フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: プロ野球

何事につけ、人にモノを教えるというのは大変な仕事、重要な仕事です。

最近ではイチローが高校生を教えて話題になっていますが、あんなグレートに教えられたら間違いなく上達します。

「ボールを最後までしっかり見て」。同じことでもイチローに言われるのとそうでないのとでは、伝わり方が全く違います。

そのイチローは、まだ〝教本〟的なものは書いていませんが、日本で最も多くの教本、指導書を出しているスポーツは、おそらく野球です。

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中には「Baseball Clinic」(ベースボールマガジン社)のような月刊誌まであります。

このBaseball Clinic、私がときどき顔を出す中学野球でも活用させてもらってます。 

私が選手時代だった80年代と大きく違う指導はほとんどありませんが、そこに「裏付け=科学的根拠」を示すことは大きな意味があります。

また、守備や打撃、走塁…様々な基本動作を体系的にまとめることで大局的な考え方、練習への姿勢が身につきます。

練習方法は細かく多様に進化していますが、そういった〝フォーマット〟が不十分な時代にも、独自の技術体系を完成させていた落合博満やイチローは別格です。

天才の天才たる所以です。
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柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

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正岡子規の有名な俳句です。

近所の柿がたわわに実っていました。
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野球好きの子規は、幼名「升(のぼる)」にちなんで、「野球(のぼーる)」という雅号を用いたことがありました。

これは、中馬庚がベースボールを野球(やきゅう)と翻訳した4年前の1890年(明治23年)のことでしたが、あくまで雅号であり、読み方も異なることから「野球」の考案者は中馬庚です。

それでも、子規がベースボールを野球と翻訳したと誤解している人がいるのは、このスポーツとの結びつきがそれほど強烈だったからです。

それにしても、一塁.二塁、三塁、本塁と「直訳」しながら、ベースボールを「野球」と意訳したセンスには感服するしかありません。

私なら「塁球」と直訳しちゃってたでしょう。

日本も米国もいよいよ佳境に入った今年のプロ野球。

我がタイガースが惜しくも優勝を逃したのは悔しいですが、2年連続最下位からあんなに逞しくしぶといチームに成長したスワローズ、素直に敗北を認めるしかありません。


最後の最後に栄冠を掴むのはどのチームでしょうか。
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日本ハムファイターズの新監督に新庄剛志が内定したと報道されています。

監督まで客寄せパンダを起用するのか、という批判は少数派で「プロなんだから魅せる監督を起用するのも間違いではない」「チャラチャラしてたようでも野球に対して真摯に向き合っていた」と概ね好評です。

虎キチとしては新庄は結構微妙な選手でしたが、プロ野球選手の中でも傑出した素質を持っていたことは明らかでした。

Jリーグが発足、全国的な人気を巻き起こしていたときに引退騒動を起こし、会見で「Jリーガーになりたい」と発言しましたが、まさにあれが新庄です。
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日本人野手として初めてメジャーに挑戦したのは、2001年のイチローと新庄でした。

「打者にとってはメジャーの球場の方が有利」。常識的には日本よりも広いメジャーの球場は、打者にとって不利です。

しかし、新庄は「日本だとファールでアウトになるところを(ファールゾーンが狭い)こっちではスタンドに入ってくれる」と、なるほどなことを言うのでした。

確かに、特に甲子園のファールゾーンは広いです。

今シーズン、大谷翔平がホームスチールを決めましたが、私がホームスチールを見たのはオールスターで新庄が決めて以来でした。

大谷が相手の隙を突いたダブルスチールだったのに対して、新庄は完全にマークされる中での単独スチールでした。

そもそも、ホームスチールを警戒される選手なんてありえません。

YouTuberをはじめ、引退選手のボクシングを茶番と断罪している私ですが、監督やコーチなどベンチでチームを指揮する仕事で、何の実績もない新庄の監督就任も茶番か?となると、これはもう茶番とは真逆のプロとして正攻法の起用だと思います。

間違いなく、選手よりも監督が目立ってしまうことも全然よろしいことでしょう。

日本のプロ野球にも、また一つ楽しみが増えました。
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NHK BS1の野球中継「巨人阪神戦」を観てます。

阪神にとっては大切な試合。2−2で9回の攻防へ。
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「獺祭 純米吟醸45」とミナミマグロ2種盛り。地酒とはいえメジャー感がハンパない獺祭の中ではスタンダード版、市販価格は一升瓶で三千円と、高級酒とはいえません。同じ山口県ということで〝日本酒のユニクロ〟ですが、悔しいほど美味しい。控え目の吟醸香と、グイッとした米の酒の力強さ、舌の上でずっと転がしていたいのにスッと喉に吸い込まれてしまいます。


解説は我らが藤川球児。

BSニュースが挟まれたので、話はちょっと変わって、良い解説者の条件って何でしょう?

まず、誰にでもわかりやすい言葉で伝えてくれること。

そして、専門家でなければ語れないことを伝えてくれること。

そして「勝敗予想」を的中する解説は良い解説者ではありません。

ここで増田明美の名前を出すのは、お門違いで、プロ野球の解説者を出さなければいけないのですが、彼女は一つの「正解」ということで。

増田の解説は「誰にでもわかりやすい言葉」で伝えてくれます。

では「専門家でなければ語れないこと」も伝えてくれているか?というと、そうではありません。

彼女が伝えてくれる選手の「プチ情報」は綿密な取材の賜物ですが、逆に言うとど素人が綿密な取材をしたら語れる内容です。

では。

競技の本質から逸脱した選手のプラベートな情報を、必要以上にぺちゃくちゃ話す増田は「良い解説者」でないのか?そんなことはありません。

藤川球児と増田明美は、スポーツファンにはお馴染みの有名人ですが、解説者としての立ち位置は全く違います。

藤川はメジャースポーツの野球。ファンは人気選手については出身校まで知ってます。

増田が紹介するのは多くの人が初めて名前を聞く選手で、競技時間が長く、多くの人にとって単調な駅伝やマラソンでは、彼女の解説(選手紹介?)は大いにアリです。

おお、阪神、引き分けに持ち込んだ。ヤクルトが勝ってるだけに、痛い引き分けだけど、これはオッケー。スアレス、ナイスクロージング!

そうだ、藤川です。この人の解説、いまさらですがとんでもなく素晴らしすぎます。

この人の解説は、大袈裟でもなんでもなく、史上最高だと思います。 藤川球児、最高です。
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▶︎父親と比べてセンスが無いだの身体能力が低いだの散々言われてきたゲレロjrですが、もう才能を疑う人はいませんね。 まだ22歳の3年目、ボンズ親子に匹敵する親子メジャーリーガーになる片鱗を見せつけています。  2021-07-22 19:22:33 返信編集 てち 126.141.171.221 ゲレーロJr.が大谷追撃の32号!2本際に迫る。
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「父子鷹」は 成熟したスポーツ先進国のファンが享受できる贅沢な楽しみです。

フロイド・メイウェザーJr.や、ウラジミール・ゲレロJr.…そして寺地拳四朗、世の東西問わず、アスリートの血統はあります。

一方で、 拳四朗のパターンは例外として、日本の場合は「子が親を超える」のは非常に難しいハードルになっている気がします。



私たちの時代では長嶋一茂は、一つの記号でした。

酒場でかわす会話。

「一茂なんてダメ、 六大学でいくら活躍したか知らないけど、お父さんは3割打って29本塁打したんだよ。絶対無理でしょ」。

「素質は親父以上?それでもダメ、だって華がないもん。お父さんと同じ成績でも誰も認めない、華がないから」。



まず。一茂が父親を超えるこちができなかったのは、誰も異論がなしでしょうが「実力」です。

では、素質だけなら父親以上と言われた、その「実力」を発揮できなかったのは、 本人だけの責任だったのでしょうか。

バラエティ番組に疎い個人的には、今の長嶋一茂は全く興味はありません。それでも「長嶋茂雄の子供」として野球に挑戦し、プロでクビになるまで、最後の最後まで戦い抜いた姿には、尊敬しかありません。



「ジュニア」が活躍できる米国と、そうではない日本。

その、理由に、日本のスポーツ界の発展を阻害する大きな原因の一つがあるかもしれません。

もちろん、大谷翔平が「ジュニア」だったとしたら、既成概念の網に絡み取られていたかもしれません。

「ジュニア」がのびのび活躍できる米国と、雑音と偏見が足枷・手錠になる日本。

一長一短、ではないと思います…。

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①モハメド・アリ。

②シュガー・レイ・レナード。

③オスカー・デラホーヤ。

この3人の偉大な共通点は、誰でもすぐに分かるでしょう。

五輪金メダルを引っさげ、プロボクサーとしてもFighter Of The Yearを獲得するなど、アマ・プロ両方で頂点を極めたスーパースター3人を時系列で並べたものです。

では、順番を変えて、これはどうでしょうか?

①オスカー・デラホーヤ

②シュガー・レイ・レナード

③モハメド・アリ

デラホーヤはレナードをブッチ切ってのNo.1です。

ゴールデンボーイは、アスリートとしてアマプロで頂上に立っただけでなく、リングを降りたあとプロモーターとしても大きな成功を収めたボクシング〝三冠王〟です。

米国を最も震撼させた最大風速は、現在の大谷翔平ですが、彼は高校時代から多くのファンが知っていたとはいえ、甲子園で確かな爪痕を残すことはできませんでした。

これは、MLBで2度も首位打を獲ったイチローにも当てはまります。

松井秀喜は、ニューヨーク・ヤンキースという世界で最高にグラマラスなチームで主軸を打ち、ワールドシリーズMVPにも選ばれましたが、やはり甲子園で優勝したわけではありません。

甲子園でもMLBでもインパクトのある活躍をする〝三冠王〟は非常に難しいことだとよくわかります。

そんな稀有な才能が、ついにユニフォームを脱ぐ決断をしたようです。

復活を信じていたファンにとっては寂しいニュースですが、彼が決めたことです。尊重するしかありません。

ありがとう、しかありません。


甲子園で繰り広げられた数々の死闘で、いつも勝者としてマウンドで躍動し、日本列島を沸き立たせた彼が、西武ライオンズに入団したときのフィーバーぶりも忘れられません。

初登板の日は、登板前の様子を夕方のニュース番組が揃って生中継。

甲子園を沸騰させ、NPBとMLBに入団したときの狂想曲。WBCでの大活躍。

節目節目で、あれほど大騒ぎされたアスリートは他にはいません。



「自信から確信に変わりました」「リベンジ」…彼は言葉でも抜群のセンスを見せてくれました。


日本球界復帰後は思うようなピッチングができず、厳しい批判と、誹謗中傷にも晒されました。


そんなときに「復活して、非難した人たちを見返して下さい」と向けられたマイクに、微笑みながら「野球は誰かを見返すためにするもんじゃないです」と答えた言葉が、私には一番印象に残っています。


1998年、あの夏から23年。

ありがとう、しかありません。

ゆっくりしてください。

また、ユニフォームを着た姿が見たいですが、それは気長に待ちます。

「優れた選手は優れた指導者になれない」というジンクスも、無縁でしょう。

ありがとう。
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プロ野球選手になるのが夢でした。

そんな少年は昔も今も、掃いて捨てるほどいます。

そんな少年にとって、プロ野球選手は怪人や怪獣と同じ、人間ではない畏敬の存在でした。

高校時代、甲子園のスタンドから落合博満を見たとき「本当にいるんだ」という思いも湧き上がりました。

彼らは、それほど特別でありえない憧れの存在でした。
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大島康徳も、まさに怪人であり怪獣であり、憧れでした。

阪神ファンの私にとっては、いつ打つかわからない、打ったら長打という恐るべきパワーヒッター。

私がプロ野球をテレビで熱中した80年代には、すでにドラゴンズの4番打者。

思えば、大島が緩やかにキャリアの下降線をたどっていた頃でした。

それでも、大島がボックスに立つと、どんなに打率が低くても、どんなに深いスランプにはまり込んでいても、とにかくものすごく怖かった。



「足が速い、速いボールを投げる、ボールを遠くまで飛ばす。これらはみんな才能だ」。

そんなことを、指導者が当たり前に口にしていた時代に育った私たちにとって、大島康徳はまさに「遠くへ飛ばす才能」の塊でした。

もう、名前からして打ちそうでした。


本当に恐ろしいホームランバッターでした。

インパクトの瞬間で「やられた!」とわかる、ものすごいホームランをタイガースは何度も浴びました。 

大島康徳は、私が見た世界最強のホームランバッターの一人です。
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まず、ステロイドに代表されるPEDはダメ。永久追放です。

これには誰も異論はないでしょう。

では、パフォーマンスの向上どころか、穏やかな気分にさせてくれる精神安定剤的な大麻、カンナビスは?

米国でも合法化する州がありますし、禁止薬物リストから将来外れるかもしれません。

しかし、たとえ闘争心を引き起こすものでなくても、マイク・タイソンのように、異常なまでに精神的に脆弱なボクサーが恐怖を紛らわすために使うのはやはりドーピングの一種だと思います。
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そして、それならタバコは?アルコールは?カンナビスとどう違う?

タバコとアルコールは、より中毒性が高い、健康被害も大きいという調査結果もあります。

酒が禁止薬物なら…あぶさんや今井雄太郎はドーパーになるわけです。

ウイスキーをあおってマウンドに上がり完全試合(目撃者はいますが、本人は「飲んでない」と否定)。そんな武勇伝の主人公が、禁止薬物に手を出した卑怯者と糾弾されてしまう時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。

さて “sticky stuff”(粘着物質)です。

これ、スポイラがイメージ画像として見せているこんなの↓の通りなら、絶対アウトな気がします。

しかし、いくらなんでもこれは大袈裟な画像でしょう。
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いくらなんでも↑こんなのキャッチャーや、打球を処理する内外野手もタダじゃ済まないというか、コレって芝やら土やら選手が吐いたヒマワリの種やらガムやら唾やらタンやらを巻き込んで汚物の雪ダルマと化して野手を襲うわけですから、別の問題発生です。 

おそらく“sticky stuff”のほとんどは投手の手元に残り、ボールの表皮や縫い目を剥ぎ取る痕跡が少し残るのでしょう。

まず、そもそもなんでそんなに滑るツルツルのボールを使うの?という根本問題はここでは一旦脇に置いて、これがステロイドと同じスキャンダルに発展することなのか?に焦点を当てます。

米国スポーツは一見わかりやすいルールに律せられているようで、ルールブックに書いていない暗黙の了解、Unwritten rulesが数多く存在します。


まず“sticky stuff”が、古くから使われているロージンなら問題ないわけです。

ロージンの中身は炭酸マグネシウムと松脂を粉末にしたものですが、これ松脂そのものだと例の超粘着スライムと変わりません。

松脂に限らず、この超粘着のスライムみたいなのがアウトなのか?セーフなのか?

あるいは松脂ならセーフで、別の新手の化合物ならアウトなのか?

ボールを紙やすりで傷つけて不測の変化を引き起こすエメリーボールは完全アウトですから、 “sticky stuff”である松脂も含めた超粘着スライムは当然アウトに思えます。

打者でもバットにコルクを仕込んだら一発アウト。道具を加工して本来のものとは違う形状にするのは卑怯者の最低下劣な行為とみなされます。

では、道具を加工しなければOKなのか?

ボールを傷つけたり、バットに何かを仕込ませたりしなければセーフというのが、Unwritten rulesなら…。

超粘着スライムを使っても、ボールに傷が全くつかない程度ならセーフか?

あるいは、打者がバッティング手袋を付けるように、投手も投げる手に特殊な手袋をしたら?

このピッチャー手袋の開発が進むと “sticky stuff”を使わずとも、ボールを全く傷つけずに、素手では考えられない回転数のボールを投げることができるようになるかもしれません。
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↑素手にこだわった落合博満ですが、大酒飲みのヘビースモーカーなので〝ドーパー〟です。
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マラソンの厚底もそうですが、明らかにパフォーマンスの助力になるものを使うって、如何なものでしょうか?

分厚いソールの中でたわみ推進力を発揮するカーボンプレートや、ボールの回転数を一気に引き上げる超粘着スライム…。

打者に目を転じても、大昔からグリップを増強し、打ち損じの衝撃から手を守ってくれる手袋をはめてきました。

どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか?

答えなど無い、新たな泥沼シリーズの幕開けです。
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トレバー・バウアーの2019年の3月から8月までのフォーシームの平均回転数は2,358rpm。9月には2,750に跳ね上がりました。

レッズでサイ・ヤング賞を受賞した2020年には2,779回転。史上最高額の投手となる3年1億200万ドルの契約の最初の年となる今シーズンは、2,835回転まで上がっています。

バウアーのスピン率が跳ね上がる前の防御率は4.04で、被打率は.241。

上昇してからは、防御率2.31、被打率.161と劇的に相手打者を押さえ込んでいます。

The Athleticは4月に、リーグがバウアーの初登板時のボールを数個回収したことを報じました。

目に見える付着物の痕跡があり、ベタベタしていたと報告されています。

当時、バウアーは「MLBは調査のためにボールを集めているだけ。私は何もしていない。ゴシップブロガーたちが私の名前に水を差すような誹謗中傷を書いているだけ」と語っていました。

リーグは実際にすべての投手のボールを集めて分析しており、バウアーが何か悪いことをしたとは認められていません。

ある球団幹部のひとりは言う。「リーグが承認していて、体に害を及ぼすことがないという点を除けば、スピンはステロイドと同じくらい有利なもの」。

「ステロイド時代と同じことをしているだけだ」と、別の球団幹部は言う。「我々はステロイド時代と同じことをしているだけだ。時速101マイル、3,000rpmのカッターは、500フィートのホームランと同じように、不自然だと思わないかい?」。
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前出の中継ぎ投手は 「彼らはステロイドを使ってるのと同じ」と非難します。「最近のトレードを見ればよくわかる。回転数の高い投手が優遇され、低い投手は捨てられる。それでも私は卑怯なことに手を染めたく無いんだ」。

一方、リーグは打力を高めるためにルール変更を検討しています。

マイナーリーグでは「ベースの拡大」「投手打者間の距離を伸ばす」などの実験を始めています。これらが有望であれば、メジャーで採用される可能性もあります。



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▶︎ダルビッシュ有が、MLBによる滑り止め粘着物質使用の取り締まりに反対の声を挙げています。試合中に、先発投手には少なくとも2度のチェックが行われることになるというものです。

「なぜ日本では滑り止めは使われないのに、MLBでは使われるのか? ボールに問題があるってMLBはわかってんのにお金のためかずっと滑りまくるボールを提供してくる。わかってるんやからそっちを先にどうにかしましょう」。

「投手がボールに異物をつけるのあかんかったら、打者も素手で何もつけずに打ってくれ。バットが滑るから何かつけないと振れないとかって理由なら滑るボール使ってるMLBのピッチャーも一緒。フェアでもなんでもない」。

田中将大も「投手ー捕手間の距離を伸ばすっていうのもおかしな話ですよね」と、MLBが現在実験中の一方的なルール改革に反対の姿勢を見せました。

メジャーのボールは長らくローリングスが提供しています。 

このボールがツルルツで滑りやすいだけでなく、個体差が大きいこともよく知られています。

投手がロージン以外の物質をつけるのも、ドーピングと違い、なし崩し的になっています。

投高打低がここまであからさまだと、どこかで線引きをしなければならない時期かもしれません。
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'This Should Be the Biggest Scandal in Sports'

これはスポーツ界最大のスキャンダルに発展するかもしれない。


90年代のステロイド時代以来の大スキャンダルが2021年シーズンを揺るがしています。

先週、ナショナルリーグのダグアウトに持ち込まれた三つのボール。

粘着性の物質が付着したボールに手の平に乗せて、逆さまにすると…ボールは落ちなかった。

もう一つのボールには投手の指、指紋の跡が付いていて、どうやって投げたのかがよくわかった。

三つ目のボールの付着物を剥がそうとすると、3インチの縫い目も一緒に引き裂かれた。
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ここ2、3年、投手がボールに “sticky stuff”(粘着剤)を違法に塗布することが当たり前に広がっているとされています。

最近引退したある投手は、80〜90%の投手が何らかの形で “sticky stuff”を使用していると証言。

この “sticky stuff”はスピン量を増やし、ボールの変化を大きくし、打者を幻惑するとされています。

リーグ全体の打率が.236と歴史的な低さになるなど、かつてない投高打底の傾向が強まっています。

Sports Illustrated誌は20数人の関係者に話を聞きましたが、そのほとんどは匿名を条件に現状を語りました。

あるアメリカンリーグの監督は、相手投手の投球時に「聞いたことがない摩擦音が聞こえた」と語り、ある投手は「バンドエイドを引き剥がしたような音」と表現しています。

MLBがファールボールなどを調査、MLBのロゴが皮から剥がれたボールがいくつも見つかったと報告しています。

MLBのルールではボールに異物を付着させて投球することを禁止していますが、ナショナルリーグのある中継ぎ投手は、コーチから「効果があるのはあきらか」と使用を勧められたそうです。

スポイラ誌がStatcastのデータを分析したところ、ワールドチャンピオンのロサンゼルス・ドジャースがスピン回数で他球団を圧倒していることが判明しました。
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鐘の鳴る球とされるフォーシーム・ファストボールのスピン率の前年比上昇率が、ドジャースはどのクラブよりも明らかにに高いのがわかるでしょう。

ドジャースのフォーシームのスピン率は、Statcast時代の他のどのチームよりも高くなっているのです。

現時点で、ドジャースがボールを加工しているという証拠はありませんが、ほぼ全体的に、今シーズンはその球種のスピン率が昨シーズンよりも有意に上昇しています。

ドジャースの広報に質問状を送りましたが、現時点で回答は届いていません。

にちろん、スピン数の増加はドジャースに限った傾向ではありません。

帽子のつばや靴ひも、靴の中に“sticky stuff”を隠している投手もいます。

しかし、ほとんどの投手はコソコソするようなマネはしません。野球中継では、投手が投球の合間にグローブを覗き込んで、自分の好きな成分をボールに塗っているのを普通に見ることができるでしょう。

「あからさまだ、露骨だ」とある監督は嘆きます。

長いメジャーの歴史の中で、今年の平均打率は最低になるかもしれません。

メジャーのボールが滑りやすいことは広く知られています。

投手はマウンドに置いたロージンバッグをボールにつけて滑り止めにしてきました。
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しかし、ここ数年でロージンバッグ以外の“sticky stuff”が使われているというのです。
昨年末、エンゼルスのクラブハウスで解雇された従業員が起こした訴訟では、ヤンキースのゲリット・コール、ナショナルズのマックス・シャーザー、アストロズのジャスティン・バーランダーらがロージンバッグ以外の“sticky stuff”の使用者であると主張。

この訴訟は却下されましたが、控訴されています。


Statcastによると、スピン数が増えたことで。今年は平均的なフォーシームの落下距離が18年に比べて2インチ近く減少し、打者にはホップしているように見えるといいます。

2021年の今のところ、1分間に2,499回転以下で投げられる真ん中の速球を前にした打者の打率は.330。2,500回転以上の速球を真ん中に投げられた打者の打率は.285。高回転の速球の割合は、15年からの6年間で3倍に増えています。


ボールに細工するのは、今に始まったことではありません。

100年前から選手がボールを加工していたとしたら、なぜ今になってこのような騒ぎになっているのでしょうか。

今回の取材でほぼ全員が、一人の投手の名前を挙げています。ドジャースの右腕、トレバー・バウアーです。 
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