CompuBoxの話、その続き。
ローガン・ホブソンとボブ・カノビオ、〝発明者〟の話とは別に「現在のCompuBox」で何がわかって、何がわからないかについて。

非公式スコアと、ラウンドごとの〝勝敗〟の裏付けのように使用されているCompuBoxの数字は、いまやボクシング中継の必須アイテムです。
ここで、見逃してはいけない大きな問題があります。
3人のジャッジは誰一人、CompuBoxの数字を見ていないということ。もし、それを見てしまうと多くのジャッジは強烈なバイアスを受けてしまうほど訓練されていませんから大混乱に陥るでしょう。
カノビオが「ジャッジの代わりになるもの、ジャッジの参考になるものを意図して作ったわけではない」と断言しているように、CompuBoxの数字はラウンドごとの勝敗を決定する要素は測定していません。
CompuBoxは、どれだけのパンチを放ったか?そのうち何発がひっとしたか?その数字だけを拾っているのです。

「レイ・マンシーニvsリビングストン・ブランブル」(1984年)のリングサイドにホブソンとカノビオが運び込んだCompuBoxの〝初号機〟。
CompuBoxにはグローブに内蔵されたセンサーとの連動はありません。AIによる処理も施されていません。
二人のオペレーターがそれぞれ一人のファイターを担当、リングサイドかテレビ放送の画面を見ながらパンチ数を目視、手動で入力するのです。
記録されるのは「ジャブを放った数とヒット数」「パワーパンチを放った数とヒット数」「ボディショットを放った数とヒット数」だけ。
「目視と手入力」ですから、ヒューマンエラーは付きもの。さらに、ヒットしたかどうか微妙なパンチ、ブロックされたかブロックをくぐったか微妙なパンチはオペレーターの判断に委ねられます。
また、ジャブは「前の手」、パワーパンチは「後ろの手」と画一的。つまり、逆ワンツーのようなコンビネーションは「ジャブ→パワーパンチ」の正ワンツーではなく「パワーパンチ→ジャブ」と見られます(集計結果は一緒ですが)。
また、手首を完全に返した左ストレート強打も、パワーパンチではなく「ジャブ」とみなされます。
それでも「誤差は2%」(カノビオ)といいますから、十分許容範囲です。
また、カノビオは「95%の確率で、より多くのパンチを出し、より多くのパンチを当てたファイターが判定をものにしている」と胸を張っていますが、これはどうでしょうか?
CompuBoxでわかるのはあくまでも「手数」だけ。「パンチの質(相手にどれだけダメージを与えたか)」は全くわかりません。
実際の勝敗やスコアを決定づけるのは強烈な打ち下ろしのストレートや、美しいコンビネーション、高速のジャブ。しかし、CompuBoxでは一発のパンチは「1」としか記録されません。
さて、将来、パンチの質まで評価できるAIがジャッジをする時代がやってくるでしょうか?
これは、AIにとってチェスや囲碁、将棋で人間を打ち負かすよりもはるかに難しい問題かもしれません。
ローガン・ホブソンとボブ・カノビオ、〝発明者〟の話とは別に「現在のCompuBox」で何がわかって、何がわからないかについて。

非公式スコアと、ラウンドごとの〝勝敗〟の裏付けのように使用されているCompuBoxの数字は、いまやボクシング中継の必須アイテムです。
ここで、見逃してはいけない大きな問題があります。
3人のジャッジは誰一人、CompuBoxの数字を見ていないということ。もし、それを見てしまうと多くのジャッジは強烈なバイアスを受けてしまうほど訓練されていませんから大混乱に陥るでしょう。
カノビオが「ジャッジの代わりになるもの、ジャッジの参考になるものを意図して作ったわけではない」と断言しているように、CompuBoxの数字はラウンドごとの勝敗を決定する要素は測定していません。
CompuBoxは、どれだけのパンチを放ったか?そのうち何発がひっとしたか?その数字だけを拾っているのです。

「レイ・マンシーニvsリビングストン・ブランブル」(1984年)のリングサイドにホブソンとカノビオが運び込んだCompuBoxの〝初号機〟。
CompuBoxにはグローブに内蔵されたセンサーとの連動はありません。AIによる処理も施されていません。
二人のオペレーターがそれぞれ一人のファイターを担当、リングサイドかテレビ放送の画面を見ながらパンチ数を目視、手動で入力するのです。
記録されるのは「ジャブを放った数とヒット数」「パワーパンチを放った数とヒット数」「ボディショットを放った数とヒット数」だけ。
「目視と手入力」ですから、ヒューマンエラーは付きもの。さらに、ヒットしたかどうか微妙なパンチ、ブロックされたかブロックをくぐったか微妙なパンチはオペレーターの判断に委ねられます。
また、ジャブは「前の手」、パワーパンチは「後ろの手」と画一的。つまり、逆ワンツーのようなコンビネーションは「ジャブ→パワーパンチ」の正ワンツーではなく「パワーパンチ→ジャブ」と見られます(集計結果は一緒ですが)。
また、手首を完全に返した左ストレート強打も、パワーパンチではなく「ジャブ」とみなされます。
それでも「誤差は2%」(カノビオ)といいますから、十分許容範囲です。
また、カノビオは「95%の確率で、より多くのパンチを出し、より多くのパンチを当てたファイターが判定をものにしている」と胸を張っていますが、これはどうでしょうか?
CompuBoxでわかるのはあくまでも「手数」だけ。「パンチの質(相手にどれだけダメージを与えたか)」は全くわかりません。
実際の勝敗やスコアを決定づけるのは強烈な打ち下ろしのストレートや、美しいコンビネーション、高速のジャブ。しかし、CompuBoxでは一発のパンチは「1」としか記録されません。
さて、将来、パンチの質まで評価できるAIがジャッジをする時代がやってくるでしょうか?
これは、AIにとってチェスや囲碁、将棋で人間を打ち負かすよりもはるかに難しい問題かもしれません。
コメント
コメント一覧 (2)
テレビ画面の映像解析と会場に置いた複数台の異なる角度のカメラを繋げて解析する2つの手法があるようですが、後者はCompuboxと比べてもすべての面で完全に上回っています
パンチの種類を分類し、パンチの質も5段階で判定して詳細なスタッツを試合後に公開してくれています
リヤドシーズンは一時期採用していたJabbrを切り捨てて自分たちで作った新たなAIを導入しましたがお粗末なものでした
再度DeepStrikeを採用してほしいですが、国のメンツがあるので難しいでしょうね…
フシ穴の眼
が
しました