ヘビー級は多くの意味で特別なクラスです。

例えば、オールタイムPFPを語るとき。

井上尚弥とエデル・ジョフレ、ウィルフレド・ゴメスを仮想対決させるように、タイソン・フューリーとロッキー・マルシアノを戦わせるのは無理があります。

バンタム級の井上とジョフレ、ジュニアフェザー級の井上とゴメス、前日計量と当日軽量という差はあれども、秤の上では同じ118ポンド、122ポンドです。

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しかし、190ポンド未満の体重のマルシアノと260ポンドを優に超えるフューリーの無視できないまでのサイズの違いは、妄想の大きな障害となってしまいます。

そして、現代では小兵のオレクサンデル・ウシクですが、過去のほとんどの時代においてその体重だけでなく、身長191㎝もリーチ198㎝もけして見劣りしない堂々たるヘビー級になります。

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1973年1月22日、ジョージ・フォアマンが王者ジョー・フレイジャーを破壊した〝キングストンの惨劇〟。

あのときのフォアマンの体重は〝わずか〟217ポンド1/2(98.66kg)、ダニエル・デュボアを轟沈させた先月のウシク(227ポンド1/4=103.1kg)より約10ポンドも軽かったのです。

そして「サウスポーはヘビー級王者になれない」というジンクスはマイケル・モーラーが1994年4月22日にイベンダー・ホリフィールドに勝利して溶解されますが、過去のグレートたちはサウスポーとの対戦経験が乏しく、仮想対決で対峙するウシクはまさにジンクスとなって彼らを蝕むことになるはずです。

さてさて、そんな前置きを踏まえて、続きます。

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【VS ロッキー・マルシアノ】

ANBER’S INSIGHT…エンジンのかかりが遅いマルシアノは、テンポの速い12ラウンド制は不向き。

それでも、あの勝負強さはウシクにとっても脅威になるだろうが、自在にパンチの角度を操るサウスポーはマルシアノでもコントロールできない。

MY VERDICT…過大評価と過小評価が渦巻く伝説のヘビー級、マルシアノは49戦全勝の記録を打ち立てた。

ウシクが同じ偉業を達成できるか?私の見立てはYES。ただ、マルシアノの勝負根性は別格、ウシクは苦戦を強いられるだろう。



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【VS ソニー・リストン】

ANBER’S INSIGHT…全盛期のリストンは史上最強と恐れられたが、ウシクならモハメド・アリと同じことをやってのけるだろう。

ただし、ウシクがリストンとの打撃戦に応じる色気を見せたら、KOされる。

MY VERDICT…全く勝敗予想がつかない。

60年代ヘビー級のトップ選手の何人かは、ウシク相手でも勝機がある。リストンもその1人だが、ウクライナ人の精神力とスタミナに中盤以降で振り落とされるのではないか。




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【VS モハメド・アリ】

ANBER’S INSIGHT…スタイルを考えると、ウシクにとってアリは悪夢だ。

ウシクにハートの強さで勝てるファイターは全時代を通してもほとんどいないが、アリはそんな稀有の1人。

ウシクはテクニックだけでなく、ハートでも初めて翻弄されることになる。

これは、兵役拒否で大きなブランクを作ってしまう前の全盛期のアリだったら。全盛期のアリには誰も勝てない。それほど卓越したヘビー級だった。


MY VERDICT…全盛期のアリならウシクをポイントアウトするだろう。

1970年代の劣化版アリの場合は、アリがどれだけ真剣に練習して試合に臨むかにかかっているが、僅差でウシクに競り勝つのではないか。