IBFとWBOは12月9日から13日の5日間、合同総会を開催すると発表しました。
世界の統括団体が存在しないプロボクシングは、JBCやネバダ州アスレティック委員会のようなローカル・コミッションが統括、WBAなどのタイトル認定団体がチャンピオンを認定するという二重構造で運営されています。
デタラメランキングとデタラメチャンピオンシップを平気で作成している認定団体の総会は、セレモニー以上の意味は持ちません。
ただ、これまで認定団体が合同総会を開催するのは史上初めてのこと。
そして、サウジアラビア主導でプロモーション活動と認定ビジネスを手掛けるズッファ・ボクシングが「ボクシングのステイタスを貶めた認定団体の排除」「8階級制への回帰」によって、認定団体が存続の危機を迎えているタイミングでの合同総会。
IBFとWBOが完全合併することはないにしても、ズッファの侵略に対して共闘体制を確認、何らかの方向が示されるかもしれません。
主要4団体はWBAから分離独立したWBC(1966年に分離独立)、IBF(1983年に分離独立)、WBO(1988年に分離独立)する本家WBAに反旗を翻す形ではありましたが〝暖簾分け〟の事実から認知されました。
分離独立の動機は「ローカル」に絞ることができます。WBCは優秀なボクサーを多く抱えているにもかかわらず、WBAは前身のNBA時代から米国ボクサーが優遇されてきました。
これに、異を唱えてWBA内部で分離独立工作を画策したのが、第48代大統領のアドルフォ・ロペス・マテオス。WBCは、メキシコの国策で分離独立したと言っても良いかもしれません。
https://fushiananome.blog.jp/archives/22675529.html
そして、WBAがベネズエラを主力とする南米に本拠地が移されたことに対する反動として生まれたのが、IBFでした。WBOもボクシング利権から外されてきた米国とカリブ海地域の復権を図るために、プエルトリコで発足。
一方で、独立した動きの中で誕生したIBOは本拠地の米国だけでなく欧州でも一定の勢力を形成していますが〝暖簾分け〟ではないことから、主要の一角には数えられていません。
「世界」の認定団体が米国と周辺地域の権力争いの中で分離独立する「ローカル」の理論で派生してきた歴史を持ち、各国・米国各州の「ローカル」コミッションが〝世界〟タイトルマッチを統括する、それがボクシングの成り立ちです。
同時期に、米国で発展したプロレスが典型的なテリトリー・ビジネスだったことも、ボクシングと近似した力学が作用していましたが、それはまた別の話で進めましょう。
いずれにしても、認定団体は「自分の縄張りに利権を引き込もうとする「ローカル」を基調とするテリトリー・ビジネスです。
WBCが分離してしばらくは、WBAとのランキングに今ほど大きな違いはありませんでした。それどころか、互いの王者もランキングする常識的な思考も持っていました。
団体の分裂と対立が深まり、21世紀になると各団体が地域タイトルを乱立、自身の地域タイトルホルダーや人気スター、つまりこれまで認定料を支払って与信実績のあるボクサー、タイトルマッチで高額な認定料が期待できる選手を優先的にランキングさせることになり、デタラメぶりが加速します。
現在の4団体のランキングは一つ残らずデタラメにも程がある段階で、ESPNなど米国のまともなメディアはアルファベット団体のタイトルを「世界」と呼ぶことを控えるようにすらなっています。
もはやスポーツとしての体裁が崩壊した中に登場したのが、サウジが後押しするズッファ。サウジの広報機関誌となったとはいえ、現時点ではまともなリング誌ランキングをベースに8階級によるチャンピオンシップ制度を目指しています。
「リング誌ベルト」と「ズッファ・ベルト」をどう棲み分けるのか?リング誌に吸収合併するのがベストだと思いますがズッファのトップであるダナ・ホワイトとしては、独自創設でUFCのデザインと酷似したズッファ・ベルトへのこだわりがあるようです。
もっと本質的な部分では、トゥルキ・アルラシク長官が標榜した「ボクシングにスポーツとしての威厳を取り戻す」「(国民の権利とまでされる人気スポーツの主要な大会のように)PPVなどの課金なしで気軽の視聴できるボクシング」という二つの大義名分が、先日の「ウシクvsキックボクサー」では早くも完全に放擲されてしまいました。
現時点ではリング誌ヘビー級ランキングにリコ・バーホーベンの名前はありませんが、もはやリング誌ランキングがデタラメ化しても誰も驚かない状況が出来上がっています。
長官は「井上尚弥と中谷潤人やバム・ロドリゲスとの試合を前向きに評価していますが、ジュニアフェザー級などズッファが廃止した階級への思いを是非、お伺いしたいところです。もちろん、提灯雑誌リング誌をはじめ、どのメディアもそんな質問はしないでしょうが。
IBFとWBOが存続の危機を乗り越えようと踏み切った合同総会ですが「サウジアラビアは〝油水〟の蛇口を締める。そうなると、ズッファの構想もズッファそのものもフェイドアウトする」とも考えられていますが、サウジのサポートがなくてもホワイトの勢力は既存のボクシング界を一掃する資金力を擁しています。
マッチルーム、トップランク、PBC、GBPのボクシングのトッププロモーションが合併しても、UFC単体の25%のパワーにも届かない現実は、資産価値がほとんどない家内制零細アルファベット団体の提携や合併ごときでズッファに太刀打ちできない現実が横たわっています。
そこまで考えると、IBFとWBOの接近はズッファ対策ではなく、WBAとWBCに対抗、あるいは打倒を目指すアルファベット団体内の抗争と見るのが妥当なのかもしれません。
※7位のトップランクは、井上尚弥をはじめとする軽量級選手との契約を更新しないなど米国市場での不採算部門の切り離しを進めていますが、長年の提携先ESPNがボクシングから撤退するなど資産価値は暴落しています。
世界の統括団体が存在しないプロボクシングは、JBCやネバダ州アスレティック委員会のようなローカル・コミッションが統括、WBAなどのタイトル認定団体がチャンピオンを認定するという二重構造で運営されています。
デタラメランキングとデタラメチャンピオンシップを平気で作成している認定団体の総会は、セレモニー以上の意味は持ちません。
ただ、これまで認定団体が合同総会を開催するのは史上初めてのこと。
そして、サウジアラビア主導でプロモーション活動と認定ビジネスを手掛けるズッファ・ボクシングが「ボクシングのステイタスを貶めた認定団体の排除」「8階級制への回帰」によって、認定団体が存続の危機を迎えているタイミングでの合同総会。
IBFとWBOが完全合併することはないにしても、ズッファの侵略に対して共闘体制を確認、何らかの方向が示されるかもしれません。
主要4団体はWBAから分離独立したWBC(1966年に分離独立)、IBF(1983年に分離独立)、WBO(1988年に分離独立)する本家WBAに反旗を翻す形ではありましたが〝暖簾分け〟の事実から認知されました。
分離独立の動機は「ローカル」に絞ることができます。WBCは優秀なボクサーを多く抱えているにもかかわらず、WBAは前身のNBA時代から米国ボクサーが優遇されてきました。
これに、異を唱えてWBA内部で分離独立工作を画策したのが、第48代大統領のアドルフォ・ロペス・マテオス。WBCは、メキシコの国策で分離独立したと言っても良いかもしれません。
https://fushiananome.blog.jp/archives/22675529.html
そして、WBAがベネズエラを主力とする南米に本拠地が移されたことに対する反動として生まれたのが、IBFでした。WBOもボクシング利権から外されてきた米国とカリブ海地域の復権を図るために、プエルトリコで発足。
一方で、独立した動きの中で誕生したIBOは本拠地の米国だけでなく欧州でも一定の勢力を形成していますが〝暖簾分け〟ではないことから、主要の一角には数えられていません。
「世界」の認定団体が米国と周辺地域の権力争いの中で分離独立する「ローカル」の理論で派生してきた歴史を持ち、各国・米国各州の「ローカル」コミッションが〝世界〟タイトルマッチを統括する、それがボクシングの成り立ちです。
同時期に、米国で発展したプロレスが典型的なテリトリー・ビジネスだったことも、ボクシングと近似した力学が作用していましたが、それはまた別の話で進めましょう。
いずれにしても、認定団体は「自分の縄張りに利権を引き込もうとする「ローカル」を基調とするテリトリー・ビジネスです。
WBCが分離してしばらくは、WBAとのランキングに今ほど大きな違いはありませんでした。それどころか、互いの王者もランキングする常識的な思考も持っていました。
団体の分裂と対立が深まり、21世紀になると各団体が地域タイトルを乱立、自身の地域タイトルホルダーや人気スター、つまりこれまで認定料を支払って与信実績のあるボクサー、タイトルマッチで高額な認定料が期待できる選手を優先的にランキングさせることになり、デタラメぶりが加速します。
現在の4団体のランキングは一つ残らずデタラメにも程がある段階で、ESPNなど米国のまともなメディアはアルファベット団体のタイトルを「世界」と呼ぶことを控えるようにすらなっています。
もはやスポーツとしての体裁が崩壊した中に登場したのが、サウジが後押しするズッファ。サウジの広報機関誌となったとはいえ、現時点ではまともなリング誌ランキングをベースに8階級によるチャンピオンシップ制度を目指しています。
「リング誌ベルト」と「ズッファ・ベルト」をどう棲み分けるのか?リング誌に吸収合併するのがベストだと思いますがズッファのトップであるダナ・ホワイトとしては、独自創設でUFCのデザインと酷似したズッファ・ベルトへのこだわりがあるようです。
もっと本質的な部分では、トゥルキ・アルラシク長官が標榜した「ボクシングにスポーツとしての威厳を取り戻す」「(国民の権利とまでされる人気スポーツの主要な大会のように)PPVなどの課金なしで気軽の視聴できるボクシング」という二つの大義名分が、先日の「ウシクvsキックボクサー」では早くも完全に放擲されてしまいました。
現時点ではリング誌ヘビー級ランキングにリコ・バーホーベンの名前はありませんが、もはやリング誌ランキングがデタラメ化しても誰も驚かない状況が出来上がっています。
長官は「井上尚弥と中谷潤人やバム・ロドリゲスとの試合を前向きに評価していますが、ジュニアフェザー級などズッファが廃止した階級への思いを是非、お伺いしたいところです。もちろん、提灯雑誌リング誌をはじめ、どのメディアもそんな質問はしないでしょうが。
IBFとWBOが存続の危機を乗り越えようと踏み切った合同総会ですが「サウジアラビアは〝油水〟の蛇口を締める。そうなると、ズッファの構想もズッファそのものもフェイドアウトする」とも考えられていますが、サウジのサポートがなくてもホワイトの勢力は既存のボクシング界を一掃する資金力を擁しています。
マッチルーム、トップランク、PBC、GBPのボクシングのトッププロモーションが合併しても、UFC単体の25%のパワーにも届かない現実は、資産価値がほとんどない家内制零細アルファベット団体の提携や合併ごときでズッファに太刀打ちできない現実が横たわっています。
そこまで考えると、IBFとWBOの接近はズッファ対策ではなく、WBAとWBCに対抗、あるいは打倒を目指すアルファベット団体内の抗争と見るのが妥当なのかもしれません。
◾️2024年格闘技プロモーション資産価値ランキング(Forbes誌)◾️
①1兆7459億円 UFC
②1兆506億円 WWE
③3090億円 AEW
④2009億円 ONE
⑤1313億円 Matchroom Boxing
⑥1066億円 PFL
⑦973億円 Top Rank Boxing
⑧927億円 Premier Boxing
⑨695億円 Golden Boy Promotions
⑩185億円 Combate Global
※7位のトップランクは、井上尚弥をはじめとする軽量級選手との契約を更新しないなど米国市場での不採算部門の切り離しを進めていますが、長年の提携先ESPNがボクシングから撤退するなど資産価値は暴落しています。
コメント