Forever Young
2021年12月21日、その日本人はまたしても中華人民共和国で戦っていた。
彼は、約15億人の人口を抱える中国で最も有名な外国人ボクサーだ。
それはすなわち、地球上で最も有名な日本人ボクサーというとらえ方も出来るかもしれない。

すでに内定済みの、中国で2度目の公式試合の練習とプロモーションも兼ねて用意された14オンスのグローブで行われるボクシングルールによるexhibitionのリングに上がった当時33歳の日本人は、すぐに不穏な空気を感じ取った。
日本ボクシングコミッション(JBC)はJBCルール第24条に抵触したとして、木村翔に戒告処分を出した。
これを受けて木村は中国・武漢で行ったスパーリングマッチについて謝罪と説明を行った。

リング誌から。
木村が中国に大きなインパクトを与えたのは2017年7月28日のことだから、もう8年も前になる。
当時WBOアジアパシフィック・フライ級王者だった木村は7月11日にクワンタイ・シッモーセンと初防衛戦を行う予定だったが、急遽舞い込んだWBO王者・鄒市明(ゾウ・シミン)からのオファーを選択する。
シミンは北京2008、ロンドン2012で金メダルを獲得した中国の国民的英雄。プロ入りに際してもトップランクがプロモート、トレーナーはフレディ・ローチと世界最高のチーム体制を組んだ。
軽量級ではまずお目にかかることが出来ないスターに上海で挑戦しないか?そのオファーを断る理由は、日本でも全く無名の存在だった木村には一つもなかった。
この興行はトップランクとローチを切り捨てて、プロモートからコーナーまでゾウ・シミンを中心にオール中国で立ち上げた初めの一歩。
中国の人気リアリティ番組「パパ、どこに行くの?」に4歳の息子と出演しているゾウは、リングを超えた英雄だ。
そんなゾウ・シミンを上海で倒すとどうなるか?誰にでもわかることだ。
Kimura (15-1-2, 8 KOs), whose job delivering beer crates didn't pay him enough to buy a good pair of ring shoes. But Kimura didn't need new shoes.
ビール配達が仕事の木村は新しいリングシューズを買うカネにも困っていた。
しかし、2度も五輪を制したプロの世界チャンピオンから圧倒的な勝利を収めるのには、シューズを新調する必要はなかった。
木村の勝利は「完全敵地」「圧倒的不利の予想」を、文句のつけようがない形で跳ね返した偉大な勝利でした。
この勝利は、平仲明信と亀田和毅をスキップして「1981年の三原正以来」とされている。平仲はプエルトリカンの強豪王者エドウェン・ロサリオに対して「圧倒的不利予想」だったが、リングがセットされたのは中立国(アンチ・プエルトリコという点で平仲に追い風?)メキシコの闘牛場。
和毅に至っては穴王者のナミビア人(パウルス・アンブンダ)に対して明白に有利と見られ、さらに舞台は中立国のフィリピン。強豪相手でもアウエーでもなかった。
JBCの戒告を受けて開いた会見で、木村が語った言葉を最後に記しておく。
「今回、相手の反則行為は許しがたい事です。しかし、ゾウシミン戦以降、日本人である私に対して、私のことを知り、そして、応援してくれる中国にいる多くの方々を愛する気持ちは変わりません」。
2021年12月21日、その日本人はまたしても中華人民共和国で戦っていた。
彼は、約15億人の人口を抱える中国で最も有名な外国人ボクサーだ。
それはすなわち、地球上で最も有名な日本人ボクサーというとらえ方も出来るかもしれない。

すでに内定済みの、中国で2度目の公式試合の練習とプロモーションも兼ねて用意された14オンスのグローブで行われるボクシングルールによるexhibitionのリングに上がった当時33歳の日本人は、すぐに不穏な空気を感じ取った。
事前にボクシングルールと聞かされていたが、内実はその男のネームバリューを利用しようと企んだ対戦相手のユーチューバーが視聴者数稼ぎを目当てに企画した〝詐欺〟に巻き込まれたのだった。
浅ましく卑劣なユーチューバーは日本人をボディスラムで頭からキャンバスに叩きつけるなどの危険行為を繰り返した。
日本ボクシングコミッション(JBC)はJBCルール第24条に抵触したとして、木村翔に戒告処分を出した。
これを受けて木村は中国・武漢で行ったスパーリングマッチについて謝罪と説明を行った。

リング誌から。
木村が中国に大きなインパクトを与えたのは2017年7月28日のことだから、もう8年も前になる。
当時WBOアジアパシフィック・フライ級王者だった木村は7月11日にクワンタイ・シッモーセンと初防衛戦を行う予定だったが、急遽舞い込んだWBO王者・鄒市明(ゾウ・シミン)からのオファーを選択する。
シミンは北京2008、ロンドン2012で金メダルを獲得した中国の国民的英雄。プロ入りに際してもトップランクがプロモート、トレーナーはフレディ・ローチと世界最高のチーム体制を組んだ。
軽量級ではまずお目にかかることが出来ないスターに上海で挑戦しないか?そのオファーを断る理由は、日本でも全く無名の存在だった木村には一つもなかった。
この興行はトップランクとローチを切り捨てて、プロモートからコーナーまでゾウ・シミンを中心にオール中国で立ち上げた初めの一歩。
中国の人気リアリティ番組「パパ、どこに行くの?」に4歳の息子と出演しているゾウは、リングを超えた英雄だ。
そんなゾウ・シミンを上海で倒すとどうなるか?誰にでもわかることだ。
Kimura (15-1-2, 8 KOs), whose job delivering beer crates didn't pay him enough to buy a good pair of ring shoes. But Kimura didn't need new shoes.
ビール配達が仕事の木村は新しいリングシューズを買うカネにも困っていた。
しかし、2度も五輪を制したプロの世界チャンピオンから圧倒的な勝利を収めるのには、シューズを新調する必要はなかった。
With his back on the canvas, Zou, 36, waved "no mas" to the crowd and referee, who ended it at 2:28 of the 11th. The gesture also might have been his goodbye to the sport.
木村の勝利は「完全敵地」「圧倒的不利の予想」を、文句のつけようがない形で跳ね返した偉大な勝利でした。
この勝利は、平仲明信と亀田和毅をスキップして「1981年の三原正以来」とされている。平仲はプエルトリカンの強豪王者エドウェン・ロサリオに対して「圧倒的不利予想」だったが、リングがセットされたのは中立国(アンチ・プエルトリコという点で平仲に追い風?)メキシコの闘牛場。
和毅に至っては穴王者のナミビア人(パウルス・アンブンダ)に対して明白に有利と見られ、さらに舞台は中立国のフィリピン。強豪相手でもアウエーでもなかった。
JBCの戒告を受けて開いた会見で、木村が語った言葉を最後に記しておく。
「今回、相手の反則行為は許しがたい事です。しかし、ゾウシミン戦以降、日本人である私に対して、私のことを知り、そして、応援してくれる中国にいる多くの方々を愛する気持ちは変わりません」。
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