ESPN のAndreas Haleの記事から。

George Foreman was more than a boxing champion
century-of-champs-frame-foreman-224x300

1991年9月11日、まだ10代前半だった私は、父親と一緒にテレビで「イベンダー・ホリフィールドvsジョージ・フォアマン」を見ていた。

初めて見るジョージ・フォアマンは、父親から聞かされていた人物とは、あまりにもかけ離れた体型と容貌をしていた。

父親が語るフォアマンと、テレビに映っているフォアマンが全く一致しない、同じ人物とは思えなくてひどく混乱したことを覚えている。

父親は「歴史上最強のパンチャーでジャブまで速くて強烈だ」」と説明してくれた。

リングアナウンサーのマイケル・バッファーも「史上最も破壊力があるパンチャー」と紹介したが、私にとっては幼い頃から見ていたマイク・タイソンこそが最強であり、アリやフォアマンなんて過去の遺物、老人たちが昔を懐かしんでいるだけじゃないかと思っていた。

だから、私はバッファーが「ジョージ・フォアマン!」とコールした、赤いバスローブで257ポンドの肥満体を隠してコールを受けるハゲ頭の中年を見て「この人がフォアマンなの?」と父親に聞いた。

私はプロレスのハルク・ホーガンも好きだった。私の目に映ったフォアマンは、タイソンやホーガンがいつも簡単にぶっ飛ばしていた〝jobber(やられ役)〟以下の雑魚に見えた。

テレビでは解説者も「フォアマンが全盛期ならホリフィールドは何も出来ない」と決めつけていたが、90年代のボクサーにとって、70年代の強打者なんて話にならないと、私もまた決めつけていた。

アリやジョー・フレイジャーの名前も知っていたが、私にとっては昔話で、そんなグループに所属する年老いたフォアマンが現代ヘビー級最強のホリフィールドに挑戦するなんて無謀にもほどがあると思っていた。

全盛期のタイソンが一番強い。なぜなら、あんなに簡単に対戦相手を沈めるボクサーなんて見たことがなかったからだ。

あのタイソンがフォアマンの対戦要求から逃げ続けていることも、全く納得できなかった。老人をいじめるのが可哀想だから、逃げてるふりをしているだけだと、そんなふうにも思っていた。



フォアマンやアリ、フレイジャーもその目で見て、タイソンも知っている父親やバッファーや解説者たちがどうして「全盛期ならフォアマンが最強」なんて言うのかさっぱりわからなかった。

人間は最初に見たものを最強と思い込んでしまうのかもしれない…そう思ってハッとした。私の「最初」はタイソンだったのだ。そして、私はアリもフレイジャーもフォアマンも知らない。

しかし、父親たちはその両方をよく知っている…。