ESPNから Which fighter will end the year atop ESPN's pound-for-pound rankings?

アンドレアス・ヘイルとニック・パーキンソンの意見です。

ちなみに、ESPNのPFPトップ5は①アレクサンデル・ウシク、②井上尚弥、③テレンス・クロフォード、④ドミトリー・ビボル、⑤アルツール・ベテルビエフ。

ESPNは公開投票制で16人の専門家のうち、最も多くの1位票を集めたのはウシク(13人)。井上が2票、クロフォードが1票で続きますが、きわめて少数意見。

パーキンソンの投票は集計結果と同じ順位。ヘイルは①ウシク、②クロフォード、③井上、④ビボル、⑤ベテルビエフで、井上とクロフォードが入れ替わっています。

クロフォードを井上よりも評価したヘイルは「カネロとの大一番に勝利して3階級でUndisputed championになれば、クロフォードを1位にしない理由がありますか?彼はカネロに勝つだけでなく、スパースターのメキシカンをキャリア初のTKO負けに追い込む実力もある。クロフォードがPFP1位から遠ざかっているのは試合数が少ないから。カネロに勝利したら、そんな理由は瑣末なこと」と、カネロに勝利することを前提にクロフォードを推しています。

パーキンソンは「ウシクは今年2試合を予定、どちらも勝利を収めるはず。そして、公言通りに今年で引退なら、その時点で井上が繰り上がり1位になるはず。クロフォードがカネロに勝つと、1位返り咲きに強力なカードになるが、あくまでウシクの引退が大前提。ウシクが勝ち続け引退しない限り、他のファイターにチャンスはない」と、PFP1位交代はウシクの動向次第としています。

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▶︎▶︎▶︎個々人の妄想でしかないPFP(パウンド・フォー・パウンド=パウンド当たりの強さ・体重同一時)に明確な基準などありません。

あるとしたら「実際に戦えばヘビー級が一番強いに決まってる」「軽量級は層が薄く専業ボクサーも少ないからレベルが低い。その逆にウエルター級やミドル級はレベルが高いからPFPから軽量級はPFPから外すべき」という、妄想から離れた現実論はNGです。

「ヘビー級が一番強いからヘビー級最強がPFP1位」だとか「レベルの高いウエルター級最強がPFP1位」と考えるのは妄想から離れてしまっているので、PFPではありません。

体重同一時、全ての階級を同じレベルだと公平に見ることで成立する妄想であるPFPは、すなわち「弱者の言い訳」です。

人気・実力面で弱者の代表格である軽量級に光を当てたい、強者の代表であるヘビー級は遠ざけたい、というのがPFPです。

しかし、ウシクの評価が厄介なのは、50ポンド以上も重いタイソン・フューリーを翻弄するなど、10ポンド単位で自分よりも重い相手に勝ち続けているということ。

ウシクは「パウンド・フォー・パウンド=体重同一時」という、弱者の言い訳という妄想を使わずに巨大な体重ハンデを跳ね返してしまったのです。妄想であるはずのPFP(体重同一時)を逸脱して、現実の舞台で「重い方が強い」という階級制の根本概念を破壊してしまったのです。

繰り返しますが「妄想がPFPの根源であり、そこに現実を持ち込むのはPFPではない」のです。もし、そうなら、ウシクはPFPから完全に外すべきです。

ウシク的な強さまで広げてPFPを解釈してしまうと、軽量級が何階級も飲み込まれるような体重差を跳ね返して勝利を収めるヘビー級もそれなりに評価しなければなりません。

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例えば、デオンティ・ワイルダーは世界戦の全試合で自分よりも重い相手と戦いました。フューリー戦以外でもバーメイン・スティバーンやドミニク・ブリージール、ロバート・ヘレニウスら30ポンド以上重い相手と戦い、ウシクのようなクロスゲームではなくKOで勝利。それなのに、PFP10傑に数えるメディアは少数派でした。

もし、ワイルダーがフューリーや、幻となったアンソニー・ジョシュアとの無敗王者対決にKO勝利してUndisputed champion になっていたとしても、ウシクのような満票に近いPFP1位評価は受けていなかったと思われます。

身長198㎝/リーチ211㎝のワイルダーは十分に大きい、191㎝/198㎝のウシクはヘビー級としては小さいだけでなく、クルーザー級だったという残像もプラス評価に作用しているように思えます。

ヘビー級のウシクは巧さはあってもけして傑出した強さは見せていません。それどころか、緊張して判定のアナウンスを待つような試合も珍しくないのが現実です。もし、ウシクがデビューからヘビー級を主戦場にしていたら、現在のように高い評価を受けていたでしょうか?