打ち勝つ、その姿にファンは熱狂してきました。

そこでは、日本人が格闘した相手がいかに難攻不落の強敵なのかの説明書と保証書が求められました。


日本史上最大のスポーツヒーローは長嶋茂雄でしょうが、彼には説明書や保証書の類は不要でした。


長嶋が1958年にデビューしてから62年の歳月が過ぎゆきました。この間、私たちスポーツファンは成熟して博識になったのでしょうか?

それとも、説明書や保証書を確認してからでないと熱狂できない頭でっかちで面倒な大人になっただけなのでしょうか?


「世界の〝メジャー〟に爪痕を残した日本人」。

その歴史を「私たちは観戦スポーツとどう向き合ってきたか」と並行しながら考えて行きます。



それにしても、松山英樹!天晴れ!にも程があります!!!

厳しいパンデミックの最中で、そしてこれは言っちゃいけないんですが、米国でアジア人への暴力行為が続く中でアジアの偉大なパフォーマンスを、あのオーガスタで見せつけてくれた!!!天晴れ!!!!!ありがとう!!!!!!
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松山英樹がマスターズで日本人初の優勝を飾りました。

欧米で堂々の人気スポーツで日本人が大きな爪痕を残したという点では、テニスの大坂なおみを例外とすると史上最高の偉業です。

生中継したTBSでは昨夜から「優勝したらとんでもないこと、国民栄誉賞」と興奮を伝えていました。

ただ、この国民栄誉賞が王貞治に第一回が贈られたように「世界のメジャースポーツ」であることは必要条件ではありません。

いかに日本列島を熱く盛り上げたか?が最も重視される点です。

その一方で、女子レスリングから2人も輩出されているように、日本列島を最も盛り上げたわけではなくても贈られることがあります。

今回の松山は「欧米のメジャー競技」で日本人初の大偉業を成し遂げたとはいえ、広く日本列島を熱く盛り上げたか?となると池江璃花子に軍配が挙がります。

もちろん、松山が一つのゴールを飾ったのに対して、池江はまだ夢の途中。いくら日本列島を感動させても、このタイミングでの国民栄誉賞はありえません。

また、国民栄誉賞が贈られる「タイミング」がときの政権の思惑に左右されるのもよく知られていることです。



さて、松山は国民栄誉賞に値するのでしょうか?
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那須川天心が昨日、来年年3月にキックボクシングを引退して、ボクシングに転向するとを発表しました。

ボクシング人気などに刺激を受ける形で、野口修が1966年に〝発明〟したキックボクシングは「キックの鬼」沢村忠が火付け役となり大ブームを巻き起こし、ボクシングに並ぶプロ格闘技に発展しましたが、80年代には完全に没落。

それでも、1993年に石井和義がK1を〝考案〟。1996年には東京キー局で地上波ゴールデンタイムに進出するなど、一部人気選手はボクシング世界王者を凌駕する人気を博しました。しかし、このムーブメントも10年持たずに瓦解してしまいます。

そして、2015年にRIZINがMMAやキックボクシング、女子も包含するボーダレスな格闘技団体として立ち上がり、その看板スターに添えられたのが天心でした。
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キック55年の歴史の悲劇的な特徴は、刹那のブームを繰り返すたびに代表的な団体が変わる一貫性の欠如です。

団体分裂や脱税事件、ファイトマネーの不払いなどの不祥事がブームを短命に終わらせてきたという見方もできますが、没落の本質的な原因はそこではありません。

社会的に認知されていない、悪い意味でショーの枠を破れなかったこと、破ろうとしなかったことが、この格闘技の継続的な成長を阻んできたのです。

ムエタイの日本支部のような形で、ムエタイとの完全統一ルール、ムエタイをメジャーと認めてそこを頂点とする本物のスポーツとしての輪郭を形成し、真摯に真剣勝負を管理する統括団体を早い段階で発足させていれば、社会的な認知を得ることができたかもしれません。

しかし、それではほんの一部のマニアに支えられながら細く長く一貫性のある超マイナー格闘技として延命してきたかもしれませんが、ボクシング人気を脅かすようなフィーバーは巻きおこせなかったでしょう。

漫画的な「ヒーロー」を作り上げることで誕生したキックボクシングは、K1であるはずもないキックの「世界」を提示し、RIZINでも一貫性のない蜃気楼の競技で「神童」を見せることで一過性のブームを繰り返してきました。

漫画的なヒーロー、ありもしない世界、一貫した歴史がない競技の神童。それらは、いずれも捏造された「幻想」でした。

もちろん、あらゆるエンターテインメントは幻想を提供することで成立しています。しかし、キックの悲劇は、実体を幻想が装飾していたのでは無かったということでした。

実体が無かったのです。

幻想が崩落し、蜃気楼が消えてゆく…。そのたびに幻滅と再生を繰り返してきたキックボクシングは、ある意味で文学的な妖しい魅力に溢れていますが、多くの選手は唯物的で真剣なスポーツとして取り組んでいます。

それでも、社会的に認知されていないキックボクシングで頂点に立った魔裟斗はラスベガスでのビッグファイトを渇望し、天心はボクシング転向を公言してきました。

それは幻想ではない、実体を掴み取ろうと必死にもがく亡霊のようでもありました。

生身の実体のある人間が亡霊になることはあっても、逆はありません。

落ちぶれたボクシングのスターがカネのためにキックに転向する〝都落ち〟は、あります。

しかし、ラスベガスでメガファイトを繰り広げているカネロ・アルバレスとマニー・パッキャオがキックボクシングに興味を示すことはありえません。

井上尚弥が「対戦相手がいなくなった」と、新しいステージにキックを選ぶこともありえません。

ボクシングとキックの間には〝泪橋〟が架かっています。

これまでは、夢破れたボクサーが下を向いて渡る悲しい一方通行の橋でした。



この〝泪橋〟を逆に渡ろうとしているのが天心です。

キックボクシングで看板を張った天心とは少しニュアンスが違いますが、武居由樹も一足先にボクシングデビューしました。


現代の4−Belt Eraでは、オリジナル8の時代よりも団体は4倍、階級は約2倍に増殖しました。ゆえに、世界王者になる難易度は8倍になったというのは、あまりにも楽観的すぎる掛け算です。

王者の価値は限りなく軽くなり、王座返上や安易な複数階級制覇が当たり前。さらに、承認団体のランキングの度を越えた我田引水的な杜撰さ。

8倍どころではありません。世界王者のバーゲンセール、階級制覇の叩き売り状態を見れば「実力は州王者レベルでも承認料を払えるスポンサーがつけば世界王者になれる」と馬鹿にされるのも当然です。


天心や武居が世界王者になっても何も驚くことはありません。

もちろん、ボクシングでも世界王者になれたなら、泪橋を逆にわたって見せたのですから、彼らの〝偉業〟には拍手喝采を送るべきです。

ただ、願わくば4−Belt Eraでより鮮明に浮かび上がった真実、ボクシングは「誰に勝ったか」が全てという命題に挑んで欲しいと思います。

フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオらのメガファイトにタイトルマッチの色彩が薄いのは何故なのか?

日本では歴代PFPキングと信じている人もいるマイク・タイソンが、どうして欧米のPFPでは箸にも棒にもかからないのか?


蜃気楼の世界からやって来た彼らが、日本ボクシング界が目を逸らす「誰に勝ったのか」に激しく迫ってくれることを願ってやみません。
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暇つぶしの名無しさん (IP:126.166.197.124)

メイパックは正直ポイントもおかしかったですよね?
118-110とか論外だし、116-112っていうのも…

9、10をパッキャオに振ってるのに、それより明らかに取ってる3、7、8ラウンド辺りを何故かメイウェザーに振ってるし…アレなら3、7、8をパッキャオに振って9、10をメイウェザーに振った方がまだ分かりやすかったと思いますね

試合中で採点方法が一貫してない人は信用できないです
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人の目で判定するスポーツには、必ず偏見が入り込みます。

それを意識的に行うジャッジは〝犯罪〟です。

しかし、多くの場合、無意識のうちに〝誤審〟が繰り返されているのことが問題なのです。

無意識のうちに偏向した判定を下してしまう…それを単純に〝犯罪〟と呼ぶことが憚られるのは、有利な判定を呼び込む〝技術〟がどうやら存在しているからです。
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 ボクシングの判定基準は有効打と攻勢が優先されます。有効打がない場合は攻勢が最も評価されます。

前に出てリスクを犯すファイターと、リスク回避に主眼を置き下がるボクサー。有効打がなければ前者にポイントが振られるはずです。

しかし、後者がフロイド・メイウェザーの場合はほぼ間違いなくマネーにスコアが流れます。

ジャッジの目に映っているのは「ファイターがフロイドに踊らされている」というフィルターを通した光景です。

本当なら、攻撃のバランスを失うスウェーバックやダッキングこそが〝単なる防御〟です。

ガードを固めて正面から重圧をかける村田諒太のスタイルは攻防分離ではなく、一瞬で破壊的なパンチを打ち込める構えです。

採点基準にもあるリングジェネレイションシップという概念があやふやすぎます。どちらがプレッシャーをかけてたか、でいいはずです。
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「外国資本」の問題にしても、フジテレビもちっとも変わりませんなあ。

落合博満がツーストライクから悠然と見送れば、ボール。外角にボール二つは外れた投球ても、グレッグ・マダックスが投げればストライク。

卓越した選球眼、精密なコントロールを存分に発揮し続けた彼らが積み上げたのは単なる〝昨日の実績〟ではありません。

ジャッジの深層意識に植え込んだ〝未来につながる偏見・先入観〟です。
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4月5日の日本経済新聞で、日本球界に復帰した田中将大が捕手陣に「フレーミング技術の向上」を要望したと紹介していました。

フレーミングとは、MLBで2000年代半ばに生まれた概念で、際どいコースをストライクと判定してもらうための捕球技術のこと。

平均40%しかストライクと判定されることがないコースが、50%以上に跳ね上がるケースを調べると、球筋や審判の投手への先入観の他に、キャッチング技術があることが明らかになります。

捕球した瞬間にミットをストライクゾーンに動かす捕手がいますが、あれは逆効果。

ストライクを取ってもらいやすいキャッチングは「捕球の瞬間にミットがむやみに流れたり、体や頭がいたずらに動いたりしないこと」です。

日経では、フレーミング技術〝威力〟の例として、2013年にピッツバーグ・パイレーツを21年ぶりのポストシーズン進出に導いたラッセル・マーティンが挙げられています。

前年、ニューヨーク・ヤンキースから「打てない中堅捕手」を獲得したことを「不可解」と書いていますが、これは誤解を招きます。

実際にはヤンキースが提示した3年2000万ドルの条件を蹴って、パイレーツに契約金200万ドル・2年1700万ドルで引き抜かれたのです。
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ジャッジに偏見に近い先入観まで埋め込んでしまう圧倒的なパフォーマンス。

ジャッジを目を〝欺く〟フレーミング。

これを〝犯罪〟だからと「正確な判断を下すAIなど科学の導入を急ぐべき」と考えるスポーツファンがどれだけいるでしょうか?



ただし、ボクシングにおける不可解な判定の原因はレジェンドのパフォーマンスがジャッジを酔わせた先入観や、フレーミングのような技術ではなく、ジャッジの技術レベルが低いことにほとんど全ての原因があります。

資格更新試験の厳格化、教育体制の充実、他の国の若者がネバダ州アスレティック・コミッションのジャッジを目指せるような公正なルートと窓口を作ることです。

それが出来ないから、いつまでたっても「議論を呼ぶ判定」は後を絶ちません。

アルファベット承認団体による王者の大量生産だけでなく、理解に苦しむ判定が頻発されることも、このスポーツを魔宮の奥深くに迷い込ませてしまっているのです。

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スポーツは日々進化しています。

その進化は大きく分けて「ギア」と「身体能力」の 二種類です。

「ギア」については、最近ならカーボンプレートをソールに仕込んだ「厚底シューズ」。これまでにもスピードスケートの「スラップスケート」や、競泳の「レイザーレーサー」など、従来の記録を一変させる革命的なギアが登場しました。

ただし、ギアの進化はレイザーレーサーが禁止されたように「どこまで許すか?」の問題です。

カーボンプレートの反発を助力とする「厚底」が許されて、ローラースケート靴が許されない理由は「助力の大きさ」「助力が目に見えてあからさますぎる」からという問題ですね。

野球では従来の球速だけでなく、回転数が重視される新時代を迎えています。回転数の多い150㎞の方が、回転数で劣る160㎞よりもボールが垂れずに、打者にとっては打ちにくいのは当然です。

江川卓や藤川球児の「わかってても打てない、当たらない直球」は回転数が多かったことは明らかですが、それ以前の問題としてコントロールがあります。

「江川さんや藤川くんは意識して高めのボールを投げることができた。大谷くんの速球はそこに行けないからバットに当てられる。いくら速くても打たれるのと同じように、いくら回転数を上げても打者に引きつけて見られてしまう外角や低めのボールはバットに当てられやすい」(桑田真澄)のです。

スピードガンの球速やラプソードの回転数を気にする以前に、しっかりしたコントロールが大切になるのは言うまでもありません。

また、打者からボールの出所が見にくい角度で投げることも数字以上に重要です。
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「今の選手は昔なら誰も通用しません」という落合博満の言葉は、そのまま受け止めることはできませんが、スピードガンの数字を意識する現代の投手が〝数字の呪い〟に取り憑かれていることは明らかで、球速が飛躍的に伸びている原因はトレーニングの進化だけではありません。

もし、金属バットがプロでも導入されると、落合や掛布雅之らが大切にしてきた「素手の感覚」はナンセンスになります。手袋をはめた手でがっちりグリップしてバットを振り回すのが基本になります。

陸上の「厚底」は、その段階に踏み入ってしまっています。近い将来、カーボンプレートの反発助力に依存したメカニクスでしか走れないランナーばかりになるでしょう。

「ギアの奴隷」です。

とはいえ、私の言葉などロマンチックな物語に憧れる幼稚な戯言です。

長野五輪前にスラップスケートが導入されたとき、清水宏保がすぐに採用したのに対して、堀井学は「感覚が狂う」と取り組みが遅れてしまいました。

結果はご存知の通りです。

「真芯に当てないと手が痺れて怪我するっていうなら、真芯にあてりゃいいんだよ。手袋なんてはめると感覚が鈍るだけじゃなく、真芯に当てなくても大丈夫って思っちゃうだろ。だからどんどん下手くそになっちゃうわけ」(落合)なんていう言葉は真剣に聞いてはいけません。

「練習でクッションの厚いグローブを使うのは拳の保護だけじゃなく、練習相手をカットさせたくないから。試合で薄いグローブをはめるのは拳の感覚が正確に伝わるから。レイジェスが拳を痛めやすいというのは嘘で、しっかりナックルで当てれば怪我しない。変なところで当てたら怪我するのはレイジェスもグラントも一緒」(マニー・パッキャオ)というファンタジーと同じです。

落合もパッキャオも実在する妖精です。

あなたが住んでいるのがファンタジーの世界でないなら、絶対に真似してはいけません。 
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学習するのに最強の媒体が「紙」であることは、もはや明白です。

前置きが長くなりました。

最先端の技術がいつも必ず正しい、最も効率的とは限らないという、お話です。

このブログのテーマの一つ「オールドスクールは死なない。消え去りもしない」ということです。

先週、東京大学と日本能率協会マネジメントセンター、NTTデータ研究所が「紙の手帳の脳科学的効用について〜使用するメディアによって記憶力や脳活動に差〜」という研究・実験結果を発表しました。

実験結果をまとめると「スマートフォンなどの電子機器と比較して、紙の手帳を使った方が、記憶の想起に対する脳活動が定量的に活発になることを発見」「教育やビジネスにおいて電子機器が多用される中、記憶力や創造性につながる紙媒体の重要性が明らかになりました」ということです。

具体的には「紙の教科書やノートを使って学習する際には、そこに書かれた音葉の情報だけでなく、紙上の場所や書き込みとの位置関係といった視覚情報などを、同時に関連付けて記憶する連合学習が生じています」ということでした。

「一方、スマホ・タブレット・パソコンといった電子機器では、画面と文字情報との位置関係が一定ではなく、各ページの手がかりが乏しいために空間的な情報を関連付けて関連して記憶することが困難です」。

「このように紙媒体は想起の際の手がかりが豊富であるため、記憶の定着に有利であることに加え、その高い記憶力を元にした新しい思考や創造的な発想に対しても、役立つと言えるでしょう」。

もちろん、新しい思考や創造的な発想とは無縁の、検索作業で膨大なデータを擁するデジタルを使うのは有益です。

考えるのは紙、単純作業はデジタル。棲み分けが正解です。少なくとも若い脳が学習するにあたって、デジタル主役はありえません。


政府がデジタル教科書の導入を急ぐ理由はたった一つしかありません。

すでに巨額の予算を割いて、そこに既得権益が発生しているからだけのことです。

今回の調査結果だけではありません。欧米などデジタル先進国では「新しい思考や創造的発想」が苦手な子供が増えている問題が現実となって噴出しています。

紙の教科書との併用だけでなく、デジタル教科書の役割を当初の予定から思い切って縮小するべきです。

まともな政治判断ができるなら、ですが。
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