カテゴリ: 世界のボクシング:階級/キャッチウエイト

プロボクシングは日本を含む先進国で、スポーツとしての社会的地位が凋落し続けています。

女性や子供も観戦スポーツを楽しむ時代に、ボクシングはその競技特性からふさわしくないのは当然です。もちろん、団体と階級の増殖、同一団体の同一階級でも世界王者が複数存在するなど、メチャクチャな構造からも信用を失い続けてきました。

Undisputed champion、議論する余地のない=文句なしの世界王者…こんな言葉が当たり前に横行すること自体が、常識から大きく逸脱した異常自体であり、滅亡への道であるというのに、もはや歯止めはかかりません。

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21世紀になってスポーツ・イラストレイテッド誌の表紙を飾るボクサーは激減。2015年のメイウェザーとパッキャオが最後となってしまいました。


世界の統括団体があれば、こんな事態は回避できたでしょうが、現実にこのスポーツを動かしているのはローカルコミッションとプロモーター、放映権料を支払うメディア。

「ボクシングってどうなってるの?ランキングも明らかにおかしいし、階級と王者は数え切れないし」という一般スポーツファンの意見は無視され続けてきました。

そんな、世界王者になっても無名であるのが当たり前の完全マイナースポーツ、ボクシングの中でも注目度が低い軽量級、米国ではコアなマニアのレーダーでも潜り抜けてしまう元ジュニアフェザー級王者スティーブン・フルトンのお話しです。

昨年、シュガー・レイ・ロビンソン賞をはじめ、主要メディアのFighter Of The Year を総ナメにした井上尚弥も米国では全く無名。

アジアの軽量級選手では、ボクシングという小さなコップの中でもさざ波を立てるのは至難の業で、もしそれが出来るなら、めったに出現しない軽量級のスター選手、対戦相手に恵まれるしかありません。

井上の不幸は5階級にまたがり、4階級でタイトルホルダーになりながらもスター選手は皆無、まともな強豪との対戦もないということに尽きます。

井上に敗れたボクサーたちは、その後のキャリアでさらに馬脚を露わす〝失態〟を繰り返すばかり。唯一の例外は田口良一(のちのリング誌/WBA・IBFジュニアフライ級王者)ですが、それはもう11年前の日本ジュニアフライ級タイトルマッチの話です。



2人とも頬はこけ、肌はカサカサ…より弱い相手を求めて自分まで弱体化する貧困ビジネス対決は井上の圧勝!


そして、例外ではない〝がっかり組〟の1人が元ジュニアフェザー級王者スティーブン・フルトン。井上との対決前は、名勝負を期待して私もさまざまな記事を集めようとしましたが、そこから浮かび上がってきたのは想像を絶する人気の無さ。

そして何よりも、攻撃力が世界基準以下で悲惨なのはわかっていたものの、BoxRecの数値では防御までザル、このブログでも「こんなのが井上に勝てるわけがない」と、途中で記事をやめてしまいました。

やる前から惨敗が決まっている、井上が対戦後に「顔面を打たれるのを極端に怖がる」と失望したチキン、それがフルトンです。

そんな、チキンなスクーターが12月14日、モンスターに沈められてからの復帰第2戦のリングに上がります。舞台はテキサス州ヒューストンはトヨタセンター。

対戦相手は3年ぶりの再戦となるWBCフェザー級王者ブランドン・フィゲロア。

WBAライト級王者ガーボンタ・デービスがラモント・ローチを迎えるビッグファイトのアンダーカードにセット。

ジュニアフェザー級の団体統一戦となった初戦はフルトンが2−0のマジョリティデジションで白票の勝利を収めましたが、多くのメディアやファンがフィゲロアを支持する議論を呼ぶ判定で、フルトンは「再戦では誰にも文句を言わせない勝ち方をする」と意気込んでいます。

そういう決定力が絶望的に欠落しているのがフルトン。

直近のカルロス・カストロ戦もぐだぐだの試合で、多くの人がフルトンの負けと見ましたが…。




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17階級を競技人口から考える。いつの間にか第8回。本来なら定期観測すべきテーマですが、酔っ払いの思いつきブログではそうはいきません。

あしからず。

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ガブリエル・ガルシア=マルケスが再ブレークするとしたら「コレラの時代の愛」かと思いましたが、「百年の孤独」とは。




本日、2024年10月5日と、コロナ禍の影響がまだ色濃く残っていた2022年12月8日との比較です。

2022年前後はパンデミックというあまりにも特異な災害に見舞われ、ほぼ全ての興行が中止、多くのボクサーが1年以上のブランクを作り、ライセンスを更新せず手放してしまいました。

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17階級トータルで、前回の1万9653人から、今日現在は2万5684人と6031人、31%も増加。

それでも、全盛期は10万人はいたとされるプロボクサー人口は基本的に減少傾向を辿っています。

日本だけを見ても、亀田興毅ファウンダーが指摘するまでもなく、ジムの数が激減しているばかりか、新設されるジムはプロボクサー養成から距離を置く、おしゃれなトレーニングジムばかりが目立っています。

かつて、ボクシングジムといえばプロになってチャンピオンを目指す若者たちが集う場所でしたが、もうそれでは流行らないんです。

悲しいな。




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ボクシングの階級は、基本的に重くなればなるほど人気があります。

最軽量のストロー級と最重量のヘビー級では、報酬の差は1000倍レベルかそれ以上のことも普通にあります。

ジュニアライト級以下、特にジュニアフェザー級以下で日本人選手が気軽に世界挑戦できるカラクリはここにあります。

欧米での需要が低い、つまり際立ってコスパに優れているのです。

それでも、例外はあります。

フェザー級のIBF王者ルイス・アルベルト・ロペスや、WBO王者ラファエル・エスピノサらが、ジュニアフェザー級の井上尚弥の名前を出すのはその一例ですが、軽量級では極めて異例のケースです。


人気階級なら最近でも、フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスらは上の階級の王者から対戦を熱望されてきました。

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団体対立が今よりはるかに苛烈だった80年代初頭まででも、全階級を通じてただ二人のUndisputed championだったライトヘビー級のマイケル・スピンクスと、ミドル級のマーベラス・マービン・ハグラーはその対戦が注目されていました。

スピンクスはハグラーを挑発しますが、ロベルト・デュランやトーマス・ハーンズが乗り込み、シュガー・レイ・レナードまでが登壇するミドル級にはカネと栄光の匂いが充満していました。

ハグラーは、井上尚弥と同じセリフを吐きます。

「そんなに俺と戦いたいなら、お前がミドル級に来い」。

重い階級ほど人気が高い。この矛盾が崩れるのは、ウエルター級やミドル級が介在するケースです。

さらに、ウエルター級やミドル級のスター選手がつまみ食いする階級もその余熱を受けて活況に沸き立ちます。

井上尚弥のケースはこのスター型のミニチュア版で、井上でもForbesなどのアスリート長者番付とは無縁の世界です。

しかし、人気階級とは口が裂けても言えないジュニアフェザー級以下の砂漠クラスで、この現象を起こしていることは非常に特殊なこと。

ここには「日本」「ネット配信」「先行投資」という三つのキーワードが絡んでいます。

井上を筆頭に、日本人軽量級王者の報酬がどうして高騰傾向にあるのか、そしてこれは持続可能な発展なのか、を少しずつ考えてみます。

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プロボクシングの世界は「スポーツ」ではありません。「興行」です。

強いアスリートがどんどんチャンスを切り開いていく、そんな世界ではないのです。

人気のあるアスリートが勝つように仕組まれる、そういう世界です。

そこにはサッカーや野球のような公正なリーグ戦や、五輪のような公正な最強決定戦も、事実上存在しません。

さて、最近よく聞くのが「昔は同じ階級にとどまって防衛を重ねるのが主流だったが、最近では複数階級制覇と団体統一がトレンドになっている」という見方です。

これは「主流」や「トレンド」と表現するような、アスリートが主導して作った「流行」の一種なのでしょうか?

いいえ、違います。



複数階級制覇と、団体と階級の分裂・前日計量というシステム変更は無縁ではありません。

そもそもオリジナル8の時代なら、年間2試合するかしないかなんて間隔はあり得ません。そして、1団体8階級しかないのですから複数階級制覇など、おいそれとできる道理がないのです。

また、団体統一戦も、複数の団体が存在する異常な世界が大前提です。

90年代まで団体統一戦が容易に実現しなかった最大の理由は、団体間の確執・対立です。

WBA王者の渡辺二郎が統一に乗り出すと、WBAが「リングに上がった瞬間にタイトルは剥奪される」と警告を表明したのはその典型です(現実には帝拳がWBAに掛け合いタイトル剥奪は「試合終了の瞬間」に変更=つまり渡辺は一瞬の刹那ですがUn disputed championでした)。

WBAが恐れたのは統一王者の出現が、認定料の減収につながりかねないという心配でした。

アルファベット団体を「統括団体」と勘違いしている人がいますが、あれはただの「認定団体」にすぎません。タイトルを認定すればするほど、儲かる商売です。分かりやすくいうとタイトルを増やす、階級を増やすことで儲かる、「タイトルメーカー」「階級メーカー」なのです。

トヨタ自動車に「むやみやたらに車を作るな」なんて言うのが不条理なように、彼らに「タイトルを作るな」「階級を減らせ」と言うのは、彼らに「死ね」「発展するな」というのと同じこと。

そんな彼らが団体統一戦を認めるようになったのは、統一王者がその階級に長期滞在することがなく、すぐに決定戦を実施できるから。

また団体統一戦は興行規模が大きくなるため、認定料は増えるのですから良いことづくめ。

もちろん、人気のないゲンナジー・ゴロフキンやワシル・ロマチェンコらが統一を進めることには消極的ですが、カネロ・アルバレスなら大歓迎、スーパーミドル級を完全統一して3年も経つのに、どの団体もタイトル剥奪を忘れたふり。

人気のないテレンス・クロフォードらが完全統一するとIBF、WBC、WBA、WBOの順番でソワソワして、最初にIBFが剥奪するのが決まりごとになっているほど、今では仲良しクラブです。

WBAとWBCの2団体時代は、メディアやファンの監視が厳しいヘビー級やミドル級のような人気階級、つまり〝公共性〟の高いクラス以外、特に〝公共性〟の低い認定団体や一部の国で好き勝手できる軽量級で統一に乗り出すなんて御法度だったのです。

なんのことはない、複数階級制覇も団体統一も認定団体とプロモーター、テレビ局が自分たちの利益に貢献すると判断したから〝解禁〟されて来たのです。

もちろん、オリジナル8の時代(基本的に全ての王者がUndisputed champion)に3階級制覇したヘンリー・アームストロングや、史上初の軽量級複数階級制覇を成し遂げたファイティング原田(軽量級は事実上・文句なしのオリジナル8のまま)らは別格です。

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ヘビー級の完全統一王者オレクサンデル・ウシクは、12月に行われるタイソン・フューリーとの再戦のあと「クルーザー級に戻る」と語りました。

2018年にクルーザー級(200ポンド)からヘビー級に乗り込んで215ポンド〜233.5ポンドで戦ってきたウクライナ人は、WBSS優勝でクルーザー級を完全統一しており「4団体史上初のUndisputed champion返り咲きが目標」ということですが、ヘビー級の体を作るための「大量の食事がきつい」というのが〝出戻り〟の最大の動機です。

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マニー・パッキャオも「1日8食、8000kcal〜10,000kcalを採る毎日はキツ過ぎる」と、その苦しみを吐露していましたが、過酷な減量自慢が横行するボクシングの世界では極めて異例のこと。

ただ、パッキャオのケースは人気のない軽量級から、人気のあるウエルター級に向かう「栄光への脱出」でしたが、ウシクの場合は華やかなヘビー級から出戻るのです。

もちろん、ヘビー級で最強を証明したウシクは、史上最弱クラスのジョン・ルイスとの1試合だけを狙った姑息なロイ・ジョーンズとは違います。

しかし、ウシクの肉体に〝ロイ・ジョーンズ現象〟が起きない理由はどこにもありません。

年齢を重ねて階級を上げてから、軽い階級に出戻るーーーもっと分かりやすくいうとレベルの高い階級から低い階級に戻るのだからリスクは少ないはず、という本人の意識と肉体の間に生じる大きな〝齟齬〟は悲惨な形でファイターに襲いかかります。

ロイ、シュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤ…彼らの出戻り試合は圧倒的有利と考えられましたが、凄惨な結果に終わってしまいます。

稀少な例外はノニト・ドネアですが、フィリピンの閃光はそもそも軽量級の小さなコップの中で出戻っただけ。なにより、その減量幅はわずか8ポンド、さらにドーピング・グルの便利なサプリメントも大きな効果を発揮したかもしれません。

38歳のウシクは、食事で急ごしらえしたヘビー級から30ポンド以上も体重を落としてクルーザー級に帰るのです。

何も起こらない方が不思議にも思えてくるのですが…。




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まず、事実として井上尚弥はキャリア初のダウンを喫してしまいました。

ルイス・ネリはキャリア通してのKO率は77%ですが、山中慎介との2試合を除くと世界戦は3戦2勝1敗で勝った2試合はクロスゲーム、KOはありません。KO率0%です。高いKO率はキャリア序盤や、水準の低い相手に稼いだ幻覚の数字です。

さらに、一発で試合を終わらせるパンチャーとは口が裂けても言えない連打型、主審のストップ待ちのファイターです。

井上はそんなネリに、以前から弱点の一つと指摘されていたクロスレンジでの攻防で一発で倒されたのです。

今夜が、非常に力が入る特別な舞台であったことを差し引いても「ネリにクロスレンジで一発で倒された」事実は変わりません。

また、スタッツ上は完全に主導権を握っていたように見えた第2ラウンド以降も、井上の防御が危なかしく見えたのは「第1ラウンドの残像」という錯覚だけではないでしょう。

逃げ回る水準の低い相手ばかりと戦う中で、「クロスレンジ」「ディフェンス」という宿題がほとんど解決されないまま先送りされてきたのは間違いありません。

もちろん、クロスレンジが得意なファイターなど、現役では全盛期のローマン・ゴンサレスくらいです。また、超攻撃型の井上と専守防衛型のファイターを並べて「防御が課題」というのも、どうかと思います。

2012年のプロデビューから超軽量級、12年間も過酷な減量で骨と肉を削り続け、まだ27戦とはいえ攻撃型ファイターとして被弾も少なくない31歳の肉体に何が起きているのか?

これを、劣化のサインと診ることは大きな間違いではないでしょう。

相手がネリで良かった。

そういうことかもしれませんが、これが終わりの始まりになるかもしれません。

もちろん、井上がPFPトップを争う完成度の高い攻撃型ファイターであることは間違いありませんが…。



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リング誌の予想「20−0」に代表されるように、勝敗ではなく「井上尚弥がルイス・ネリをどう料理するか?」が焦点だったミスマッチ。

ところが。

オープニングラウンド、1分50秒。両者もみ合いの中で29歳のメキシカンの左フックが井上のチンを叩くと、31歳の日本人はキャリア初のダウン。

しかし〝波乱〟はここまで。

井上は第2ラウンドに左フックでダウンを取り返し、第5ラウンドにやはり左でダウンを追加、そして第6ラウンドにロープに追い込み、右フック一閃、ネリの意識を飛ばしました。

ネリが水準の高い相手でないことは、これまでのキャリアを見ても明らかです。その相手にダウンを奪われたのはまだしも、その後の攻防でも被弾が目立ちました。

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スタッツを見ても、波乱の第1ラウンド以外はUndisputed championが完全に主導権を握っていましたが…。



この試合は、31歳の軽量級PFPファイターが見せた最初の劣化サインなのでしょうか?

それとも、「東京ドーム」と「ネリ」というキーワードに流石のモンスターも力んでいたということなのでしょうか?
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「Grading all 17 boxing divisions in the first third of the year」と銘打った、各階級の通信簿。

評価の基準は「タイトルマッチが積極的に行われ」「興味をそそるマッチメイクがいくつも思い浮かぶ」ということ。

つまり、ジュニアフェザー級は「 The division has the meat but is without the potatoes, which have already been devoured by Inoue.(ポテトの無い肉皿のように殺風景。井上尚弥がすでに平らげてしまったから)」ということでC+となります。

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最高の評価を得たのは、その井上が焼け野原にしたバンタム級でA+。確かに、中谷潤人を除くと、残飯王者がずらりで、よく言えば群雄割拠、悪くいうと有象無象。

ちなみに、ヘビー級:B、クルーザー級:F、ライトヘビー級:B、スーパーミドル級:B、ミドル級:F、 ジュニアミドル級:A、ウエルター級:F、ジュニアウエルター級:B+、ライト級:C+、ジュニアライト級:C、フェザー級:A、ジュニアバンタム級:F、フライ級:A+、ジュニアフライ級:B、ストロー級:A。

ヘビー級やウェルター級は中心選手が試合をしないにも程がある。

「アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボル」が控えるライトヘビー級もA+で良いような気もしますが、このマッチアップだけが頭抜けて輝いているだけでBは仕方ないか。

3年前までPFPに多くの選手を送り込んだ〝PFP製造クラス〟のジュニアバンタム級は経年劣化でF。

活動的で統一機運が盛り上がるストロー級のAは異議なし。




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今回はジュニアフェザー級にスポットライトを当ててのOverview 17Classes 。

ブリッジャー級は一旦なきものとして、プロボクシング17階級で最も競技人口が多いのはライト級の2283人。

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トップ5はライト級、ウエルター級(2215人)、ジュニアウエルター級(2171人)、ジュニアミドル級(1961人)、ジュニアライト級(1784人)。

ジュニアライト級=130ポンドから、ジュニアミドル級=154ポンドまでのゾーンにプレーヤーが集まっているのがわかります。

そして、6番目がジュニアミドル級よりも一つ重いミドル級(160ポンド)。

競技人口17位、最下位のストロー級から見上げると13番目のバンタム級まで軽い順番に整列していますが、競技人口12位はクルーザー級(1238人)で、ジュニアフェザー級(1280人)は11位。

クルーザーとジュニアフェザーは42人差と接戦、200ポンドのクルーザー級と122ポンドのジュニアフェザー級の競技人口はほぼ同じです。

競技人口は競技レベルを測るモノサシの一つで、それだけを尺度にすると、この二階級のレベルは同じくらいと推測出来ます。

しかし、競技レベルを測るモノサシは人口よりも「報酬」や「栄光」に依存する部分が大きいことは言うまでもありません。

貧困国のボクサーが中心のジュニアフェザー級よりも、ヨーロッパで人気の高いクルーザー級の方が報酬が高く、競技レベルも高いと考えられます。

実際に世界ランカーでもないナショナルレベルのクルーザー級選手は英国人ならボクシングで食べていけますが、ポール・バトラーの「バンタム級は職業としては成立しない(のに私は50万ドル以上の報酬を手にした)」という言葉を待つまでもなく、軽量級では世界王者になっても専業になれないことが珍しくありません。

それでも、フェザー級ともなると競技人口は7位に跳ね上がり、世界王者になればボクシング一本で生活することも夢ではありません。

そのフェザー級の一歩手前がジュニアフェザー級です。

ネリはメキシカンとはいえ軽量級、人気はありませんが、米国ではメガファイトの前座をつとめることもあり専業ボクサーです。

とはいえ「別なことをやりたい」と今年で引退をほのめかしているように、これまでのファイトマネーの貯金と井上戦の十分すぎる〝退職金〟を元手に。何か商売を始めるつもりでしょう。

軽量級としては恵まれたネリのような選手にとっても、このクラスで戦うのは割りの良い職業ではないのです。

そんなネリが東京ドームのリングに上がることが出来るのですから、こんな幸運はありません。

一方で井上は軽量級が注目を浴びる、唯一の先進国・日本が母国。1950年代なら白井義男のように後楽園球場をホームにいつもメガファイトが用意されていたでしょう。1960年代なら、ファイティング原田のように日本列島を沸かせる国民的英雄になっていたでしょう。1970年代でも、具志堅用高のように節目の試合でときの首相から総理官邸に招かれていたかもしれません。

もし、リング誌がまだ健在ならこの興行は今年のEvent Of The Yearの超有力候補です。

それにしても、17にまで膨れ上がった階級を見ると、まともなスポーツとしてのステイタスを取り戻すには階級削減の大英断が必要に思えてなりません。もちろん、そんな正しい方向に走るにはボクシング界は腐りすぎてしまいましたが。

一方で、巨大化する一方のヘビー級は250ポンドを超えるヘビー級の直下がクルーザー級(200ポンド)、「ブリッジャー級(224ポンド)の存在意味はない」とは言い切れません。

すでに190ポンドから200ポンドにリミットを引き上げているクルーザー級をさらに引き上げるという施策も提案されていますが、そうなるとライトヘビー級(175ポンド)との差がますます広がってしまいます。

ジュニアフェザー級以下の6階級をフライ、バンタムの2階級に戻す、あるいは半分の3階級にするというのが現実的に思えますが、増殖しても現象はないというのがボクシング界です。。。。




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久しぶりの「Overview 17Classes 〜17階級を競技人口から考える。」です。

前回は2022年1月22日でしたから、2年4ヶ月も前。コロナ禍の影響をもろに受けていた時期です。

あれから2年とちょっと、全ての階級でプレイヤー人口が増加しています。


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17階級全体では2万人を割り込んでいた2022年1月22日から、3810人が回復、2万3590人に。

特にストロー級の伸びは顕著で、182人から109人増の291人。増加数は17階級中最も少ないものの、元々の分母が小さいこともあって伸び率は159.9%と群を抜いています。

コロナの影響を最も受けたのがストロー級、と言えるのかもしれません。


最も多いプレーヤーを抱えているのは、かつてのウェルター級に代わってライト級が定着しつつあります。

比較的軽いクラスでボリュームが厚いメキシコの時代を反映している一面もありそうです。

ライト級が人気でもウェルターを上回る時代の幕開けか?というと、そういう主役交代はなさそうです。

ライト級がピラミッドのトップストーンというよりも、ライト級からミドル級まで人気階級の尾根が連なっている形です。

この人気階級の尾根を攻略する日本人ボクサーが見たいところですが、超軽量級とは違い挑戦するのも難しいクラスだけに気長に待つしかありません…。

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