Bob Arum (Top Rank),
Eddie Hearn (Matchroom Boxing),
Benjamin Shalom (Boxxer),
Frank Warren (Queensberry Promotions)
WBC /IBF /WBO王者ベテルビエフは20戦全勝オールノックアウト、WBA /IBO王者ビボルも23戦全勝(12KO)。
ブックメーカーのオッズはほとんど互角。ウィリアム・ヒルの掛け率はベテルビエフ勝利が1/1(2倍)、ビボルが4/5(1.8倍)。
活動的にリングに上がっていないのは両者に共通してますが、怪我が多い39歳のベテルビエフと、安定した試合内容が続く33歳のビボル。
そして、歴史的にもホコタテ対決は盾が有利というのが大方の見立てですが、それでも一発のジャブで一気に流れを呼び寄せるベテルビエフの桁外れの強打は、この決戦を味付ける最高のスパイスです。
スタイル的には左右の拳に一打必倒のパワーを持つベテルビエフと、多彩なリードで相手を封じ込めるビボル。
「強打」を数値化するのは難しく、40年以上も同じシステムのBoxRecではパワーパンチは「利き手のパンチ」というまさかの定義。ベテルビエフはBoxRecでは計り知れない強さなのです。
対するビボルは、わかりやすい数字に強さが反映されています。
ビボルは統計をとった現役ボクサーの中で最もジャブの比率が多く(65.5% =35.3発/53.9発)、そのヒット率は53%と唯一の50%超をマーク。
さらに対戦相手のヒット率では、あの打たれないことだけしか考えていないチキン・シャクール(13.7%)を上回る13%でやはりトップ。
この対戦相手のヒット率では井岡一翔が19.3%で6位、寺地拳四朗が19.5%で7位と日本から2人がトップテン入り。ロベイシ・ラミレス、ワシル・ロマチェンコら巧みなジャブの使い手が目立つランキングになっています。
さて、米国ではこの今年一番のカードがなんとESPN+で事実上の無料放送で提供されるのです。
米欧にファンベースのないロシアン・ルーツの対決ではPPVは売れないということでしょうが、マニアにとってはこんなに嬉しいことはないでしょう。
そして、普通なら真逆にアンダーカードがPPVで課金されるというのですから、お笑い種です。
しかもPPVの〝メイン〟はWBCライト級王者シャクール・スティーブンソンがジョー・コルディナを迎える防衛戦。
These aren’t fighters that fans would want to pay to see.
14.99ドルと価格は抑えたものの、カネを払ってシャクールの試合が見たい…そんな素っ頓狂な人が世界に何人いるでしょうか?
Shakur doesn’t belong on PPV, even on an undercard.
シャクールはたとえ前座に組み込まれてもPPVで売るべき素材ではありません。
PPVを支払った人が「騙された」と訴訟を起こせば、試合のビデオを見た裁判官は「これはひどい」とDAZNに慰謝料も含めた割り増しの払い戻しを命じるでしょう。
If Shakur could become a star, Top Rank would have never let him leave in a million years.
シャクールがスターになれる可能性を秘めていたなら、トップランクは絶対に手放さなかったはず。
エディ・ハーンが長期契約しなかったのも、どこかのタイミングでスター性のあるメキシカンの格好の餌にしたいと考えているからでしょうが、あれは餌にもなりません。
悲惨な数字が発表されそうです。