フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 世界のミドル級,ゲンナディ・ゴロフキン

Saturday 17, September 2022
  
T-Mobile Arena, Las Vegas, Nevada
commission:Nevada Athletic Commission
promoter:Canelo Promotions), GGG Promotions), Matchroom Boxing

matchmaker:Kevin Rooney Jr
media: DAZN 


スーパーミドル級のThe Undisputed Title Match、カネロが保持するRing magazine 、IBF、WBA 、WBC 、WBO、5つのベルトがステイクされます。

両者の対戦は2017年9月16日、2018年9月15日のミドル級のタイトルを賭けた2試合に続く4年ぶり3度目。

今回は、カネロが持つスーパーミドル級の試合になります。



ゴロフキンがプロ16年、44戦のキャリアで168ポンドの試合に挑むのはこれが初めて。

40歳という年齢に加えて、8ポンドも重いクラスにチューンナップ無しでいきなり飛び込むことになります。

村田諒太戦では年齢を感じさせないスタミナとスキル、パワーを見せつけたとはいえ、GGGのキャリアが黄昏時を迎えているのは間違いありません。

年齢とスーパーミドル初挑戦、この二つの要素がTriple Gの肉体と運動能力にどんな影響を及ぼすのか?



一方、32歳のカネロはスーパーミドル級で5戦全勝4KO。盤石の強さを見せつけています。今が全盛期のカネロに不安材料があるとすると、大番狂わせでドミトリー・ビボルに完敗した直後の復帰戦になるということ。

さらに、2018年12月のスーパーミドル級挑戦(ロッキー・フィールディングス戦)から3年10ヶ月の短い期間で、ミドル級(2019年5月:ダニエル・ジェイコブス戦)、ライトヘビー級(2019年11月:セルゲイ・コバレフ戦/2022年5月:ビボル戦)と、160〜175ポンドの15ポンドもの体重振幅幅を乱高下してきた影響があるのか、ないのか?

これまで、ロイ・ジョーンズに代表される〝船酔い〟現象は見られませんでしたが、ビボル戦は「いつもの動きではなかった」という声が陣営だけでなく、テディ・アトラスら複数の専門家からも指摘されていました。

あれは〝船酔い〟の兆候だったのでしょうか?

ヘビー級から出戻った(逃げ帰った)ロイがアントニオ・ターバーやグレン・ジョンソンに痛烈なKO負けを喫したのは35歳のとき。193ポンドから175ポンド、18ポンドも落として〝船酔い〟を起こしました。

ゴロフキン戦を控えるカネロは〝まだ〟32歳。175から168に落とす、その差は〝わずか〟7ポンド。

来月17日のT-Mobileアリーナで、ロイ・ジョーンズ現象が見られるかどうかは、わかりません。

しかし、カネロが一方的に勝利するとみられていた予想は、村田戦とビボル戦を経て変化しています。

オッズも接近基調。カネロ有利は変わりませんが、1/5(1.2倍)と10/3(4.33倍)。

クロスレンジでガードの上からでもお構いなしに強打を叩き込んで相手を弱らせて、とどめを刺すーーースーパーミドル級の平凡な王者には効果的だった戦略がゴロフキンにも通用するでしょうか?

もし、カネロの肉体が〝船酔い〟に蝕まれているとしたら?

衝撃的な結末が待っているかもしれません。 
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Saturday 17, September 2022
T-Mobile Arena, Las Vegas, Nevada
Super Middle Contest, 12 Rounds
WBC Super Middle Title
WBA Super World Super Middle Title
IBF  Super Middle Title
WBO  Super Middle Title

commission:Nevada Athletic Commission 
 
promoter:Eddie Hearn (Matchroom Boxing)/Gennadiy Golovkin (GGG Promotions)/Saul Alvarez (Canelo Promotions)
 
matchmaker:Kevin Rooney Jr
media:DAZN  

日本時間の今日、ロスアンゼルス・ハリウッドで行われたばかりの記者会見でスーパーミドル級のUndisputed champion カネロ・アルバレスが宿敵ゲンナジー・ゴロフキンを激しく〝口撃〟。

「ゴロフキンは人前では愛想がいいが、本性は醜悪な男だ。私を貶める言葉を何度も口にしてきたゴロフキンには、個人的な感情がある。叩きのめして、引退させてやる。それができたら最高の気分だろう」。

「私と彼の対戦相手を比べてみるがいい。私が最強の相手と戦っている間に、あの偽物はC〜Dクラスのファイターとお茶を濁し続けてきた。うわべだけのゴロフキンはリングの中でも卑怯者だ」。

一方、ゴロフキンは「カネロに個人的な恨みはない。2戦目の後にハグしたときに2人の間の確執はなくなったと思う」と語りながらも「彼が大きな過ちを犯してしまったこと(ドーピング)は一生消えることはない」と応酬。
 


2人のフェイスオフは視線を崩すことなく2分間近くも続きました。

ライトヘビー級で2試合を経験しているカネロは31歳のスーパーミドル級完全統一王者。ミドル級一筋のゴロフキンは、スーパーミドル級はこれが初戦となる40歳。

現在のオッズはカネロ勝利が2/9(1.22倍)、ゴロフキン3/1(4倍)。ビボル戦のカネロが1/5(1.2倍)、ビボル7/2(4.5倍)で、ほぼ同じ掛け率でした。

ただ、リング誌がビボル勝利を誰一人予想できなかったような空気はありません。もし、日本でファン予想を募ったら、トリプルG有利の数字が出るかもしれません(かなり感情的ですが)。

それにしても、ラスベガスのメガファイトに米国プロモーターが一枚も噛めない状況は、ボクシング興行がリングの中と同様に、いやもしかしたらそれ以上に弱肉強食だということを雄弁に物語っています。
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スーパーミドル級 Undisputed Title 

©︎カネロ・アルバレス
vs
ゲンナディ・ゴロフキン

9月17日 会場未定
プロモーター:エディ・ハーン
メディア:DAZN
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幻のリング誌2018年6月号のカバー。ネバダ州アスレティック・コミッションは、カネロのドーピング発覚でライセンスを発行せず、試合は中止に。
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実際に発行された表紙は「ワシル・ロマチェンコvsホルヘ・リナレス」に変更、内容もライト級の大一番に差し替えられました。


カネロvsGGGの第3戦。

前の2試合はカネロの1分1勝ですから、厳密な意味でのラバーマッチではありません。

それでも、このメガファイトに決着戦の香りが立ちこめているのは〝ラスベガス・コネクション〟のカネロと、〝人気はないけど圧倒的に強い〟GGGという構図が「初戦は引き分けではなくGGGの明白な勝利」「第2戦も議論を呼ぶ判定」という結果と相まってボクシングファンの義憤を刺激するからです。

本日のオッズはカネロ勝利が3/13=1.23倍、GGG10/3=4.33倍。

「成長著しい(7月18日で)32歳のカネロが40歳のGGGを圧倒する」と見られています。

ただ、直近の試合での2人の評価は接近。

厳しいプレスと強打の村田諒太を我慢強く削って9ラウンドで斬り落としたGGGと、ライトヘビー級の強豪とはいえ圧倒的有利と見られながらドミトリー・ビボルの攻勢に無策のまま36分間を浪費したカネロ。

村田戦、ビボル戦を経てオッズは縮まってきました。

期せずして元PFPキング対決となった〝ラバーマッチ〟。

日本のボクシングファンは、GGGの快勝を願っています。

プロの試合が「第3戦〜」までもつれる最大の原因は、ファンが熱望するケースがほとんどです。

そんな名勝負の数々を三つのグループに分けて振り返ってみます。


【誰もが待ち望んでいた決着戦!】

【賞味期限切れの決着戦】

【ファンも呆れた〝もう一丁!〟】




それにしても、ゴロフキンに対して「オッズを蹴散らせ!大番狂わせを巻き起こせ!」と応援を送る日が来るとは…。
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日本史上最大の試合。

選手の報酬や、世界の関心という点ではまさにその通りでした。

しかし、このイベントは「カネロ・アルバレス」のような高収益のビジネスではありません。一部では、赤字という報道もあります。

ビジネスという意味では、6月に東京ドームで行われる那須川天心vs武尊のキックボクシングが〝日本史上最大の試合〟かもしれません。

ただ、そもそも、この試合は最初から商売抜きで生命が吹き込まれた、完全無欠の夢でした。

その意味では「日本史上最大の試合」ではなく、正確には「日本史上最大の夢」だったのです。

この舞台は、2012年のロンドンで村田が金メダルを獲った瞬間から、日本のボクシングファンにとって〝約束の場所〟だったのです。

当初は「プロ転向はない」と明言していた村田を、業界の垣根を越えて説得に走り、チームを立ち上げた人たちの〝プロジェクトX〟は、私たちの夢を乗せて2013年にデビュー戦を迎えます。

あれから、ちょうど10年の節目の年に、彼らはついに約束を果たしました。

そして、村田は私たちの夢を賭けるのにふさわしいファイターであったことを、その舞台で証明してくれました。

村田もまた、約束を果たしてくれたのです。


2019年には「12月にカネロ・アルバレス戦が内定」とも報じられました。2021年12月29日には「ゴロフキン戦が決定」、チケットまで販売されたというのに。

日本側が主導権を握るにはあまりにも巨大な資金が必要で、深いコネクションが蠢く世界ミドル級タイトル。

そこに、パンデミックまでが覆いかぶさり紆余曲折、波乱万丈の10年間でした。

試合が決まった時点で、プロジェクトチームと日本のボクシングファンは勝利を手にしました。

そして、私たちの夢を乗せて最後まで堂々と戦った村田もまた、単なる敗者であるわけがありません。
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ゴロフキンがリングから降りると、向かった先は自身ではなく村田のドレッシングルーム。

「ムラタ!ムラタ!」と呼びながら、金メダリストの姿を見つけるとWBAベルトを「これは君のものだ。君とは何かを奪ったり奪われたりする関係じゃない」。

ゴロフキンは、対戦相手のことが好きで好きでたまらないのでしょう。

彼の中でリングの中で拳を交えることは、すなわち刎頸の交わりになる、ということなのです、きっと(カネロ以外)。

だったら、なんであんな残酷な強打を全く躊躇なく打ち込むんだ!?と私なんかは思ってしまいますが、拳を〝交え終えた〟ら、刎頸の交わりに変わるのかもしれません。

なんという恐ろしいゴロフキン・ルール。

そして、なんという素晴らしいゴロフキン・ルール。

ベルトも返してくれるし、ゴロフキンしか似合わない変な柄のガウンももらえます。

私もゴロフキンと戦ってみたくなりました(大嘘)。




ゴロフキンと村田、そしてこの試合の成立に尽力、奔走した方々には感謝と尊敬しかありません。

私たちは2022年4月9日の夜を一生忘れません。 
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ボクシングファンの皆様に対しては釈迦に説法ですが、CompuBOXは試合の実像を映す鏡ではありません。

参考数字としても使えないケースも、よくあります。

ただ、今回の「ゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太」に関しては、現実の試合をなぞる数字になっていました。

PUNCHESGOLOVKIN MURATA
Total landed257144
Total thrown629592
Percent41%24%
Jabs landed10722
Jabs thrown308233
Percent35%9%
Power landed150122
Power thrown321359
Percent47%34%
-- Courtesy of CompuBox
 

ゲンナジー・ゴロフキンのパンチスタッツは257/629、的中率は41%。村田諒太は144/592、24.3%。パンチの精度は2倍近くも引き離されてしまいました。

内訳をみると、パワーパンチ(利き手)ではゴロフキン150/321、46.7%。村田は122/359、34%と差は縮まりますが、ジャブになるとゴロフキン107/308、34.7%。村田は22/232、9.4%と4倍の差。

ジャブは全てのラウンドでゴロフキンが手数・精度ともに上回りました。

そしてパワーパンチは6ラウンドまで村田の手数が上回り、7ラウンドに逆転されると8、9ラウンドは一方的に。

トータルの手数は、4ラウンドまでは村田がリードする流れでしたが、5ラウンドで逆転。

村田が明白にラウンドを支配したのは第3ラウンドでしたが、直後の4ラウンドでゴロフキンがギアを上げ、第5ラウンドにはペースを掌握するという、実際の試合の流れをスタッツの数字も反映していました。
スクリーンショット 2022-04-09 22.43.31

3ラウンドまでの流れにゴロフキンが危機感を覚えて攻勢に出たのか、あるいは3ラウンドまでで村田の攻撃パターンを読みきったのか、あるいはその両方なのかはわかりませんが、勝負への嗅覚の鋭さは流石としか表現できません。

そして、敗れた村田。上田晋也は「再戦が見たい」と語りましたが、村田サイドに再戦条項があるわけもありません。

再戦が見たいか?と聞かれると、正直、微妙です。

しかし、村田はこれで引退か?と考えると、引退して欲しくない気持ちが強いのですが、世界ミドル級です。簡単に、また挑戦とはいきません。

ゴロフキンと戦い、ゴロフキンに敗れた今、村田に引退して欲しくないと思っても、ではここから何を目指すのか?となると、答えに詰まってしまいます。
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Middle Contest, 12 Rounds
 
World Boxing Association Super World Middle Title (supervisor: Jose Gomez)
 
International Boxing Federation World Middle Title (supervisor: Ben Keilty)
 

Gennadiy Golovkin vs Ryota Murata 
スクリーンショット 2022-03-03 20.39.42

いよいよです。三次会から一時?離脱して、しっかり見ます。

パイレーツ・オブ・カリビアン、来たぁ!!!

どんな酔いも吹っ飛ぶわ!

そして、セブンネーションズ・アーミー!会場にいる人が羨ましい。

二人とも良い表情してます。

ステイクされないIBOのベルトもリングに上がっています。あれも欲しいです。

さあ、注目のオープニングラウンドです!!!!!


Round

ゴロフキンは左を突いて、いつも通りの偵察戦。

村田は左から右につなぐ。村田のプレッシャーはかかっていないが、ゴロフキンを下がらせる上々の立ち上がり。

10−10


Round② 

村田のボディにゴロフキンの動きが止まる。ゴロフキンのコンビネーションで村田が鼻血。

村田の前進をゴロフキンは止められないが、まだペースは握っていない。

10−9村田


Round③

ゴロフキンがゴング同時に一気に攻勢に。GGGが焦ってる。

村田のボディをゴロフキンがあからさまに嫌がる。

どっちも打たれ強い。

明白に10−9村田


Round④

火を吹く撃ち合い。ゴロフキンは巧いが、一発の威力は村田。

10−10


Round⑤

ラウンド中ばにゴロフキンがクリーンヒット。

しかし、村田もボディから反撃。

10−9ゴロフキン


Round⑥

このラウンドは村田が先に手を出す。

ゴロフキンのアッパーで村田のマウスピースが飛ぶ。ゴロフキンがペースを手繰り寄せつつある。

10−9ゴロフキン


Round⑦

村田が初めてロープに詰められる。

ゴロフキンも疲れているが、村田も疲れた。

10−9ゴロフキン
 

 

 Round⑧

打撃戦は完全にゴロフキン。村田が効かされたのを初めて見た。

10−9ゴロフキン


Round⑨

2分11秒。村田のコーナーからタオルが投げられました。

素晴らしい敢闘でした。感動しました。
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「総合力で上をいかれてる、感じがしました」(村田)。確かにそういう試合でした。

 ゴロフキンが自慢のガウンを村田にプレゼント。日本ボクシング史上最大の試合は、日本史上最も美しい試合でもありました。
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ついに今日という日がやって来ました。

NHKでも朝から村田諒太のメンタルトレーニングの様子が長尺で特集されていました。

読売新聞は特別面を割いて、今夜の試合が何を意味するのかを、わかりやすく噛み砕いてくれました。

月曜夜も〝舞台裏〟をテーマにしたクローズアップ現代+が放送されます。

村田のホームリング、会場が暗転してパイレーツ・オブ・カリビアンが流れると大きな声援が湧き上がるでしょう。

しかし、何故この試合がここまで注目されるのかというと、ゲンナジー・ゴロフキンが日本のリングに上がるからです。

ある意味で、ゴロフキンが主役。

「お手並み拝見と行きますかな」という相手ではありません。お手並みは、もう嫌というほど拝見させていただいて来ました。

会場の空気が一番張り詰め、尊敬と歓迎の拍手が送られるのは、セブンネーション・アーミーのイントロが流れるときです。

会場にいたら、その時点で泣いてしまいそうです。
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ESPNの解説者がすっかり板についたティム・ブラッドリーが、明日の大一番を予想。

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▶︎間違いなく良い試合になる。

二人ともよく似たファイトスタイルで、オリンピックでゲンナジー・ゴロフキンは銀メダル、村田は金メダル。

エリートらしく二人ともガードを高く上げて、プレッシャーをかけるのが基本だ。そして、爆発的なパンチャーというのも共通している。

ただ、GGGはジャブと左フック、リードブローを起点に多彩な攻撃を仕掛けるのに対して、村田のリードは右の一撃につなげる仕掛けだ。

一発の威力は村田だが、GGGの攻撃パターンの方が確率が高く、オプションも多い。

そして、GGGとカネロ・アルバレスの第3戦が合意に達して日程まで決まっていていることも、この試合に影響を与えるはずだ。

GGGは「カネロとは何も決まっていないし、村田のことしか考えていない」というが、そんなことは絶対無理。

この試合をなんとか安全に乗り切って、9月のカネロ戦を迎えたいというのは当たり前の心理。

村田がこの試合に勝つために必要なことは、①アグレッシブ(前進と攻撃)。ただし、攻めて良い場面と、そうではない局面は正確に把握しなければならない。②ゴロフキンのリードを遮断すること。村田は左回りを徹底しなければならない。右に動くのは悪くはないが、右に動かされてはならない。

そして、GGGのボディにパンチをメリ込ませることを常に意識すること。村田のボディは右も左も強烈だ。40歳のゴロフキンがタンクに残しているエネルギーは多くはない。ラウンドを追うごとに削っていけば、終盤に大きなチャンスが訪れるだろう。

しかし、村田にはその戦略を器用に戦略を選択・遂行するversatility(引き出しの多さ)は無いと思う。

逆に、ゴロフキンは必要とあればバックステップを踏んでボクシングも出来る。獰猛な闘牛にも、狡猾なマタドールにもなれるんだ。

村田は獰猛な闘牛、しかしだからこそ注意が必要だ。一つのミスが致命傷になるのは、ゴロフキンの方かもしれない。

カネロ戦を見据えたゴロフキンが、いつも以上に慎重に戦う可能性は大きい。 村田というリスクを最小限に抑える戦い方をするだろう。村田が非常に危険な相手であることは、GGGが一番よくわかっている。

3万5000人(実際は自主的な入場制限のためフルハウスで1万6000人) の大観衆が一人残らず村田に大声援を送ることも、知っている。

勝敗予想?ゴロフキンは長い間ブランクがあり、全盛期の強さは影を潜めている。しかし、村田も長いブランク明けで、36歳。村田もspring chicken (若く怖いもの知らずの全盛期)ではない。

ゴロフキンは強い相手とは戦っていないというが、カネロやダニエル・ジェイコブスと苦戦したとはいえ、互角以上に渡り合っている。村田は、そのレベルの相手との対戦経験がない。

前半は村田の攻勢にゴロフキンが慎重に対応するスリリングな展開になるだろう。しかし、後半にはゴロフキンの経験値が、前半飛ばした村田の隙を突く。

ゴロフキンが終盤に村田をストップする。
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計量後の最後の会見も淡々と進み、2人の場違いに穏やかな表情が印象的でした。

ゲンナジー・ゴロフキンも村田諒太も、互いをリスペクトする気持ちが滲み出る言葉を紡ぎました。

フェイスオフの睨み合いこそポーズを決めていましたが、終わると微笑みを交換。

この世界ミドル級屈指の強打者2人が、明日の夜に互いの急所目掛けて殴り合うなんて信じられません。

モハメド・アリやロベルト・デュラン、フロイド・メイウェザー、辰吉丈一郎、リカルド・マヨルガ、若き日のノニト・ドネア、亀田興毅、キース・サーマン、ジョンリール・カシメロ…トラッシュトーカーの言葉や振る舞いは、このスポーツを盛り上げる重要な役割を果たしてきました。

トラッシュトーク、私も嫌いじゃありません。なにしろ、ラップの源流はアリのトラッシュトークです。

もしかしたら、ゴロフキンと村田も罵声を飛ばし合い、フェイスオフでつかみ合いのパフォーマンスを仕込んだ方が、さらに話題を呼んだのかもしれません。

しかし、エリートの血統を持つ、五輪で金と銀のメダルを獲った2人の間には尊敬の念以外には何物も入り込む余地がないように見えました。



8年前、ゴロフキンのキャンプに参加した村田には日本からの取材クルーがゾロゾロ付いてきました。

彼らは邪魔で気が散る存在でしかなく、あからさまに嫌な顔や態度を取る選手もいたそうです。

しかし、このキャンプの主人であるゴロフキンは通路を塞ぐクルーの間を通るとき「excuse me(ちょっとごめんなさいね))」と、村田やクルーに微笑みかけたそうです。

そういうことが何度もあると、他の選手たちは、誰一人として村田やクルーに嫌な顔一つしなくなりました。

そういえば、この人、リングを降りるといつも微笑んでいます。全然、強く見えない。

スパーリングをしたあと、他の選手から「村田には手を抜いている」という声を聞くと「プロに慣れていない金メダリストに荒っぽいマネはしない。そもそもスパーリングは試合じゃない。プロに慣れるには少し時間がかかるもの。私がそうだったように」と、村田を慮ったといいます。

もしかしたら、一番最初の尊敬はゴロフキンから村田に向けられたのかもしれません。

今回、来日してスパーリングした8年前のことを聞かれると「当時から強かった」と、ゴロフキンが答えたと伝え聞いた村田は、村田で「(お世辞を言ってくれて)ありがとうございましたって感じですね」と、よくわきまえていました。

今の村田はゴロフキンに対して「ここまで辿り着きました」という気持ちかもしれません。

昨日の記者会見、先に座ってる村田の後ろを通るときに、ゴロフキンはポンと日本人のライバル王者の肩を叩きました。

「やっぱり強くなったな」とでも言うように。

村田とワシル・ロマチェンコのような国際大会で何度も顔を合わせた〝戦友〟とは違い、ゴロフキンは2004年アテネで銀メダル、村田は2012年ロンドンで金メダルと、2人は階級こそ同じでも〝すれ違い〟〝入れ違い〟の〝先輩と後輩〟のような関係にも見えました。

実際にはスパーリングや会話した時間は全部合わせても1時間もないはずですが、気心の知れた仲であることは、多くの人がテレビ画面を通じても感じ取ることができたのではないでしょうか?

それにしても、人間の急所に拳を叩き込むことにかけては世界最高の技術を持った者同士が戦うのです。

気心の知れた尊敬し合う者同士が戦うというのは、常人には理解の及ばない世界です。

それが出来る村田とゴロフキンは、あまりにも当たり前すぎて2人には失礼すぎる表現ですが、プロフェッショナルです。

特に、ゴロフキンは異常に映ります。

淵上誠がゴロフキンとの試合に敗れたあと。ホテルのロビーでゴロフキンがコーヒーを振る舞いながら、淵上の奥様を通訳に何時間も話し込んだなんてエピソードは、ちょっと信じられません。

もし、私が淵上なら受け入れ難いかもしれません。それよりも、もし私がゴロフキンなら相手のことも考えて、ロビーで顔を合わせても健闘を讃える挨拶くらいしか出来ません。

故意に相手を脳震盪たらしめるために拳を振るうボクシングは、本当はスポーツなんかじゃありません。

殺し合いです。村田やゴロフキンの拳なんて、大袈裟でもなんでもなく凶器そのものです。

だというのに…ゲンナジー・ゴロフキンという男は、まるで野球やテニスの試合をするように、殺し合いをしているようにも見えてきます。

ゴロフキンは、人間離れした男です。

そんなゴロフキンに挑むのは誰もが「日本人離れした」と認める村田諒太です。

日本人がどこまで戦えるのか、その大きな山を越えられるのか、それを見せてくれる村田諒太という絶好の才能に私たちは恵まれたのです。

ボクシングファンにとって、こんな幸運が他にありますか?

明日の今頃は、どちらかの名前が勝者としてコールされているでしょう。

読み上げるのはジミー・レノンJr.でしょうか?

そういえば、明日も天気は晴れるんでしたっけ?

台風1号は今、どのあたり?

さいたまスーパーアリーナあたりの桜も、もう散っているのでしょうか?



なにはともあれ、きっと2人は素晴らしい試合を見せてくれるでしょう。

なんだか、もう勝敗はどうでも良くなってきました。


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Saturday 9, April 2022
Super Arena, Saitama, Saitama, Japan  

World Boxing Association Super World Middle Title

International Boxing Federation World Middle Title


Gennadiy Golovkin vs Ryota Murata  

いよいよ、明日、明日です! 

今日は前日計量。

昨夜のスポーツニュースは、チャンネルの垣根を超えてこの大一番を伝えていました。

海外でも専門メディアは大きなスペースを割いて、直前に迫った日本のメガファイトを報じています。

その論調は、日本のニュース番組では「村田諒太にも勝機がある」。

一方、海外は「ゲンナジー・ゴロフキンにカネロ・アルバレスとの第3戦を戦う資格があるか?」。

ゴロフキンはカネロとの第2戦で、キャリア初のバックペダルを踏みっぱなしのディフェンシブな展開を強いられ、判定負け。

その後も、小さなミドル級セルゲイ・デレビヤンチェンコにすら守勢を強いられ、KO出来たのはアルファベット団体が〝捏造〟した嘘ランカーだけという状況が続いています。

そして、その第2戦からカネロは目を瞠るような成長を見せ、ライトヘビー級まで制圧、スーパーミドル級で完全統一を果たしました。

2人の実力曲線は第2戦で交錯し、カネロは上に、ゴロフキンは下に、大きく離れていっている…そういう見立てが世界の共通認識です。

第3戦はゴロフキンがあっさり処刑されるだけのミスマッチにしかならない、という予想もあるほどです。

昨夜も、ゴロフキンを「ミドル級最強」という報道が目立ちました。もちろん、その見方もありますが、ESPNはジャモール・チャーロを1位評価、ブックメーカーのポテンシャルオッズでも今日40歳を迎えるカザフスタン人はジャモールに対してアンダードッグです。

GGGがデレビヤンチェンコよりも大きく強い村田に、デレビヤンチェンコよりも苦戦を強いられる可能性は十分。敗北は論外、決定的な形で勝てなければカネロ戦の興味は一気に萎んで第3戦は立ち消えになるという懸念もあります。

世界も「村田にも勝機がある」と見ていますが、正確には「ゴロフキンが苦戦すると、カネロとの第3戦の開催危機につながる」という〝村田を置いてけぼり〟にしたものです。

「ゴロフキンは苦戦、あるいは敗北まで喫してしまうかもしれないが、それは大敗や惨敗ではない」という多くの予想は、間違っています。

デレビヤンチェンコと村田では火力が全く違います。

村田にはデレビヤンチェンコのクロスレンジでガチャガチャ攻め立てる手数はありませんが、危険極まる強打を持っています。

明日の試合後、サイタマ・ショッカーを見た世界のメディアは主語を変えて「村田諒太はカネロに挑戦する資格があるか?」になっているかもしれません。

とはいえ、GGGにとってはカネロ戦を除くとキャリア最大の興行になります。その空気からも、40歳になったばかりのグレートに油断や緩みは一切ないでしょう。

もちろん、村田は一世一代の大勝負、その覚悟が出来上がっています。


火を噴く激突まで、あと1日です。







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