カテゴリ: プロ野球

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野球やサッカーの世界最高峰の舞台と比べてしまうと、ボクシングのメガファイトがみすぼらしく見えるのは仕方がありません。

それがメジャースポーツと、マイナースポーツの大きな差です。

映画「クリスティー」で主演をつとめるシドニー・スウィーニーらも大谷翔平の大ファン。セレブの間ではMLBやNFL、NBAといったメジャースポーツの最終決戦の観客席は〝花舞台〟の一つです。

もちろん、モハメド・アリの時代までヘビー級タイトルマッチは、世界最大のスポーツイベントの一つでした。

アリほどではないにせよ、10年前の「フロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ」の観客席には錚々たる顔ぶれが集まっています。

ロバート・デニーロ、クリント・イーストウッド、デンゼル・ワシントン、マーク・ウォールバーグ、ビヨンセにジェイZ、マイケル・ジョーダン、トム・ブレイディ、シュテフィ・グラフとアンドレ・アガシ、のちの大統領ドナルド・トランプ…思いつくままで挙げましたが、まだまだいました。

ドジャースvsブルージェイズと比べても、観客席対決ではメイパックの圧勝でした。

ただ、もうあれほど注目される本当の意味でのメガファイトは2度と開催できないでしょう。スターが絶滅しているのですから。




さて、それでも個人的にはワールドシリーズやスーパーボウルの華やかなメジャースポーツの宴よりも、ボクシングのスーパーファイトの方がワクワクします。

村田諒太は引退してしまいましたが、ゲンナジー・ゴロフキンに勝って、当時のカネロ・アルバレスも撃破していたら、どれほど胸を振るわせたことか、想像もできません。

日本人が正真正銘、本物のスーパースターと戦えるチャンスは、次にいつ訪れるでしょうか?

カネロを最後にスターは絶滅したのですから、もうそんなチャンスは永遠に訪れないということでしょうか…。


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そりゃ、ドジャースを応援してました。

大谷翔平の勝利への執念、伝説になるだろう山本由伸の大車輪、佐々木朗希のチラ見せ…日本のスポーツファンにとって最高のポストシーズン、最高のフィナーレでした。

ただ、最終決戦のGame seven を見ていて「トロントが勝つべきだ」と複雑な思いにもなっていました。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」と最初に語ったのは、野村克也ではなく肥前平戸藩第9代藩主の松浦清でしたが、ドジャースの優勝はまさに「不思議の勝ち」でした。

そして、ブルーの惜敗は「不思議の負け」などではなく、試合の主導権を握りながら追加点を奪えず、長距離砲を擁するドジャースの射程距離から離れられないままクロスゲームを続けてしまった「負けるべくして負けた」敗北でした。

「大谷にホームランを打たれても良い。前に勝者を出さずにソロならOK」という戦略はうまく機能していましたが、最終決戦では同点延長戦に突入して「ソロならOK」ではない状況を作ってしまいました。

負けるべくして負けました。

それでもね…シャーザーまで泣かんでくれよ。

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カナダの友人から頂いたティム・ホートンズ⬆︎。激闘の舞台となったトロント・ロジャースセンターにも大きな広告を出していたので、見覚えがある人も多いのではないでしょうか。

濃厚でまったりした味わいのコーヒーなんですが、今日の味は真面目な話、苦く感じます…。




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ゲレーロJr.の涙を見て、こっちも泣けてきました。

「大谷まで回せ!」と日本のファンが祈っていたロハスに、トロントの守護神ジェフ・ホフマンがまさかの同点ホームランを浴びてしまいました。

ブルーはやるべきことをやって敗れました。ドジャースは山本由伸を火消しに起用するスクランブル。

ゲレーロJr.を筆頭に、主軸がしっかり仕事をしたトロント。一方のLAは大谷翔平の火力は相変わらずムラっけが目立ち、ベッツとフリーマンのバットは湿ったまま。

普段通りの野球が出来ていたのは、誰が見てもトロント。決戦のGame sevenでも悲劇の間際まで、ブルーが主導権を握っていました。


2025 World Series: Game 7 win cements Dodgers’ dynasty

ESPNは「ドジャースがワールドシリーズ・ゲーム7を制して王朝を確立した」と報じましたが…。

ーーーいやいや、そこまで強くなかったです。最後の最後までヨレヨレだったじゃないですか!



In a World Series finale for the ages, Dodgers cement their dynasty in win over Blue Jays

ロスアンゼルスタイムズも「歴史的な激闘を制してブルージェイズを倒したドジャースは絶対王朝を確実なものにした」。

ーーー救援陣が壊滅、勝利の方程式を最後まで見つけることのできなかったチームが「王朝」なんてありえません。ドジャースは不完全なチームでしたが、非常に運が良かった。



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【左の画像】まさかの敗北に父親にしがみついて泣きじゃくる少年(トロント・スターから)


トロントがニューヨークを粉砕し、ロスアンゼルスまで打ち倒していたら…。米国の東西に君臨する悪の帝国二つをねじ伏せ、永遠に語り継がれるカナダのスポーツ史上最高の物語が完成するはずだったのに…。


Blue Jays' World Series run ends in heartbreak

The Toronto Blue Jays lost to the Los Angeles Dodgers in Game 7 of the World Series, ending their magical season.



カナダで最大の発行部数を誇る日刊紙トロント・スターは「ブルージェイズの快進撃は悲劇的な幕切れで終わってしまった。最終決戦のゲーム・セブンでドジャースに惜敗、トロントの魔法が解けてしまった」。

ーーーヤンキースとドジャースを撃破して世界一。現在のMLBで、いや、現在のスポーツシーンでこれ以上の物語はあり得ません。

最高の物語を完成させるのに必要なアウトは、あと2つだけだったのに…。


Blue Jays World Series recap, highlights: Toronto’s magical season ends with heartbreaking extra-innings loss to Dodgers

国営放送Canadian Broadcasting Corporation(CBC)は「ワールドシリーズの総括とハイライト:ドジャースに延長戦でまさかの敗北。トロントの魔法の季節が終わってしまった」。

ーーートロント・スターもCBSもMagical Season(魔法がかかったシーズン)と表現した、今年のブルー。

昨年、ア・リーグ東地区でヤンキースに20ゲーム差をつけられ最下位に沈んだトロントが、カナダ中に大旋風を巻き起こし、そのヤンキースを飲み込み、ドジャースを崖っぷちまで追い詰めたのですから「魔法」と呼んでも全く大袈裟ではありません。



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多くの日本人選手が出場して例年以上に注目して観戦した今年のポストシーズン、いやあ面白かった!!!



最後に…「永遠に語り継がれるカナダのスポーツ史上最高の物語が完成するはずでした」なんて書いてしまいましたが、二つ訂正させてください。

まず、敗れたとはいえ、トロントのマジカル・シーズン2025は永遠に語り継がれます。彼らはとにかく、素晴らしかった!

そして、26歳のゲレーロJr.たちが主人公の物語は、まだまだ終わっていません。

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Game seven


大勝負を表現する言葉は数えきれないほどあります。

ボクシングならThe を頭に付けて Fight や Showdown、Super Fight、ClassicにOnce For ALL…などは日本でももよく知られた〝大勝負〟です。

そしてMLBやNBA、NHLのポストシーズンでよく聞くのが、Game seven。

7戦4勝獲りのシリーズで、最高潮のクライマックスは、当たり前ながら3勝3敗で迎える第7戦、Game seven です。

阪神タイガースには遠すぎた Game seven 。そして、これから火蓋が切られるトロントとロサンゼルスのGame seven。

ボクシングでは1勝1敗のタイで迎える決着の第3戦、ラバーマッチがそれに近いかもしれませんが、短期間で一気の最終決着、勝った方が優勝というドラマは団体競技のGame seven でしか味わえません。

シュガー・レイ・レナードとトーマス・ハーンズの「The Showdown」を、海外メディアはebb and flow と描写し、ジョー小泉はそのまま受けて「寄せては返す波のよう」と、史上最高試合を表現しましたが、そんなドラマが9日間、7試合で堪能できるのです。

プレイヤーにとっての達成感、恍惚は個人競技の方が優りますが、団体競技にはGame sevenに代表される最後の総力戦がファンをそうしようもなく惹きつけます。

そして、トロントがあれほど熱狂的な都市だったとは知りませんでした。

BEAT LA に燃えるトロント、いいです、素晴らしいです。



これで、今年の野球はおしまい。

大谷翔平が中三日で先発。もうすぐプレーボール、しっかり楽しませてもらいましょう。
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セのレギュラーシーズンであれほど強かったタイガースが、投打で勝負弱さをさらけ出して1勝4敗で終戦。

まさかまさかの甲子園で3戦全敗。

24連勝無敗の田中将大が敗れ、レギュラーシーズンで1点しか失わなかった石井大智がツーランを放り込まれる、それが短期決戦です。

DH制を敷くパの方が強い投手、強い打者を育てるというのはその通りでしょう。

パにも熱心なファンが増えたことも、セへの複雑な感情を消し飛ばしています。

それでも、だったら去年のベイスターズはどう説明するのか?

日本シリーズのような実力差の小さい戦いで、勝敗を分けるのは広い意味での勢いだけ。

タイガースは最後まで勢いをつかめなかった。

たまたま勢いに乗れなかっただけ。負けたというよりも勢いに乗れなかった、それだけ。

もう一回、日本シリーズしたら必ず勝てる。きっと勝てる。たぶん勝てる。…まあ勝てるんじゃないかな。ちょっとは勝てる気がする。





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短期決戦は何が起きるのか、全くわかりません。


2001年アメリカン・リーグ優勝決定戦。

規格外の新人イチローと大魔神・佐々木主浩を擁するシアトル・マリナーズはレギュラーシーズンを116勝という圧倒的な成績でPSへ。

AL優勝決定戦の相手は、レギュラーシーズンを6勝3敗と大きく勝ち越しているニューヨーク・ヤンキース。

それなのに、マリナーズは1勝4敗でワールドシリーズ進出を逃しました。

今年のワールドシリーズはトロントで開幕、敵地で1勝1敗としてロサンゼルスに戻ったドジャースが大谷翔平の神懸かり的な活躍もあって2勝目を挙げ、ますます有利になったと見られていましたが…。王手をかけられた状況で敵地に突き返される事態になりました。


福岡でスタートした日本シリーズも阪神タイガースが1勝1敗で甲子園での3連戦。世界一の熱狂的な応援に後押しされて一気のシリーズ制覇もありえると見られていましたが…まさかの連敗で今日負けたら甲子園で敗退してしまうという緊急事態に。

ドジャースに昨年、世界一になった逞しさは感じられません。

タイガースに昨年、ホークスを横浜ベイスターズの開き直りは見当たりません。


しかし…短期決戦は何が起きるか全くわかりません。

終わってみれば、やはりドジャース、やはりタイガースとなっているのかもしれませんが…ドジャースのリリーフ陣の壊滅と、タイガースの貧打は次の試合で好転するとは思えません…。




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イチローから山本由伸へ。

絶妙のタイミングです。
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大谷翔平が高評価を集めているのは「1+1=2」という単細胞の足し算に行き着きます。

投手と野手を両方やるというTwo way は12歳で投手か野手を選択する米国ではもちろん、分業化が進む日本でも挑戦するプレイヤーが少ないというよりもプロでは存在しなかった、誰もそこに気づかなかったニッチなポジションです。

いわば、コロンブスの卵。あー、そういうこと?そんなんでいいの?ってことです。

競争相手が1人もいないポジションの大谷を絶賛するのは、明らかに間違っています。

絶賛や評価は相対的であるはずなのですから。

また、彼は投手と打者を両立してはいますが、打者ではDHのカラの中に引きこもっています。

投手として出場しない日は野手として出場するのが本当の二刀流ではありませんか?

サイ・ヤング賞と三冠王と守備でもゴールドグラブ賞を獲る、それなら少しはすごいと認めますが。

少なくとも、DHに逃げている時点で大谷は究極の二刀流とは言えません。

さらに見過ごしてはならないのは、大谷が投手としても打者としてもトップではないという厳然たる事実です。

同時代でも大谷よりも優れた投手や打者が存在するというのに「史上最高の野球選手」と呼ぶことには大きな違和感を感じざるを得ません。

しかし、究極の屁理屈「1+1=2」の足し算の詭弁が厚かましく闊歩しているのです。

もちろん、長打力はありますが、よく言われてるような「ものすごい技術」などでは断じてありません。

ものすごい技術の持ち主があんなに三振しますか?

大谷の長打力の裏付けは、ただの馬鹿力です。

大谷はパワーとテクニックを兼ね備えたアーロン・ジャッジとは全く違う、馬鹿力ホームラン王に過ぎません。

「1+1=2」の屁理屈が通るなら、K2がフタコブ山ならエベレストよりも遥かに高いということになってしまいます。

足し算評価がいかに無茶苦茶な詭弁か、よくお分かりでしょう。

いいですか?

大谷翔平は史上最高の野球選手では断じてありません。

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川上憲伸「ぼくも野球に全身全霊かけてたつもりですが、投手の練習だけでも時間が足りませんでした。先発で投げた翌日?そんなの体がバキバキで、打席に立つなんてとんでもない。どうしてあんなことができるのか、わかりません」。



福留孝介「自分たちが想像もしていなかった、信じられないモノを解説するって、そんなこと出来ないと思うんです。だから、ぼくにはわかりません」。



松井秀喜「自分ではこれ以上できないってくらいに追い込んでいたつもりでしたが、ぼくには(ストイックさが)足りなかったのかもしれないですね」。



落合博満「俺とどっちが上かって?そりゃ、彼の方が数段上ですよ」。



王貞治「彼は我々が見上げていたものを見下ろしているんじゃないか、ほんとに、そこまで感じますね」。


フレディ・フリーマン「彼にはパワーが足りないね…」。



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将棋には「今日の良手は明日の悪手」という格言があります。

斬新な攻め手が有効なのは、対戦相手の研究と対策が確立されるまでの短い時間だけ…。

この格言は、スポーツにおいても顕著に当てはまります。

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ボクシングの世界でも一時、史上最強の呼び声もあったマイク・タイソンはバックステップはもちろんサイドステップも踏めない、得意のヘッドスリップにもナンバリンステムの弊害である明らかな癖があり、バスター・ダグラス戦を境に〝魔法のガウン〟を剥ぎ取られてしまいました。

「下がらされたらジ・エンド」。それがタイソンの正体でした。

もちろん、タイソンを下がらせるのは至難の業ですが、精神的な脆弱さもあり、一旦決壊した堤防を修復して逆襲する勝負根性もBプランも持っていませんでした。

猪突猛進しかできないアイアン・マイクは、変幻自在のステップを駆使するオレキサンデル・ウシクとは全く別のファイターです。

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野球でも、ここ2年ほどMLBを席巻した魔球スイーパーは、多くの打者が見極めるようになりました。

いまや、スイーパーを魔球と呼ぶ人はどこにもいません。



ただし…あらゆる事象に存在するのが、例外です。


ボクシングで〝メイウェザーの血族〟らが操るショルダーロールや、野球のナックルは時代を超えて研究しても対応策が見出せないままの魔術、魔球であり続けています。

そして、ショルダーロールやナックルは容易に模倣できない、習得する練習方法が明確に示すことが出来ないことでも広く知られています。

エイドリアン・ブローナーやマーロン・タパレスが「マスターした」と勘違いしていたのは魔法陣のショルダーロールではなく、中途半端なショルダーブロックに過ぎませんでした。

危険極まりない猛毒を飲んでしまったタパレスはムロジョン・アフマダリエフが馴化すると金魚すくいの薄弱な皮膜のように破られ、ブローナーに至ってはマニー・パッキャオに早々と薄皮を突破されてしまいました。

また、ナックルボールは投げる動作がわかりやすく、打者はあらかじめ待ち構えることが出来る点でも他の変化球ではあり得ません。

ナックルを除く全ての変化球は、直球を投げるときとほとんど変わらないフォームで投げることが絶対の鉄則ですが、ナックルにはこの絶対の鉄則が当てはまりまらないのです。

さて、佐々木朗希のスプリット(フォーク)です。

その特徴は160kmを優に越えるストレートとの差が大きな、140kmという〝遅さ〟。

打者にとってはチェンジアップです。

そして…140kmという〝速さ〟では考えられない回転数の少なさが、このボールを単なるチェンジアップでない魔球に仕立てているのです。

無回転に近いボールが不規則に動いて落ちるのはサッカーでも同じ、野球ではそれがナックルです。

ただ、回転数を少なくするとするほど、球速は落ちます。それなのに朗希のナックルは140kmもあるのです。

140kmでゆらゆら落ちる〝ナックルフォーク〟。捕球するキャッチャーが戸惑い、取れないこともあるのですから、打者が打とうだなんておこがましいにもほどがあります。

ストレートの球速、ナックル・フォーク、そして制球力…どれもこれもまだまだ私たちの知っている朗希ではありません。


ユニコーンにMVP、獲られてる場合じゃないぞ!









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