フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: ボクシング界はいつだって魑魅魍魎

1988年に、WBOが発足して幕が上がってしまった4−Belt Era。

この33年間で、4団体完全統一王者=Undisputed Champion(議論する余地のない王者)=はたった4人しか誕生していません。

ミドル級のバーナード・ホプキンス、そのホプキンスに勝ったジャーメイン・テイラー、ライト級のテレンス・クロフォード、クルーザー級のアレキサンダー・ウシクです。

ここに「WBCフランチャイズを王座と認める」という愚行*を英断するならライト級のテオフィモ・ロペスも加わって5人となります。 

*先に予防線を張っておきますが「中谷正義vs テオフィモ」が決定した時点で、このブログはESPNやリング誌の「フランチャイズは認めない」という立場から一転離反、テオフィモはUndisputed Championと認定しますので悪しからず。
contents-sulaiman-770x481
こいつらの仕事は世界王者の権威を高めてボクシングの魅力を世界に広げることではありません。彼らは一つでも多くの王座、一つでも多くの階級を作ることに全身全霊を捧げる「王座・階級」を量産する製造業者なのです。「承認団体」と考えると腹も立ちますが「メーカー」と考えると怒りも少しは和らぎます。

3階級制覇はもちろん、4階級制覇よりも遥かに難問となった4団体完全統一ですが、そのラインナップを見ると一目瞭然「強いけど人気が伴なわない不遇の選手」の名簿であることがわかります。

この33年間でスターダムの頂点を極めたオスカー・デラホーヤもフロイド・メイウェザーも、マニー・パッキャオも、カネロ・アルバレスも、4人合わせて21階級制覇もしながら、誰一人としてUndisputed Championの座に就いていないのです。

スターダム頂点とUndisputed Champion、この各4人のグループはまさに光と影です。

影の4人が必死になって光になろうとした、その手段が4団体統一でしたが、統一しても影は影のままでした。

頂点のスターと戦っていないクロフォードやウシクは仕方がないにしても、デラホーヤやフェリックス・トリニダードを完膚なきままに叩きのめしたホプキンスですら影のままだった事実はあまりに悲しく、このスポーツがいかに不条理と理不尽なスター・システムで成り立っているのかを改めて思い知らされ、暗澹たる気分になってしまいます。

「テオフィモは人気があるし、これからもっと人気も出る光じゃないか」という意見もあるかもしれません。

繰り返しますが、中谷戦が決まるまでテオフィモがUndisputed Championとは絶対に認めません。

そして、エル・ブルックリンがUndisputed Championと認められる経緯や、それを肯定する腐敗メディアの姿勢こそが、唾棄すべきスター・システムを象徴する事象なのです。

ワシル・ロマチェンコ戦を前に「フランチャイズのタイトルもステイクして欲しい」というリクエストをマウリシオ・スライマンは快諾、それどころか「唯一無二のWBCのUndisputed titleはフランチャイズ。デビン・ヘイニーはセカンド王者」と狂言を口走ったのでした。

「WBCの最高責任者が明言しているんだからフランチャイズが正統で正当な王者と認めるしかない」というのは大間違いです。それでは腐敗承認を認めることです。
GettyImages-159922434-769x1024
「王者だから権威がある」という時代はとっくに終わり「メイウェザーだからPPVが売れる」「パッキャオだから人気がある」というのが4−Belt Eraです。王者の大量生産はUndisputed Championの権威・価値をより高めると思われましたが、現実は全く真逆でした。

見境なく世界王座を粗製乱造するアルファベット団体と、それらを奴隷の如く思うがままに扱うスーパースターの醜いエゴ。

そんな汚らわしいベルトをコンプリートすることに、どこまでの意味があるのか?

村田諒太の口から「ミドル級完全統一」という言葉よりも「カネロ・アルバレス」「ゲンナディ・ゴロフキン」の名前が挙がることから伝わるのは、彼の謙虚な姿勢だけではなく、ボクシング界がスター・システムに支配されているという現実です。

どのアルファベット・ベルトがステイクされていたのか記憶がないパッキャオやメイウェザーは4−Belt Eraを象徴するアイコンで、80年代までは考えられなかった、タイトルとの結びつきが非常に希薄なスーパースターです。

現在でも、Undisputed Champion=完全統一王者に就いたホプキンスやクロフォード、ウシクは、専門家からは最高レベルの評価を得ていますが、地味なキャラクターからの脱却は失敗に終わりました。

では、現代のUndisputed Championには専門家とマニアの評価と希少性以外には価値はないのでしょうか?

スター・システムに完全支配されている欧米だけで考えるなら、答えはYesです。

強さの証明書がスターの頂点と兌換された時代は、マーベラス・マービン・ハグラーを最後に終焉しました。

メキシコのスーパースター、カネロがUndisputed Championを目指すなら話は別ですが、クロフォードがウェルター級でもUndisputed Championの座に就いたとしても依然地味なままです。

「(クロフォードがスターの頂点を極めるには)コナー・マクレガーとのMMAとボクシングの2試合マッチで勝てば扱いは変わる」(ボブ・アラム)でしょうが、クロフォードは断固拒否、アラムへの不信感を募らせました。

それなら、パッキャオがやったように圧倒的不利予想で上の階級のスター選手を食うしかありませんが、そのつもりもないようです。クロフォードはこのままトップランクの養殖生簀で腐っていくのでしょう。 

Undisputed Championになるには4つもベルトを集めなければならない、つまり最も困難な時代が4−Belt Eraのはずですが、その名声は専門家とマニアの脳内で完結してしまう自慰的偉業に堕ちています。

ただし、スター・システムはメキシコや英国の人気階級という特権ボクサーにだけに用意された醜悪なギルドのルールに過ぎません。

もちろん、そこの親玉カネロを村田諒太が粉砕KOするようなことがあれば、こんなスッキリすることはありません。

しかし、そうでなければ…。奴らのスター・システムの中では絶対に見向きもされない、超軽量級の才能を憧れ料と土下座外交で押し売りする必要など、どこにもありません。

米国で地味、人気がないと切り捨てられるクロフォードやチャーロ兄弟と井上尚弥は同列には語れません。

井上やバンタム級は「人気がない」というような生易しい次元ではないのです。

しかし、日本では奴らのスター・システムなど無効です。奴らの眼中にない超軽量級も「伝統のフライ」であり、日本国内では「黄金のバンタム」も間違いではありません。

そこでUndisputed Championになることは、日本では大きな意味があります。

もちろん、そこにはメディアの正しい報道と、ファンの正しい受け止め方が不可欠になります。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日本時間、今日未明にタシケントとドバイで行われた2試合は、5ラウンドと6ラウンドのTKOという同じような結末を迎えました。

一方、ある意味でこの2試合は「別れ」と「出会い」というキーワードで語ることが出来る対極の性格も帯びていました。
スクリーンショット 2021-04-04 11.04.08
https://www.youtube.com/watch?v=jf-Cbj__k_0

「別れ」。

2016年に、数あるFighter of The Yearの中で最も権威がある全米ボクシング記者協会(BWAA)のFighter of The Year(シュガー・レイ・ロビンソン杯)に輝いたカール・フランプトンが引退を発表。

アイルランド史上初の3階級制覇を賭けたWBOジュニアライト級王者ジャメル・ヘリングへの挑戦に失敗、34歳のジャッカルは12年、31戦(28勝16KO3敗)の戦績を残してグローブを吊るしました。

ジュニアフェザー級で世界王者になって、フェザー級は人気スター選手レオ・サンタクルスをニューヨークの大会場で競り落として戴冠。英国・アイルランドのボクシングファンにとっては最高のファイターでした。

フランプトンは、米英で興味・関心が著しく低い軽量級のボクサーとして異質の存在だったのです。

「ジュニアフェザー以下の超軽量級=ボクシング」の日本のボクシングファンにとって、憧れの米英の大舞台に日本人が上がるためには、フランプトンやサンタクルスと戦うしかなかっただけに、ジャッカルがキャリアを終えることには寂寥感だけでなく無力感にも沈んでしまいます。

軽量級では希少な世界的スター選手がリングを去りました。


murodjon-akhmadaliev_mkwd9zut85uy1e582da2zj95o
そして「出会い」。

正確には「出会い(かもしれない)」です。

ムロジョン・アフマダリエフ、こいつがある程度強いのはわかっていました。

リオデジャネイロ2016の56㎏(バンタム)級準決勝でロベイシ・ラミレスに敗れて銅メダル。2015年ドーハ世界選手権では決勝(vsマイケル・コンラン)で敗退も銀メダル。

300勝(80KO・RSC)20敗のエリートアマであることは間違いありませんが、よくあるケースで実際の負け数は倍以上でしょう。しかも、負けてる相手が微妙。プロでもダニエル・ローマンとどっこい。

ただ、勝った試合の巧さと強さは抜きん出ていました。

ラミレスとコンランに完敗しているとはいえ、プロ適性は二人を遥かに凌いでいます。

岩佐との試合でも技術の高さは目を見張るものがあり、31歳のサムライに「これまでで一番パンチがあった。ビックリした」と言わしめたパワーもあります。

ジュニアフェザー級という世界的には非常に関心の薄いクラスですが、ここを踏み台にどこまで行けるか?です。もしかしたら、私たちはスター選手の揺籃を目撃しているのかもしれません。

…というよりも、日本人ファンとしてはこのクラスに留まって欲しい。

理由は単純明快、一つ年上27歳のバンタム級王者が4階級制覇を賭けて122ポンドに上がるまでに、さらなるレガシーを築いて、首を洗ってお待ち頂きたいと存じあげる次第なのです。

決戦のときまでに、残り2本のベルトもコレクションして頂けているのなら、もう最高です。

悲劇的にタレントが欠乏しているバンタムとジュニアフェザーですが、この二人の無敗対決はとんでもないレベルの戦争になるとしか想像できません。

ウズベキスタン人のMJは、フランプトンやサンタクルスのような「世界的な花」にはなりえませんし、少なくともライト級で活躍しないその可能性もありませんが、実力は彼らよりも上、途轍もない強敵です。

つまり「誰に勝ったか?」を語るに、粉砕して評価を上げるのに、これ以上ない格好の標的です。

超軽量級で世界最高の布陣を構える日本でも、こいつを倒せるボクサーは限られています。

岩佐も日本が誇る絵札でしたが、このウズベク人を倒すにはエースのカードを切るしかありません。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

あらゆるスポーツは一番を争う競技です。No.1を決めるのがスポーツです。

その意味では、ボクシングはもはやスポーツではありません。


I hope that before I pass that they restore this game and bring it back to only one champion in the world, said Marvelous Marvin Hagler (1954-2021), middleweight king (1980 to 1987). Marvelous Marvin didnt believe the hype. Be like Marvelous Marvin.

私が生きているうちにこのスポーツを立て直して、世界チャンピオンは世界に一人だけという当たり前の時代に戻ることを願う。〜マーベラス・マービン・・ハグラー


ハグラーは堕落するボクシング界の流れに従わなかった。今こそマーベラス・マービンのように振るまえ。
 

 

If I was a man of power in boxing, I make one organization. No WBA and WBC. Id have one championship. Muhammad Ali, Sport interview (December 1981)

WBAもWBCも要らない。一つの統括団体、一つの王座、それが当たり前だ。〜モハメド・アリ

 

 

Im tired Theres too many championships in the sport of boxing. Let me tell people why theres so many different titles and so many different belts. People dont knowfor every belt, theres a sanctioning fee. So if a fighter wins an interim belt, he has to pay a sanctioning fee. If a fighter has just a regular belt, he has to pay a sanctioning fee. Then if a fighter is a superchampionthen he has to pay a sanctioning fee.


 Everybody has a belt! 
This is not good for the sport of boxing.
   Floyd Mayweather, interviewed on SHOWTIME Sports, 10/21/2020

 

いい加減、疲れちまった。ボクシングにはとにかくチャンピオンが多すぎる。どうしてこんなことになってしまったのか?ベルトは承認料を支払って買うのもなんだ。暫定王者のベルトも、レギュラー王者のベルトも、スーパー王者のベルトも全部承認料を払って買うものなのさ。

誰でもベルトが買えるのがボクシングの世界、こんなことがスポーツとして健全なわけがない。〜フロイド・メイウェザー

 

1966年、WBAからWBCから独立して以来55年。

団体は主要とされるものだけで4つに、階級は17に膨れ上がりました。

それは1団体8階級のオリジナル8の時代から、4*17=68と8.5倍に王者の勝ちが希釈されたという単純な話ではありません。

4−BELT ERAとは、4つの団体が17階級で1人の王者を承認しているわけではないのです。
スクリーンショット 2021-04-04 0.19.31
WORLDの冠を付けるタイトルだけでも商売ができるほど品数豊富です…まあ、商売なのです…。プロボクシングは、一つの団体が複数の世界王者を抱える狂気のステージに突入してしまいました。

それぞれの団体が、上位タイトルやレギュラータイトルなど複数の世界王者を抱えてるのですから、その掛け算は「4*17」ではなく「4*」というのが正しい式です。

常識のあるメディアやファンは「世界王者は1団体1人まで」「防衛義務の無いダイアモンドやフランチャイズなどの上位タイトルは王座と認めない」と承認団体の暴走をなんとか抑えようとしてきました。

しかし、昨年10月の「ワシル・ロマチェンコvsテオフィモ・ロペス」に先立ち、WBCのホセ・スライマンは「WBCのUndisputed TITLE(議論する余地の無い王座)はフランチャイズ」と従来の〝名誉タイトル〟と言う解釈を撤回、試合に勝利したテオフィモは完全統一王者になると宣言しました。

無茶苦茶です。

この狂人の狂言を受け入れているのが日本メディアです。

ESPNやリング誌はもちろん、実体のある王座を全て拾い上げているBoxRecですら、そんな前言撤回の屁理屈は認めていません。

WBCライト級王者はデビン・ヘイニーです。来月29日にホルヘ・リナレスがその座を戴くことが決まっていますが。
スクリーンショット 2021-04-04 0.52.03

スクリーンショット 2021-04-04 0.33.03
スクリーンショット 2021-04-04 0.30.48

それにしても「WBCのUndisputed Champion」ってどんな理屈でしょうか?ホセ・スライマンの脳みそは間違いなく腐って溶けています。
スクリーンショット 2019-06-14 17.02.26

スクリーンショット 2021-04-04 1.04.03
ただ、厄介な話ですが、テオフィモは LINEAL Championなのです。

Undisputed ChampionでLINEAL Championの地位まで手に入れたマイク・タイソンがリング誌などで評価が低いのは「誰に勝ったのか?」の一点で、誰にも勝っていないからです。
スクリーンショット 2021-04-04 0.16.46

Undisputed ChampionもLINEAL Championも価値を持たなくなった4−BELT ERA。

「誰に勝ったのか?」という唯一の命題について考えてゆきます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

IMG_5369
時短営業もいいけど「お一人様」は別でいいでしょう。松本人志じゃないけど、絶対おかしいです。一人のみ率の高い私からすると、全く納得できません。

肉は小ぶりでもなかなかな焼鳥屋を発見。白モツ=右から二番目=は「もっとレア」でと、もう一本注文。

IMG_4328
「これ、ブルースリーの真似してヌンチャクをぶつけて怪我したところ。ものすごく痛かった」。

3階級制覇を達成したボクサーはマニー・パッキャオ(8階級制覇)、オスカー・デラホーヤ(6階級制覇) ら55人にのぼります。

最初に3階級制覇を成し遂げたのはミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級を制覇したボブ・フィッツモンズ(1903年)。 

トニー・カンゾネリ、バーニー・ロス、そしてヘンリー・アームストロング(1938年)と4人が大偉業を達成してからは、団体分裂や階級増殖などの〝恩恵〟があったにもかかわらず、5人目は1981年のウィルフレド・ベニテスまで43年も待たなければなりませんでした。

つまり、1903年を紀元とする55人名簿のうち50人が1981年からの40年でリストアップされたのです。

そして、21世紀最初の3階級制覇はフェリックス・トリニダード、22人目の〝偉業〟でした。現代ではもはや、3階級制覇はカッコ付きの〝偉業〟としか表現できない時代になりました。

ティトが22人目。つまり、118年の歳月で積み重ねられた55人リストのちょうど60%を占める33名は、この20年で量産されたのです。

さらに、この5年間で見ると13人が〝偉業〟達成。このうち5人が日本人です(井岡一翔・八重樫東・長谷川穂積・井上尚弥・田中恒成)。

明日、WBOジュニアライト級王者ジャメル・ヘリングに挑戦するカール・フランプトンがタイトル奪取に成功すると「アイルランド史上初の3階級制覇」と注目を集めています。
スクリーンショット 2021-04-02 23.43.17
「英国」まで視野を広げて見ても、3階級制覇はフィッツモンズ、デューク・マッケンジー、リッキー・バーンズの3人だけ。

小刻みに細分化された超軽量級をマーケットとする日本で複数階級制覇が持て囃されるのに対して、ミドル級以上がメジャーの英国では安易な階級制覇は見られません。

ミドル級以上となると、欧米で需要の高い階級だけに簡単に世界挑戦が出来ないという事情もあるでしょうが、人気階級であるがゆえにそこにとどまるメリットも少なくないということです。

とはいえ、日本でも5年で5人がマークした3階級制覇に、英国が3人しか達成していないというのは意外です。

英国ボクシングニューズ誌や、ボクシングマンスリー誌(2019年廃刊)を読んでいても複数階級制覇への評価や意識が希薄であることは簡単にわかります(もちろん、マニー・パッキャオの8階級制覇にまでになると、さすがに大特集しますが)。

日本の場合は、複数階級が層の薄い超軽量級で存在証明する最もわかりやすい方法になっているのです。

超軽量級のジュニアフェザーから、軽量級の入り口フェザーを制覇、そしてジュニアライトを狙うフランプトンは英国(フランプトンの国籍は北アイルランド=英国)では非常に珍しい存在です。

レオ・サンタクルス初戦(ニューヨーク・バークレイズセンター)でも、フランプトンのホームのような大声援が送られました。

ファン・フランシスコ・エストラーダはもちろん、ゲイリー・ラッセルJr.らが不遇な扱いを受けるのを見るまでもなく、軽量級の需要が低い米国でサンタクルスやアブネル・マレスとともに、アイルランドのジャッカルは例外的な存在です。

「フィッツモンズは別格だけど、私が3階級制覇したらマッケンジーとバーンズよりも上だろう」 (フランプトン)というのは、その通りです。

現時点でも、2016年にBWAAとESPN、リング誌の Fighter of the Year 三冠を達成したフランプトンの方が、PFP経験すらない二人よりも遥かに上です。

オッズは相変わらず拮抗していますが、レーザーシン(カミソリ一枚の差)でヘリングが支持されていますが、フランプトンが主導権を握って明白な判定か、終盤ストップ勝ちと予想します。

フランプトンはサンタクルス初戦ではアンダードッグだったものの、ドネア戦をはじめ多くの試合は圧倒的有利のフラグが挙げられていただけに、このオッズは「ヘリングが強い」というよりも「フランプトンにとって130ポンドは重い」という旗印でしょう。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

image
今日のお昼は、あさりラーメン+サービスライス。

仕事が超繁忙期につき、昼からビールは飲まない。

わしでもやるときはやる!飲まないときは飲まない!のだ!

imago01324993h
勝手知ったる港湾でしかセールしないヨット乗りがいた。

惚れ惚れするほど完璧な船の扱いに、誰もがヨット乗りに薦めた。

「あんたが沖に出たら、有名なヨット乗りにだって勝てるかもしれないよ」。

しかし、彼はその港湾から出ようとしなかった。

「私はこの湾を知り尽くしている。波の高さも深さも水温も、潮の満ち引きも。慣れない沖に出て下手くそなセールをするより、ここで完璧なセールを追求する方が素晴らしいことだと思わないかい?」

「もったいない。有名になれて大金も稼げるかもしれないのに」。

残念がる人々に彼は言い切った。

「私は有名になったり、お金持ちになるためにヨットの腕を磨いてるわけじゃないんだよ」。


スベン・オットケは、Phantomの渾名を持つベルリン生まれのエリート・アマでした。

五輪は1988ソウルと1992バルセロナに連続出場、いずれもミドル級でベスト8敗退ながら、世界選手権では銅メダル、欧州選手権ではミドル級とライトヘビー級で金メダルと、素晴らしい成績を残しました。

そして、プロでは34戦全勝(6KO)と無敗のままグローブを吊るすのです。

オットケはプロ7戦目にオーストリアのリングに上がったとはいえ、キャリアを通してホームを出ることがありませんでした。

〝Phantom〟オットケもまた「0=ゼロの寓話」の主人公です。



34の勝利の中には殿堂クラスはもちろん、PFPファイターの名前も見当たりません。

「無敗」「21連続防衛」「団体統一」という外見に対しで「誰に勝ったのか?」という中身では空っぽ。

当の本人も殿堂はもちろん、PFPとも全く無縁のキャリアを送りました。

「無敗王者のまま引退」という数字上は最高の形でキャリアを終えたオットケでしたが、その存在感は渾名の通りPhantom、幻だったのです。

そして、複数階級制覇や防衛回数、無敗=ゼロという数字だけでは評価されないプロボクシングの世界を語るとき、レオ・ガメスやサムソン・ダッチボーイジム、テリー・マーシュ、オマール・ナルバエスらとともに〝数字だけボクサー〟の典型例に挙げられてしまっているのが現実です。

その試合は事実、本当に面白くありませんでした。その退屈さは、強烈な睡眠薬にも喩えられました。

寝付きの悪い夜なら、子守唄に丁度いい…なんて冗談にもなりません。

ドイツに引きこもったキャリアも、オットケが冒険を避けたのではなく、米国や英国が塩分過剰のオットケを忌避したのかもしれません。

「リングの上では子守唄は歌わせない」と。そうです。「子守唄はリングにゃないぜ」(小池朝雄)です。

17ストーン、168ポンドのスーパーミドル級は英国の人気階級で、欧州の猛者たちは英国の大会場や巨大スタジアムを目指します。

また、シュガー・レイ・レナードやトーマス・ハーンズ、ナイジェル・ベン、クリス・ユーバンク、ジョー・カルザゲ、ミッケル・ケスラー…今ならカネロ・アルバレスに見られるように、間歇的な人気が沸騰することがあるのが、スーパーミドル級です。

しかし、オットケが子守唄を歌うのを許されたのはドイツのリングだけでした。

その世界戦22試合に、メガファイト、ビッグファイトと呼べるものはありません。

21度も王座を守って無敗のまま引退。これがオリジナル8の時代ならもちろん、オットケは団体統一王者にも就きましたから二団体時代なら完全統一王者、Undisputed Championです。

しかし、現実の時代は4Belt-Era。オットケは王者の1人に過ぎませんでした。

Phantomが王者のストラップを握っていた1998から2004年までの7年間の世界スーパーミドル級シーンを振り返りましょう。


▶︎まずは、対立王者から。

1998年のWBA王者はフランキーライルズが翌1999年にバイロン・ミッチェルに敗れてタイトルが移動。2003年3月15日、オットケは、このアルファベットのピースをミッチェルから奪います。

WBCの1998〜2004年は〝猫の目〟の政権交代が続きます。リッチー・ウッドホールからマルクス・バイエル、グレン・キャトレイ、ディンガン・トベラ、デーブ・ヒルトン、エリック・ルーカス、そしてマルクス・バイエル。

7年間でちょうど延べ7人が短いバトンリレーを繰り返したのです。

ディンガン・トベラ…。ムラムラしてきましたが、思いっきり話が脇道に逸れること間違いなしなので、泣いてトベラは忘れます。

WBOのストラップはジョー・カルザゲが1998年から2007年まで、ビッグネームを倒しながら10年帝国を築きます。

〝ウエールズの誇り〟カルザゲはPFPに2005年:5位、2006年:3位、2007年:2位とキングに王手まで迫り、オットケと同じく無敗のまま引退。

そして、文句無しの一発殿堂入り。

英国のスーパースター と時代が完全にオーバーラップしたこと、そして対戦が叶わなかったことが、オットケの日陰色をより一層濃くしてしまいました。


 

▶︎次に、1998〜2004年のリング誌PFP(Best Fighter Poll)を振り返ると、この7年間のトップ10にスーパーミドル級の選手は一人も食い込むことが出来ませんでした。

オットケの在位期間はスーパーミドルの暗黒時代ともいえます。
スクリーンショット 2021-03-24 0.11.50
世界戦22連勝、21連続防衛。2団体統一。数字だけなら一発殿堂でもおかしくありません。

精一杯の尊敬を込めると、勝利を追求する誠実な人柄がにじみ出るようなボクシングスタイルでした。 

しかし、本人が「飛び抜けて最強だったのはアンソニー・ムンディン」と認めているように、その対戦相手の質は劣悪でした。 

米国のスター選手まで追い求めたカルザゲと違い、オットケは慎ましくキャリアを重ねて行き、何事もなくキャリアを閉じました。

そう、何事もなく。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

昨日、ライトヘビー級のIBF/WBC王者アルトゥール・ベテルビエフが10ラウンドTKOで王座防衛、戦績を16戦全勝16KOに伸ばしました。

そして今日、バージル・オルティスJr.がモーリス・フッカーを7ラウンドでストップ、17戦全勝17KOでWBOウェルター級暫定王座を争い、セカンドタイトルを獲得。
i

持ち前の強打でIBFを4度、統一王座を初防衛した階級最強候補のロシア人と、量産型タイトルの断片を拾い上げたばかりのオルティスを同列に語ることは憚られますが、今日のテーマは〝パーフェクトレコード〟です。

プロボクシングでは、ある程度の年齢と技術体系を完成させてから選手になり、他のスポーツとは比較ならない少ない試合数でキャリアを終えます。

さらに、勝ち続けるとよりタフなステージが用意されるとは限らないのも特徴的です。プロボクシングは咬ませ犬や穴王者、雑魚挑戦者が選り取り見取りの世界なのです。

「指名挑戦者」という言葉も今では本来の意味を完全に失い、世界中のボクシングファンを笑わせ続けてくれています。

日本のメディアやファンの間では「世界王者に弱い奴はいない」「王者にとって指名挑戦者を迎える試合は最難関の試合」「世界1位は最強挑戦者」という言葉がいまだに散見されますが、プロボクシングはそんなまともなスポーツではありません。

この独善独断偏見ブログが最も唾棄するのが、オマール・ナルバエスのようなヘタレや、全く意味のない数字だけのボクサーです。

ナルバエスは「ヘタレ」と「数字」を両立させた、トンデモ選手です。顔はハンサムなんですが、母国の評価も人気もセルヒオ・マルチネスとは天地の差なのもよく理解出来ます。

それでも日本に来たら「伝説の名王者」です。ある意味「伝説」なので、間違いではないのですが…。


そんな歪んだ世界で整形美容外科的に量産されるのが無敗レコードです。

「無敗」には「全勝無敗」「全戦全勝」などがあり、最上級は全戦全勝全KO、100% knockout record です。

そして誇大広告の末路では、ほぼ全ての記録が途絶え、記録が抹消されるだけでなく、人々の記憶からも薄れてゆきます。

極めて稀ですが「無敗のまま引退した世界王者」も存在します。
 
代名詞的な名前だけでも、ロッキー・マルシアやリカルド・ロペス、ジョー・カルザゲ、スベン・オットケ、エドウィン・バレロ、サムソン・ダッチボーイジム、テリー・マーシュ…そして真打、フロイド・メイウェザー。

マルシアノの「48」は伝説的な数字として語られていますが、それでも史上最強の評価を受けることはありません。

ロペス、カルザゲ、メイウェザーもそれなりの評価は受けているとはいえ「無敗であること」が評価の要因ではないのです。

 テニスのマルチナ・ナブラチロワのシングルス74連勝、陸上400mハードルのエドウィン・モーゼスの122連勝には、相手の質が低いなんて非難は浴びせられません。

ボクシングの世界で無敗が持つ意味は大きくありません。「世界王者のまま無敗のまま引退」はこのスポーツでは、むしろ後ろ指を差されかねないのです。

その意味では〝ゼロ〟の価値はゼロ、と言えるでしょう。

さて、この「ゼロ・ワールド」でも最上級バージョンの全戦全勝全KOを突き進んでいるベテルビエフやオルティスは、いつ記録をストップされるでしょうか?

また「全戦全勝全KO」をさらに蒸留した「全戦全勝全1ラウンドKO」記録を16にまで伸ばしているエドガー・ベルランガもいつ記録が途絶えても不思議じゃない怪しさ満点です。

23歳のThe Chosen One(選ばれし者)は来月24日、強打のデモンド・ニコルソンとの試合がセットされていますが、コロコロ倒れるニコルソンはどっからどう見てもオーダーメイド。記録は17に伸びる公算大ですが、さて1ラウンドKO記録はいつまで続くんでしょうか?

…というか、いつまで続ける気でしょうか?
IMG_4223
アリ・レイミをトップに頂く、このバッタモン・ランキングの中では、バレロでも評価してあげなければなりません。

このブログでも紹介済みですがアリ・レイミには〝美容整形〟記録のエッセンスが詰まっています。

レイミはまさにパーフェクト・レコードのパーフェクト・サンプル、完成形です。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「私の報酬が125万ドルだなんて受け入れることは出来ない。トップランクのプロモートにはこだわらない、競争入札で自分の価値を知りたい」(テオフィモ・ロペス)。

競札になることは確実視されていましたが、入札したのはまさかのトリラー。

トップランクの$2,315,000(現在の為替で2億4539万円)とマッチルームの$3,506,000(3億7163万円)を大きく上回る$6,018,000(6億3790万円)を提示したトリガーが興行権を獲得しました。

「マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.」 のエキシビションをプロモートした動画配信の新興企業が米英の大プロモーターに圧勝したわけです。

王者テオフィモの取り分は65%、約390万ドル。挑戦者は35%210万ドル。共にキャリアハイのファイトマネーを手にすることになりました。

試合は「マイク・タイソンvsイベンダー・ホリフィールド」のメガエキシビションの前座にセットされると見られています。トリラーが算盤をはじく6億円の出所は〝そこ〟です。

そしてまた、あつかましく「チャリティー」を騙るのでしょうか?
hearn-arum

面子丸潰れのボブ・アラムは「テオフィモとジョージ・カンボソスJr.の試合に600万ドルなんてバカげてる。 テオフィモとのマネジメント契約は20%だから、我々には何もせずに78万ドルが入ってくる。悪い話じゃ無い。(ダゾーンに放映権が渡る)エディー・ハーンに持って行かれたらESPNに釈明しなければならないところだたが、600万ドルじゃ仕方がない。ESPNもこのカードに600万ドルの価値は無いと理解を示してくれた」とboxingscene.comのインタビューに答えています。

If Hearn won the bid, we’d have a lot of explaining to do to ESPN. But [ESPN] understands that the fight was not worth anything near $6 million. 

しかし、ハーンに対しては「よその選手の試合に手を出すなんて商道徳のかけらもない恥ずかしい男だ。怒りを覚えている」と激しく非難。

一方のハーンは「選手ファーストの意識が欠落しているアラムは老害。大切にしなければならないのは選手だ。その選手が報酬が少ないと泣きついてるんだから、黙ってられるか。そもそも、自分のプロモートしてる選手がかっさらわれたのに78万ドル儲かったって、最低だ。恥ずかしい話だ。クロフォードもテオフィモも素晴らしいPFPファイターなのにあのプロモーターには宝の持ち腐れ」と応酬。

トリラーそっちのけで泥試合です。

しかし、トップランクの$2,315,000(現在の為替で2億4539万円)はパンデミックを考慮しても少ない気はします。テオフィモの取り分は150万ドル。井上尚弥(ジェイソン・マロニー戦)の1.5倍に過ぎません。

井上の場合は日本からのサポートがほとんどですから同列には語れませんが…テオフィモが少ないのか、井上がもらい過ぎなのか…。

井上の100万ドルとは違い、興行収入の中でファイトマネーを捻出するのは様々な軋轢を呼び込んでしまいます。マネジメント料20%…トップランクとESPNにとって、井上はおいしい果実です。100万ドルに20%がかかってるかどうかは別にしても、高額の放映権料が入ってるのは確実です。

まあ、惚れた方の弱み、「憧れ料」を払うのは当然なんですが、どうも納得できません。

ジュニアフライ
そして、リング誌のダグ・フィッシャーが「WBSSがシーズン3の準備を進めている」とDOUGIE’S FRIDAY MAILBAGの中で、ほのめかしました。

ジュニアフライ級に白羽の矢が向けられているようです。

だんだん、奴らの狙いがはっきりしてきました。寺地拳四朗の不祥事に一番ショックを受けてるのはカレ・ザウアランドだったかもしれません。
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「4団体17階級」 は王者を大量生産する狂乱の時代です。

他団体の不義を糺すため、正義の王者を打ち立て、ボクサーの安全・健康と適正なパフォーマンス発揮にために階級を細分化している、という見方も1億歩くらい譲れば、そういう状況も考えられるかもしれません。

しかし「4団体17階級」時代の本当の闇はそこではありません。

それだけなら、WBAからWBCが分離独立した1960年代から続く承認団体の大義名分、正義の問題と本質は変わりません。団体と階級が増えただけですから。

それでも「同一団体複数王者」は、どんな理屈も通用しない狂気の沙汰です。

「我が団体の王者こそが本当の王者」なら、まだありえる主張ですが「我が団体には王者(No.1)が複数いる」となると、もはや重度な精神病、脳障害です。

4−Belt Eraとは、17階級にわたってアルファベットが組み合わされた世界王者が粗製乱造されているだけでなく、同一団体の中でスーパーやフランチャイズ、ダイアモンドなどの冠王者が都合良く増殖されてりる時代なのです。

ボクシングほどわかりやすくて、衝撃的な結末が用意されているスポーツはありません。

しかし「誰が一番なのかは誰にもわからない」という、スポーツにとって致命的というか、スポーツとしてはありえない状況が当たり前に常態化してしまっているのです。

マイナーの谷底に叩き落とされ、1970年代のスポーツ界ですでにDying industry(衰退する産業)の烙印を押されていた、ボクシングはいまや瀕死の状態。蘇生の最も有効な治療法は新しいファンを増やすことですが、ボクシング同様に〝老い先短い〟年配のマニアが支えているのが現実です。
スクリーンショット 2019-06-14 17.02.26
こんな惨状で、最もスポーツライクで、最も分かりやすいLINEAL CHAMPIONが間歇的に脚光を浴びるのは自然の流れなのかもしれません。

The adjective “Lineal” is in reference to the manner in which titles in prize fighting traditionally passed from one champion to the next via contests in the ring – commonly described as, “the man who beat the man.”  

"Lineal "はプロボクシングのタイトルがリングの中で防衛か簒奪かで決定される伝統である 。「王者を倒した者だけが王者」という至極真っ当な考え方だ。

“the man who beat the man.”  〜王者を倒した者だけが王者。

この、目には見えませんが、概念としては最も単純明快な王者、それがLINEAL CHAMPIONです。

もちろん、王者の引退などで空位になった場合は決定戦が行われますが、ランキング1位と2位で争われる場合のみ新王者が誕生します(特別な事情が認められた場合は1位と3位)。

見覚えのあるレギュレーションです。

そう、リング誌のチャンピオンシップがLINEAL CHAMPIONの考え方に則っています。※「リング誌王者はリネラル王者か?」という問いの答えはYesとNOです。これまでにも何度かやったお話な気がするので、ここでは先を急いで割愛。
john-l-sullivan-kilrain-poster
昔、むかしのボクシングファンはジョン・L・サリバンからモハメド・アリまでLINEAL CHAMPIONの名前を誦じて、自分の子供たちにも語り継いだといいます。

私がボクシングを見るようになって40年、LINEAL CHAMPIONが大きな話題になったのは二度、最初は80年代中盤のマイケル・スピンクス、そして2010年代後半のタイソン・フューリーです。

スピンクスはWBA/WBC/IBF王者マイク・タイソンに、フューリーはWBC王者デオンティ・ワイルダー に〝挑戦〟するときに LIEAL CAHAMPIONとして紹介されました。

「タイソンは完全統一王者で The Undisputed champion=議論する余地の無い王者、他に王者なんていない」。

「長いブランクを作って無冠になったフューリーが正統王者だなんて屁理屈だ」。

多くのファンは戸惑いました。

自己都合でタイソン戦を後回しにしてIBF王座を返上したスピンクス。引退宣言までしてリングを離れたフューリー。

アルファベット団体はさっさと決定戦を行い新王者を作りましたが、リング誌はスピンクスの王座を剥奪せず、フューリーも規定の18ヶ月の経過と本人にリング復帰の意思が無いことを確認するまで王座を空けませんでした。
IMG_3460
腐敗と混沌の4−Belt Eraだから関心を集めるLIEAL CAHAMPIONですが、もはやここまで王者の価値が失墜してしまうとファンの興味は「誰と誰が戦うのか?」に尽きてしまっています。 

ボクシングファンなら誰もがのめり込んで見たに違いない「メイウェザーvsパッキャオ」ですら、あの試合に賭けられたタイトルを正確に覚えている人がどれだけいるでしょうか?

いたとしても、タイトル争奪への関心がどれほどあったでしょうか?
 
LIEAL CAHAMPIONとは畢竟、タイトルへの最高の尊敬を具現化した概念です。形としてないのに具現化なんて、全くおかしな話ですが。

タイトルへの尊敬が限りなく軽くなっている時代、LIEAL CAHAMPIONの持つ意味もまた希釈されてしまっているのです。

王者乱立時代でも大きな存在感を示してきたThe Undisputed championですら、4−Belt Eraではバーナード・ホプキンスとテレンス・クロフォード、アレキサンダー・ウシクと人気の無い選手が実力証明するコレクションに成り果てました。

そして、このコレクションをコンプリートしても、けして人気の頂点には近づくこともできないのです。

「テオフィモ・ロペスはライト級としては十分人気があるぞ」というかもしれませんが、あれは「The Undisputed championになって人気者になった」のではありません。「人気者がThe Undisputed championになった」のです。

もっと正確に言うと、テオフィモは本来はその条件が揃っていなかったにもかかわらず「人気者だからThe Undisputed championにしつらえてもらった」のです(彼をThe Undisputed championと認めるなら、ですが)。



さて、LIEAL CAHAMPIONです。このチャンピオンシップ制度で最も尊敬すべき称号が話題に上がるのは、ヘビー級に限定されているといっても過言ではありません。

ジョンLサリバンからモハメド・アリ。スピンクスやフューリー…全部ヘビー級です。

では、LINEAL CAHAMPIONはヘビー級にしか生息しない概念なのでしょうか。

そんなことはありません。

広義では「王者を倒したものだけが王者」。それがLINEAL CAHAMPIONですから、17階級のどの階級にも存在します。

ただし、やはり伝統的にヘビー級は別格、ヘビー級だからこそジョン・L・サリバンへの関心が強烈なのでしょう。

ジョン・L・サリバンは、ボクシングファンなら誰でも聞いたことがあります。 

他の階級でジョン・L・サリバンは誰に当たるのか?

この問いに、一つの階級でもいいから、自信持って言える人が何人いるでしょうか?

というか、歴史的に一貫したリミット体重を持たないケースも多いヘビー級以外の階級で「誰が最初の一人か?」を決めるのは無理難題です。

団体分裂後に創作されたジュニア階級やストロー、クルーザーなどのクラスは「最初の一人」ではなく、複数の始祖を持つわけですから、一本道(LINE)であるはずのLINEAL CAHAMPIONの〝始発駅〟が複数あるのですから、非常にややこしい話になります。

その、非常にややこしい話をバンタム級で始めます。

オリジナル8に数えながら、黎明期は体重リミットが安定せず、呼称も一定しなかったバンタム級の始発駅をどこに定めるか…誰にもできませんが「こいつは LINEAL CAHAMPION 」と認めることができる王者を見つけることは簡単です。

そこから始めましょうか。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

今年で43歳になるマニー・パッキャオ。

プロデビューは1995年1月22日です。それから26年、71試合を戦い、史上唯一の8階級制覇を成し遂げたグレートは死に場所を探す段階に差し掛かっています。

それなのに。当の本人にはそんな気は全くないようで、エロール・スペンスやテレンス・クロフォードの本格派路線からコナー・マクレガーの茶番劇まで選り取りみどりのプロポーズリストにご満悦なようです。

そして、生きる伝説に求愛するのは大きなレガシーを築いたピッグネームだけではありません。

カネロ・アルバレス に続くメキシコのスター、ライアン・ガルシアです。

温室育ちの22歳がInstagramにふざけたポスターを投稿しました。
image
A DREAM TO REALITY〜この夢は現実になる。

kingryan A dream turned reality ✨👊🏽 It’s an honor to share the Ring with @mannypacquiao I will always respect what you did in and out the ring. Here’s to the best Man Winning 🥊

はぁ?

WBC暫定ライト級王者の分際で何様のつもりや!?

リング誌は「パッキャオは今年で43歳、キャリア晩年とはいえキング・ライアンに勝てるわけがない」としながらも「この試合を〝pass the baton〟fight(スーパースターのトーチが渡るエポックファイト)と見る人もいるだろう」と報じていますが、寝言を記事にするとはさすが自称・ボクシングの聖書です。

しかし、まさか?

「マニー・パッキャオと戦えるなんてこんな名誉ことはない!僕は常に彼がリングの中と外で成し遂げたことを尊敬してきた。それでも試合では強いヤツが勝つ」。

はぁ?

本気か?妄想か?

やめてくれ。

…やるとしても、weight は?

ふざけるなよ、暫定野郎。

しかし、これは実現するしないは別にして、すぐオッズが出ますね…。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

一年以上前からWBCとフロイド・メイウェザーの間で〝商談〟が進められていた「ベルトに嵌め込まれる肖像写真」。

WBCは全てのチャンピオンベルトにメイウェザーの肖像写真を嵌め込むことになりました。
wbc-belt-mayweather
“I remember the first time I won a WBC belt and saw the photos of the great champions on there and always wanted to be there too. It really is a dream come true for me to be alongside the great Ali , and WBC founder Don Jose, and to be recognized by them for my contributions to the organization and the sport. I am beyond grateful to receive this honor.”

「初めてWBCのチャンピオンベルトを手にしたとき、そこに偉大な王者の写真が嵌め込まれているのを見て、いつか自分もここに加わりたいとずっと願っていた。その夢がついに現実になったんだ。偉大なアリとWBC創設者のドン・ホセと並べるなんて。WBCとボクシングに貢献してきたことがもうして認められることは至福の喜びだ」。


誰もが思ってることですが、ホセ・スライマンの写真、要るか???

しかも、ホセはグリーンベルトの考案者ですが、WBCの創設者ではありません。

WBSSの「アリ・トロフィー」もそうでしたが、違和感しかありません。

その階級のグレートを尊敬して写真を嵌め込むのなら大賛成です。〝団体の壁〟があるんでしょうが…。

ストロー級ならリカルド・ロペス、ジュニアフライなら具志堅用高や張正九、フライ級ならパンチョ・ビラやパスカル・ペレス、ジュニアバンタムならカオサイ・ギャラクシーやジョニー・タピア、ビック・ダルチニアン、バンタム級ならエデル・ジョフレやカルロス・サラテ、矢吹丈なんてのもオシャレです。 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ