人を殴り、人は殴られるファイターには、このスポーツを選んだ理由が必ずあります。

ニック・ボールにもサッカー選手になる夢を諦め、ムエタイから格闘技への道へ進み、そしてボクシングのリングを選んだのには理由があります。

日本における野球やサッカーのようになんとなく始めるには、ボクシングはあまりにも消耗が激しい競技です。

ニック・ボールのお話です。

今夜は趣向を変えて英国の日刊新聞、デイリーミラー紙から。元フェザー級王者のバリー・マグギガンがニック・ボールと井上尚弥のビッグファイトを語っています。

ミリオンダラー・ベイビーよりも、コナー・マクレガーよりも濃厚なアイリッシュ魂を撒き散らしていた、あのバリー・マグギガンです。




ニック・ボールが地元リバプールででかつて私が持っていたWBAフェザー級タイトルの2度目の防衛戦を行う。

TJドヘニーは、何かを取り沙汰するようなレベルの相手ではない。ただ、この試合は非常に重要だ。ここをクリアすると、彼のキャリアに新しい扉が開かれることになるから。

He hooks well with both hands and is not a bad boxer.

ボールは背丈は低いが、9ストーン(126ポンド)に圧縮されたタフなファイター。左右のフックを巧みに繋ぐコンビネーションはお見事で、多くの人が言うほど悪いボクサーではない。

12月にサウジアラビアで予定されている井上尚弥とのビッグファイトも、多くの人が思っているほど一方的な試合にならないだろう。

もちろん、井上は108ポンドから122ポンドで圧倒的な強さを見せつけている稀有なファイター。私がこのスポーツに関わって52年が経つが、そんなことをやってのけたのはマニー・パッキャオを例外とすると井上だけだろう。

井上の試合のほとんどは接戦にもならない。ただ、彼が相手を叩きのめすだけ。

それでも、井上の対戦相手を振り返って名前がわかるのはノニト・ドネアくらい。

井上が、生粋の9ストーンであるニック・ボールまで叩きのめせるかどうか?私は、井上がドネアとの初戦に並ぶ激闘を強いられ、大番狂せが起きても私は驚かない。




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スティーブン・フルトンが番狂せでフェザー級王座をキャプチャーしたいま、ボールを「階級最弱王者」とは呼べない状況、つまりフェザー級シーンも液状化しています。

階級最強と目されるラファエル・エスピノサもロベイシ・ラミレスを大番狂せで破ってのしあがった126パウンダーで、誰に勝ったのか?となるとキューバの電車男だけ。

英国から聞こえてくる「ニック・ボールが階級最強」という声も、あながち笑えません。

ニック・ボールはエリートではありません。番狂せの下剋上で現在の地位を築いた、よく言えば英国のパックマンです。

さて、ニック・ボールを育てたThe Teacher、ポール・スティーブンソンはどんな人物なのでしょうか?

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