フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: アメリカのプロボクシング

長らくHBOがリードしてきた世界のボクシングイベント。

2018年、大巨人HBOがボクシングに見切りをつけて撤退してから3年。

HBOの陰に隠れていたSHOWTIMEやESPN、新規参入のDAZNが本格路線を走り、トリラーがキワモノ路線を全面に打ち出す新しいステージに突入しています。

プロモーターもトップランクとゴールデンボーイ・プロモーションズが凋落、新興のプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)、英国のマッチルームが〝インベーダー〟として台頭、リング外のボクシングシーンは大きく様変わりしています。
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そして、マニー・パッキャオを筆頭とする、米国市場の中核クラス=ウェルター級のスター選手を掌握したPBCと業務提携するSHOWTIMEが5月から9月にかけてのイベント・スケジュールを発表しました。
★May 15: Nery-Figueroa
★May 29: Oubaali-Donaire
 June 19: Jermall-Montiel
 June 26: Davis-Barrios
 July 3: Colbert-Gamboa
 July 17: Jermell-Castaño
★Aug 14: Rigo-Casimero
 Aug 28: Benavidez-Uzcategui
★Sept 11: Fulton vs. Nery-Fig winner 

米国で最も注目されているのは7月17日に予定されているジュニアミドル級の完全統一を賭けたビッグファイト。WBC/WBA/IBF王者ジャーメル・チャーロが WBO王者ブライアン・カスターニョと激突します。

世界王者の価値が失墜した4団体時代では、完全統一の意義も希薄化。バーナード・ホプキンスやジャーメイン・テイラー、テレンス・クロフォード、アレクサンダー・ウシクの4人だけですが、いずれも地味な実力者が必死で打ち上げたものの〝線香花火〟に終わっています。

ジャーメルとカスターニョ、どちらが勝っても先達の4人に続く〝線香花火〟になりそうです。

それにしても…UNDISPUTED CHAMPION が地味な実力者ばかり、というよりは地味からの脱出を夢見てUNDISPUTED CHAMPIONを目指すというのは、あまりにも悲しい現実です。

まあ、日本のボクシングファンにとっては、ジュニアミドル級で争われる5人目の完全統一王者よりも、奴らが全く関心を払わないジュニアフェザー級以下の超軽量級の世界戦線に興味が傾きます。

まずは、WBCジュニアフェザー級王者ルイス・ネリとブランドン・フィゲロアの対決。このクラス最強とみられているのはIBFとWBAの団体統一王者ムロジョン・アフマダリエフ。

ネリvsフィゲロアの勝者が9月11日にWBO王者スティーブン・フルトンとの統一戦に駒を進めることになっています。

この階級は早ければ来年前半にもUNDISPUTED CHAMPIONが誕生している可能性も十分、バンタム級を完全統一した井上尚弥が乗り込む頃には絶好の舞台が整っているかもしれません。

そして、井上が完全統一を目指すバンタム級では5月29日にWBC王者ノルディーヌ・ウバーリがノニト・ドネアと激突。

WBCは暫定王者レイマート・ガバリョとエマヌエル・ロドリゲスの再戦を命じており、WBCの中でタイトルが一本化されるまで時間がかかりそうな気配です。

そして8月14日はWBO王者ジョンリール・カシメロが老雄ギレルモ・リゴンドーの挑戦を受けます。

6月にIBFの指名挑戦者マイケル・ダスマリナスを撃墜した井上が、今年リングに上がるのはどう多く見積もっても2試合。その2試合がWBCとWBOを吸収する団体統一戦になる公算は非常に低いと思われます。

つまり、年内の完全統一はありません。

〝バンタム級のクロフォード〟になりつつある井上が心配です。。。。。
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WOWOWエキサイトマッチのオープニングが刷新しました。

「何を今更?!」と突っ込まれそうですが、今、先週のエキマを見ています。

基本、生中継ならエキマを見ますが、そうでない試合や、最近だとDAZNでしかやらない試合も増えてしまっています。

30年ですか。

「WOWOWエキサイトマッチ」の前は、NHKがBSで「世界のボクシング」を提供してくれていました。

当時はインターネットが普及していない時代です。

海外のビッグファイトは新聞で触れられない場合は、高校の図書室に届けられる「リング誌」「スポーツイラストレイテッド誌」で確かめるしかありませんでした。

「ボクシングマガジン」や「ワールドボクシング」で試合結果を知ることも当たり前でした。

エキサイトマッチとWOWOWは、日本のボクシングファンにとって冗談じゃなく、神様からの贈り物でした。
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新しいオープニングも素晴らしいです!

先日も「パッキャオの8階級制覇はインターナショナルとかそういう王座も含めてるのかと思います」とかいう、もう「えーー???海外の情報をあれだけ仕入れててどうしてそうなるの?!」ということもありますが、全部ご愛嬌です。

次の30年に向けて、さらに素晴らしい番組にして下さい!!!!!!!!!! 
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「4」って「four」で良かったっけ?と毎日脳細胞が死んでる酔っ払いの昔話がつづきます。

スポーツのことだけでも書き留めておきたいことが書き切れないほどあります。

その時々に思い立ったことをワーッと書き殴っているので、完結していない話がどんどん溜まってるように見えるかもしれませんが、完結してるように見えるお話も何一つ完結していません。

全ての話が、旅の途中です。

どんどん新しい話をわーッと思いついて書き殴ってしまいますが、一旦書いたけど興味を失くしたなんてものは一つもありません。

ああ、あの続きを書こうと思いつくこともしょっちゅうあります。そんなときは、最初に考えていたストーリーと大きく変わることもよくあります。

いずれにしても、思いついたことをあっという間に叩きつけるように書くので、誤字脱字はもちろん文章としても成立していないなんてことも当たり前の乱文乱筆失礼ブログですが、仕事抜きで好き勝手に書き殴るのは格好の気分転換や時間つぶしになります。

そんな感じなので、さて何を書こうか?なんて迷ったりすることは全くありません。毎日脳細胞が死滅してても、書こうと思うことは掃いて捨てるほどあります。

それでも、一つのテーマでも、あまりにもいろんな方向から書きたいことが溢れかえってしまい、どこから始めても楽しく書き殴れるのはわかってるとはいえ「さ〜て何処から始めるか?」と、このブログを書くときにはありえないアイドリングすることが稀にあります。

パッキャオ話はその典型です。他の話以上に読み手無視の自己満足と勝手気儘の体臭が立ち昇っているはずです。

そして。

当たり前ですが、世界のボクシングを教えてくれただけでなく、英語の扉まで開いてくれた80年代に紡がれた米国ボクシングの血風録、その主人公マーベラス・マービンもまた「さて、何処から書こうか?」という想いの詰まったテーマです。
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現代のように下痢便の如く動画が垂れ流されていない時代、試合以外のハグラーの動画など稀少でした。たった一枚のスナップからも、私たちはハグラーを感じようと必死でした。

こんな普通のモノクロ写真でも、私の脳内ではハグラーはフルカラーで滑らかに靴ひもを結び、練習のリングに向かうのです、私の頭の中では。

マーベラス・マービン・ハグラーは確かにハッキリ動いていました…。っていうか、今見ても、普通に動いてます。

わしにはYouTubeなんて要らんのじゃ!生まれた時から脳内に動画ソフトが埋め込まれとんねん!

まあ、普通は誰だってそうでしょう。自分の大切な人を思い出すとき、その人は「ビデオオン」「ミュート解除」なんて小細工いりますか?

「じゃあ、お前の子供の思い出の動画も削除しろ」と言われたら、しないけど、無くなったって平気じゃ。

そんな感じで、マーベラスは中学生の私の脳内でも、たった一枚の写真でも、IMAXどころか体温・体臭まで感じ取ろうとして、馬鹿だから、それができた気がしました。ハグラーの体温はワニのように低く、体臭は分厚い装甲と凶悪な角を持つサイのように臭かったです。


私は「引きこもりの不登校だったからハグラーたちや名画の数々と出会えた」と思ってましたが、もしかしたら逆ではないかと、最近思うようになりました。

ハグラーたちがいなければ、私は授業に出ないで図書館にこもったり、天気の良い日はスボイラ誌を持ち出して、川べりや海べりで読み耽るなんてことはしなかったでしょう。

小さなカビ臭い映画館で日長一日過ごしたのは、魅惑の銀幕世界、特にニューシネマやロードムービーに耽溺できたからです。

「引きこもりだったから〝ハグラー〟と出会えた」 んじゃなくて「〝ハグラー〟がいたから引きこもりになった」のかもしれません。

そう考えると、私の青春時代を奪ったハグラーには慰謝料を請求しなければなりません。
 



…部活レベルの同窓会にも滅多に顔を出さない私ですが、オンライン飲み会の普及定着で普通にクラスの同窓会も断りにくくなって追い詰められて、昨年末に出席しました。

当然、高校卒業以来会ってない友人、といっても引きこもりの私にとっては名前と顔を見てやっと思い出すというヤツらばかりどころか、最後まで「こんなヤツいたっけ?」というのもいましたが、そんなヤツらも含めて私のことはすごく覚えてくれててたことに、本当に驚きました。 

私はクラスメイトからは「印象の薄いヤツ」「嫌なヤツ」「気持ち悪いヤツ」と思われてると感じてました。

成績も悪いし「見下されてる」くらいに感じてました。

しかし、彼らから逆に「見下されてると感じてたから声とかかけづらかった」と言われときは、ちょっとショックでした。




「マーベラス・マービン話」は、私にとっては「自分のことを書け」ということです。

ハグラーは、あの頃の鬱屈した私の数少ない〝友人〟の一人で、師匠でした。

学校や授業に馴染めない、友達がいない、成績が悪いということに対して、少しは引け目はありましたが、高校での野球や陸上の部活動では全く劣等感はありませんでした。

ハグラーの威風堂々を知ってる私には、何も怖いものなど無かったのです。

トラブルになってた他校のバカ集団で襲ってきたときは、すぐに逃げますが。。。。ガッツ石松みたいな喧嘩上等なら格好良いのですが、本質的に喧嘩弱いからパワープレーは逃げます。

ガッツのは喧嘩の仕方を解説してほしいです。あの「池袋」は事実でしょうが、複数の喧嘩玄人を一人で叩きのめすって技術的に不可能です。

相手が「石松だ!いろんな意味でヤバい」となったのなら、わかります。

そうじゃなくて、一人でやったなら。歴代PFPはシュガー・レイ・ロビンソンではないですね。

話は脇道それまくりですが、激しい喧嘩の記憶っていつまでも残ってて、当時は「一対一で会ったら叩きのめす!」といきりまくてたのに、最近は年に一回くらい怖い夢見るんです。逃げ場がないとこに100人くらいに追い詰められて、絶体絶命な夢。

自分のチキン夢の話してどないすんねん、ってことで、ハグラーの話。

 
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FOUR KINGS。

これ、日本語に訳すとしたら?

直訳無粋ですが、私は「四天王」ってやっちゃいます。

日本で「fabulous four」が好まれるのは、ナンバー誌のビデオのタイトルで使われたからでしょうか。

私は単刀直入の FOUR KINGS でいいです。

「fabulous」なんて、ちょっと違う、ウザい気がします。

すみません、ナンバー誌、文春。あのビデオは本当に最高でした。「FOUR KINGS」にすべきでないのもわかります。「fabulous four」の方が格好良いですから、日本では。

「逆・文春砲」ですな。「カッコつけるな!リング誌の FOUR KINGSの方が日本人にもわかりやすいし、ややこしいの持ってくんな!」ってことです。
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酔っ払わずに書こう、書きたい。と、思ってましたが、この時間では無理でごんす(ヒョウタンツギ)。

私のようなド下手な料理人でも、歴史的に最上級の素材が目の前にあれば、普通に刺身にしていいのか戸惑うしかありません。

ハグラー、私にとっては「ゼットン」や「ヨロイ大元帥」らと何ら変わりません。ゴジラとハグラー、何が違うのか、正確に説明できません。

架空か現実か、の差しか私にはありません。

きっと、リング誌やスポイラ誌を拙訳したり、パンチスタッツやオッズを出したハグラー血風録を書く方が歓迎されるのかもしれませんが、自己満足のお話は続くのである。

不平不満・疑問、これを知りたい、あれを書いてくれ、なんてのがあれば「いつか答える」「いつか必ず書きます」。 
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終電にはまだ間に合いそうでしたが、会社前にタクシーが止まってたので乗りました。

飲食店も大変ですが、タクシーはもっと大変でしょう。以前は会社の入ってるビル前に、ズラーッと並んで客待ちしていたというのに…。
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ファイティング原田と、矢吹丈は幸せでした。

日本は今とは比べ物にならないくらいに貧しい国でしたが、目の前にある一本道を走り抜くことができれば、必ずゴールが約束されていた時代です。

どんなに貧窮しようが、あの時代に生きた原田にも、ジョーにも「あした」が確かにありました。

勝ち続けていれば、必ず辿り着ける「あした」が。

しかし、現代の4Belt-Era は二桁防衛しても「あした」の輪郭さえ見えない非常に複雑で困難な時代です。

日米共にボクシングのステイタスが下落した現在、〝ファイティング原田〟や〝モハメド・アリ〟が再びリングに登場することは、永遠にないでしょう。

「世界と戦う日本人」に熱狂出来る舞台がボクシングのリングしかなかった時代は、とうの昔に終わってしまいました。

私たちは阪神タイガースや横浜FCに愛を送り、MLBや欧州リーグでプレーする〝選ばれし日本人〟に尊敬と夢を懸けます。

欧米に華やかな本場が存在するメジャースポーツの選手は、国内で技術を磨き、優れた者がより高いステージを目指して海を渡ります。

そして、ふと思い当たってしまうのは、私たちが「世界で戦う日本人」だと信じていたボクサーたちは本当に「世界で戦っていた」のか?という疑問です。

マイナースポーツのボクシングで、なおかつマイナー階級の軽量級には、欧米に華やかな舞台など、そもそも存在しません。

村田諒太や井上尚弥、井岡一翔らは〝我らの時代〟が「目の前に敷かれた一本道を疾走すれば事足りる」という安易な時代でないことを自覚しています。

メジャーな世界を釣り上げる巨大なフックを持つ村田は、大物に食らいつく機会をじっと待っています。

メジャーな世界とはかけ離れた階級で戦う井上と井岡は、階級最強、完全統一王者を成し遂げることで存在証明しようと着実に階段を上がっています。
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今日のお昼ご飯。

移動時間などに酔っ払って書いた「あしたのジョーの〝あさって〟の話」は、書き終わってから「救いようのない話になった」と少し後悔してしまいましたが、どんなヘタクソな話にも救いどころはあるものです。


▶︎はじめまして。 読んで笑いと共に納得の内容でした。 

このストーリーでは、マンモス西とは離婚した? 結婚自体を無かった事になっているのでしょうか?

2021-03-10 18:31:22 返信編集レイジェス126.88.87.85



レイジェスの硬質な拳に刺激され、暗いタクシーの中で続きが思い浮かびました。 
 

************


◉マンモス「おっちゃん、元気にしとったか?」


◎段平「おう、西じゃねえか。お前こそ、紀ちゃんに偽装結婚されて、肖像権全部買われたんじゃろ?大丈夫か?」


◉マンモス「わしは大丈夫やで。紀子はんが出してくる、ぎょうさんの書類に実印押しただけのことや。おっちゃんこそ元気そうで何よりや。しかし、豪華な施設の個室って聞いてたんやけど…こんなプレハブで狭い相部屋でっか?」。


◎段平「紀ちゃんは王侯貴族の城とか言ってだけどな。騙される俺の方が悪いってこった」


◉マンモス「紀子はんを悪ぅゆうんはやめてや。『あした』を目指してたんはジョーだけやなかったってこっちゃ。紀子はんには紀子はんの『あした』があるんやから」


◎段平「しかし、ジョーの野郎はうまくやりやがったもんよ。泪橋を逆に渡れとは言ったが、ドブ川を埋め立てて、泪橋も丹下ジムもろともぶっ壊して、今じゃ世界一の億万長者か。泪橋を逆に渡るも何も、もう橋がねぇんだから」。


◉マンモス「ほんまに変わってもうたなあ。林屋があった跡にまさか東京タワーより高いスカイツリーが建つなんて、紀子はんは先見の明ありまっせ、ほんま」


◎段平「それにしても紀ちゃんがあんな女とはなあ…『丹下ジムブランド』の日本酒やおでんは購入者アンケートで最下位、売れ行きも悪いから生産中止。今じゃ世界で売れまくる「あしたのジョー」ブランドでも黒歴史扱い、ホームページでも『丹下ブランド』は抹消されてるし、ワシは主なキャラクターどころか、脇役からも消された。ジョーも白木ジムからデビューしたことにされちまってよ」。


◉マンモス「おっちゃん、毒吐いたらあかん。そういう抜け目のなさが、ビル・ケイツはんらを抜いてフォーブスの世界長者番付で1位にならはったんやで」。 


◎段平「おめぇが鑑別所で新入りイジメで使ってたねじり雑巾を大量生産して5000円で売るなんざ、堅気の商売じゃねぇ。カラー雑巾は1万円だぞ?あんなボロ雑巾、原価10円もしねぇだろ」。
 

◉マンモス「10円で売っとったらフォーブス長者なんかになれまへんで」。


◎段平「そういや西よ『マンモス西うどん』を鼻から出す遊びが小中学校で流行って大問題になってるらしいじゃねぇか」。


◉マンモス「そうなんや、実はそのことでおっちゃんに挨拶に来たんや。明日、謝罪会見するんや」。


◎段平「紀ちゃんに偽装結婚されて、お前の権利は全部買われちまったからな、お前は関係ない。明日の謝罪会見が楽しみじゃ、ざまあみろってこった」。


◉マンモス「それが、紀子はんが半年前に肖像権も販売権も全部、わしに無料で戻してくれはったんや。今やわしはハヤシヤ・ドットコムとは完全別会社の、マンモス商事の社長なんや」。


◎段平「西ぃ!おめぇ騙されてるのがわかんねぇのか!?半年前って〝鼻からうどん〟が国会で問題になった頃じゃねえか!…まさか、謝罪会見ってお前が?」


◉マンモス「そらそうや。紀子はんもジョーも関係あらへんからな」。


◎段平「紀ちゃんから直接電話があったのか?」


◉マンモス「まさか、使者という黒服の若い男性が来はって『西さんが謝罪する場所も時間も取ってる』ゆうて」


◎段平「西よぉ、おめぇはどこまでお人好しなんだ、騙されてるんだよ!


◉マンモス「黒服のお兄さんに謝罪のセリフを教えてもろうたし。もうほとんど暗記したんやで。え〜っと…この度はマンモス商事の商品が子供たちの不適切な遊びを助長する結果になってしまい、誠に申し訳ございませんでした。この件に関して、一部メディアで親会社のハヤシヤ・ドットコムに責任があるという報道が流れていますが、マンモス商事とハヤシヤ・ドットコムは全くの別会社であります。今回の責任はは全て、マンモス商事社長のわたくし…」。


◎段平「西!やめろ!もう、やめろ!!!明日の謝罪会見も行く必要はねぇからな!!!わかったか!!!!」。


◉マンモス「おっちゃん、大声出したらあかんで、黒服のお兄さんがすぐそこで見張ってんねんから。心配してくれるんはありがたいけど、わしもそこまでアホやおまへん」。


◎段平「だったら、どうして謝罪会見なんて引き受けるんだ、西よぉ〜」。


◉マンモス「おっちゃん、よう聞いてくおくれなはれ。貧乏人が大金持ちになるゆうんが、どういうことか、わし、気づいてもうたんや」。


◎段平「貧乏人が大金持ちになったっていいじゃねぇか!」。


◉マンモス「その通りや、せやけどそれは貧乏人が貧乏人のまま大金持ちになれるんとは違うんや。貧乏人が大金を手にするっちゅうことは、必ずなんかを売ってるんやで。目ぇには見えへん何かを売ってるんや」。


◎段平「紀ちゃんはジョーや力石ブランドのダイエット・ストーブや、西のうどんなんかを法外な価格で売りまくってるだけじゃないか!?」。
 

◉マンモス「おっちゃん、そういうことやないんや、貧乏人のときには体のずっと奥の方にあったはずの人間の芯みたいなもんも、知らんうちに売ってしもうてるんやで。貧乏人が大金持ちになるゆうんは、そういうことやって気づいてん、わし」。


◎段平「人間の芯だとぉ?そいつは魂ってことだろ?、そんなもんまで売っちゃいかんだろうが…」。 


◉マンモス「だからわしは、そこまでしてる紀子はんを責めることはできまへんねん」。


◎段平「そんなこと言い出したら貧乏人は幸せになったらダメってことじゃねえか?!」

 
◉マンモス「そんなことあらへん。紀子はんもジョーも大豪邸に住んで毎日美味しいもん食べて、世界中からチヤホヤされて、幸せそうにしてるがな。そういや、この間、紀子はんがオーストラリアを買ったニュースが流れてましたな。ジョーはオアフとグアム買ったし」。
 

◎段平「はあ???それが幸せかよ?今じゃ、あいつらは直接話すこともなく、会話も全部、弁護士を通してるんだぜ。それが、あいつらか憧れた幸せなのかよぉ?それがあいつらの『あした』なのかよぉ?」。


◉ マンモス「おっちゃん、時間が来たようや。黒服さんたちが呼んでるから、もう行かんと」。


◎段平「西、西よぉ〜、行くな、行っちゃいけねえんだよ」。


◉マンモス「大丈夫や、わしは紀子はんとジョーが幸せに暮らしてるならそれでええんや」。


◎段平「西よぉ〜、行くな〜〜〜〜」。


◉マンモス「おっちゃん、安心してや。おっちゃんには絶対手ェ出さへんて約束してもらってるから」。


◎段平「西、おい、おめぇまさか、…謝罪会見が終わったら…」。


◉マンモス「せやから、最初に挨拶に来たゆうたやんか。おっちゃん、長い間お世話になったな」。


◎段平「西よぉ〜、頼むから行くな〜〜〜〜!」。




*******「救いどころ」のある話にしようと思ってたら、怖い話になってもうたーーー!深夜タクシーの薄暗い中で書いたらあかーん!!!

 
※「あしたのジョー」は全巻田舎に置いたまま、タクシーの中でちょっと車酔いしながら書いたので、マンモス西と丹下段平の一人称があやふやです。
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伝説、怪物、グレート…。

ボクシングほど、大袈裟な言葉が軽々しく繰り返される世界はありません。

Fight of the Century、「世紀の対決」も、軽々しく繰り返される大袈裟な言葉の代表です。

文字通りに捉えると100年に一度しかないはずの「世紀の対決」ですが、私たちはもう何度も見せられてきました。

しかし。正真正銘、掛け値なしの「世紀の対決」が、今からちょうど50年前にあったと、米国のボクシングメディアが一斉に報じています。
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THE KNOCKDOWN。1954年ワールドシリーズでウィリー・メイズが見せたThe Catchに並ぶスポーツ史に残る「THE」でした。

1971年3月8日、ニューヨーク。マディソン・スクエア・ガーデン。あれから50年の節目を迎えます。

私は、リアルタイムでは知りません。モハメド・アリを初めて見たのは最晩年のレオン・スピンクス戦 。ジョー・フレージャーは一度も見たことがありません。

「ヘビー級黄金時代」は、私にとってビデオでしか見たことのない「歴史」です。

皮膚感覚での記憶がないとはいえ、メディアの取り上げ方や、リング誌の特別号を読むとそれが破格のイベントであったことに疑いようはありません。

私が見ることができた〝Fight of the Century〟 は、50年後も宝箱を開けるように振り返られ、未来のファンが羨望することがあるのでしょうか。

極私的 〝Fight of the Century〟を綴ってゆきます。
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よど号ハイジャック事件犯が「我々はあしたのジョーである」と宣言したのは、衝撃的な史実でした。

共産主義者が、架空の物語とはいえ、プロボクサーの生き様に自分を重ねて愉悦していたのですから。



日本経済新聞の名物コーナーに「私の履歴書」があります。65年も続くロングランの妄想バージョンです。 
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矢吹丈(ハヤシヤ通販ドットコムCOO/元WBC世界バンタム級プラチナ王者)⬛︎

物語では詳しく触れられてませんが、私は戦争孤児だったんです。

力石徹やウルフ金串もそう。みんな貧しかったし、何より身寄りがなかった。

ホセ・メンドーサの世界バンタム級タイトルに挑戦、判定で敗れはしましたが、自分で言うのもあれですが、私の人気はすごかったんです。

白木財閥が本格的にスポンサーに名乗りを挙げて、大手広告代理店が積極的にプロモートにも参加してくれました。

世界挑戦に失敗しても日本列島を沸騰させるほど人気がありました。

まあ、最近の「鬼滅の刃」どころの騒ぎじゃなかったです。

当時は、WBAとWBCに団体が分裂した直後で、両団体から「ジュニアフェザー級を新設するから矢吹ジョーに初代王者決定戦に出場してほしい」というオファーも届いてました。

学もない、身寄りもない、戦争孤児の私が社会で認められるにはボクシングしかなかったから、乗り気でした。

減量苦から解放されるジュニアフェザーも魅力でしたが、私との試合でホセが引退、なぜか負けた私をWBCはバンタム級の最上位王者、プラチナチャンピオンに認定してくれました。この王座の防衛戦にも興味はありましたよ。

やっぱり、ずっと戦ってきたクラスで思い入れがありますからね。

ただ、ホセとの試合後に工業地帯の裏道で林屋の紀ちゃんから「ボクシングなんてやめて」と言われちゃうんです。2回目ですね、試合前にも同じ場所で諭されましたから。

1回目は、私に愛を伝えてくれた紀ちゃんを「男には女が、女には男がお互い掃いて捨てるほどいるってこった。でもな、ホセ・メンドーサは世界に1人しかいねえんだ」と拒んじゃいましたが、2回目はそうはいきませんでした。



◉紀ちゃん「矢吹くんの嘘つき!世界チャンピオンは世界に1人しかいないとか、全部嘘じやないの!WBAにもWBCにもチャンピオンがいるし、階級も覚えられないくらいあるわ!」

▶︎ジョー「い、いや…WBAとWBCにはそれぞれ1人しかいないし、階級だって10くらいだから覚えようと思ったら覚えられるし…」

◉紀ちゃん「そんな屁理屈通ると思ってるの?そのうちもっと世界チャンピオンは増える気がするわ。きっと団体も階級もまだまだ増えて、それこそ世界チャンピオンが掃いて捨てるほどいる時代が来るわよ!負けた矢吹くんがプラチナ王者なんておかしいでしょ!WBCは人気のある矢吹くんから承認料を取りたいだけの腐敗団体よ!何ヶ月も続けてリング誌が矢吹くんを単独カバーしてるのも、日本で飛ぶように売れるからよ!」

▶︎ジョー「確かに、負けた俺がプラチナ王者とか素直に喜べないけど、今度はホセみたいな階級最強王者と戦わなくても、王者になれそうだし。WBCのジュニアフェザー級王者決定戦はカーロス・リベラと組んでくれることが内定してるんだ」
 
◉紀ちゃん「あきれた…WBCはカーロスに引退勧告を出してたのに。階級最強王者って、そんな日本語もおかしいと思わないの?王者が最強なのは当たり前じゃないの!最強じゃない王者ってどういうこと?矢吹くん、頭打たれすぎて日本語も理解出来なくなったの?」

▶︎ジョー「いや、俺だってなんとなくわかってるよ。でも、俺にはボクシングしかできないから」

◉紀ちゃん「そんなことないわ!矢吹くんの人気は不滅よ!不滅の矢吹なのよ!もういい加減に気づいて! 」

▶︎ジョー「いや、その人気だってボクシングをやっての人気だから」

◉紀ちゃん「やっぱり頭の打たれすぎね…。いい?矢吹丈はブランドなのよ!『あしたのジョー』にはWBAとWBCをまとめて買収できるくらいのブランド価値が有るの。あなたの肖像権はモハメド・アリ並みの価値が有るのよ!」

▶︎ジョー「よく分かんねえよ、ブランドとか肖像権とかって」 

◉紀ちゃん「林屋ブランド、矢吹丈ブランドの缶詰や乾物を付加価値だと言って高額で売るのよ。飛ぶように売れるわ」

▶︎ジョー「 暴利貪る缶詰なんてドヤ街の誰が買うんだ?そんなの1個も売れねえよ」

◉紀ちゃん「あんな貧乏人、誰が相手にするものですか!東京中、日本中で商売するのよ。ゆくゆくは世界を相手にするわ。世界中から『あしたのジョー鯖缶』『マンモス西のカップうどん』のオファーが殺到するのよ」

▶︎ジョー「世界で鯖缶?紀ちゃんの方こそボクシングもやってねえのにパンチドランカーになっちまったんじゃねえのか?」

◉紀ちゃん「通信販売なら日本、世界中に売れるわ。 今にインターネットの時代も来るわ!ドヤ街の店と駐車場は売り払って、丸の内か銀座に本社ビルを建てるの」

▶︎ジョー「はあ?インターネットって何の網だよ?それにあんな場末の土地、誰が買うってんだい?」

◉紀ちゃん「矢吹くんは本当に馬鹿ね。三菱地所や住友不動産の偉いさんが連日、林屋詣出してるの知ってるでしょ。ここを再開発するには林屋と駐車場は絶対外せないのよ。今に見てご覧なさい、ここに日本一高いタワーが建つのよ」

▶︎ジョー「東京タワーより高いタワーがこんな場所に建つわけないじゃないか!ドブ川も流れてるし。段平のおっちゃんはどこで寝起きするんだよ?」

◉紀ちゃん「あんな汚い川は埋め立てられて、泪橋も名前だけ残って大きな幹線道路が走ることになるわ。段平のおっちゃんはイメージが悪いから施設に入れるの。」

▶︎ジョー「紀ちゃん、やっぱり頭おかしいぜ」

◉紀ちゃん「矢吹くん、これ見て。昨日、三菱と住友が白紙の小切手を置いていったの」

▶︎ジョー「本物……?紀ちゃん…!。いや、紀子さま、頭おかしいなんて言って、本当に申し訳ありませんでした。これからは何でも言うこと聞きます」
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そんなやり取りがありました。

いや、早くにボクシングを辞めて正解でしたね。

命を賭けて戦ったあのホセ・メンドーサも今じゃネットで「BOXRECを見ると大した相手に勝っていない」「団体分裂時代の過大評価王者の典型」「殿堂入りできないのも当然」ですからね。

ありがたいことに、フォーブス誌の世界長者ランキングで1位に数えてもらってますが、このチャンピオンは世界に1人だけですから気持ちがいいものです。

去年は総資産2000億ドル、約20兆円でしたかな。

ボクシングのファイトマネーなんパッキャオやカネロでも1000万ドル、10億円単位の世界ですからね、とっとと辞めて正解でしたよ。

あのまま続けてたら、重度のパンチドランカーになって、今頃場末の施設で廃人生活だったかもしれません。

今でも紀子CEOには頭が上がりません。あの原動力は、恋敵の白木葉子さんを出し抜こうという思いからだったのかもしれません。

白木財閥を吸収合併したときは何度もガッツポーズしてましたから。 
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この質問と回答は興味深いです。 結局のところ、このブログの読者はボクシングをかじった程度の脳内ボクサーばかりなのかもしれませんね。そんな気がしてましたが
 
2021-03-06 15:30:08 返信編集 村田では 118.17.36.20


「ボクシングは衰退スポーツ」と書いてきましたが、このスポーツほど「実践未経験のファン」が多いスポーツはないでしょう。

グローブを着けているとはいえ、相手の急所を狙って一撃を繰り出すスポーツなんて「実践経験」がある方が少数派なのは当たり前です。歴史的な伝統がなければ、犯罪です。

経験があるやつの方が、どうかしてます。普通の家庭なら「ボクシング部に入る」と言って、普通に「がんばれよ」と返してくれる家族はいないんじゃないでしょうか。

実践経験者は、家族や友人が眉をひそめるのを説き伏せるなり、ごまかすなり、私の場合はそんなことを想定して親には内緒で始める人がほとんどでしょう。

選手や関係者が買う割合は「陸上競技マガジン」と「ボクシングマガジン」では劇的に違うでしょう。ボクシングは非常に珍しいスポーツジャンルです。

それでも「ガチンコ」(実はこの番組、私はよく知らないんです。ほとんど見てなかったので。竹原慎二が出演してるのも知ってましたが、もともとテレビはあまり見ないこともありますが、何かピンとこなかったのかもしれません)や、飯田覚士を輩出した〝たけしの番組〟(これもすみません、あまり見てない)など、突発的な〝事件〟をキッカケにプロボクサー志願者は間歇的に急増してきました。

飯田はセンスはあるけど何かが足りないと思いながらも、後楽園ホールや深夜のボクシング番組で応援してましたが、まさか世界王者になるとは、天晴れでした。

そんなキッカケから、ライセンス発行数が急に跳ね上がるのはJBCの公表数字を見ても、はっきりと見て取れます。

それはテレビを通じて多くの少年の鬱積したハートを刺激したわけですが、史上最大のトリガーは「あしたのジョー」でした。

「ジョー」をリアルタイムで知らない私ですが、間接的には知っていました。母親方の田舎に遊びに行った時に、親戚のお兄さんが庭にサンドバッグを吊るしてパンチを打ち込んでいるのをはっきり覚えています。

私はせいぜい小学校に上がるかどうかの年齢で、お兄さんもせいぜい高校生だったと思います。

「あしたのジョーに憧れて、おかしくなってんねん」と、周囲は呆れていました。

しかし、私は「あれを叩きたい」「あれを叩きたいと思わないやつがいる方が不思議」と確かに思いました。

矢吹丈の話です。矢吹丈は、あのリングで死んだのか?

もし、死んでなかったのなら…そのあとどんな人生を歩んでいたのか?
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矢吹ジョーは真っ白な灰になって死んでしまったのか?

これは、いろんな意味で「青春のテーマ」です。

語り尽くされてるはずなのに、現実は何一つ語りきれていない、まさしく青春のテーマです。

だから、三島由紀夫やよど号ハイジャック犯のような「幼稚」な頭脳が恋い焦がれるのでしょう。

そして「矢吹丈があのリングで死んだのか?」を真剣に考えたくなる、あなたも「幼稚」です。

「幼稚」と「青春」の違いは何でしょう?

「幼く稚拙」が「幼稚」であるなら、幼稚は青春の同義語です。
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矢吹ジョーは真っ白な灰になって死んでしまったのか?

その問いに明確に答えられるのは、ちばてつやでも無理でしょう。地獄の底から高森朝雄を引きずり出してきても、答えは分からないでしょう。

ただ一つ「ジョーは燃え尽きた」ということ以外は。

私は、もちろん「矢吹丈は死んでない説」です。

ただ、きっと〝死亡派〟はもちろん〝生存派〟にも唾棄される〝死んでない説〟ですが…。

「あしたのジョー」の「少年マガジン」連載期間は1968年1月1日号から1973年5月13日号です。

矢吹ジョーが「真っ白に燃え尽きた」のは1973年です。 


現実の1973年は、すでにWBAからWBCが分離して5年も経っているのです。

バンタム級王者も最後の「議論する余地のない王者」エンリケ・ピンターが倒されロメオ・アナヤ(WBA)とラファエル・エレラ(WBC)に分断したのが、まさに1973年でした。
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あの日の日本武道館、ホセ・メンドーサが腰に巻いていたのが、WBCなのかWBAなのかは識別できません。しかし、着用していたグローブは「メキシコ製」で、おそらくレイジェスでしょう。
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時代検証と、様々な状況証拠を集めると、ホセは「議論する余地のない王者」ではなく、WBC王者だったと推測できます。

そして、未来を見据えた正確な展望を持っているのは多くの場合、女性です。林紀子です。
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ボクシングの試合は、基本的にカネがある方のホームで行われます。

常識的に考えれば、挑戦者は王者の牙城に攻め入るべきです。あるいは、ホーム&アウエーで2試合。

しかし、そんなお花畑の寝言はボクシングでは通用しません。

日本人が戦った世界戦のほとんどが国内で行われていることからも、誰にでもわかることです。

もちろん、外国人の王者や挑戦者にとってもファイトマネーが高い日本で戦えることは望むところ、理想的なWin−Winの関係です。 

しかし、ある意味でボクシングよりも世界に対して閉鎖的だった野球やサッカーが、米国や欧州の「最高峰の舞台」を目指すようになり、80年代までギリで「世界で戦う日本人」の象徴だったボクシングは置いてけぼりを食っています。

世界チャンピオンの前にヘンテコなアルファベットがくっ付き、いつも日本で行われる世界タイトルマッチを繰り返す…。

興行側は「野球やサッカーのような最高峰の本場で戦う姿を見せなければならない」と考えるのは当然で、選手側も「欧州のトップリーグやMLBで活躍するように、ラスベガスで戦いたい」と希求するようになりました。
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最も高額のチケットは転売されて35万1000ドル。米国のメガファイトから伝えられるニュースに「バンタム級でも似たことが起きる、だって同じボクシングだから」という無知な発想も刺激しました。

サッカーや野球は、日本にはありえないような大きな舞台が海外に存在します。

しかし、日本人にとって、特に軽量級のボクシングではそんなものは一切存在しません。歴史上、一度も存在したこともありません。

ビッグイフですが、もしマニー・パッキャオが日本人なら、オスカー・デラホーヤ戦までのほとんどの試合は日本で挙行されていたでしょう。 

「デラホーヤ以降」は日本では用意できないファイトマネーがPPVで保障される米国のリングがメインになるでしょうが、それでも日本での凱旋試合は定期的に行われたでしょう。

フロイド・メイウェザー戦は、日本のメディアや企業が総力をあげて〝村田諒太〟を凌駕する巨大な神輿を組み上げ、東京ドームに強引に招致したかもしれません。

プロボクシングはアマチュアではありません、プロである限りカネがある場所で戦うのは当然、そこで用意される報酬が視聴者から集金したPPV であろうが、ハメドや西岡、井上のような母国からの手厚いバックアップであろうが関係ありません。

選手報酬で1位でない大坂なおみが世界最高報酬の女子アスリートに君臨しているのは日本企業から巨額のスポンサー収入を得ているからです。

東欧や南欧、東南アジア、アフリカ、中南米で生まれるのと、日本で生まれるのとではその収入は全く違うのです。

日本の有力プロモーション、巨額のテレビ放映権という後ろ盾がないままの井岡一翔の値段(2018年9月8日:THE SUPER FLY@カリフォルニア州イングルウッド)は、2万5000ドルでした。 

当時、三階級制覇の井岡は日本やアジアのボクシングファンで知らない人はいないビッグネームでしたが、軽量級への関心が異常なまでに低い米国では全く無名。アジア人であるハンディを差し引いても10万ドルの値札はとても付けられないのが現実です。

昨年末の「井上尚弥vsジェイソン・マロニー」で、その報酬について大橋秀行会長は「コロナの中でも当初の提示どおりの100万ドル。このまま防衛戦を重ねていけば天文学的な数字になる」と語ってしまいましたが、トップランクやカリフォルニア州アスレティックコミッションから井上の報酬は明らかにされていません。

現在、スター街道を走っているテオフィモ・ロペスがトップランクが次戦の報酬として提示した125万ドルに不満を爆発させたニュースを聞いて、井上信者は何を思うのでしょうか。

ESPN本体ではなく配信サービスで提供されたバンタム級の試合で100万ドル。リング誌やESPNなどの専門メディアでも戦前予想や記事も極めて少なく、ひっそりと行われひっそりと終わったあの試合で100万ドル。

前例は少ないものの、ハメドのケースと構造は同じです。パッキャオのように力づくでアメリカをねじ伏せる方が格好良いのは当然ですが、ボクシングはビジネスの世界。

高額の〝憧れ料〟は、日本のファンを喜ばせる〝演出料〟です。

日本人なら誰でも〝演出料〟を支払ってくれるスポンサーはつくわけではありません。日本で認められたから、世界への切符が用意されるのです。売れないミュージシャンに、ニューヨークでレコーディングのご褒美なんてありえません。

プロとして胸を張って良いことです。

テニス世界ランク40位以下の錦織圭が、世界アスリート長者番付で並み居るスター選手を抑えて40位にランキングされているのを揶揄する人はどこにもいません。

当たり前です、何も恥ずかしいことをしていないのですから。むしろ、プロとして全く誇らしいことです。

では、どうして西岡や井上には批判も出てしまうのでしょうか?

簡単な話です。「米国に需要があって100万ドルが用意された」ような誤解を意図的に誘導したからです。最初から、ありのままで良かったのです。

「あのタイソンやパッキャオが上がったMGMグランドのリングに西岡が上がります。これ、本当に大変なこと、大偉業なんです」ではなく「ビッグファイトでお馴染みのガーデンアリーナではありません。ボールルーム(宴会場)です。報酬も日本の半分以下と聞いています。しかし、ここでラファエル・マルケスと戦う価値はそんなものでは測れません」で良かったんです。
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それにしても、日本人は恵まれています。

トップランクの秘蔵っ子としてついにスターの階段に足をかけたテオフィモ・ロペスですら自分の待遇に不満を爆発、ボブ・アラムへの不信感をあらわにしています。

テオフィモが日本人なら…井上ですら100万ドルですから5〜6倍の収入が約束されていたでしょう。

23歳のテイクオーバーは自身が望んだとはいえ、ジョージ・カンボソス戦の競争入札の結果に「600万ドルで落札してくれたトリラーに感謝する」と喜ぶ一方で、3社競札で最低価格を提示したトップランクに「正直、傷ついた。マッチルームが参戦すると聞いて、トップランクは戦ってくれると思ったのに」と幻滅しています。

“(Top Rank president) Todd duBoef once said a couple of years ago that the promoters don’t need the fighters. I’m sure he’s thinking about that now. We’ll see.”

「これはビジネス。ファイターがプロモーターを必要としているように、プロモーターもファイターを必要としているはずだ。しかし、数年前にトップランクのトッド・デュボフ会長は『プロモーターにファイターは必要ない』と口にした。今もそのつもりなら、こっちもそのつもりだ」。

喧嘩腰です。

スター育成に定評のあるトップランクは、テオフィモも温室促成栽培で売り出します。

「ブルックリン育ちのホンジュラス移民の子」として、デビューはパッキャオの前座を用意。WBCコンチネンタル・アメリカ、NBAF、USBAなどのタイトルを与えながら15戦目で世界挑戦、16戦目でPFPキングのロマチェンコ攻略と、トップランクが路線図に描いた線路を着実に(vs中谷正義は違うけどな!)トレースしてきました。

トップランク側には「うちが育てなきゃ今頃どうなってたかわからない」という自負があるでしょう。

テオフィモには「俺がトップランクのエースじゃねえのか?」という自信があるでしょう。

選手とプロモーターの確執、これは永遠になくなることはありません。

〝アリ法〟以前の〝奴隷契約〟の時代よりはマシとはいえ、無名相手とはいえテオフィモの完全統一王座の初防衛戦。125万ドルはないと思います。

競札でトップランクの提示額が飛び抜けて低かったというのも、そりゃショックでしょう。

日本に呼んであげましょうか、テオフィモ。もちろん、リング誌を含めた5つのベルトは置いて帰ってもらいますが。 
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「4団体17階級」 は王者を大量生産する狂乱の時代です。

他団体の不義を糺すため、正義の王者を打ち立て、ボクサーの安全・健康と適正なパフォーマンス発揮にために階級を細分化している、という見方も1億歩くらい譲れば、そういう状況も考えられるかもしれません。

しかし「4団体17階級」時代の本当の闇はそこではありません。

それだけなら、WBAからWBCが分離独立した1960年代から続く承認団体の大義名分、正義の問題と本質は変わりません。団体と階級が増えただけですから。

それでも「同一団体複数王者」は、どんな理屈も通用しない狂気の沙汰です。

「我が団体の王者こそが本当の王者」なら、まだありえる主張ですが「我が団体には王者(No.1)が複数いる」となると、もはや重度な精神病、脳障害です。

4−Belt Eraとは、17階級にわたってアルファベットが組み合わされた世界王者が粗製乱造されているだけでなく、同一団体の中でスーパーやフランチャイズ、ダイアモンドなどの冠王者が都合良く増殖されてりる時代なのです。

ボクシングほどわかりやすくて、衝撃的な結末が用意されているスポーツはありません。

しかし「誰が一番なのかは誰にもわからない」という、スポーツにとって致命的というか、スポーツとしてはありえない状況が当たり前に常態化してしまっているのです。

マイナーの谷底に叩き落とされ、1970年代のスポーツ界ですでにDying industry(衰退する産業)の烙印を押されていた、ボクシングはいまや瀕死の状態。蘇生の最も有効な治療法は新しいファンを増やすことですが、ボクシング同様に〝老い先短い〟年配のマニアが支えているのが現実です。
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こんな惨状で、最もスポーツライクで、最も分かりやすいLINEAL CHAMPIONが間歇的に脚光を浴びるのは自然の流れなのかもしれません。

The adjective “Lineal” is in reference to the manner in which titles in prize fighting traditionally passed from one champion to the next via contests in the ring – commonly described as, “the man who beat the man.”  

"Lineal "はプロボクシングのタイトルがリングの中で防衛か簒奪かで決定される伝統である 。「王者を倒した者だけが王者」という至極真っ当な考え方だ。

“the man who beat the man.”  〜王者を倒した者だけが王者。

この、目には見えませんが、概念としては最も単純明快な王者、それがLINEAL CHAMPIONです。

もちろん、王者の引退などで空位になった場合は決定戦が行われますが、ランキング1位と2位で争われる場合のみ新王者が誕生します(特別な事情が認められた場合は1位と3位)。

見覚えのあるレギュレーションです。

そう、リング誌のチャンピオンシップがLINEAL CHAMPIONの考え方に則っています。※「リング誌王者はリネラル王者か?」という問いの答えはYesとNOです。これまでにも何度かやったお話な気がするので、ここでは先を急いで割愛。
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昔、むかしのボクシングファンはジョン・L・サリバンからモハメド・アリまでLINEAL CHAMPIONの名前を誦じて、自分の子供たちにも語り継いだといいます。

私がボクシングを見るようになって40年、LINEAL CHAMPIONが大きな話題になったのは二度、最初は80年代中盤のマイケル・スピンクス、そして2010年代後半のタイソン・フューリーです。

スピンクスはWBA/WBC/IBF王者マイク・タイソンに、フューリーはWBC王者デオンティ・ワイルダー に〝挑戦〟するときに LIEAL CAHAMPIONとして紹介されました。

「タイソンは完全統一王者で The Undisputed champion=議論する余地の無い王者、他に王者なんていない」。

「長いブランクを作って無冠になったフューリーが正統王者だなんて屁理屈だ」。

多くのファンは戸惑いました。

自己都合でタイソン戦を後回しにしてIBF王座を返上したスピンクス。引退宣言までしてリングを離れたフューリー。

アルファベット団体はさっさと決定戦を行い新王者を作りましたが、リング誌はスピンクスの王座を剥奪せず、フューリーも規定の18ヶ月の経過と本人にリング復帰の意思が無いことを確認するまで王座を空けませんでした。
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腐敗と混沌の4−Belt Eraだから関心を集めるLIEAL CAHAMPIONですが、もはやここまで王者の価値が失墜してしまうとファンの興味は「誰と誰が戦うのか?」に尽きてしまっています。 

ボクシングファンなら誰もがのめり込んで見たに違いない「メイウェザーvsパッキャオ」ですら、あの試合に賭けられたタイトルを正確に覚えている人がどれだけいるでしょうか?

いたとしても、タイトル争奪への関心がどれほどあったでしょうか?
 
LIEAL CAHAMPIONとは畢竟、タイトルへの最高の尊敬を具現化した概念です。形としてないのに具現化なんて、全くおかしな話ですが。

タイトルへの尊敬が限りなく軽くなっている時代、LIEAL CAHAMPIONの持つ意味もまた希釈されてしまっているのです。

王者乱立時代でも大きな存在感を示してきたThe Undisputed championですら、4−Belt Eraではバーナード・ホプキンスとテレンス・クロフォード、アレキサンダー・ウシクと人気の無い選手が実力証明するコレクションに成り果てました。

そして、このコレクションをコンプリートしても、けして人気の頂点には近づくこともできないのです。

「テオフィモ・ロペスはライト級としては十分人気があるぞ」というかもしれませんが、あれは「The Undisputed championになって人気者になった」のではありません。「人気者がThe Undisputed championになった」のです。

もっと正確に言うと、テオフィモは本来はその条件が揃っていなかったにもかかわらず「人気者だからThe Undisputed championにしつらえてもらった」のです(彼をThe Undisputed championと認めるなら、ですが)。



さて、LIEAL CAHAMPIONです。このチャンピオンシップ制度で最も尊敬すべき称号が話題に上がるのは、ヘビー級に限定されているといっても過言ではありません。

ジョンLサリバンからモハメド・アリ。スピンクスやフューリー…全部ヘビー級です。

では、LINEAL CAHAMPIONはヘビー級にしか生息しない概念なのでしょうか。

そんなことはありません。

広義では「王者を倒したものだけが王者」。それがLINEAL CAHAMPIONですから、17階級のどの階級にも存在します。

ただし、やはり伝統的にヘビー級は別格、ヘビー級だからこそジョン・L・サリバンへの関心が強烈なのでしょう。

ジョン・L・サリバンは、ボクシングファンなら誰でも聞いたことがあります。 

他の階級でジョン・L・サリバンは誰に当たるのか?

この問いに、一つの階級でもいいから、自信持って言える人が何人いるでしょうか?

というか、歴史的に一貫したリミット体重を持たないケースも多いヘビー級以外の階級で「誰が最初の一人か?」を決めるのは無理難題です。

団体分裂後に創作されたジュニア階級やストロー、クルーザーなどのクラスは「最初の一人」ではなく、複数の始祖を持つわけですから、一本道(LINE)であるはずのLINEAL CAHAMPIONの〝始発駅〟が複数あるのですから、非常にややこしい話になります。

その、非常にややこしい話をバンタム級で始めます。

オリジナル8に数えながら、黎明期は体重リミットが安定せず、呼称も一定しなかったバンタム級の始発駅をどこに定めるか…誰にもできませんが「こいつは LINEAL CAHAMPION 」と認めることができる王者を見つけることは簡単です。

そこから始めましょうか。 
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◉WBCジュニアライト級タイトルマッチは、圧倒的有利の専門家予想を覆して王者ミゲール・ベルチェルトをオスカー・バルデスが衝撃的なノックアウトで圧勝を収めました。
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試合後に救急搬送されたベルチェルトのコメントは入っていませんが、オープニングから飲まれていた感は否めません。

最初の3ラウンドに手数が出なかったのは「王者の余裕・偵察」や「体調不調「などではなく、バルデスのスピードと動きに戸惑っていただけでしょう。

「(3ラウンドまで)全部持って行かれてる」というコーナーの発破に、4ラウンドに強引に出たのも失敗でした。精神的に飲まれて、相手のスピードと攻撃に戸惑ったままで、強引に前に出たらどうなるかは明らかです。

結果論ではなく、4ラウンドを迎えるインタバルの間で、王者から「現時点では全く対応できない、見えない」と伝えられたら、もうポイントは失ってもいいから中盤まで危険な賭けには出るべきではありませんでした。

「バルデスは飛ばしてる。とにかく決定打をもらわずに失速を待つ」べきでした。もちろん、それでも負けてたと思いますが、あの結果はなかったでしょう。

もちろん、戦前予想は圧倒的有利、オッズも大きく引き離してた中で序盤で明白なリードを許したベルチェルトには「王者の意地を見せたい」という焦りはあったでしょうが、それを抑えるのがコーナーの役目です。

チーム・カネロの見立ては正鵠を射ていました。

「ジャブの差し合いでも勝てる。20㎝のリーチ差(実際の差は14㎝)があっても関係無い。ジャブの差し合いを決するのは打ち出すスピードではない。一番がタイミング、次に引く速さ。ベルチェルトの打ち出しは遅くはないが引くのは笑うほど遅い」(エディ・レイノソ)の見立ては、ベルチェルトの試合を見たことがあれば素人でもわかることでしたが、王者の速くて強いジャブとそれに連なる右強打に、これまでの対戦者はそこを突くことは出来ませんでした。

ベルチェルトのリードは伸び切っちゃいますから…。引くのは遅い。優勢の場面ではあの伸びるジャブも有効なのですが、強い相手には危険すぎます。

そして「ベルチェルトは打たれ弱い。フランシスコ・バルガスの粗い攻撃には耐えられても、バルデスの精度には破綻する」というのもその通りでした。

「ベルチェルトはクラスジョー」とは言われていても、ノックアウト負けは7年前の一度だけで、カネロ陣営の指摘は陽動作戦にも思えました。この理屈ではマニー・パッキャオも打たれ弱いことになります。

ただ、レイノソ親子はゲンナディ・ゴロフキンとの2試合がそうだったように、ブラフで相手を牽制することはしません。「言葉で駆け引きしたり威嚇はしない。我々は作戦を実行するだけだ」。

ESPNでも「最大の差はコーナー」と、ベルチェルトのトレーナー(ローマン・アコスタ)を不安要素に挙げていましたが、今日はエディ・ファッチがついていても勝てませんでした。

おそらく、チーム・カネロにはベルチェルトの練習段階からの情報が事細かく入っていたのかもしれません。

体格では王者が身長170㎝/リーチ182㎝、挑戦者は166㎝/168㎝。バルデスの接近をある程度は許すと見ていた専門家でも、ジャブの差し合いで負けるとは想像してなかったのでしょう。

Teddy Atlas @TeddyAtlasReal They are both tough but Valdez smarter, makes the difference. Sweet Science.

二人とも強いけど、バルデスの方がスマートだった。その差が全て。これぞ「ボクシングは科学」だ。(テディ・アトラス) 

カネロ・アルバレスは村田諒太がいずれ倒すとはいえ、ディスシプリンばかりが特筆されるレイノソのメソッドが正確で冷徹な観察眼に基づいていることをあらためて思い知らされました。

村田の敵はカネロだけではありません。

今日は、ベルチェルトの捨て身の攻撃に守勢に回るシーンもありましたが、あれは「パッキャオのデラホーヤ」です。次の試合では、更に逞しくなってるでしょう。

試合後にシャクール・スティーブンソンが対戦アピールしましたが、ボブ・アラムはいろんな意味ですぐにやらせないでしょう。



特に、日本のボクシングファンには難攻不落に見えたベルチェルトの今後は難しいかもしれません。

「魔法のガウン」は大袈裟ですが「強くて速くて巧くて打たれ強い」は、今日で全否定されました。特に、打たれ弱さは、ベルチェルトをますます臆病にさせ、これからの対戦相手を勇気付けることになります。






エイドリアン・ブローナーは現代の〝狼少年〟である。日本のボクシングファンはもうとっくに見限ってるが…。
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このブログでも繰り返していますがパンチスタッツは試合の実態を表しません、表すとは限りません。しかし、今日の試合はかなり近似していたように見えましたが…。

This time is different.今度こそ心を入れ替える。

エイドリアン・ブローナーは現代の狼少年です。ここまできたら、日本のボクシングファンとしてはもはや喜劇として楽しめています。

直近のマニー・パッキャオ戦だけは、厳しいキャンプもこなし、計量でもシェイプアップした肉体を披露しましたが、あの試合内容で判定に不満を爆発させ醜態を晒したのは〝さすが〟でした。

This time is different.今回もそうアピールしていました。

「ボクサーとして規律を失っていた。人間として道を外してしまった。しかし、セカンドチャンスは絶対にものにする」。

はぁ…??????

おいーーーーー!!!!!、お前、セカンドちゃうやろぉおおおおおおお!!!!!!サードでもフォースでもないやろぉおおおおお!!!!!!(おいでやす小田)。

このブログの読者に紹介する必要はありませんが、ブローナーは“The Problem” の異名でダニエル・ポンデ・レオンに僅差の判定勝ちで「大番狂わせでヒーロー誕生」(リング誌)と報じられた時点で…胡散臭さ満点でした。

ダニポンに番狂わせって、アンダードッグやったんかいやーーーッ!!!!!しかも、僅差で勝利って、それで持ち上げるって、リング誌ぃーーー、そこまで落ちたんかぁーーーー!!!!!(おいでやす小田)

あれが、ちょうど10年前。「おいでやす」の存在は知りませんでしたが、私はリング誌に絶叫で突っ込んでいました。

そして「こいつ、絶対、ニセモンやからーーー!!!!!」と確信していました。そして、フシ穴の眼の見立てには珍しく、ブローナーは過大評価のバッタもんキャリアを脇目も振らずに邁進してくれたのでした。

パックマンから生き延びてから2年。その間も“The Problem” は自分に対しての“The Problem” であり続け、今日復帰のリングに上がりました。

Of course !This time is same too! もちろん、今回も“The Problem” は期待を裏切りません。

無敗だけどまともな相手とは一度も戦ってないジュニアウェルター級のジョバニー・サンティアゴを迎えたウェルター級12回戦。

まず、計量は無事クリア。試合も判定勝ち。

31歳の君は同い年のサンティアゴを大差判定で下しました。まだ31歳だったんですね。まだ、心を入れ替えたら十分やり直せる年齢ですが、今日の動きはどうしようもなかったというか…負けてましたね。

微妙なラウンドを引き込んで、負けてるラウンドもジャッジの座ってる角度からは勝ってるように見えることもありますから、これもボクシングです。

今なら、バルデスはもちろん、ベルチェルトにも負けるでしょう。3階級下ですが。

しかし、なにはともあれアドリアン・グラナドス戦(2017年2月18日)以来、4年と2日ぶりの勝利でした(あの試合を勝利とするなら)。

おめでとう、そしてありがとう、AB。フシ穴の眼の私の予想通りなのは君だけだ。しかも、10年間も期待を裏切ることなく、頑張ってくれた。

申し訳ないけど、私は君が1年以内にまた逮捕されると予想してしまってます。予想が外れても構いません。AB、捕まらないで、逃げ切ってくれ!

そして、真面目な話です。本当に真面目な話です。

ボクシングでヘタレでも、人生でヘタレでもいい。何度も試合を見たABはグレートとは呼べなくとも、私の中では面白いキャラクターです、失礼ですが自分を見てるようで親しみすら感じています。

絶対に死ぬな、殺されるな、年上の俺よりも長生きしてくれ。
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