那須川天心「そうですね。今までいろんな世界一は取ってきましたけど、ボクシングって認められている競技じゃないですか。誰が見ても世界一というベルトがもらえるので、(今までと)違いますね」

天心は、キックボクサー時代にISKAオリエンタルルール世界バンタム級王座、RISE世界フェザー級王座、ISKAフリースタイルルール世界同級王座などを獲得。

東京ドームをフルハウスにし、大きなPPV売り上げも記録した天心は、井上尚弥を凌駕する人気、磁力を見せつけてきました。

そんな天心がボクシング転向した最大の動機は「社会に認知されているから」。

キックは一般紙のスポーツ面で取り上げられることはなく、スポーツニュースでもナナメから見られてきました。

ボクシングに転向して「スポーツ選手」として当たり前に認知されることに、驚きと喜びを感じたことでしょう。

しかし「誰が見ても世界一というベルト」というのは、笑うしかありません。今回、井上拓真と争うのはWBCベルト、多くのベルトの一つに過ぎず、中谷潤人が放り投げた残飯ベルト。

それでも、キックのタイトルよりもはるかにマシということです。

そして、日本を含めた先進国でスポーツとしてのステイタスが揺らいでいるボクシング。「バンタム級を日本が独占」「パウンド・フォー・パウンド」「(井上尚弥の)シュガー・レイ・ロビンソン賞」なども、世が世ならもっと世間を騒がせて、流行語大賞にもなっていたかもしれませんが、ノミネートすらされませんでした。


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 リング誌の読者予想でも天心が明白に有利。

そんな時代に、ボクシングの世界王者よりも有名な那須川天心がこのスポーツに乗り込んできました。

かつては、落ちぶれたボクサーが昔の名前でキックに参入するのが定番でした。しかし、いまや逆転現象が当たり前に起きています。

天心と拓真。

2人とも大きな荷物を持ってリングの中で戦ってきました。その意味で、2人は共通しています。

しかし、同じ大きな荷物でも天心は軽く明るく担いでいるのに対して、拓真は重く暗く背負っているようにも見えます。

決定力に欠ける2人の攻防は接戦になるという見方もありますが、天心の一方的な勝利を予想する向きも少なくありません。

いつのまにやら、試合まであと27日。

拓真はオッズの通りに明白なアンダードッグとして惨敗するのか?

それとも、不器用で非力な拓真が、天心のスピードに適応してファンを驚かせるのか?

ーーーいつのまにやら、あと27日です。