M1 GRAND-PRIXといっても、M1グランプリではありません。

こっちの「M」は漫才のMではなく、妄想のMなのです。

その妄想の舞台は、ボクシングのリングの中。

軽量級には世界的なスーパースターがいないと考えられがちですが、それは今だけの話。

歴史を紐解けば数は少ないものの〝奴ら〟はフライ級にもバンタム級にもフェザー級にも生息していました。

それどころか、ストロー級やジュニアフライ級、ジュニアバンタム級、ジュニアフェザー級という水増し階級にすら〝彼ら〟は確かに息づいていたのです。

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1920〜30年代にかけてフランス・パリを舞台に活躍した世界バンタム級王者〝Kid Theophilo(神に愛されし子)〟パナマ・アル・ブラウンは詩人ジャン・コクトーとの同性愛や、ココ・シャネルがスポンサーという伝説の中の伝説。

当時もヘビー級は別格でしたが、プロスポーツとしてのボクシングの社会的ステイタスは現代では考えられないほど高く、地球上に8人しかいない世界王者の価値は絶大でした。


さて。と。

Kid Theophiloの時代から100年。ボクシングは落ちぶれ、軽量級はその名の通りに存在感がどんどん軽薄になっています。

もしもの話です。

日本人ファイターが全盛期の〝彼ら〟を圧倒してノックアウトしていたなら…?

ビッグイフどころではない、メガビッグなイフ、妄想を、ここだけでこっそり現実にしようじゃありませんか。

スティーブン・フルトンが2階級制覇の強豪王者とか、ダビド・クエジャルが最強指名挑戦者とか、そんな景気の悪い話は暫く忘れて、思いっきりの妄想に身を任せましょうか。