昨日、フィラデルフィアで行われたWBAジュニアミドル級王者決定戦(ジャロン・エニスvsウイスマ・リマ)の試合後の記者会見で、エディー・ハーンは、ボクシングに新規参入したUFCの最高責任者ダナ・ホワイトとの提携について「全く興味がない」と吐き捨てました。

「私たちが取り組んでいるのは選手ファーストの本物のボクシング。 Muhammad Ali Act(アリ法)を変更することなんて考えていない。このイベントでもエニス陣営と興行収入についてオープンに仕事をしている」。

アリ法は、興行収入の内訳(テレビ放映権料やゲート収入の詳細)を選手が知る権利を保障するもので、プロモーターが選手を搾取する弊害を排除するために制定されました。

ホワイトが立ち上げた Zuffa BoxingはUFCスタイルをそのままスライドさせた経済モデル。

収益の大部分をプロモーターが手にしてしまうため、より人気のあるUFCのトップファイターよりも斜陽産業のボクシングのトップファイターの方が多くの報酬を受け取っています。

ホワイト側の言い分は「UFCが持続可能な発展をするために必要な内部留保」。

ハーンは「選手をないがしろにするやり方を認めない。アリ法はもちろん、リングの規格やルール変更もありえない。ボクシングがどれだけの歴史と伝統によって、今の場所に辿り着いたのかを(ポッと出の)UFCには理解できないんだろう」。


I’m not interested in a fake belt.


「(ホワイトが)新たに導入するベルトなんて偽物だ。私がボクシングファンに届けたいのはエニスのような素晴らしいファイター。彼はハグラーやハーンズ、ウイテカーらと同じ素質のあるファイターだと信じている。我々が追求するのは本物のベルトと本物のボクシング。偽物には興味はない」。


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▶︎▶︎▶︎新規参入に強烈なアレルギー反応を起こすのは既得権益を握る者たちにとって当然のこと。

UFCが持続可能な発展をするために必要な内部留保のために、ボクシングの超トップ選手と比較するとファイトマネーが大きく見劣るのは、UFCが抱える短所の一つ。

また、ボクシング同様に軽量級への興味・関心が極端に低く、報酬もさらに低くなるという現実を放置したまま。「大きな意味での発展」と表明しているのですから、軽量級の待遇を向上させる取り組みも必要でしょう。

ハーンはあえて持ち出しませんでしたが、ホワイトの「金儲けのためだけの細分化された階級を廃止、UFCと同じ8階級に、公明正大なランキングに改善しタイトルの価値を引き上げる」「金儲けだけで蠢く認定団体を排除して一つのベルトだけにしてベルトの価値を引き上げる」という言い分は正しい。

まともなボクシングファンなら、WBAやWBCのベルトやランキングが本物とは誰一人考えていません。

タイトルが一つだけになると、ファンが見たいマッチメイクの実現はより容易になります。王者(タイトル・ベルト)がいくつもある現状では、乱立する王者が対戦を避ける、先延ばしにするのは避けられません。

ホワイトがド正論、ハーンの発言は既得権益を守りたいだけの惨めなやっかみです。