フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 世界のミドル級,世界に挑む日本人

スーパーミドル級10回戦


注目のサウスポー対決は31歳のファルカンが、2度の世界挑戦経験者アカボフを圧倒。4ラウンドストップ勝ちで、来月36歳になるロシア人の夢を打ち砕きました。

正確なジャブとエッジのきいたフック、右のリードが多彩なロンドン五輪銀メダリストは巧いし強い。

五輪メダリストなのに7年も世界挑戦のチャンスが巡ってこないことにも腐らず、しっかり実力を磨いてきました。

4ラウンド終了後のインタバルでアカボフコーナーが棄権。

ダウンは奪えなかったものの、ファルカンはその実力を十二分に見せつけました。ジャモールやアンドラーデにとっても簡単な試合にならないでしょう。

もし、ファルカンが日本人かメキシコ人、あるいは米国人や英国人でもとっくの昔に世界挑戦の機会が与えられていたでしょう。

しかし、それがボクシングです。
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WBAミドル級スーパーチャンピオン村田諒太の特殊性は「日本人であること」に集約されます。

とはいえ、五輪金メダルは桜井孝雄、世界ミドル級王者は竹原慎二といずれも日本人史上2人目に〝過ぎません〟。

しかし、五輪金メダルは欧米で人気のミドル級で獲得したことが、桜井のバンタム級とは全く違う価値を持つことに異論がある人は皆無でしょう。

アマチュアボクシングへの関心が低い日本でも「ミドル級で五輪金メダル」が何を意味するのかは、米国ボクシングを強烈に憧れた人なら簡単に理解出来るはずです。

モハメド・アリやジョージ・フォアマン、シュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤ、アンドレ・ウォード…。

人気階級で金メダルを獲った彼らが特別であることを私たちは知っていましたが、そんな才能が貧弱なこの国に授けられるとは夢にも思って見ませんでした。

村田諒太は「特別な日本人」でした。
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もちろん、プロでミドル級のタイトルを獲るのも五輪ほどではないものの、至難であることは変わりません。

最初に、この高嶺に咲く花を捥ぎ取ったのは竹原慎二でした。

1995年12月19日、後楽園ホール。

WBA王者ホルヘ・カストロは、日本ではいつもの如く「アルゼンチンの怪物」と紹介されていましたが、世界的にはchump(穴王者)。

昨年、カムバックした45歳のセルヒオ・マルチネスが2010年にケリー・パブリックを大番狂わせで破ってWBCとWBO、そして何よりもLineal Champion の座を奪取したとき「アルゼンチン人としてはカルロス・モンソン以来の世界ミドル級王者」と報じられました。

日本のボクシングファンからしたら「カストロを忘れるな!」と言いたいところですが、カストロはアルファベット団体の王者として紹介されるにとどまっていました。

しかし、モンソンもカストロも、マルチネスもアンダードッグながら番狂わせで王座に就いたことは奇妙に共通しており、カストロは強豪王者とはお世辞にも言えないものの、けして侮れないタフガイでした。

何よりも、穴王者でもミドル級です。マービン・ハグラーを中心にトーマス・ハーンズやロベルト・デュラン、シュガー・レイ・レナードが総当たりの決闘を繰り広げた、あのミドル級です。

世界中のボクシングファンを熱狂させてから、まだ10年も経っていなかった、ミドル級です。

いつも日本人を贔屓してくれるボクマガの展望は「無責任なようだが、いちかばちかの打ち合いに持ち込む以外、道はない」と、もはや予想を放棄したかのようでした。

当時のミドル級はIBFがのちの〝エイリアン〟バーナード・ホプキンス、WBCがスピード自慢のクインシー・テイラー。

「アジアでなんとかNo.1」だった竹原が世界王者になるには「あの日あのときのカストロ」以外はありえませんでした。

翻って、村田です。4団体時代となり世界王者や世界ランカーは一気に希釈されましたが、強打の日本人が世界基準にあることは明白です。

前年度にESPNの年間最高KO賞に輝いたアッサン・エンダムや、WBSSスーパーミドル級でも戦ったロブ・ブラントらと、アジア基準の竹原が互角に戦えるとは考えられません。

もちろん、日本中のボクシングファンの度肝を抜いて日本人初のミドル級王者となった竹原の偉業が霞むことはありません。階級難易度を考慮するなら、日本歴代PFP10傑にも数えられるでしょう。

ただ、アルファベット団体の挑戦者相手ならオッズも予想も圧倒的有利と推される村田とは、ステージの違うボクサーです。

村田諒太は「特別な日本人」なのです。



さて、今夜はちょっといつもと体裁の違う表をご覧ください。いつもと違う場所、違うタブレットで時間つぶししてます。

今日「1月12日の世界の階級別プロボクサー人口最新版」です。
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ある基準で色分けしました。意味のあるものじゃないし、まず当たらないと思いますが、思いついた方はかなり鋭いボクヲタです。

※ブリッジャーはお遊びで入れたので無視してください。

くだらない問題で失礼。

この表でお分かりでしょう。

左端は「Population(競技人口の順番)」、その右隣が「Weight(重さの順番)」。

一番右端が、「重さ」と「競技人口」の順位を差し引きした「Gap(乖離)」です。
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ちょっとシラフじゃないので「こいつ、何言ってるのかわからん」という人に欠落しているのは「gentleness(優しさ)」じゃ。

今更、答えを滔々と説明するのもまどろっこしいですが、黄色グループは「重さ」と「競技人口」が一致しているクラスです。

これを「Gap」の順番に並べ替えると、こうなります。
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なんと、1位はウェルターではありません。そして「最も層が厚い」という常套句でくくられるミドル級は重さで5位、競技人口で6位で「−1」。

この数字からは「最も層が厚い」とは到底言えませんが、このブログでずっと引っ張ってますが、やはり文句なしに「ミドル級は最も層が厚い」のです。

だったら、この数字は何なんだ?!ってはなしですね。


超軽量級でくくられるストローからジュニアフェザーの6階級は、バンタムまでは「重さ」の順番と「競技人口」が一致していますが、ジュニアフェザーは「重さ」は11番目にもかかわらず、「競技人口」は10位、そのギャップは「+2」と堂々の緑色グループです。

この表から、何が読み取れるでしょうか?

ミドルも含めた重量級5クラスの競技人口が「ウェルターを挟んだ3階級のどれよりも少ない」という事実は「ライトヘビーやクルーザーは、ジュニアウェルターやジュニアミドルよりもレベルが低い」ということにはつながりません。

「ヘビー級の競技人口はフェザー級よりも少ない」というのは一面的な事実ですが「フェザー級の方が競争が厳しい」と考える人は世界中に1人もいないでしょう。

大学入試の競争率のようなものです。重要なのは「分母の大きさ」ではありません。

そして、ボクシングのようなチャンピオンシップ制度を敷いた競争では「誰がトップにいるのか?」が全てです。

この表をみるまでもなく、超軽量級、特にストロー級はレベルが低いと決め付けたくなりますが、それは大間違いです。

このブログの読者の方は「競技人口が分厚い=階級攻略難易度が高い」という等式が成立するほど、ボクシングの世界は浅くない、ということはお分かりだと思います。

「ローマン・ゴンザレスとアンディ・ルイスJr.のどちらが優れたボクサーか?」。

この問いを「階級が違うから何とも言えない」なんて綺麗事の言葉で濁す奴は、もうここに来なくてもよろしい。


ああ、そして。

「村田諒太は『特別な日本人』なのです。」なんてことを書いた私が、やっぱり「フシ穴」だったと悔恨する日が早く訪れますように。



もうすぐ日付が変わります。そうなると「1月12日の世界の階級別プロボクサー人口最新版」がウソになるので、このへんで。

おやすみなさいませ。。。。

そして、ようやく待ち人来たり。わしは家に帰れるのであろうか。。。。 
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WBA暫定ミドル級王者クリス・ユーバンクJr.が、欧州の有力プロモーター、ザウアランドと契約しました。

2017年からスーパーミドル級を主戦場にリングに上がってきたユーバンクJr.は、2019年12月7日ニューヨーク・バークレイズセンターでジャーモル・チャーロvsデニス・ホーガンをメインにセットしたビッグイベント(Showtime が全米生中継したこのイベントでは岩佐亮佑がマーロン・タパレスを11ラウンドでストップ)でミドル級復帰(vsマットコロボフ=2ラウンドTKO勝利)。

スーパーミドル級を人気階級に押し上げたスター選手を父に持つユーバンクは、村田諒太よりも3つ若い31歳ながら31戦29勝22KO2敗。

ビリー・ジョー・サンダースに惜敗、ジョージ・グローブスにも判定負けを喫していますが、ゲイリー・オサリバン、アルトゥール・アブラハム、アブ二・イルディリム、ジェームズ・デゲール、そしてコロボフと強豪、ビッグネームとの対戦が豊富。

 I want all the champions – Murata, Charlo, Andrade, Golovkin – put me in the ring with any of them. I only want to fight the best. 

「王者との対戦を希望する。村田、チャーロ、アンドラーデ、ゴロフキン、誰でもいいから王者と対決したい。とにかく王者と戦いたいんだ」と村田の名前も出しています。

ユーバンクの持つWBA暫定の上位タイトルに就く村田との一戦は、最も自然なマッチアップです。
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ただ、コロナ抜きに考えても英国では堂々のスター選手、簡単に日本に引っ張り込める相手ではありません。

かつて、村田が世界初挑戦のターゲットにしたビリー・ジョーとの交渉が難航、最終的に決裂したようにこのクラスで名前のある選手との対戦は一筋縄ではいきません。

ただ、今回は「村田の方が上」の立ち場。暫定王者のユーバンクをアウエイの飛行機に乗せるハードルは低いはずです。

もちろん、団体統一戦に自由がきくスーパー王者の立場を手に入れた村田にとって、ユーバンクとのWBA防衛戦にこだわる必要はありません。

カネロとミドル級で対戦することが絶望的になった今、ミドル級の完全統一に乗り出すのは最も現実的なオプションです。
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カネロという巨星が去ったミドル級。

トップ選手共通の目標は喪失したものの、注目の人気階級であることは変わりません。

劣化の色彩を濃くしているゴロフキンを誰が〝介錯〟するのか、それとも今なおこの階級を支配するパワーを持っているのか?


そして、村田は誰を選ぶのか。 
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8月22日 ネバダ州ラスベガス 
MGMグランド カンファレンスセンター

ミドル級10回戦

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ライトヘビー級12回戦(エレイデル・アルバレスvsジョー・スミスJr.)のアンダーカードでセットされたブラントの復帰戦。

「見逃せないのはメインイベントだけじゃない。ロブ・ブラントと、クレイ・カラードも登場する」(ボブ・アラム)。

ESPNでミドル級7位、リング誌で9位にランクされるブラントは昨年7月12日に村田諒太との再戦で2ラウンドKO負けして以来、キャリア最長の13ヶ月と10日ぶりのリングです。

本当なら1月に予定されていた復帰戦でしたが、キャンプ中に上腕二頭筋を断裂して長期ブランクを余儀なくされていました。

ブラントはこの試合に向けて、テレンス・クロフォードやジャメル・ヘリングのトレーナーとしても有名なブライアン・マッキンタイヤーの指導を仰ぎ、フィジカルを鍛え直してきました。

「故障も完治して、充実した3ヶ月のキャンプを過ごせた。コピレンコは強力なボディ攻撃が持ち味の手強い相手だが、この試合をクリアしてもう一度世界タイトルを手にしてみせる」と29歳のブラント。

一方、ウクライナ生まれのコピレンコもこの試合が復帰戦。

カリフォルニア在住の36歳は、昨年5月にスティーブン・バトラーと空位のWBCインターナショナル王座を争いスプリットデジションで惜敗。それ以来のリングになります。

ブラントはもちろん、バトラーとグダグダの試合を展開したコピレンコも技術的には世界基準にあるとはいえ、傑出したものは何一つ持ち合わせていません。

そして、ミドル級のトップ戦線で戦うには二人ともフィジカルに不安を残しています。

オッズはブラント勝利1.66倍、コピレンコ2.44倍とブラント有利。

試合の行方は、さて?
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9月12日に予定されていたカネロ・アルバレスの試合まで33日。

カラム・スミスで内定と言われた対戦相手もいまだに正式発表はありません。
 
当初はスミスが当初提示の報酬600万ドルを拒否して交渉が行き詰まったと報道されましたが、その後スミスは態度を軟化。

今度は、DAZNが要求する報酬減額にゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)とカネロ陣営が難色を示していることが大きな障害になっています。

DAZNはパンデミックでスポーツ産業が大打撃を受けている環境下、米国で無名のスミスでは視聴者数が伸び悩むのは目に見えていることから、カネロの報酬と放映権料などを含んだ4000万ドルの最低保障の金額は捻出できないと主張しています。

舞台を英国に移すとなると「DAZNの米国戦略の橋頭堡」として、カネロと巨額の契約を締結した経営方針から外れてしまいます。

というよりも。スミスの人気は英国でもトップクラスではありません。「人気があればWBSSなんかに出場しない」(ビリー・ジョー・サンダース) のです。

「不人気ボクサーによる詐欺的トーナメント」がWBSSの正体ですが、井上尚弥だけは例外でした。
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But with Callum Smith, he’s an unknown with American casual boxing fan. Callum isn’t even popular in the U.K.

DAZN may not get their money’s worth with Canelo if he spends the remainder of his 11-fight, $365 million contract fighting guys like Saunders, Callum, and fighting Ryota Murata in USA.

スミスは米国では無名、それどころか英国でも人気が高いわけじゃない。

もし、カネロがスミスやサンダース、村田諒太のような米国で人気のないボクサーと戦い続けるとしたら、11戦3億6500万ドルという巨額の投資は回収できない(村田の場合は東京でやるなら話は変わるが、大観衆を入れることができない現状では東京開催は難しい)。


スミスのトレーナー、ジョー・ギャラハーは「我々はファンに楽しんでもらうために、あらゆる譲歩に応じた。あとは向こうの問題。カネロがDAZNと良好な関係にないこと、GBPとも確執が生じていることが事態を複雑にしている」と、障害物が二つあると指摘。

「エディ・レイノソがスミスと戦うと公言していること、DAZNもスミスが落とし所とわかっている。我々に出来ることはもう一つも残されていない。あとはカネロの事情だけだ。日程は後ろ倒しされるだろう」とも。

ギャラハーは日程後ろ倒しと考える理由を明らかにしていませんが、同じ9月12日に予定されているマイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.とのバッティングを避けるべき、ということはDAZNも含めたカネロ陣営はしっかり把握しているはずです。

条件交渉が難航していることを理由に、日程を先送りする。

そうだとしたら、賢明な判断です。

まさか正直に「タイソンvsジョーンズに勝てないから延期します」とは口が裂けても言えませんから…。


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当たり前の話、ファイティング原田の麗しき1960年代に「アルファベット団体」なんて言葉は存在しませんでした。当時のメディアからは、 Undisputed Champion という表現もほとんど見当たりません。

しかし、70年代になるとUndisputed Champion、alphabet body という〝新語〟が芽吹き、80年代には前者は「正真正銘の王者」を指し、後者は「欺瞞団体」を意味することで定着します。

さらに、第三勢力IBFの登場によって「ボクシングの世界王者は意味がない」(ニューヨークタイムズ)とまで切り捨てられてしまいます。

「3団体の王者がベスト3ならまだしも、そうとは限らないからタチが悪い」「怪しい王者が怪しい挑戦者と防衛戦を繰り返す怪しいプロボクシングはスポーツとは呼べない」とまで断言されてしまいます。

ボクシングが「スポーツと呼べるかどうか怪しい地位」に転落してしまった80年代でしたが、偶然とはいえ反動的な現象も起きました。

マイナーに堕ちたボクシングでも、真の意味で「黄金」と呼べるウェルター級とミドル級、ヘビー級の三階級で途轍もないUndisputed Championのスーパースターが相次いで誕生したのです。

ウェルター級のシュガー・レイ・レナードは、現代に続く「ウェルター級が主人公」「Aサイドは何をやっても良い」「アルファベット団体はスーパースターの奴隷」というガイドラインを策定しました。

ミドル級のマービン・ハグラーはレナードの人気には遠く及ばなかったものの、実力は図抜けていると評価され、防衛し続けるUndisputed Championの威厳で世界を睥睨しました。

ヘビー級のマイク・タイソンは「ポスト・アリ」という絶体絶命のヘビー級シーンで救世主となり、WBSSとは真逆の世界が注目する最強トーナメントで優勝しました。

「最も層が厚い」ウェルター級はレナード以前からレベルは高かったとはいえ、欧米では「小さな男」の戦いでした。レナードが全てを変えたのです。

「問答無用のヘビー級」の80年代の地盤沈下は目も当てられない状況で「アルファベット団体のストラップをタライ回しする穴王者」を駆逐したのがタイソンでした。
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日本では「fabulous four(ファブ4=素晴らしい4人)」と呼ぶのを好む人が多いのですが、これは世界的にはビートルズの渾名です。Four Kings がしっくりする気がします。

英語は直訳が絶対基本です。しかし、根本的に文化が違うと、それでは難しい言葉が多すぎるのが歯がゆいのですが Four Kings は「四天王」とすんなり直訳出来ます。


「特別な才能を傲慢に誇示したレナード、特別な環境の恩恵を受けたタイソン」という「特別な事情」で Undisputed Champion が生まれたウェルターとヘビーに対して、ミドル級もまた特別な階級でした。

シュガー・レイ・ロビンソンがミドルを目指したように、レナードやデラホーヤがミドルに特別な感情をぶつけたように、ミドル級は人気階級ウェルターの中でも選ばれしスターが挑戦することでも輝いてきました。

そして「どんなに優れたライトヘビー級王者でも、凡庸なヘビー級王者に駆逐される」という有名な格言を聞いても、ボクヲタは「途轍もなく優れたミドルはヘビーを駆逐する」という事例も知っていました。

160ポンド/72.6kg。

個体差があるとはいえ、現生人類の体格で、最もパワフルにスピーディにスタミナ溢れるパフォーマンスが出来るのは、160ポンド/72.6kgかもしれません。

余談が長くなりました。

今なお統一引力が最も強烈で、人気階級のミドルの40年をバック・トゥ・ザ・フューチャーしてゆきます!
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私は、生粋のアナログ人間です。

本や雑誌も紙ベース・プリントバージョンが大好きです。

30年遅く生まれていてもPCスキルが上がるくらいで、紙ベースにはやはり拘っていたと思います。

もし、そうではなく紙媒体の魅力を知らないままに年齢を重ねていたとしたら…紙媒体の魅力を知る機会がなかったら…30年遅く生まれなくて本当に良かったと思います。

前回、このテーマの話をどの話で書いたのか忘れてしまって、探す気ものないのですが、現物の保管場所や劣化・消失も気にしなければならない紙媒体を好きな理由をうまく説明できなかった記憶があります。。

敢えて言えば、ネットの情報のように溢れては流されてゆくのではなく、しっかり形として残っていく〝使い捨て〟でない紙媒体が愛おしい、そんなことだったでしょうか。

こんなご時世で、今日「スポーツイラストレイテッド」と「英国ボクシングニューズ誌」が届いて、また別の理由に気づきました。

こいつらは、クサい言い方だけど友達なんです。

電子版購読なら、毎週決められた発効日に必ず最新号を読むことが出来ます。しかし、プリントバージョンは、とくに現地から離れた日本ではそうはいきません。

プリントバージョンの定期購読で電子版も無料で付いてくるので、〝現物〟が届くのが遅いなら格安の電子版のみの購読にした方が経済的にはるかに安く済みます。

しかし電子版でざっと読んだあと、プリントバージョンでしっかり読むことで電子版には無いページ構成やデザインを楽しめます。

PCや端末で見るのとは、やはり深みが全く違います。デジタルバージョンは当たり前ですが、リング誌もスポイラもESPNも見た目は全部同じ無機質な画面です。

レコードアルバムのようにプリントバージョンが絶滅する日も来るかもしれませんが、私はどうもそれは違うんじゃないかと感じています。

スポイラだと広告や定期購読の割引ハガキが綴じ込まれてたりするのも電子版では味わえません。

雑誌によって、手触りや匂いも違いますし。奴らは、素材も育ちも違うんです。

今回のパンデミックで、配達が不規則になって、今日みたいに2週前の号がポストに入ってると「お前、どこにいたんだよ」と思わず声をかけてしまいそうになります。

私からロンドン(BN誌)やマイアミ(スポイラ誌)に行くことはない一方通行ですが、私にとっては友達です。

非常に雄弁で楽しい友達です。

そんなわけで、このブログではもちろん、遅配されたボクシングニューズ(BN)誌の記事からご紹介。

ESPNなどでもやっている「階級分析」。BN誌4月23日号は「ミドル級」です!!!

この伝統と人気がブレンドしたクラスで1位評価を受けたのはゲンナディ・ゴロフキン。

これはリング誌↓。
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チャンピオン制度を敷くリング誌では、カネロ・アルバレスがミドル級王者。カネロはスーパーミドルでも4位にレートされています。

ESPNのカネロ評価もミドルで1位(チャンピオン制度を採っていないのでトップ評価)、ライトヘビー3位とリング誌同様、2階級に跨っています。
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そして、世界最古のスポーツ専門誌にしてボクシングでは世界唯一の週刊誌BN誌はライトヘビー級で2位のみ。そうです、スーパーミドルとミドルではランキングしていないのです!

多くのメディアとファンは、カネロが3階級に渡ってトップ5の実力を持っていると評価しているでしょう。

しかし、ミドルからカネロを排除した恩恵も受けて村田諒太は4位(リング誌5位=実質的な順位は6位/ESPNも6位)と三大メディアでは最高評価です。

▶︎村田の長所は「強打のプレッシャーファイター。体格を生かした長い距離から爆発的なパンチを残酷に打ち込んでくる」。

▶︎短所は「ロブ・ブラントとの初戦で曝け出した。村田はフィジカルへの自信過剰から相手の出方を見てしまう傾向が強い」。

▶︎ベストパフォーマンスは「ブラントとの再戦。力比べになったらブラントではひとたまりもなかった」。

▶︎ワーストパフォーマンス は「ブラントとの第一戦」。

▶︎YouTubeで見るなら「バトラー戦。切れ味鋭いカマでバトラーを無慈悲に斬り落とした」。 

▶︎どこまで高みに登れるか?「WBAセカンド王者の村田と王者カネロの統一戦は理に叶っている、何よりも経済的に。しかし、PFPキングに対しては圧倒的なアンダードッグになる。 



最近の情報だと「年内の東京ドーム 」は難しい状況ですが、村田が五輪代表に語るそのままに「勝負のときまでしっかり準備して人生を変えろ」です。

また、アフターコロナの情勢ではチケットが高騰する可能性が指摘されています。

客席のソーシャルディスタンス実施、あるいは最悪無観客(なら会場としてのドームは消えますが)の試合も想定されることから、生観戦のチケット相場が高騰すると言われているのです。

ソーシャルディスタンスのためにセットアップ数が3分の1になると、単純に価格は3倍になります。

日本人絡みの超メガファイトという点では史上初にして最後になるかもしれません。

高くても生観戦したいですね。 
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Should he be successful on May 2, a much anticipated third bout with Golovkin is likely for September. After that, a possible trip to Japan to face 2012 Olympic Gold medalist Ryota Murata could be next !!!

It’ON !!!

日本ボクシング史上最大のイベントが内定しました。
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12. ななし 2020年03月07日 09:16
 
シビアなアメリカを主戦場に3軍から4軍レベルのボクサーに、3000万レベルのファイトマネーでアメリカでブランドにボコボコにされ、日本でようやく勝利したマッチメイクに守られているガラパゴス第2のベルト村田がいきなり、一軍でボクサーの中でもっとも稼ぐカネロとの対戦だから笑えます。
ゴロフキン、チャーロ、アンドラーテ、ジェイコブス、デレビチャンチェンコ、ムンギア、クリスユーバンクをさしおいてだから、実績もないのに、4軍クラスが1軍のトップと試合する。ある意味すごいことです。 (原文ママ)


村田諒太はどんなに自虐的に見ても「4軍」じゃないですね。

ななしさんも「1軍から4軍までの所属選手をそれぞれ教えて」と聞かれたら涙目になって黙り込んじゃうんじゃないでしょうか。

シビアな欧米メディアで、村田の評価は lower-top-10 contender(ミドル級トップ10だが下位)です。「1軍だけどトップじゃない」という見立てです。

もちろん「村田諒太vsカネロ・アルバレス」は日本ボクシング史上で「図抜けて大きなイベント」になりますが「ステージと技術において最高の試合」か?…となると、限りなく大きな疑問符が付いてしまいます。

ボクシングと他のスポーツで決定的な違いは世界的な統括団体が存在しないにもかかわらず、怪しい承認団体がいくつも跳梁跋扈していることから生じています。

もっとわかりやすく言うと、まともなスポーツでは「ステージと技術において最高の試合」と「最も大きなイベント」は美しいイコールで結ばれています。

そして、その試合は全く公平な条件で行われます(スキージャンプのように身長とスキー板の長さを比例させるあからさまな後出しルール改正や、「中東の笛」のような露骨すぎる地元判定もありますが)。

しかし、ボクシングにおいては人気選手の試合が「最も大きなイベント」であり、そこには(最強決定戦などの)ステージや技術の精度は全く関係がありません。

さらには、Aサイドの人気選手はキャッチウェイトやリングの大きさ、カンバスの硬さ、ロープの張りなどもオーダーメイド、対戦相手は〝手枷足枷〟を嵌められた状態でリングに上がります。

他のスポーツで言えば「フェデラーのコートだけ異常に狭くて相手のコートは広い」「バルセロナのゴールは小さくて相手チームのゴールは大きい」みたいなものです。

そもそも、他のスポーツでは選手が対戦相手を決めるなんてありえません。チャンピオンの前に現れるのは過酷な挑戦権争いを勝ち抜いてきた手強い猛者ばかりです。

「フェデラーがまた雑魚狩り」なんて批判は聞いたことがありません。

このAサイドの利益を満身で享受し「カネロウェイト(自分に都合の良い契約体重を相手に押し付ける:155ポンドという数字を指すことも)」「カネロピック(危険の少ない相手や劣化した過去の強豪を選ぶ)」と後ろ指も差されながら成長してきた〝過保護な怪物〟がカネロです。

そして、村田も日本ボクシング史上、最もプロテクトされたボクサーでしょう。

その意味でも「村田vsカネロ」は、プロボクシングが内包する現実を見事に映し出した象徴的なイベントです。

では「村田vsカネロ」は YouTuber 対決やメイウェザーvs那須川と同根の茶番劇か?となると、そうじゃないから、ボクシングの魔宮は奥深いのです。

世界屈指の広告代理店がプロジェクトチームを結成してプロ入りした「スポーツよりもマーケティングの世界」に翻弄されながら、五輪金メダリストなのに無骨な戦車のように拳を振り回す日本人。

「1戦1戦積み重ねた叩き上げのプロなのに超過保護」という錯乱したキャリアを歩みながら、端正なボクシングを完成させつつあるメキシコのドーピング青年。

ピクサーのアニメでも、こんな奇想天外なキャラクターは創造できません。

しかも、完全実写版。 
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試合まで2ヶ月を切ってようやくビリー・ジョー・サンダースに決まった、カネロ・アルバレスのメガファイト。

日本のボクシグファンは「カネロが年末に村田諒太と東京で戦うことに合意」と言うニュースに沸いていますが、海外では「カネロvsサンダース」への辛辣な非難が溢れています。

二人にドーピングの経歴があることで Battle of the druggies! (ドーピング対決だ!)などの非難が集中しているのです。

カネロは2018年2月と3月に採取した検査サンプルからクレンブテロールが反応、ネバダ州アスレティック・コミッションからライセンス停止6ヶ月のペナルティを受けました。

サンダースも2018年8月30日に採取したサンプルがオキシロフリンの陽性反応を示し、10月20日に予定されていたデメトリアス・アンドラーデ戦がキャンセル。
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カネロは「クレンブテロールはメキシコ牛の飼料に普通に含まれるもの」、サンダースも「鼻づまり薬のスプレーに含まれていた」と二人共に故意の摂取ではないと主張しましたが…ボクシングファンは2人のドーピング事件を忘れているはずもなくClenbuterol vs Oxilofrine と揶揄しているわけです。

カネロは現在のボクシング界で飛び抜けた存在のスーパースター。

一方、サンダースは無敗ながらも、昨年11月に行われたYouTuber対決で前座をつとめるなど、特に米国では地味な存在に甘んじていました。

村田諒太の最初のターゲットがサンダースでしたが 、当時も報酬面で難航。

前年にESPNの年間最高KO賞を獲得しているアッサン・エンダムに落ち着いた経緯がありました。

リング誌など海外メディアは「日本が大切にプロテクトしている村田がソフトタッチのサンダースから危険なエンダムへ」と黄色信号の報道をしましたが、カネロ相手でも交渉をもつれさせた〝強者〟ですから当時も実現の目はなかったのかもしれません。
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今日のオッズはカネロ1/5(1.2倍)、サンダース5/1(6倍)と結構な差がついています。

今回の試合はカネロがサンダースとカラム・スミスの〝二股〟交渉を進めていましたが、当初は両者とも2000万ドルの報酬を求めて難航。

「1000万ドルは絶対に譲れない」と最後通告したスミスに対して、サンダースは800万ドルでカネロとの対戦権を〝落札〟しました。 

「勝って再戦」 なら2000万ドルも約束されているというサンダースですが…番狂わせを起こせるか?
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日本ボクシングの悲願達成、そのリングが年末に用意された模様です。
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 さすがにこのタイミングで日本ボクシング史上最大のイベントの発表は出来ません。

この鬱屈した日々は必ず、近いうちに収束します。

試合までに世界史上、最も倒しがいのある赤毛の人気者は顔見せのために何度来日してくれるのでしょうか。

最初は、五輪に合わせてのこのこやって来る可能性が高いですね。

五輪が終わったら、米国のメガファイトに倣って全国主要都市のプロモーショナル・ツアーです!

カネロ、日本では知名度低いですが、世界中探してもその名を知らないボクシングファンはいない「超ピッグネーム」というだけでは正確な表現ではないほどの巨大な存在です。

今まで負けろ、負けろと呪いをかけていたカネロですが、こういう風向きになるともう万全・完璧のコンディションで年末のリングに上がって頂きたい!!

お体には本当にご注意下さい。
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とにかく健康と怪我には気をつけて、試合に負けるとか苦戦するとか評価が下がるようなことはもっての他!です!!!

戰慄の圧勝劇でさらに評価を沸騰させて東京ドームのリングに上がって下さい!

兎にも角にも。夢の舞台がセットされました。

あとは夢を現実にするだけ、勝つだけ、です。
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