プロボクシングには、世界最高峰や本場の舞台、つまりメジャーが米国や英国に存在しないように思えます。

実際にジュニアフェザー級までの軽量級は日本が本場で、世界最高峰と言っても差し支えないでしょう。

軽量級は欧米では人気が低く、報酬も当然低く、大きな会場でメインを張ることはレアで、メガファイトではアンダーカードに組み込まれます。

しかし、軽量級でもジュニアライト級になると玉虫模様で、人気選手がいると、日本が本場とは到底言えない状況になります。

そして、ライト級以上になると米国と英国が世界最高峰で本場、日本で好き勝手できないゾーンになります。

ストロー級からジュニアライト級までがマイナー、ライト級からヘビー級までがメジャーというと気分を損ねる人がいるかもしれません。

しかし、日本を舞台とする軽量級よりも米国や英国に遥かに報酬が高くて華やかな舞台がある、そしてそれはライト級以上の世界ーーーそれは歴然とした事実です。

同じ世界王者でも、マイナー階級とメジャー階級ではファイトマネーが全く違うのが相場なのです。

他のスポーツでは体格の向上が明らかなのに、ボクシングだけが1970年代以前よりも退化、貧弱になっている大きな原因の一つは、そこから目を逸らしているからです。

ボクシングの世界にも米国に最高峰の舞台がある。しかし、それは軽量級とは関係がない…。

例えば、井上尚弥と中谷潤人のPFP対決、その勝者が世界中のボクシング専門家やコアなマニアから高く評価されるのは間違いありません。

では、日本人ファイターがPFPにも入らないIBFウエルター級王者ジャロン・エニスに完勝したなら?エニスでなくとも、階級最弱と見られるWBC王者マリオ・バリオスに勝ったら?

あるいは、カネロ・アルバレスやオレクサンデル・ウシクに勝ったなら?

日本人が好き勝手できないメジャー階級では、スター選手相手に凱旋するのもままならず、ラスベガスのT-モバイル・アリーナややニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンに引き止められ、ヤツらがタイトルを奪い返すまで日本に帰ることはなかなか許されないでしょう。

日本人がストロー級のオスカー・コラーゾやジュニアバンタム級のバム・ロドリゲスに勝つのとは、日本はもちろん世界でも全く違う反応を示すことになります。

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インターネットなど影も形もなかった、世界が広かった時代にリング誌はもちろん、スポーツ・イラストレイテッド誌でも特集された原田。


もちろん、エデル・ジョフレに2連勝したファイティング原田や、完全敵地でビセンテ・サンルディバルをKOした柴田国明が、専門家やボクシングのディープなファンから特別な尊敬を集め続けていることも歴然とした事実ですが、カジュアルなボクシングファンはジョフレすら知りません。

メジャーへの意識が希薄で、マイナーに引き込もっている日本ボクシング界で、メジャーに爪痕を残したファイターを振り返ってゆきます。