7月4日はアメリカ合衆国の独立記念日でした。Fourth of Julyといえば、あの国ではそれだけで、それを指します。

高校・大学の友人知人や、会社の拠点もあることから、彼らとの交流は日常的にありますが、日米の温度差にはいつも驚かされています。

大谷翔平が米国で何番目に人気があるスポーツ選手なのかは、誰にもわかりません。それほど順位が低いということです。

あのベーブ・ルースをはるかに超える二刀流の記録を更新、タイム誌の表紙を飾り、CNNやニューヨークタイムズで大きな特集が組まれたセンセーションが有名でないなんてあり得ない…そう考える人はアメリカのことを何も知らない人です。

MLBファンやロスアンゼルスの一般的なスポーツファンまで絞り込むと間違いなく有名ですが。

個人的にも累積合算なら2年近く米国に〝住んで〟いますが、それは旅行や出張仕事の寄せ集め。

何度か書いていますが、私はいつか日本に帰る〝ゲスト〟の扱いで、誰からもどこからも差別された印象がありません。

「さすが自由な国だ」なんて思いもしましたが、現地に居を構えている友人知人は1人残らず「自分はマイノリティだ」と痛感しています。

あからさまな差別を受けた体験が何度もある、ということです。

多民族国家とは差別のない国ではなく、幾層にも根深い差別が存在する国のことです。

そして、米国の場合、その底辺にいるのがアジア人です。

野球ファンからですら、イチローに対する軽蔑の言葉は何度も見聞きしました。

大谷翔平にそれが無いは、彼がアジア人のステレオタイプから完全に逸脱しているからです。

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彼の国に遠く太平洋を超えて後乗りでやって来てたアジア人は、小さくて弱くて、勤勉で、人の嫌がる瑣末な仕事でも黙々とこなす。

アジア人に対する差別や憎悪が集中する環境が揃っています。

Bサイドのマニー・パッキャオがメキシコのスーパースター3人が布陣した包囲網を豪快に突破しても、多くのボクシングファンやテレビ局は最大の興味と関心を向けませんでした。

所詮は軽量級。

そういうことです。

一変するのは、オスカー・デラホーヤを撃破してからです。2008年12月8日、MGMグランドガーデン・アリーナの夜、あのときパッキャオはボクシング界の〝大谷翔平〟になったのです。

評価という一点では、パッキャオかライト級以下の軽量級で累積したレガシーの方が絶対的に巨大だというのに…。

名声という点では軽量級で出来ること、軽量級で浴する可能性のある運(軽量級ではあり得ないほど飛び抜けた人気と実力を兼ね備えた強豪との激突)をかき集めても、ボクシング界に与えるインパクトはウエルター級のスター1人に勝つ方がはるかに大きかったのです。



たかだか建国249周年の新米国家。

クイーンズベリー・ルール、近代ボクシングのルールが公布されたとき、まだフロンティアが太平洋に達していなかった、国の形も出来上がっていなかったアメリカ。

小さいものを無視して差別する国。



アメリカ、アメリカ、アメリカ…アーメン。




Fourth of July 〜 アメリカ、アメリカ、アメリカ…アーメン。②へ続く。