計量やルールについては、まだまだ続く(予定)ので引き続きご鞭撻くださいませ。



さて、大騒ぎになっている「アメフト」事件でも焦点が当てられた、反則行為についてです。

昨日28日の日本経済新聞「私見卓見」で、興味深い事例が紹介されていました。
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「2006年にカリフォルニア最高裁で、大学生による野球の試合での報復死球を事実上認める判決が出された。 対戦相手からの報復死球で後遺症の残った選手が起こした裁判だったが、野球につきもののリスクと判断された」。


10年以上前の異国の判決を持ち出すのは無理がありますが、日本人の感情には理解できないですね。

これが、コントロールミスの死球なら「野球につきもののリスク」ですが、報復死球は明らかな故意ですからね。

「アメフト」の事件は、報復行為ではなかったようですが、ボールを持っていない無防備の相手に背後から襲いかかりました。そこに明らかにあった悪質な故意が、監督コーチの命令によるもので、当該選手はやたりたくなかったのに逆らえなかったと推測される陰湿な背景が問題となっています。

当然、あの事件は「アメフトにつきもののリスク」では絶対ありえません。許しがたい犯罪行為です。

では、MLBをはじめ米国では不文律として常識の報復死球は「野球につきもののリスク」として許してよいものなのでしょうか?

報復死球なんてやりたくない、と思っても拒絶できない雰囲気は十分すぎるほど醸成されていますね、MLBでは。「味方がやられたら必ず仇を取る」というのはフロンティアの時代から米軍に仕込まれた思想です。

面白いな、と今思ったのは、 二刀流の大谷の場合はどうなるんだろう?ということです。主軸打者の大谷が当てられたら、投手の大谷がぶつけるのでしょうか?「味方の仇」じゃないですね。まあ、大谷はそんなことしないでしょうけど。

MLBを見ていると報復死球はほぼ間違いなく乱闘を招きますから、不文律として納得しているわけでもなさそうです。

ボクシングにおいてもローブローやラビットパンチは、当たり前に行われる反則です。反則の中でも減点スレスレのホールディングやプッシングは、完全に技術の一つとしても認められています。

ローブローやラビットパンチ、肘打ちも公にはされないだけで、技術の一つとして使っているのは明らかです。

アブナル・マレスやカル・ヤファイは明白な意志を持ってローを叩いているにもかかわらず、主審の注意が甘いと感じるのは私だけではないでしょう。これも「富者(人気者)が優遇される」、このスポーツの醜悪な一面と穿ってしまうのです。