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この画像は日本ハムが大谷翔平をドラフトで強行指名したときの、有名なプレゼン資料の1ページです。

縦軸が「世界トップクラスと日本トップクラスアスリートとの絶対的競技レベル」で、横軸が「世界トップクラスと日本の競技環境(コーチ・練習場所・気候)の差」です。

黄色に塗られているのは「トップ選手であっても国内に拠点を置く」競技。ピンクは「若年層から海外に拠点を置く(勝負する)」競技。青は「国内で選手として確立されてから海外に拠点を置く(勝負する)」競技。

日本人が世界トップクラスで戦っている野球は、国内の競技環境に恵まれているため「国内で選手として確立されてから海外に拠点を置く(勝負する)」競技になります。

(当時は)その対極がバスケで世界とのレベル差が大きく、日本トップ選手は国内に引きこもっている状況でした。

面白いのはサッカーで青の下地にピンクが乗っています。21世紀初め頃までは「国内で選手として確立されてから海外に拠点を置く(勝負する)」競技でしたが、Jリーグの在籍時間が短い段階で世界に挑戦、最近では〝Jリーグ飛ばし〟も見られるようになっています。

テニスはピンクですが(錦織)。

あらためて見ると、かなり杜撰なカテゴライズですが、ボクシングを当てはめると同じ競技にも関わらず黄色とピンクに分裂する興味深い状況が生まれます。


日本の経済力とコネクションで好き勝手できる軽量級は「トップ選手であっても国内に拠点を置く」競技です。

対して、日本の経済力やコネクションが脆弱であるだけでなく「世界トップクラスと日本の競技環境(コーチ・練習場所・気候)の差」が大きいライト級以上のクラスは、本当なら「若年層から海外に拠点を置く(勝負する)」競技であるべきですが、現実には「国内で選手として確立されてから海外に拠点を置く(勝負する)」競技になってしまっています。

トレーナーの手腕や練習相手、大舞台での経験など、世界との比較で競技環境の格差が大きい人気階級ではレベルの低い日本国内で「選手として確立」してしまうことは、世界的な成功の可能性を閉ざす行為です。

村田諒太が米国人か英国人なら、金メダルの看板は優秀なトレーナーと豊富な練習相手、育成システムを知り尽くしたプロモーターによって遠回りに見えても、プロとしても金メダルのポジションを掴んだかもしれません。

現実には、電通とフジテレビによって金メダルの威光は性急な世界戦ロード、何の種子かを理解せずに、どんな車幅の列車なのかを把握せずに温室の中に線路を敷いてしまいました。

それでも、ゲンナジー・ゴロフキンとの大勝負とロブ・ブラント2を除くと、全ての試合で明白に有利と予想され、オッズもフェイバリット。

アルファベットタイトルとはいえ、ミドル級の世界戦線で当たり前に王者に返り咲く才能は不世出でしょう。

ライト級以上の人気階級が「若年層から海外に拠点を置く(勝負する)」べき競技なのはわかっていても、その道筋はどこにもありません。

それこそ錦織圭のテニスのように、世界を体感できるIMGアカデミーのような若い才能を受け入れる器があればいいのですが、マイナースポーツのボクシングではあり得ません。

幸運が重なった竹原慎二や、突然変異の村田諒太ーーーそうではない、いまなら井上尚弥や中谷潤人、寺地拳四朗のような、階級最強と誰もが認めるチャンピオンを人気階級で誕生させるには何が必要なのか?

そして、何を切り捨てなければならないのか?