どんなスポーツでもGiant-Killing は衝撃的で、それを成し遂げたアンダードッグの生き様、成り上がりの歌は感動的です。
しかし、大きな試合になればなるほど、AサイドとBサイドが存在するボクシングで引き起こされる大番狂せの衝撃は他のスポーツの比ではありません。

日本のスポーツファンに強烈な記憶を刻んだ「マイク・タイソンvsバスター・ダグラス」は、タイソンにとってはイベンダー・ホリフィールド戦への調整試合、だから米国ではなく日本、だからダグラスが選ばれたのでした。
タイソンは「大きく重い相手、長いリードを操るボクサーに分が悪い」ということは、すでに指摘されていましたが、ダグラスはタイソンが最も得意とする「タイソンを恐れて試合前にすでに負けているボクサー」の典型に思われていたのでした。
試合は日本も米国も北半球が真冬の2月。
「(ダグラスの拠点)コロンバスは雪深いけど、ちゃんとトレーニングして東京に来るはずだ」というドン・キングは、のちに「ダグラスは負けても大金がもらえると、ろくに練習しないで時差も大きな日本に太った体をひくずってやって来ると思っていたと確信していた」と回想していました。
しかし、ダグラスは吹雪の日もニット帽から凍った汗を氷柱にしながらのロードワークを欠かさず、生涯最高の練習を積んでいました。
「地球上の誰も信じなくても、私はお前が絶対に勝つと信じている」と励ましてくれた母親を亡くしますが、それも大きなモチベーションに変えます。
そして何よりも、後楽園ホールでも戦った父親ビル・ダグラスとタイソンを研究。暗愚極まるケビン・ルーニーが盲信したテディ・アトラスが練習用で使っていたナンバリングシステムに毒されたタイソンが限られたパターンでしか動けないことを見つけます。
そして、ルーニーらはタイソンに基本的なバックステップの踏み方すら教えていませんでした。下がったら終わり、しかし彼らは「タイソンを下がらせるボクサーは地球上に存在しない」と、信者と同じレベルで信じていたのでした。
そして、ダグラスは弱気な性格が欠点ながら、体格と技術に恵まれた過小評価のジャバー。一方のタイソンは萎縮した相手を豪快に屠る、弱い相手にめっぽう強い過大評価の典型。
「史上最大の番狂せ」ともいわれるタイソンvsダグラスですが、内容も結果もタイソンの惨敗。第8ラウンドのダウンも、ダグラスが「あれほど注意していたのに圧勝ペースに油断してしまった」と悔やんだ被弾。ダウンはしたものの、キャンバスを叩いて悔しがるダグラスの姿にタイソンがこれまで戦ってきた相手とは全く違うことがわかりました。
第9ラウンドからは再びダグラスが一方的な圧勝ペースを取り戻し、第10ラウンドの惨劇につなげました。
どんなスポーツでも大番狂せは衝撃的で、それはAサイドが好き勝手できるプロボクシングの世界においてはさらなるカタルシスを上乗せします。
ーーー先週、日本でも〝曲者〟でお馴染みのフランシスコ・ロドリゲスJr.が、無敗のスター選手ガラル・ヤファイを大番狂せで撃破、WBC暫定フライ級のストラップをつかみました。
東京五輪フライ級で金メダルを獲得した功績が讃えられ、3年前にはMBE(大英帝国勲章)まで受賞したガラルは英国軽量級の期待の星でしたが…。
WBCの正規タイトルとWBAも掌握、多くのメディアでPFPにもリストアップされている寺地拳四朗を地元バーミンガムのリングに引っ張り上げる構想も、これで御破算。
近年、英国のスター選手がたたき上げのメキシカンに轟沈される大番狂せが続いています。
なぜ、メキシカンは米国大陸を超え、大西洋も渡る長い旅路の果てに、大番狂せを起こせるのか?
このお話も長くなりそうです。
気長にお付き合い下さいませ。
しかし、大きな試合になればなるほど、AサイドとBサイドが存在するボクシングで引き起こされる大番狂せの衝撃は他のスポーツの比ではありません。

日本のスポーツファンに強烈な記憶を刻んだ「マイク・タイソンvsバスター・ダグラス」は、タイソンにとってはイベンダー・ホリフィールド戦への調整試合、だから米国ではなく日本、だからダグラスが選ばれたのでした。
タイソンは「大きく重い相手、長いリードを操るボクサーに分が悪い」ということは、すでに指摘されていましたが、ダグラスはタイソンが最も得意とする「タイソンを恐れて試合前にすでに負けているボクサー」の典型に思われていたのでした。
試合は日本も米国も北半球が真冬の2月。
「(ダグラスの拠点)コロンバスは雪深いけど、ちゃんとトレーニングして東京に来るはずだ」というドン・キングは、のちに「ダグラスは負けても大金がもらえると、ろくに練習しないで時差も大きな日本に太った体をひくずってやって来ると思っていたと確信していた」と回想していました。
しかし、ダグラスは吹雪の日もニット帽から凍った汗を氷柱にしながらのロードワークを欠かさず、生涯最高の練習を積んでいました。
「地球上の誰も信じなくても、私はお前が絶対に勝つと信じている」と励ましてくれた母親を亡くしますが、それも大きなモチベーションに変えます。
そして何よりも、後楽園ホールでも戦った父親ビル・ダグラスとタイソンを研究。暗愚極まるケビン・ルーニーが盲信したテディ・アトラスが練習用で使っていたナンバリングシステムに毒されたタイソンが限られたパターンでしか動けないことを見つけます。
そして、ルーニーらはタイソンに基本的なバックステップの踏み方すら教えていませんでした。下がったら終わり、しかし彼らは「タイソンを下がらせるボクサーは地球上に存在しない」と、信者と同じレベルで信じていたのでした。
そして、ダグラスは弱気な性格が欠点ながら、体格と技術に恵まれた過小評価のジャバー。一方のタイソンは萎縮した相手を豪快に屠る、弱い相手にめっぽう強い過大評価の典型。
「史上最大の番狂せ」ともいわれるタイソンvsダグラスですが、内容も結果もタイソンの惨敗。第8ラウンドのダウンも、ダグラスが「あれほど注意していたのに圧勝ペースに油断してしまった」と悔やんだ被弾。ダウンはしたものの、キャンバスを叩いて悔しがるダグラスの姿にタイソンがこれまで戦ってきた相手とは全く違うことがわかりました。
第9ラウンドからは再びダグラスが一方的な圧勝ペースを取り戻し、第10ラウンドの惨劇につなげました。
どんなスポーツでも大番狂せは衝撃的で、それはAサイドが好き勝手できるプロボクシングの世界においてはさらなるカタルシスを上乗せします。
ーーー先週、日本でも〝曲者〟でお馴染みのフランシスコ・ロドリゲスJr.が、無敗のスター選手ガラル・ヤファイを大番狂せで撃破、WBC暫定フライ級のストラップをつかみました。
東京五輪フライ級で金メダルを獲得した功績が讃えられ、3年前にはMBE(大英帝国勲章)まで受賞したガラルは英国軽量級の期待の星でしたが…。
WBCの正規タイトルとWBAも掌握、多くのメディアでPFPにもリストアップされている寺地拳四朗を地元バーミンガムのリングに引っ張り上げる構想も、これで御破算。
近年、英国のスター選手がたたき上げのメキシカンに轟沈される大番狂せが続いています。
なぜ、メキシカンは米国大陸を超え、大西洋も渡る長い旅路の果てに、大番狂せを起こせるのか?
このお話も長くなりそうです。
気長にお付き合い下さいませ。
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