When Goliath Loses

大番狂せが起きるとき。

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下の階級のダビデが、上の階級のゴリアテに挑戦するーーー「階級を超えたメガファイト」ではダビデがベビーフェイス、ゴリアテがヒールの役回りを嵌め込まれる、勧善懲悪の構図になるのがデフォルトです。

そして〝善〟であるダビデがAサイドで「キャッチウエイト」や「リバウンド制限」をゴリ押しするケースが多いことを直視すると、見た目の勧善懲悪でくくるにはあまりにも複雑な事情が絡んでいることも見逃すべきではありません。

カネロ・アルバレスはゲンナジー・ゴロフキンやドミトリー・ビボルに対するダビデでしたが、彼を〝善〟と見たのはカネロのサポーターと一部のファンだけでした。

また、現在に至るAサイドによるスターシステムの基礎を築いたシュガー・レイ・レナードのドニー・ラロンデ戦は当時としても懐疑的な批判が少なくなく(日本はもちろんレナード礼賛)、現在ではその後のボクシング界を歪めた悪魔の所業と見なされています。


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やはり、カネロのフロイド・メイウェザー戦に至っては、世代の対決というスポーツファン大好きの〝定食〟に加えて、勧善懲悪ではなく〝悪vs悪〟という非常に珍しく、そして魅惑的な構図が浮かび上がったことも興行的な大成功をもたらしました。

来年にも実現が期待される「井上尚弥vs中谷潤人」はmission impossible の香りが立ち昇る「階級を超えるメガファイト」ではありませんが、世代の対決という大きなテーマが掲げられます。

そして井上と中谷のマッチングは〝善vs善〟の色合いが強く、一般的な興味・関心を巻き込む順位付けでは〝悪vs悪〟〝善vs悪〟に次ぐランクになります。

日本における〝悪〟はプラチナキャラ、彼らを例外にまず見当たりません。


次はボクシング界の矛盾がいくつも折り重なったメガファイト、ゲンナジー・ゴロフキンvsカネロ・アルバレスの三部作を振り返りましょう。