今夜の有明アリーナ。

赤井英五郎が番狂せに泣き、那須川天心が空転(というと可哀想か?)、堤聖也と比嘉大吾はThis is BOXINGを体現、中谷潤人も期待を大きく上回るスペクタルを見せてくれました。

〝ビッグバン〟中谷が破壊したダビド・クエジャルは、リング誌ランキングで8位評価を受ける本物の世界ランカーでした。

中谷に惨敗してもクエジャルのランクは8位のまま。軽量級の層が薄いということを差し引いても、中谷の評価の高さが窺える事実です。

さて、今夜から始まるお話の主人公はクエジャルでも中谷でもありません。

リング誌バンタム級ランキングで10位に入っている、ハビエル・シントロンです。

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2019年12月31日、大田区総合体育館。

重岡兄弟が出場するワタナベジムの主催興行でしたが、主役は井岡一翔。

当時30歳のWBOジュニアバンタム級王者が初防衛戦に迎えたのは、24歳のハビエル・シントロン。

Perrito(子犬)と渾名されるプエルトリカンで、このときの戦績は11戦全勝5KO無敗。

同じ年の5月に伊藤雅雪がジャメル・へリングにWBOジュニアライト級のタイトルを奪われたフロリダ州キスミーのイベントでセミファイナルをつとめたシントロンは、江藤光喜に幻の初回KO負け(ノーコンテスト)を喫しながら、再戦でしっかり雪辱、この日を迎えていました。

2016年のロンドン2012、リオデジャネイロ2016と2大会連続で五輪に出場したプエルトリコのホープ。

PerritoはWBO1位で指名挑戦者として東京に乗り込んできたのです。

しかし、結果は4階級制覇王者の経験と技巧の前にUDで判定負け。

試合後のロッカールームでは「井岡は経験豊かな王者だった。多くのことを学んだ」と語っていたシントロンでしたが…。

失意のホープは、なんと4年6ヶ月余りもリングを離れてしまうのです。

ホープは30歳になり、階級はバンタム級へ。

そして、再び世界戦線に浮上してきました。