多くのメディアでPFP1位に推されているオレクサンデル・ウシク

クルーザー級のUndisputed championからヘビー級に進出、最強階級でもUndisputed championの座に就きました。

4Belt -Eraにおいて、2階級制覇なんて犬の糞。どこにでも転がっています。最近は犬の糞の方が珍しいかもしれません。

ただ、そんな時代にあってもクルーザー級とヘビー級の2階級制覇は別格。この2階級でUndisputed championになったのもイベンダー・ホリフィールドとウシクの2人だけ。

とはいえ、ヘビー級での7試合は全勝ながらKOは二つだけ。タイトルマッチの5試合ではKOは一つ、2試合がスプリットデジション。

どの階級も平等に見るPFPで重視される「当該階級での圧倒度」という点で、ウシクのPFP1位はあり得ません。

飛び抜けて価値のある2階級でのUndisputed championも、これを持ち出すのは「どの階級も平等に見る」というPFPの原理原則を反故にしてしまう蛮行です。

その一方で、5戦1KO2SDという凡庸な戦績は、200ポンドリミットのクルーザー級から、現実の計量で最大50ポンドを超える体重差を跳ね返して築き上げられた、PFPの概念「体重同一時」に照らし合わせると文句無しのPFPキングです。


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「当該階級での圧倒度」は最低レベルにも関わらず、「体重同一時」という仮定では他の減量階級の王者では逆立しても真似のできないスペクタクルを見せているーーー大きな矛盾を抱えながらのPFPキング、それがウシクです。

いまでは圧倒多数の推しを受けてのPFP1位。テレンス・クロフォード、井上尚弥と評価を三分していた時期は過ぎてしまいました。クロフォードと井上は、対戦相手の質の低さが相変わらず減点材料として指摘されています。

層の厚い人気階級のクロフォードが雑魚狩りに偏っているのは本人に責任がありますが、層が薄くビッグネームが存在しない軽量級の井上には責任はありません。

もし、それを言い出すと「すべての階級を平等に見る」というPFPルールに違反します。

さて、専門家17人による記名投票で最も透明性のあるESPNのPFPでは15人がウシクを1位に投票。クロフォードと井上の1位票はそれぞれ1名にとどまっています。

ウシクの次戦はまだ未定ですが、無敗で評価急騰中のWBC暫定王者アジ・カバイェルに勝つと、フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ以来の満票PFPも十二分にありえます。

そうなっても、ウシクが「当該階級での圧倒度」で大きく見劣りするという見方は払拭できません。

しかし、それでも「最大50ポンド以上のハンデを跳ね返したのだから、体重同一時なら圧倒していた」という、PFPならではの妄想も成り立ちそうです。

個人的には、ウシクのようなファイターをPFP1位にするのはいかがなものかと感じていました。PFPはあくまで妄想であり、本当に一番強いやつが厚かましくここに割り込むべきではありません。

しかし、よくよく考えるとクルーザー〜ヘビー級のUndisputred 2階級制覇は、安易な4階級制覇や、5階級制覇よりもはるかにレアな存在で、ウシクの後にまたウシク2世が出現してPFP1位はクルーザー級からヘビー級を制圧したファイターの指定席になってしまう、なんて心配はなさそうです。

個人的には〝ウシク型〟のPFP1位は認めて良いと思います。